エネスコの「無伴奏ヴァイオリンのソナタとパルティータ」
エネスコの弾くJ.Sバッハの「無伴奏ヴァイオリンのソナタとパルティータ」は、LPでは数十万の値段が付いていたことがあるそうです。録音は有名な1948年のものと、1920年代にもあるそうですが、後者は残念ながら未聴。高値が付いていたのは前者でしょうか。今回の放送ではラストにかけて、残念ながら時間が足りずフェイドアウトしました。このような名曲をフェイドアウトはしたくなかったので、5月1日と4日の放送分では、シャコンヌと併せてノーカットでかけようと思います。今日は1949年の貴重なライブ録音がありましたので、そちらで上げておきます。(以下放送原稿を再度)
ジョルジュ・エネスコは、作曲家としてはルーマニアの伝統音楽を常に重視していましたが、演奏家としてはフリッツ・クライスラーやジャック・ティボーと共に20世紀前半の三大ヴァイオリニストの一人とされています。1920年代半ばからはヴァイオリン教師としても知られ、門下にユーディ・メニューイン、アルテュール・グリュミオー、クリスチャン・フェラス、イヴリー・ギトリスなど錚々たる名手がいます。
バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」については、ヴァイオリニストとしておそらく最も早い時期から注目し、実演・録音ともに語り継がれる名演を残しています。1948年頃の全曲録音の2枚組から、一番有名なパルティータ2番のシャコンヌは時間がかかりますので、番組の残り時間で出来るだけ長くかけられるソナタ1番のフーガを時間まで聞きながら今回はお別れです。80年代にアイダ・カヴァフィアンの生演奏で聞いてから、特に忘れられない曲の一つです。確かアンサンブル・タッシのメンバーとの来日公演でのアンコール演奏でした。
George Enescu plays live encore, rare 1949: Bach G Minor Fugue
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