« 2022年10月 | トップページ | 2022年12月 »

2022年11月

2022年11月30日 (水)

「翔べよ、孔雀よ」のメンゲルベルク初演録音

月曜に原曲の民謡をかけましたが、5音音階(ペンタトニック)のハンガリー民謡の象徴的な歌として特によく知られている「翔べよ、孔雀よ」は、コダーイが管弦楽の変奏曲を書いています。初演は1939年11月23日にウィレム・メンゲルベルク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団で、今日のYouTubeはその世界初演ライヴです。この曲は、かつてオスマン帝国の支配下に置かれたマジャール人を囚人になぞらえ、彼らの自由への情熱を歌った曲です。番組では主題と第1~第6変奏をかけましたが、大分前に入手したぶつ切れの音源で演奏者は不明になってしまっている上に、すぐ後の民謡音源の頭がどうしても上手くカットできず一瞬流れてしまいました。(余談ですが、私はメンゲルベルクと言えば、アルトのアリアで聴衆の啜り泣きが聞こえると言う、あのバッハのマタイ受難曲をどうしても思い出してしまいます)

Kodály Variations on a Hungarian Folksong "Fölszállott a páva"(1939 rec)


| | コメント (0)

2022年11月28日 (月)

ハンガリーの5音音階の民謡「翔べよ、孔雀よ」

ゼアミdeワールド336回目の放送、日曜夜10時にありました。30日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の「翔べよ、孔雀よ」(Röpülj páva, röpülj)の動画ですが、フンガロトンの「バルトークとコダーイの採集したハンガリー民謡と彼等の作品」に入っているようですが、「Listen, My Hungarians: A Survey of Hungarian Folk Music」と同じ音源でした。

ハンガリー音楽の16回目になります。農村のジプシー音楽は一まず終えまして、次はウラル系民族由来のハンガリーの音楽に移ります。
ハンガリーの伝統音楽は、クラシック作品がよく知られているのもあって都会に住むジプシーの職業楽士の音楽が特に有名ですが、前回まで3回取り上げたような真のジプシー音楽が別にありました。更にはハンガリー人またはマジャール人の5音音階が特徴的な民謡もありまして、その存在と3つの区別を明らかにしたのがバルトークやコダーイの研究で、彼らの作品の中にマジャール民謡が引用された曲もあります。
ウラル系民族については、この番組が始まって間もないころにロシア連邦のヴォルガ河中流域のアジア系民族の音楽を集中的に取り上げましたが、主にウラル系とテュルク系の少数民族がいる中で、ウラル系の中のフィン・ウゴル語族に属するマジャール人は、フィン・ヴォルガ諸語に属するマリ語を話すマリ人(旧称チェレミス)の民謡との類似性が注目されていました。5音音階の存在までは共通していますが、5度下で同じ旋律を繰り返すテラス式構造の存在がチェレミスには確認できなかったという事で、直接のルーツ説を否定する研究もありますが、5音音階と言う点では似ているのは確かです。言語的にはハンガリー語は西シベリアのウラル系民族のハンティ・マンシに近いと言う指摘も何度かブログでして来ました。

音源については、フンガロトンから「バルトークとコダーイの採集したハンガリー民謡と彼等の作品」と「コダーイが採集したハンガリー民謡(2CD)」と言う2セットの蝋管録音の貴重な音源が復刻され、ハンガリーFonoからは「ハンガリーの民族音楽(10CD)」と言う膨大なアーカイヴが出ています。フンガロトンの2枚は90年代の内に残念ながら売り切れてしまいましたが、それより前に同じフンガロトンから出ていた「Listen, My Hungarians: A Survey of Hungarian Folk Music ~ Hallgassatok Meg, Magyarim」と言うハンガリー民謡を概観する2枚組と、ハンガリーFono「ハンガリーの民族音楽(10CD)」は手元にありますので、主にこの二つからご紹介したいと思います。

まずは「Listen, My Hungarians Hallgassatok Meg, Magyarim」ですが、1907~93年に録音された音源の集成の中では、5音音階のマジャール民謡はむしろ少数のようで、農村ジプシーの音楽や、エルデーイ(トランシルヴァニア)の古いハンガリー音楽も目立ちます。

