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2023年6月

2023年6月30日 (金)

追悼トポル If I Were A Rich Man

トポルのテヴィエはとにかく最高で、他の人が演じるテヴィエは考えられない程のはまり役だと思います。この71年の映画の当時で36歳、ロンドンの舞台の時は32歳で、この老け役を見事に演じています。(「屋根の上のヴァイオリン弾き」はロングランの演目ですから、日本を含め何人の俳優がテヴィエを演じてるか数えられないくらいで、他の人のも見ないととは思いますが)
トポルのプロフィールを見ると、今年の3月8日に87歳で亡くなっていました。70、80年代は「ハイアム・トポル」と言う表記を見かけましたが、ヘブライ語に忠実に言うなら「ハイーム・トポル」でしょう。ミア・ファローと共演した「フォロー・ミー」も好きな映画でした。追悼の意味も込めて、今週の最後は71年の映画版から、「金持ちなら」(If I Were A Rich Man)を上げておきます。昨日も書きましたが、テヴィエの「金持ちなら」に出て来るカントールの真似の部分は、ヘブライ語の発音と節回しが、やっぱり日本のミュージカルでは再現が難しいと思いましたが、トポルはその点、カントールの経験があるのかと思う程、完璧です。
月曜に書いたように映画全編のYouTubeを見かけたような気がしましたが、再度見てみたら、なくなっていました。あると思ったのは、気のせいだったのかも知れません。来週は67年のオリジナルロンドンキャストの音源をかけますので、当時の映像があれば探してみますが、なければ94年頃のトポルの舞台の映像がフルでありましたので来週上げる予定です。そう言えば、94年前後に彼が来日して舞台を見たことを思い出しました。トポル以外は日本の役者だったかも知れませんが、詳細は忘れてしまいました。(以下放送原稿を再度)

「金持ちなら」と踊りながらテヴィエが歌うIf I Were A Rich Manを時間まで聞きながら今回はお別れです。こういうコミカルな曲の端々にも東欧ユダヤの独特なリズムと節回しが聞き取れますし、シナゴーグの合唱長カントール(ヘブライ語ではハザン)を真似ている部分(3分32秒頃)もあります。

Fiddler on the roof - If I were a rich man (with subtitles)

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2023年6月29日 (木)

ボトル・ダンスのシーン

「マズル・トーヴ!(おめでとう)」の後のボトル・ダンスのシーンに出てくるのは、本物のハシディームだと思います。黒ずくめの衣装に髭を蓄えていて、砂埃を上げながらボトルを帽子の上に乗せてのダンスは、凄いの一言。これは本物でなければ演じられないと思いますが。踊りも典型的なハシディック・ダンスです。情報が今ほど行き渡ってなかったのではと思われる71年頃、映画を見た人は「あの踊りは一体何だろうか」と疑問に思ったでしょうし、びっくりしたのではないかと思います。テヴィエの「金持ちなら」に出て来るカントールの真似の部分も、ヘブライ語の発音と節回しが、やっぱり日本のミュージカルでは再現が難しいと思いました。(以下放送原稿を再度)

結婚式のボトル・ダンスのシーンでは、本格的なクレズマー音楽が披露されます。当時はクレズマー音楽はアメリカでもまだリヴァイヴァルしてなかった頃ですから、観客は非常に驚いたのではと推測します。当時のクレズマーの演奏スタイルを聞ける興味深い部分でもあります。

<9 Wedding Celebration/The Bottle Dance 3分53秒>

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2023年6月28日 (水)

