セルビアの9回目とルーマニアの1回目
ゼアミdeワールド287回目の放送、日曜夜10時にありました。12月1日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は2曲目まで動画を入れました。
今回はセルビアの9回目とルーマニアの1回目にしたいと思います。ヴラフ関連という事でアルーマニアの音源の話もしていましたが、この盤はルーマニア南東部ドブロジャ地方での録音ですので、次回取り上げる予定です。
セルビアの音楽のラスト9回目とルーマニアの1回目にしようと思ったのは、前回かけたSveti Savaの演奏は、曲によってタラフ・ドゥ・ハイドゥークスなどルーマニア南部ワラキア地方のジプシー音楽に似ていると思ったからです。と言う訳で、3月から続いていた旧ユーゴ諸国の音楽巡りは、今回で最後になります。
セルビアとルーマニアの伝統音楽で明確に違うのは、セルビアでは変拍子と合唱がある点だと思います。ルーマニアでは変拍子はない代わりに、東欧一と言われるほどの高速で演奏されることも多いです。タラフのライヴで「ひばり」を聞いた方は納得されると思います。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのようなワラキアのジプシー音楽は地理的な近さからか、似ている部分が色々見つかるように思います。
バルカン・ブラスの影に隠れて日本では知られてないように思いますが、ブラス以外のセルビアの民族音楽グループの演奏力も相当なものだと思います。まずはスヴェティ・サヴァの演奏から、Vesele Sopske Igreという曲をおかけします。
<Sveti Sava / Vesele Sopske Igre 4分45秒>
次にタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの「魔法の馬の帰還」と言う曲をおかけしますが、私がタラフを聞いていて特にワクワクする曲の一つです。
<Taraf De Haidouks / Band of Gypsies ~The Return Of Magic Horse 5分2秒>
もう一枚のARC盤のFolk Dance Ensemble Vilaの演奏にはVisocko koloと言う曲がありまして、これもルーマニアの音楽に似た一面が聞こえました。
<Folk Dance Ensemble Vila / Visocko kolo 2分43秒>
縦笛フルーラと思われる笛の諧謔味を帯びた演奏でしたが、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの演奏ならゲオルゲ・ファルカルが縦笛を吹いているBrîu(ブルウ)と言う曲がそっくりで、この曲はゲオルゲ・ザンフィルのパンパイプ演奏では「オルテニアの踊り」と紹介されていました。
<Taraf de Haïdouks / Honourable Brigands, Magic Horses & The Evil Eye ~Brîu 2分4秒>
セルビア東部のヴラフ人の葬儀の音源に、Padura, Sora Paduraと言うバラードがありまして、2回前にかけましたが、この曲は「森、姉妹の森」のような意味でした。埋葬後に故人の家で歌われるということでしたが、そっくりなタイトルの曲がタラフ・ドゥ・ハイドゥークスにもありまして、こちらはラヴソングと言う解説になっています。曲名はPadure Verde, Padureで、やはり「緑の森、森」のような意味です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの2000年頃の来日の際は、長老の一人だったカクリカがツィンバロム弾き語りでエモーショナルな歌声を聞かせています。彼は88年にオコラから出ていた「ワラキアのジプシー音楽」でニコラエ・ネアクシュやイオン・マノレと一緒に名を連ねています。3人とも故人になってしまいました。長いので、途中までおかけします。
<Taraf de Haïdouks / Dumbala Dumba ~Padure Verde, Padure 7分1秒>
では最後にセルビアの民族音楽グループ、スヴェティ・サヴァの演奏でSplet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbijeという曲を時間まで聞きながらお別れです。セルビアの中部と西部の音楽のようですが、この曲もルーマニア音楽に似て聞こえる部分があるように思いました。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<Sveti Sava / Splet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbije 6分27秒>
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