セーケイのヴェルブンク
伝統的なハンガリーのジプシー バンド、サースチャーヴァーシュ・バンドのLive in Chicagoからは、Székely Verbunk(セーケイのヴェルブンク)を番組でおかけしました。これはまだ在庫もあります。セーケイの男性のソロ・ダンスの意味で、ヴェルブンク本来の「募兵の踊り」の意味合いは無さそうです。チャールダーシュにしても、ブダペストのジプシー楽団が演奏しているような音楽とは、全く違います。
ルーマニアのトランシルヴァニアのムレシュ郡にあるセアシュ (ハンガリー語のサースチャーヴァーシュ、ドイツ語のグルベンドルフ) は、2002 年には、この町の 891 人の住民のうち、579 人がハンガリー人、306 人がジプシー (ロマ)、6 人がルーマニア人だったそうです。 ハンガリー語の地名の接尾辞 Szász は、この村がかつてトランシルヴァニアのドイツ系住民、サクソン人が住んでいたことを示しています。
伝統的なハンガリーの民俗音楽の歌唱は常にモノフォニックですが、サースチャーヴァーシュは、ポリフォニーの歌唱の伝統が生き残っている数少ない場所の1つとされます。 これはドイツ語圏の中央ヨーロッパ (バーゼル学校) から多声の賛美歌を持ち込んだプロテスタントの神学者からもたらされたと考えられているそうです。例のSzászcsávási Dalárdaと言う盤は、全編歌になっていて知らないとびっくりしますが、そう言う経緯でリリースされた一枚だったようです。
サースチャーヴァーシュでのダンスのジャンル分けは、大体以下のようになります。更に細かい用語もありましたが、訳文が定まりそうにないので、ほぼ正しい意味で取れたと思われる以下の5つだけ上げておきます。最後のポントゾーと言うのは、1977年にハンガリー国立民族舞踊団が来日した際の映像で見たことがあります。個人的に非常に懐かしい用語です。
Cárdás (可変テンポのアクセントのあるカップル ダンス)
Szökő (cárdás の高速バージョン)
lassú csárdás (夫婦や高齢者向けのゆっくりとしたバージョン)
székely verbunk、セーケイの男性ソロ ダンス
Pontozó (マジャーロズド周辺のハンガリー人の男性ソロ ダンス)
<2 Székely Verbunk 2分56秒>
Szászcsávás Band: Live in Chicago 02 Székely verbunk
| 固定リンク
「ハンガリー」カテゴリの記事
- ブダペストのドハーニ街シナゴーグ(2023.05.26)
- コル・ニドライとコール・ニドレイ(2023.05.25)
- カディッシュ(2023.05.24)
- ドハーニ街シナゴーグの典礼(2023.05.22)
- チャールダーシュ風ヴェルブンクで締め(2023.05.19)
コメント