ヴラフの装飾技巧 ウングレアンカ他
細かくトリルをかけているのだろうと思いますが、ウングレアンカのフィドリングは独特です。トリルと言うより、コブシのようになって旋律に一体化している感じです。演奏している動画があれば見たいものですが、なさそうです。この曲は東セルビアのヴラフとルーマニアに共通するのか、またルーマニアに回ったらそちらの音源で探してみようかと思いますが、すぐに出てきた2本目は全く違うタイプの曲でした。
今回放送でかけた「楽園の蝋燭」前半の音源7曲で、他に特に気になるのはDor, Dorituleです。やはり細かい揺れのような装飾技巧が耳に残ります。4本目はAuvidis Ethnicの音源のようですが、こちらはバグパイプでの演奏。よく聞くと同じ曲かなと思いました。(以下放送原稿を再度)
ヴラフ人に伝わるダンス音楽は非常に豊富で、編成もフィドル、フルーラ、バグパイプ、ブラスバンドなどのいずれかがフィーチャーされた演奏が多いようです。まずは前回オープニングに少しだけ流したフィドルのUngureancaからおかけします。独特なしゃがれたような音色には、トランシルヴァニアのフィドルに近い印象を持ちます。
<1 Ungureanca 2分35秒>
Ungureanca / Dance from Timok area
Ungureanca
牧畜生活の部では、フルーラの独奏とバグパイプが入っていますが、フリーリズムで装飾豊かに演奏されるフルーラ独奏の方をおかけします。「吸血鬼を追い払う曲」と並べてじっくり装飾技巧を聞き比べてみたい演奏です。
<7 Dor, Doritule 1分56秒>
Dor, doriţule - Lexa Fluieraşul (satul Osnicea)
Dor, Doritule
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