1枚目の8曲目に5音音階(ペンタトニック)のハンガリー民謡の象徴的な歌として特によく知られている「翔べよ、孔雀よ」(Röpülj páva, röpülj)が入っていますので、こちらからおかけします。この曲は、かつてオスマン帝国の支配下に置かれたマジャール人を囚人になぞらえ、彼らの自由への情熱を歌った曲です。1936年の録音です。

<8 Fly, peacock, fly (Prisoner's song) 41秒>
Röpülj páva, röpülj (Fly peacock, fly!) , folk song

次にこの2枚組から離れますが、先程の「翔べよ、孔雀よ」による管弦楽の変奏曲をコダーイが書いていますので、その主題と第1~第6変奏をおかけします。大分前に入手した音源で演奏者は不明になってしまいました。

<ゾルタン・コダーイ / ハンガリー民謡「翔べよ、孔雀よ」による変奏曲 6分33秒>

1枚目の22曲目には、バルトークがピアノ作品に用いたことで知られる男性の独唱が入っています。この曲に続いて23曲目の器楽合奏にも同じ旋律が出てきますので、2曲続けます。1936年と1968年の録音です。

<22 Domotorfy Janos "Nagy" / Hey, the wind's blowing from the Danube (Lyrical song) 41秒>
<23 Orsos Janos & his group / Leaping dance tunes (Instrumental group) 2分57秒>

先程の曲を原曲とするバルトーク作品を次におかけします。ピアノのための即興曲の第4曲目です。ピアノ独奏はゾルタン・コチシュです。

<28 8 Improvisations On Hungarian Peasant Songs, (, Op. 20) Sz. 74 (BB 83): IV. Allegretto Scherzando 40秒>

2枚組に戻りまして、1枚目の1,2曲目はバルトークが1907年に録音した蝋管録音が入っていますので、続けておかけします。

<1 Swineherd of Csor, what are you cooking (Swineherd's song) 31秒>
<2 Swineherd's dance from Urög 28秒>

2曲目の縦笛フルヤの曲は、バルトークがピアノ曲に引用していますので、その曲を次におかけします。「子供のために」の40曲目で、先ほどと同じくピアノ独奏はゾルタン・コチシュです。

<13 For Children, BB 53, Sz. 42: No. 40 Allegro Vivace 1分40秒>

1枚目のハンガリーの中央部トランスダヌービア編はバルトークの録音から始まりましたが、2枚目のエルデーイ(英語ではトランシルヴァニア)~ブコヴィナ編はコダーイの録音から始まっています。その1912年録音の5音音階の古い叙情歌をおかけします。

<2-1 Vaszi Gyorgy Vancsa / Azhol en elmenyek (Wherever I go) 49秒>

この2枚組はそれぞれ40、50曲余りずつ入っていて、とても全てはかけられませんので、2枚目から2曲選んでみました。16曲目はトランシルヴァニアの叙情歌で、5音音階の鄙びた美しい歌です。トランシルヴァニア在住の有名なハンガリー人民族音楽学者ゾルタン・カーロシュの1963年録音です。

<2-16 Szasz Etelka Balla / A marosi fuzes alatt (Down by the sally gardens of Maros) 2分10秒>

2枚目の後半は現在はルーマニア領のジメシュとモルドヴァ地方の歌に移ります。31曲目は1954年録音のクリスマスの歌ですが、この旋律は、最近のハンガリー・トラッドの女性歌手の誰かの歌唱で聞き覚えがあります。
もし時間が余りましたら、5音音階の曲も出てくるバルトークのピアノ曲「15のハンガリー農民歌」の抜粋の自作自演まで聞きながら今回はお別れです。
今回取り上げた地方にもまだまだ注目の音源がありますし、1枚目のハンガリーの中央部トランスダヌービア編の後には、北部とハンガリー大平原の音源もありますので、また次回以降に取り上げる予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<31 Fazakas Ilona Simon / En felkelek jo regvel, hajnalba (I have got up at dawn) 3分55秒>

| | コメント (0)

2022年11月25日 (金)

