« 青森のねぶたと弘前のねぷた2022 | トップページ | ハイドンのピアノトリオ ハンガリー風 »

2022年8月22日 (月)

ジプシー風ハイドン

ゼアミdeワールド323回目の放送、日曜夜10時にありました。24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は取り合えずジェレム・ジェレムと鳥のみです。

ハンガリー音楽の4回目になります。今回はM大学のK先生から教えて頂いたHaydn alla Zingareseと言う盤をおかけします。タイトルはイタリア語で、ジプシー風ハイドンと訳せるでしょうか。これまでに19世紀のチャールダーシュなどは少しおかけしましたが、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが活躍した18世紀にもジプシー音楽家から影響を受けた音楽があって、何とハイドンの有名な作品の主に終楽章のロンドに出てきていることを明らかにしています。19世紀のブラームスやリストなどの作品のように、ほとんどジプシー音楽そのものではありませんが、よく聞くとハイドンなりに作品に織り込まれています。
当時はハプスブルク家の神聖ローマ帝国からオーストリア帝国の時代で、1867年にはオーストリア=ハンガリー帝国に至ります。首都のウィーンは今でいえば、ニューヨークのような多民族の住む国際的な都市でした。ドイツ・オーストリア系の音楽を中心に、周辺のハンガリー、スロヴァキアや、もちろんジプシーなどの音楽も近くに存在していた時代で、それらが複雑に交じり合う状況もあったようです。そんな中で生まれたのがチャールダーシュの前身のヴェルブンコシュで、ハイドンが活躍した時代はその前後と言うことになるようで、既にジプシーの楽士が魅力的な調べを奏でていたようです。
この盤は、ジプシーの音楽に魅了されていたと言う当時のハイドンの視点に立って、今はスロヴァキアですが昔はハンガリー領だったブラティスラヴァのジプシー音楽家と、現代オーストリアのクラシック音楽家が共演した盤で、クラシック側の中心は、鬼才フリードリッヒ・グルダの息子のパウル・グルダです。父と同じくピアニストですが、この刺激的で型破りな姿勢は父譲りと言えるでしょう。演奏者はピアノのPaul Guldaのバックは弦楽四重奏で、ヴァイオリンがアレクサンダー・ホーエンタール、カルステン・ノイマン、ヴィオラがイェンセン・ラム、チェロはマルガレーテ・デッペです。ジプシー楽団の方はRobo Gaspar Banda(ロボ・ガシュパル楽団)です。打弦楽器ツィンバロムの音色がやはり特徴的です。

まずは2曲目のジェレム・ジェレムをおかけしますが、これまでにマケドニアのエスマの歌唱などで何度か登場したジプシーのアンセムのような曲です。「長い長い道を歩いていた」と言う邦題が付いています。

<2 Gelem, gelem lungone dromeja (I Have Gone A Long Way) (arr. R. Gaspar) 5分58秒>

ハンガリーのジプシー音楽を先にかけようかと思いますが、8曲目はビハリの作ったチャールダーシュ「無一文になって」と言う曲です。

<8 Mikor a penze elfogyott (All the Money Spent) 4分40秒>

面白いサンプルとして5,6曲目では「ピアノのためのモデラートとアレグロ」を言う曲をピアノ独奏の原曲に続いて、ガシュパルの楽団がジプシー音楽風に演奏しています。2曲続けておかけします。

<5 Moderato-allegro (arr. F.P. Rigler for piano) 2分11秒>
<6 Moderato-allegro (arr. F.P. Rigler for chamber ensemble)  2分7秒>

ハイドンの曲そのものは17曲中6曲ほど入っていますが、ジプシー音楽の影響の垣間見える部分が短調の部分に聞き取れる弦楽四重奏曲第39番「鳥」の終楽章が、放送時間にも収まってコンパクトで分かり易いので、こちらをおかけします。ハンガリー舞曲風のロンドで、途中にトルコ行進曲風の部分も現れると言うことですので、長調の部分がハンガリー舞曲、短調の部分はトルコ行進曲風かも知れません。

<13 String Quartet No. 32 in C major, Op. 33, No. 3, Hob.III:39, "The Bird": IV. Rondo: Presto 2分48秒>

では最後に11曲目の「ガランタ地方の踊りを4つ」と言う曲を聞きながら今回はお別れです。ガランタと言えば、コダーイのガランタ舞曲をすぐさま思い出します。
「ブダペスト・フィルハーモニー協会創立80周年を記念して作曲。コダーイはここで、ほとんど忘れられていた古いマジャール人の新兵募集の踊り「ヴェルブンコシュ」(Verbunkos)を復活させた。」と言う曲でした。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<11 Galantai Tancok (4 Dances from Galanta) (arr. P. Gulda) 8分1秒>

|

« 青森のねぶたと弘前のねぷた2022 | トップページ | ハイドンのピアノトリオ ハンガリー風 »

ハンガリー」カテゴリの記事

ゼアミdeワールド」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 青森のねぶたと弘前のねぷた2022 | トップページ | ハイドンのピアノトリオ ハンガリー風 »