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2022年3月17日 (木)

タラゴトとクラリネット

クラリネットにそっくりに見えるタラゴトは、どこがどう違うのか、タラゴト(あるいはタロガト)の現物を見たことがないので、よく分かりませんが、音色はより柔らかく感じます。調べてみましたら、クラリネットのルーツは17世紀以前のフランスの古楽器シャリュモーにあるとされるのに対し、タラゴトは少なくとも15世紀に遡り、オスマン・トルコのズルナの流れを汲んでいるようですから、音色と今の形は似ていても、ルーツが全く異なるという事になります。18世紀頃まで、タラゴトはダブルリードの一種のショームで、円錐形の穴があり、キーはなかったそうです。ですからクラリネットに似た構造に、その後変わったということでしょう。タラゴトの少し末広がりの形はショームの流れを感じますから、もしかしたらクラリネットのようにパーツに分解できないのかも知れません。しかし現在のリードは、おそらくクラリネットと同じシングルリードだと思います。
ルーマニアとハンガリーのみで見られる民族クラリネットのタラゴトで特に有名な奏者が、今回番組でかけたドゥミトル・ファルカシュで、西側の英ARCなどからもCDがありました。タラゴトはルーマニアでは西部のBANAT地方で特に盛んと言うことですから、シュトロー・ヴァイオリンとエリアが近いです。ドゥミトル・ファルカシュは、もっと北のマラムレシュ出身だそうです。
動画がありましたので、番組でかけた曲の前に2本上げておきます。1本目はエネスコのルーマニア狂詩曲第1番に始まります。2本目はドイナです。(以下放送原稿を再度)

Dumitru Farcas

Dumitru Farcas - Doina

19曲目「ツァラ・モツィロール」は、ルーマニアとハンガリーの民族クラリネットのタラゴトの名手ドゥミトル・ファルカシュのソロ。柔らかいビブラートが印象的な、一種の西カルパチア民族組曲。

<19 Dumitru Fărcaş / Suită Din Țara Moților 5分41秒>

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