Robija, Robija

チェニイェテ村の音源でかけたRobija, Robijaと言う曲、有名なジプシー民謡のようで、幾つかYouTubeがありました。メセラキ・ディリは物悲しい歌が多いのですが、ロマ語タイトルの英訳Captivity, Captivityを訳せば「捕われの身、捕われの身」ですから、正にジプシーの深い悲しみそのものを表現した歌のようです。(以下放送原稿を再度)

333回目にかけたチェニイェテ村の音源からもう一曲 19曲目の「ヴラフ・ジプシーのスロー・ソング」と表記のあるメセラキ・ディリ系の歌を次におかけします。ヴラフ・ジプシーと言うのは、ロマ語のワラキア方言を話すグループのようです。ルーマニアのワラキア方言は、セルビアなどのバルカン方言に次いで、世界で2番目に広く話されているロマ語の方言サブグループとのことです。

Romane Save - Robija, robija Gipsy Folk Music

| | コメント (0)

2022年11月24日 (木)

Kalyi Jag / Sukar Szasz Amari Bóri

カイ・ヤグのSukar Szasz Amari Bóriについては、この動画しかなかったので上げておきますが、ここに出てくる男性が誰なのかよく分かりません(場所はテル・アヴィヴらしく、ヘブライ語が気になります)。この曲については、カイ・ヤグのCDで昔聞いた記憶がなかったので、下記のVetettem Gyöngyöt (Világzene Magyarországon 1972-2006)に幾つか彼らの演奏があったと思いますが、1977年の記憶を呼び覚ましてくれたので番組でかけました。こういうタイプのケリマスキ・ディリは、最初に聞いた時から思いましたが、フラメンコと何か共通するパッションを感じます。それは、ヨーロッパにやってくる前からあるジプシー音楽の古層なのでしょうか?(以下放送原稿を再度)

続いて先日ゼアミブログにも書きましたが、ハンガリーの農村ジプシー音楽系のグループと言えば、アンド・ドゥロムより前から活動している1978年に結成された重要なグループ、カイ・ヤグ(Kalyi Jag)を忘れるところでした。ダンスハウスにルーツがある彼らのフンガロトン盤が話題になったのは、90年前後だったように思います。今日おかけする曲は、1977年頃にハンガリー音楽の専門家、谷本一之さんのNHKFMの番組で聞いた曲が原曲だと思います。先ほどのアンド・ドゥロムとミツウの曲と同じハンガリー音楽コンピレーション「Vetettem Gyöngyöt (Világzene Magyarországon 1972-2006)」に入っています。カイ・ヤグも同じ音源を参考に演奏しているのかも知れません。メセラキ・ディリで始まりケリマスキ・ディリに移るような展開です。

<Kalyi Jag / Sukar Szasz Amari Bóri 2分31秒>

| | コメント (0)

2022年11月21日 (月)

Ando Drom / Csi Lav Tu

ゼアミdeワールド335回目の放送、日曜夜10時にありました。23日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今回分は6日放送予定だった内容です。今日はCsi Lav Tuのみです。

ハンガリー音楽に戻りまして、15回目になります。今回はハンガリーの農村ジプシーの音楽の3回目です。農村ロマの音楽の現代的な展開を見せているAndo Dromの音源から始めます。333回目のラストにかけたSzi Ek Sejと一緒に見つかった曲にChi Lav Tuと言う名曲がありまして、独Network MedienのPhari Mamoにも入っていましたが、こちらの方が長尺になっています。このネットワーク盤ではジプシーやクレズマーなどの東欧音楽を演奏するフランスのブラッチのメンバーが参加していた通り、素朴な農村ジプシー音楽にポップな要素を加えて演奏しています。ッダバ、ッディビの裏打ちリズムの掛け声も入っています。10分余りの曲で段々とテンポが上がって行きます。女性ヴォーカルのミツウの歌声が鮮烈で最高です。

