「15のハンガリー農民歌」の自作自演から
ゼアミdeワールド337回目の放送、日曜夜10時にありました。7日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はバルトークの「15のハンガリー農民歌」の自作自演のみ入れておきます。何故No7-10, 12, 14, 15だけなのか不明ですが、この録音はミクロコスモスやシゲティ、ベニー・グッドマンとの共演なども最高です。
ハンガリー音楽の17回目になります。前回に続きまして、「Listen, My Hungarians: A Survey of Hungarian Folk Music ~ Hallgassatok Meg, Magyarim」と言うハンガリー民謡を概観する2枚組からおかけします。この盤が出たのは98年で、当時ゼアミは2年目でしたが、「ハンガリー民謡逍遥」と言うタイトルで売った記憶があります。
1907~93年に録音された音源の集成の中でも、5音音階のマジャール民謡はむしろ少数のようで、改めて聞き直してみると、農村ジプシーの音楽や、エルデーイ(トランシルヴァニア)の古いハンガリー音楽も目立ちます。
ハンガリーの伝統音楽は、都会に住むジプシーの職業楽士の音楽、前々回まで3回取り上げたような真のジプシー音楽、ハンガリー人または自称マジャール人の5音音階を含む民謡が3つの大きな柱ですが、その3つの区別を明らかにしたのがバルトークやコダーイの研究で、彼らの作品の中にマジャール民謡が引用された曲もあります。
前回の最後にかけようかと思っていた曲ですが、5音音階の曲が印象的なバルトークのピアノ曲「15のハンガリー農民歌」の抜粋音源がありますので、まずはこちらからおかけします。名ピアニストでもあったバルトーク自身の演奏です。
<15 Hungarian Peasant Songs for Piano: Nos 7-10, 12, 14, 15 Old Dance Tunes 4分38秒>
この後はListen, My Hungariansの1枚目のトランスダヌービア、北部、ハンガリー大平原の、前回かけてない音源から抜粋して行きます。
まずはハンガリー中央部のトランスダヌービアですが、ブダペストより西側と言う事なので、ハンガリー西部と言った方が良さそうな地域です。9曲目の少女の輪舞の合唱ですが、バルトーク作品に使われていたような気がする曲です。1963年の録音です。
<9 Love, love, cursed distress (Girls round dance) 52秒>
14曲目はクレズマー的な味わいのある旋律で、ツィンバロムが柔らかい音色で結婚式の舞踊曲を奏でています。ラースロー・ライタによる1960年の録音です。
<14 Dance at wedding (Instrumental group) 1分13秒>
16曲目は縦笛フルヤの吹奏ですが、声とのダブルトーンになっています。1936年の録音です。
<16 Kaplar Janos / Love, love, cursed distress 1分55秒>
18、19目とチャールダーシュが続きますが、最初が1952年のラースロー・ライタの録音、次のフリシュカの部分のみの方は1981年の録音です。都会のジプシー音楽ではない、昔の地方のチャールダーシュの演奏スタイルを聞ける貴重なサンプルだと思います。
<18 Tendl Pal & his group / Czardash 57秒>
<19 Csonka Gyula & group / Fast Czardash 37秒>
24曲目からはハンガリー北部の音楽に移りますが、正確には前に取り上げた音源のチェニエテ村のある北東部になると思います。コダーイの1914年録音の叙情歌から始まります。
<24 Nagy Janosne Czako Veron / The foot of the Csitár hills (Lyrical song) 44秒>
27曲目は1938年録音の二つの結婚の歌です。
<27 Fulop Matene Gal Ilona / Don't fall asleep (Two wedding songs heralding daybreak) 1分45秒>
32、33曲目はOh, how longと言う同じ英訳の付いた曲で、最初が叙情歌、後の曲はフルヤの演奏です。1976年と1961年の録音です。
<32 Bajzath Ferencne & Szabo Malvin / Oh, how long (Lyrical song) 1分2秒>
<33 Pozsik István / Oh, how long (Instrumental (flute)) 1分42秒>
39~56曲目はハンガリー大平原の音源に移ります。ハンガリーの東部と南部になります。40曲目は1937年録音のクリスマスの女性独唱です。
<40 Joos Andrasne Katai Maria / A nice rose is in full bloom now (Christmas song) 1分38秒>
45曲目は1939年録音の女性の叙情歌ですが、珍しい撥弦楽器キテラの弾き語りに始まり、後半は手回しヴァイオリンのハーディーガーディーの演奏に変わります。
<45 Maszlag Jozsefne Megs Balogh Maria & Balla Istvan / Blue violet (Lyrical song) 2分15秒>
最後に53曲目のヴェルブンクを聞きながら今回はお別れです。募兵の踊りヴェルブンクの1968年の録音です。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<53 Rupa Zoltan & his group / Verbunk (Recruiting dance of Cumania) (Instrumental group) 2分10秒>
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