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2022年6月13日 (月)

ファンファーレ・チョカリアのバロ・ビアオ

ゼアミdeワールド313回目の放送、日曜夜10時にありました。15日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は1,3,4曲目まで入れました。

ルーマニアの音楽の25回目になります。今回はルーマニア東北部モルダヴィア地方のジプシー・ブラスのグループ、ファンファーレ・チョカリアの2000年リリースの盤「バロ・ビアオ」からご紹介します。何度も来日して大都市圏のファンの間ではお馴染みのグループですが、手元に資料が残っていたのはバロ・ビアオでしたから、この盤から始めます。他の盤もストリーミングでかけることは可能です。一応、今回と次回の2回を予定しています。

このグループの音源は、仏Budaから1996年に出た「ゼチェ・プラジーニ村のブラス・バンド [ルーマニア音楽集成第2集]」で一部の民族音楽リスナーには知られていましたが、その同じ年に現地を訪れたドイツ人プロデューサーHenry Ernstに「再発見」され、バンド名は「ファンファーレ・チョカルリア」と名付けられ、最初の盤「ラジオ・パシュカニ」がドイツのPiranha(ピラニア)から1998年に出ました。クレズマティクスなどの名盤の出ているレーベルです。

映画「アンダーグラウンド」で火が付いていたバルカン・ブラス・ブームを更に盛り上げたグループですが、ユーゴのブラス音楽と大きく異なっていたのは、更に上を行く超高速のジプシー音楽で、曲名にもルーマニアの舞踊曲のスルバやホラから、ドイナまで登場する点です。最初聞いた時は、どうしてこんなに速く吹けるのか、耳を疑いました。

旧ユーゴ諸国やブルガリアなどバルカン半島の他の国に残るブラス・バンドと同様に、モルダヴィアのブラスも、バルカンまで進出して来ていたオスマン・トルコの軍楽隊に由来すると言われています。ファンファーレ・チョカルリアの楽器構成はトランペット、テノールホルン、ドイツ式のバリトン、チューバ(ヘリコン helicon)、クラリネット、サクソフォーン、バスドラム、パーカッションです。

では早速簡単に曲の紹介を入れながら続けます。彼らをヨーロッパに紹介するプロジェクトのマネージメント・オフィス名と同じ、アスファルト・タンゴからこの盤は始まります。

<1 Asfalt Tango 6分13秒>

3曲目は極めて速い8分の6拍子が特徴的なスルバで、裏打ちリズムも正確に刻んでいます。

<3 Sirba De La Lasi 1分41秒>

4曲目は「修道院のホラ」で、比較的ゆっくり目のテンポです。

<4 Hora De La Monastirea 1分48秒>

8曲目のチガネアスカは、前半がどこかクレズマー風、テンポの上がる後半はジプシー・スタイルになると言う構成です。

<8 Tiganeasca 1分59秒>

9曲目はゆったりフリーリズムのドイナとテンポアップする歌(クンテク)から成っています。

<9 Doina Si Cintec 3分23秒>

12曲目の「タリツァのメロディ」のタリツァとは、モルダヴィア地方で有名な年老いたサックス奏者のことで、彼に捧げられているとのこと。やはりクレズマーに酷似した曲です。

<12 Piece de Tarita 3分3秒>

15曲目に飛びまして、Sirba Fluierateとは、フルイエル奏者のスルバのような意味でしょうか。解説では「スルバ・ホイッスル」となっています。ホーンセクションの音は、オスマン軍楽に少し似て聞こえます。

<15 Sirba Fluierate 2分30秒>

13曲目は国内盤に「はかないこの世」と訳がありまして、ラドゥレスク・ラザールが味のある印象的な歌を聞かせています。ゆったりとしたホラです。この曲を聞きながら今回はお別れです。次回は後半の数曲と、彼らの他の盤の同名曲聞き比べもしてみたいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<13 Lume, lume si Hora 6分52秒>

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