<Ando Drom / Csi Lav Tu 10分17秒>

続いて先日ゼアミブログにも書きましたが、ハンガリーの農村ジプシー音楽系のグループと言えば、アンド・ドゥロムより前から活動している1978年に結成された重要なグループ、カイ・ヤグ(Kalyi Jag)を忘れるところでした。ダンスハウスにルーツがある彼らのフンガロトン盤が話題になったのは、90年前後だったように思います。今日おかけする曲は、1977年頃にハンガリー音楽の専門家、谷本一之さんのNHKFMの番組で聞いた曲が原曲だと思います。先ほどのアンド・ドゥロムとミツウの曲と同じハンガリー音楽コンピレーション「Vetettem Gyöngyöt (Világzene Magyarországon 1972-2006)」に入っています。カイ・ヤグも同じ音源を参考に演奏しているのかも知れません。メセラキ・ディリで始まりケリマスキ・ディリに移るような展開です。

<Kalyi Jag / Sukar Szasz Amari Bóri 2分31秒>

333回目にかけたチェニイェテ村の音源からもう一曲 19曲目の「ヴラフ・ジプシーのスロー・ソング」と表記のあるメセラキ・ディリ系の歌を次におかけします。ヴラフ・ジプシーと言うのは、ロマ語のワラキア方言を話すグループのようです。ルーマニアのワラキア方言は、セルビアなどのバルカン方言に次いで、世界で2番目に広く話されているロマ語の方言サブグループとのことです。

<19 Robija, Robija (Captivity, Captivity) 4分10秒>

プロの演奏家のジプシー音楽は数多くありますが、このチェニエテ村の録音は本物の凄さと生々しさを感じさせる、実に味わい深い音源ですので、次の20曲目から数曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<20 Fordulj Ide, Babám (Turn This Way, Baby) 1分35秒>
<21 Elmégy, Babám, Elmégy (You're Leaving Baby) 3分15秒>
<22 Dance Song Without Text [Cigánysoron Nem Merek Eljárni] (I Don't Dare Go Down Gypsy Row) 28秒>
<23 Nyitva Van A Barna Asszony Ablaka (The Bunette's Window Is Open) 3分16秒>

| | コメント (0)

2022年11月18日 (金)

黄檗宗・萬福寺

コロムビアの「黄檗宗・萬福寺の梵唄」の音源はなさそうですが、素晴らしい動画がありました。2本目は朝課の一部です。(以下放送原稿を再度))

最後に黄檗宗の大本山、萬福寺の朝課(朝のお勤め)の音源を聞きながら今回はお別れです。うちは旧・周桑郡にある黄檗宗の寺、正法寺の檀家で、祖父や祖母の葬儀でも類似の音楽を耳にしたように思います。

黄檗山 萬福寺と雲水の一日 京都・宇治

萬福寺の梵唄から 朝課

| | コメント (0)

2022年11月17日 (木)

湯の町エレジー

次は父が好きだった近江俊郎の「湯の町エレジー」です。父は若い頃演歌ギターを弾いていたことがあり、この曲などを歌い手と二人で演奏しながら、酒場を流したことがあったそうです。やくざの親分から、「兄ちゃん、上手いのぅ」と小遣いを貰ったこともあったと聞きました。私もさわりをクラシック・ギターとウードで練習したことがあります。
「湯の町エレジー」は近江俊郎のナンバーワンヒットで、次いで有名なのが奈良光江さんとの「悲しき竹笛」でしょう。しかし、何分昭和24年の歌ですから、近江さんと言えば多くの人が覚えているのは、欽ちゃんが司会していた「オールスター家族対抗歌合戦」での軽妙洒脱な審査員としてでしょう。それも昭和50年前後の話ですが。
98年に父の還暦祝いをしましたが、その際にウードで弾いたのが、「湯の町エレジー」「影を慕いて」「酒は涙か溜息か」などの古賀メロディでした。私のウード伴奏で父が歌っている写真が残っています。97年に手に入れたトルコ製のウードでは、主にオスマン・トルコの古典音楽を楽譜で弾いていましたが、同時に「ウード演歌」と称して当時古賀メロもよく弾きました。ウードには懐メロや民謡、新内などの和メロも似合います。
98年にゼアミは2歳、私は36歳でしたが、それから24年経って父は84歳で亡くなり、今度は私が「赤いちゃんちゃんこ」の年です。父の祭壇の前で久々に「ウード演歌」も弾いてみようかと思います。「鳥の歌」より喜ぶかも。

<近江俊郎全曲集 湯の町エレジー 4分14秒>

| | コメント (0)

