ダブルトーンのブルウ、オルトのドイナ、「葬儀:雄鶏」
今週の番組でかけた音源は他には、笛のブルウ、クリスマスのコリンダ、オルト地方のドイナ、Ritual funebru: Cocosdaiul「葬儀:雄鶏」辺りですが、10曲目のハンガリー系の弦楽器のダンス音楽と昨日の女性の掛け声のように、現代も引き継がれているのは他にはコリンダくらいかも知れません。ブルウはロマの楽士が伝えているかも知れませんが、ダブルトーンでは聞いた記憶がありません。その笛の演奏と、個人的にとても興味深く思ったのは20曲目と31曲目ですので、この3曲を上げておきます。ワラキア西部のオルテニアとトランシルヴァニアのオルトが別の場所と言うのは、この盤で知ったことですが、共にオルト川で繋がっています。(以下放送原稿を再度)
8曲目はルーマニアに入ってからタラフなどの演奏で度々出てきたブルウですが、縦笛を吹きながら声も入るダブルトーン奏法です。8曲目から11曲目まではジョク(舞踊曲)が続きます。
<8 Joc: Briul 1分3秒>
20曲目にドイナが入っていますが、この歌はワラキア西部のオルテニアのスタイルのドイナで、このタイプはトランシルヴァニアのオルト地方では珍しいようです。おそらくカルパチア山脈を越えて移牧してきた羊飼いが伝えたのだろうと推測されています。
<20 Doina: "In padure duce-m-oi" 1分29秒>
31曲目のRitual funebru: Cocosdaiulは「葬儀:雄鶏」と訳せるようで、このタイトルは数回前にムジカーシュでかけたSzól A Kakas Márを思い出させます。関係はありやなしや、気になります。厳粛な雰囲気が女声合唱から伝わってきます。
<31 Ritual funebru: Cocosdaiul 1分51秒>
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