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2022年2月28日 (月)

イオン・ドラゴイとトニ・イオルダッケ

ゼアミdeワールド299回目の放送、日曜夜10時にありました。2日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画はトニ・イオルダッケのCalusul他3曲だけにしておきます。

ルーマニアの音楽の12回目になります。今回はルーマニアElectrecordから出ている職業楽士ラウタルの音源から、1970年代にゲオルゲ・ザンフィルのグループにいたヴァイオリンのイオン・ドラゴイと、ツィンバロムのトニ・イオルダッケの音源をご紹介したいと思います。

まずはイオン・ドラゴイからですが、「この人は1928年モルドヴァのバカウ生まれ、60歳で亡くなった往年の名フィドラーで、東部のモルドヴァらしい心地よい快速と細かい装飾テクニックを駆使。かつモルドヴァらしい明朗快活な諧謔味と郷愁が混在。」と、ゼアミHPのコメントに書いておりました。ラウタルにはジプシー以外も多いですが、彼はジプシーかどうか不明でした。恐るべき速弾きの人ですが、タラフのカリウよりも音がきれいなように思います。ルーマニア東北部のモルダヴィア地方はモルドヴァとも呼ばれ、逆に旧ソ連のモルドヴァ共和国はモルダヴィアと呼ばれることもあったので、非常にややこしいです。
今日の音源ですが、全て現物は売り切れてないので、iPhoneからの音出しになります。イオン・ドラゴイは5曲続けておかけしますが、快活なBarladeancaと、メロディの美しいCA La Nunta La Bacau(バカウの結婚式?)に続く3曲目のSarba De La Izvoareはユダヤのクレズマーに似た感じに聞こえます。次のHangul De La Parinceaでは、タラゴトのように聞こえる管楽器との掛け合いが聞きものです。5曲目のクンテク・バトルネスクとは、タラフでも出てきた通りバラードのような意味ですが、パンパイプから入って、そこにヴァイオリンが加わったドイナに聞こえます。

<Ion Dragoi / Barladeanca 2分10秒>
<Ion Dragoi / CA La Nunta La Bacau 3分19秒>
<Ion Dragoi / Sarba De La Izvoare 2分39秒>
<Ion Dragoi / Hangul De La Parincea 1分57秒>
<Ion Dragoi / Cantec Batranesc 4分6秒>

トニ・イオルダッケについては「東欧を代表する打弦楽器ツィンバロムの名手で、1942年に同楽器奏者の息子として生まれたトニは、4歳でツィンバロムを始め、12歳の時にはすでにルーマニアのテレビ、ラジオで演奏家として活動していた天才。1970年にはザンフィルのスモール・フォーク・グループにも参加、名実ともにトップ・ツィンバロム奏者となりました。しかし1987年に惜しまれつつ亡くなったそうです。」とゼアミHPのコメントに書いておりました。
エレクトレコードから2枚ありましたが、Vol.1の1曲目、Calusulはナディア・コマネチが70年代に床運動で使っていた曲です。ルーマニアン・ダンスの典型のようなイメージの曲ですが、この曲から始めまして、エキゾチックなGeamparalele De La Babadagをその次におかけします。ジャムパラーレとは黒海沿岸のドブロジャ地方の舞曲で、この地方にはオスマン帝国時代からタタール、トルコ、ブルガリアの音楽文化が色濃く残っているため、ルーマニアの他の地方のダンスとは大きく異なります。放送ではかけませんでしたが、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスもジャムパラーレを何曲か演奏していました。その次のMandruto, De Dorul Tauについては、やはりコマネチが床運動に使っていた1930年代ルーマニアの有名な歌、Johnnie is the boy for meにそっくりに聞こえる美しい短調の旋律です。Johnnie is the boy for meの原題はSanie cu zurgălăiと言います。ルーマニア音楽の音源より先に、イスラエル・ゾハルのクレズマー・クラリネットの演奏で90年代に偶然聞けた曲でした。

<Toni Iordache / Calusul 2分26秒>

<Toni Iordache / Geamparalele De La Babadag 1分42秒>

<Toni Iordache / Mandruto, De Dorul Tau 2分53秒>

では最後にトニ・イオルダッケの楽団の演奏で、Canta Cucul Primavara(カッコウが春を歌う?)を時間まで聞きながら今回はお別れです。この曲も美しい短調の旋律ですが、春が待ち遠しいこの季節にぴったりだと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Toni Iordache / Canta Cucul Primavara 2分7秒>

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