2022年11月16日 (水)

もう一つの「鳥の歌」

カザルスのもう一つの「鳥の歌」もYouTubeにありました。2008年頃出た現物が手元に残ってなかったので、伴奏の形態がよく分かりませんが、弦がフラジオを多く入れて弾くとこんな風に聞こえるのでしょうか。2本目はDVDの映像からの抜粋、3本目は有名な国連コンサートの音源です。(以下放送原稿を再度)

先ほどの「鳥の歌」に戻りますが、元はカタロニアのクリスマス・キャロルだったこの曲を一躍有名にしたのが、スペインの大チェリスト、パブロ・カザルスです。彼のアレンジが最もよく知られ、チェロの定番曲になっています。余りにも有名なカザルスの国連コンサートでの演奏は、平和を希求するものでしたが、追悼曲としてもよく弾かれるようです。私も昨日一昨日と、父の祭壇の前でチェロとヴァイオリンでそれぞれ弾きました。今回おかけするのは、国連ライブとは別のカザルスの音源です。

<パブロ・カザルス El Cant del Ocells 3分16秒>

El cant dels ocells - Pau Casals

Traditional Catalan Christmas song: El Cant dels Ocells, Casals & Horszowski (1961) 鳥の歌 カザルス

| | コメント (0)

2022年11月14日 (月)

鳥の歌

ゼアミdeワールド334回目の放送、日曜夜10時にありました。16日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。まずはナターシャさんの「鳥の歌」から。このライブの弾き語りと、コブザーリでの演奏はかなり違いますが。

実は2日に私の父が亡くなりまして、7年間で初めて収録を飛ばしてしまいました。今回は追悼特集にしたいと思います。まずはスペイン北東部カタロニア地方の民謡を元にした「鳥の歌」からおかけします。演奏はウクライナのバンドゥーラ弾き語りの歌姫、ナターシャ・グジーです。10/13のしこちゅ~ホールでのコンサートも聞きに行って来ました。

<旅歌人(コブザーリ)/ ナタリア3 ~鳥の歌 7分12秒>
Song of the Birds ( El Cant dels Ocells ) by Nataliya Gudziy / 鳥の歌 ・ ナターシャ・グジー

次はベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番の第5楽章カヴァティーナで、演奏はブダペスト弦楽四重奏団です。大変に美しい曲で、追悼曲としてもよく弾かれる曲です。大変お世話になった音楽プロデューサーの星川京児さんの追悼で6年前にもかけました。

<String Quartet No. 13 in B-Flat Major, Op. 130: V. Cavatina. Adagio molto espressivo (Live) 7分15秒>

先ほどの「鳥の歌」に戻りますが、元はカタロニアのクリスマス・キャロルだったこの曲を一躍有名にしたのが、スペインの大チェリスト、パブロ・カザルスです。彼のアレンジが最もよく知られ、チェロの定番曲になっています。余りにも有名なカザルスの国連コンサートでの演奏は、平和を希求するものでしたが、追悼曲としてもよく弾かれるようです。私も昨日一昨日と、父の祭壇の前でチェロとヴァイオリンでそれぞれ弾きました。今回おかけするのは、国連ライブとは別のカザルスの音源です。

<パブロ・カザルス El Cant del Ocells 3分16秒>

次は父が好きだった近江俊郎の「湯の町エレジー」です。父は若い頃演歌ギターを弾いていたことがあり、この曲などを歌い手と二人で演奏しながら、酒場を流したことがあったそうです。私もさわりをクラシック・ギターで練習したことがあります。

<近江俊郎全曲集 湯の町エレジー 4分14秒>

最後に黄檗宗の大本山、萬福寺の朝課(朝のお勤め)の音源を聞きながら今回はお別れです。うちは旧・周桑郡にある黄檗宗の寺、正法寺の檀家で、祖父や祖母の葬儀でも類似の音楽を耳にしたように思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<萬福寺の梵唄 黄檗宗の朝課 36分23秒>

| | コメント (0)

2022年11月11日 (金)

Ando Drom / Szi Ek Sej (She Is the One)

