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2022年6月 8日 (水)

モルダヴィアとオルテニアのドイナとボチェッツ

今日は今週の放送でかけたモルダヴィアのドイナと、オルテニア(ルンク)のドイナとボチェッツを並べてみます。モルダヴィアとオルテニアは、ルーマニアの東西の両端と言って良いほど離れています。節の違いは十分に感じられると思います。しかし、この類の歌は現在も残っているのでしょうか。あったとしても「伝統を復元しました」感がありありの歌唱かも知れません。普段の生活の中にこういう「歌」があった頃の記録という事で、やはり大変に貴重です。とりわけボチェッツは沁みる歌唱です。因みに「泣き女(Bocitoare)」は、現在も若干いらっしゃるそうです。加えて、うちのカフェの常連の方から聞いた話では、「泣き女」はアフリカなどにもいるそうです。(以下放送原稿を再度)

モルダヴィア編の4,5曲目は女性独唱のドイナで、これは現在の「フリーリズムの哀歌」のイメージに近いと思います。5曲目の方をおかけします。古典的なブコヴィナのドイナだそうです。ブコヴィナはモルダヴィア北部からウクライナ西部にかけての地方名です。

<5 Doina: "Mindra florae-i noroscu 1分59秒>

モルダヴィア編の前に、ワラキア西部のオルテニア編後半のルンクでの録音から3曲だけおかけしておきます。オルテニア編はゴルジとルンクと言う2つの場所での録音で、前回かけた曲は全てゴルジ側でした。13曲目からのルンクでの後半11曲は、やはり様々なドイナに始まり、踊り歌、結婚式の歌、ボチェッツなどが続きます。ドイナは、現在のドイナとは全く印象が異なり、日本の民謡にも近い旋律に聞こえます。13曲目のドイナと15曲目の「ハイドゥークのドイナ」の2曲を続けます。

<13 Doina , Cine N-Are Nici Un Dor 2分31秒>

<15 Doina De Haiducie 1分34秒>

ルンクでの音源の最後23曲目には、葬儀での哀歌Bocetが入っています。M大のK先生から昔のルーマニアには葬儀に雇われる「泣き女(Bocitoare)」がいたとご教示いただきまして、前々回のトランシルヴァニア編のボチェッツで妙に淡々と歌っているという謎が解けたように思いました。しかし、音の動きが少ない節回しが十分に物悲しさを漂わせ、この歌では亡き兄への思慕を感じさせます。様式化されたシンプルな旋律の妙が聞けます。

<23 Bocet 1分49秒>

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