ルーマニア民族舞曲の棒踊りと足踏み踊り
ムジカーシュのバルトーク・アルバムでは、バルトークの蝋管録音と、それを題材とする44のヴァイオリン二重奏曲の組み合わせが中心だと思いますが、一番の注目曲は、やはりルーマニア民族舞曲の1曲目の棒踊りでしょう。私は1977年にこの曲をミシェル・ベロフのピアノで聞いたことから民族音楽の方に目が向いたので、個人的に最も思い入れの強い曲です。当時は一部のリスナーが知っている位だったかと思いますが、46年経って最近では色々なヴァイオリニストが取り上げる曲になりました。1本目はムジカーシュのライヴ映像で(2分40秒頃からが該当箇所)、2本目がバルトーク・アルバムの音源です。ルーマニア民族舞曲、3曲目の足踏み踊りの原曲もありますので、併せて上げておきます。(以下放送原稿を再度)
13曲目は原題がJocul cu bâtăとありまして、このタイトルでピンと来ましたが、これはバルトークの有名なルーマニア民族舞曲の1曲目の棒踊りの原曲に当たるようです。元の演奏はヴェルブンコシュ風、つまりハンガリーの勇壮な舞曲の影響があるロマの二人のヴァイオリニストによる演奏だったそうです。ムジカーシュの演奏がそのロマの演奏をそのまま再現しているのかどうかは不明ですが、バルトークのあの有名な旋律が途中から出てきます。バルトークがこの曲を採集した場所は、Voiniceniと言うムレシュ県の村です。ムレシュ県はクルージュ県の東側になりますから、トランシルヴァニアのど真ん中辺りです。
Muzsikás - Bota and Invertita / Bartók - Romanian Folk Dances with Danubia Orchestra
<13 Botos Tánc (Jocul Cu Bata) 5分16秒>
18曲目Pe Locはルーマニア民族舞曲の3曲目の足踏み踊りの原曲です。エキゾチックな増2度音程が大変印象的な曲です。ここでは原曲におそらくそっくりなスタイルの、牧笛とステップの音で表現しています。
<18 Pe Loc 1分22秒>
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