333回目のラストにかけたアンド・ドゥロムのSzi Ek Sejについては、スタジオ録音と94年のライブ映像もありましたので、ライブから入れておきます。She Is the Oneと言うタイトルの真意と詞の内容が気になります。ライブの方にミツウが出ているかどうか、確認できませんでした。右端の女性かなとは思いますが。(以下放送原稿を再度)

最初に名前を上げたグループ、アンド・ドゥロムについては、独Network MedienからPhari Mamoと言う盤が97年に出ていましたが、残念ながら売り切れで、ストリーミングにもこの盤の音源では見当たりませんでした。シングル盤の音源などがアップルミュージックにありましたので、代わりにこちらをおかけします。ネットワーク盤ではジプシーやクレズマーなどの東欧音楽を演奏するフランスのブラッチのメンバーが参加していた通り、素朴な農村ジプシー音楽にポップな要素を加えて演奏しています。ッダバ、ッディビの裏打ちリズムの掛け声も入っています。

Ando Drom Együttes-Balogh István táncol Flv Gipsy dance

<Ando Drom / Szi Ek Sej (She Is the One) 6分27秒>

| | コメント (0)

2022年11月10日 (木)

Jaj, Anyám, A VakaróとEttem Babot, Száraz Babot Eleget

役所や銀行などの用事で終われていますが、書ける時はブログも書きます。小泉音源でフィルムを草笛のように吹いていたEttem Babot, Száraz Babot Elegetと、Jaj, Anyám, A Vakaróの2曲のケリマスキ・ディリについては、個別で調べてみたいと思っていました。チェニイェテ村の音源では24曲目と11曲目です。おそらくジプシーの間では「ジプシーのチャールダーシュ」と呼ばれているこれらの曲は、旋律が親しみやすくリズミカルで、今では色々な編曲がなされているようです。
1本目はJaj, Anyám, A Vakaróですが、農村ジプシー本来のシンプルなスタイルを机を叩きながら上手く表現しています。しかし、この4人はジプシーでしょうか? 2本目はEttem Babot, Száraz Babot Elegetですが、都会のジプシー楽団がこの曲を取り上げている意外性がまずあります。フィルムを草笛のように吹いていた時の素朴な旋律が、このマジャール・ノータのようなスタイルから聞こえてきます。

RitMusa Zenekar - Jaj anyám a vakaró

Kovács Apollónia: Cigánydalok 2. (Főzök neked; Sűrűn esik)

| | コメント (0)

2022年11月 7日 (月)

Csenyétére látogatott

2日のブログを書いた数時間後、父が亡くなりました。予想はされていましたが、余りにあっけなく別れが訪れました。その後仮通夜、お通夜、告別式と続きましたから、ブログはずっと飛びましたし、放送の収録にも行けませんでした。先週分は明後日水曜に収録に行って、今週末に放送される予定です。今日からはブログも書けますが、実家に度々行っているのでHPのトップページ更新は遅れがちになると思います。タラフのネアクシュ翁の葬送映像でも流したい気分ですが、チェニエテのジプシー音楽付き映像を1本入れておきます。

Csenyétére látogatott a Gönci Nemzetiségi Roma önkormányzat 2019.12.22

| | コメント (0)

2022年11月 2日 (水)

Gypsies of Csenyete - Living Music of a Hungarian Village

プロの演奏家のジプシー音楽は数多くありますが、このチェニエテ村の録音は上手い下手を越えた本物の凄さと生々しさを感じさせる、実に味わい深い音源です。今日のタイトルはこの盤の英訳ですが、本当にLiving Musicそのものだと思います。今日の2本は、放送ではかけなかった17曲目A. A Csenyéti Csárdába (In The Csenyéte Pub) B. Erre Gyere, Rózsám, Nincsen Sár (Come This Way, My Rose, There's No Mud Here)と、来週のラストにかける予定の23曲目Nyitva Van A Barna Asszony Ablaka (The Bunette's Window Is Open)でした。(おそらくフェイドアウトになると思います)
父が病気で大変な状況なので、ブログアップや、もしかしたら番組の収録も飛ぶことがあるかも知れませんが、どうぞよろしくお願い致します。

Csenyéti cigányok

Csenyéti cigányok - megittam

| | コメント (0)

« 2022年10月 | トップページ | 2022年12月 »