ゼアミdeワールド336回目の放送、日曜夜10時にありました。30日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の「翔べよ、孔雀よ」(Röpülj páva, röpülj)の動画ですが、フンガロトンの「バルトークとコダーイの採集したハンガリー民謡と彼等の作品」に入っているようですが、「Listen, My Hungarians: A Survey of Hungarian Folk Music」と同じ音源でした。
音源については、フンガロトンから「バルトークとコダーイの採集したハンガリー民謡と彼等の作品」と「コダーイが採集したハンガリー民謡(2CD)」と言う2セットの蝋管録音の貴重な音源が復刻され、ハンガリーFonoからは「ハンガリーの民族音楽(10CD)」と言う膨大なアーカイヴが出ています。フンガロトンの2枚は90年代の内に残念ながら売り切れてしまいましたが、それより前に同じフンガロトンから出ていた「Listen, My Hungarians: A Survey of Hungarian Folk Music ~ Hallgassatok Meg, Magyarim」と言うハンガリー民謡を概観する2枚組と、ハンガリーFono「ハンガリーの民族音楽(10CD)」は手元にありますので、主にこの二つからご紹介したいと思います。
まずは「Listen, My Hungarians Hallgassatok Meg, Magyarim」ですが、1907~93年に録音された音源の集成の中では、5音音階のマジャール民謡はむしろ少数のようで、農村ジプシーの音楽や、エルデーイ(トランシルヴァニア)の古いハンガリー音楽も目立ちます。
<20 Fordulj Ide, Babám (Turn This Way, Baby) 1分35秒>
<21 Elmégy, Babám, Elmégy (You're Leaving Baby) 3分15秒>
<22 Dance Song Without Text [Cigánysoron Nem Merek Eljárni] (I Don't Dare Go Down Gypsy Row) 28秒>
<23 Nyitva Van A Barna Asszony Ablaka (The Bunette's Window Is Open) 3分16秒>
333回目のラストにかけたアンド・ドゥロムのSzi Ek Sejについては、スタジオ録音と94年のライブ映像もありましたので、ライブから入れておきます。She Is the Oneと言うタイトルの真意と詞の内容が気になります。ライブの方にミツウが出ているかどうか、確認できませんでした。右端の女性かなとは思いますが。(以下放送原稿を再度)
役所や銀行などの用事で終われていますが、書ける時はブログも書きます。小泉音源でフィルムを草笛のように吹いていたEttem Babot, Száraz Babot Elegetと、Jaj, Anyám, A Vakaróの2曲のケリマスキ・ディリについては、個別で調べてみたいと思っていました。チェニイェテ村の音源では24曲目と11曲目です。おそらくジプシーの間では「ジプシーのチャールダーシュ」と呼ばれているこれらの曲は、旋律が親しみやすくリズミカルで、今では色々な編曲がなされているようです。
1本目はJaj, Anyám, A Vakaróですが、農村ジプシー本来のシンプルなスタイルを机を叩きながら上手く表現しています。しかし、この4人はジプシーでしょうか? 2本目はEttem Babot, Száraz Babot Elegetですが、都会のジプシー楽団がこの曲を取り上げている意外性がまずあります。フィルムを草笛のように吹いていた時の素朴な旋律が、このマジャール・ノータのようなスタイルから聞こえてきます。
RitMusa Zenekar - Jaj anyám a vakaró
Kovács Apollónia: Cigánydalok 2. (Főzök neked; Sűrűn esik)
プロの演奏家のジプシー音楽は数多くありますが、このチェニエテ村の録音は上手い下手を越えた本物の凄さと生々しさを感じさせる、実に味わい深い音源です。今日のタイトルはこの盤の英訳ですが、本当にLiving Musicそのものだと思います。今日の2本は、放送ではかけなかった17曲目A. A Csenyéti Csárdába (In The Csenyéte Pub) B. Erre Gyere, Rózsám, Nincsen Sár (Come This Way, My Rose, There's No Mud Here)と、来週のラストにかける予定の23曲目Nyitva Van A Barna Asszony Ablaka (The Bunette's Window Is Open)でした。(おそらくフェイドアウトになると思います)
父が病気で大変な状況なので、ブログアップや、もしかしたら番組の収録も飛ぶことがあるかも知れませんが、どうぞよろしくお願い致します。
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