サンライズ・サンセット

森繫さんの歌で「サンライズ・サンセット」を初めて聞いたのは、75年前後だと思いますが、トポル版の71年の映画を見たのは、89年のユダヤ音楽マイブームの前か後か、記憶が定かではありません。80年代ですから、VHSをレンタルしたように思います。その映像をデジタル化した記憶もうっすらありますが、データが見当たらず。DVDの棚を見たら持ってなかったので、買っても良いかなと思いましたが、YouTubeにフルバージョンで上がっています(字幕はありませんが)。今日の映像は、サンライズ・サンセットが歌われる感動的なシーンです。
森繫さんの歌で「サンライズ・サンセット」を聞いた時は、中学生ですから、東欧系ユダヤの物語だとは知らなかったと思います。何十年の時を越えて、改めて聞き直すとトポルの味わい深い歌声とアイザック・スターンの素晴らし過ぎるくらい素晴らしいヴァイオリンの音色に、やはり聞き入ってしまいます。チェロ名曲集31にこの曲が入っていて、先日久々に弾いてみました。ブラームスやシューベルトの歌曲のチェロ編曲があるように、バス・バリトンの音域の曲にチェロは合います。(以下放送原稿を再度)

次にこのミュージカルで一番有名な「サンライズ・サンセット」をおかけします。陽が昇り、陽が沈み、子供たちは大きくなり、いつしか嫁ぐ年頃になった。長女ツァイテルの結婚の直前になって、嬉しさの反面、両親の心淋しい複雑な心境が描かれている名曲です。

<8 Sunrise, Sunset 3分51秒>
SUNRISE SUNSET

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2023年6月26日 (月)

屋根の上のヴァイオリン弾き

ゼアミdeワールド365回目の放送、日曜夜10時にありました。28日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は映画冒頭のシーンのみ上げました。トラディション(しきたりの歌)の部分です。今日は母の膝の手術の相談で愛大病院に行きましたので、店は臨時休業しました。そのため、遅めのアップです。8月の手術前検査と9月の手術日前後もお休みになります<(_ _)>

東欧系ユダヤ音楽の5回目になります。今回は東欧系ユダヤと言えば、おそらくドナ・ドナと並んで有名な「屋根の上のヴァイオリン弾き」の音楽を取り上げます。このミュージカルは、森繫久彌さんの舞台が何と言っても日本では有名ですが、元は1964年初演のブロードウェイ・ミュージカルで、その後トポルがテヴィエを演じた1967年のロンドンの舞台と、同じくトポル主演の1971年のアメリカ映画で世界的に人気が定着しました。
ウクライナのイディッシュ語作家ショーレム・アレイヘムの短篇小説『牛乳屋テヴィエ』が原作で、帝政ロシア領となったウクライナのシュテトルに暮らすユダヤ教徒の生活が描かれています。ウクライナの小さな架空の村『アナテフカ』が舞台ですが、当時の19世紀ロシアではユダヤ人迫害(ポグロム)が吹き荒れていた頃です。
手元には1971年の映画版のサントラと、1967年オリジナル・ロンドン・キャストのLP、森繫久彌版のサントラがありますが、まずは1971年の映画版の序曲「しきたりの歌」からおかけします。ユダヤ教の教えと東欧ユダヤ音楽のエッセンスが、ぎゅっと詰まったような11分を越える序曲です。ヴァイオリン独奏は名手アイザック・スターンで、大変に素晴らしい演奏を披露しています。

<1 Prologue/Tradition/Main Title 11分20秒>

次にこのミュージカルで一番有名な「サンライズ・サンセット」をおかけします。陽が昇り、陽が沈み、子供たちは大きくなり、いつしか嫁ぐ年頃になった。長女ツァイテルの結婚の直前になって、嬉しさの反面、両親の心淋しい複雑な心境が描かれている名曲です。

<8 Sunrise, Sunset 3分51秒>

結婚式のボトル・ダンスのシーンでは、本格的なクレズマー音楽が披露されます。当時はクレズマー音楽はアメリカでもまだリヴァイヴァルしてなかった頃ですから、観客は非常に驚いたのではと推測します。当時のクレズマーの演奏スタイルを聞ける興味深い部分でもあります。

<9 Wedding Celebration/The Bottle Dance 3分53秒>

では最後に曲順が戻りますが、「金持ちなら」と踊りながらテヴィエが歌うIf I Were A Rich Manを時間まで聞きながら今回はお別れです。こういうコミカルな曲の端々にも東欧ユダヤの独特なリズムと節回しが聞き取れますし、シナゴーグの合唱長カントール(ヘブライ語ではハザン)を真似ている部分もあります。次回はトポルの1967年オリジナル・ロンドン・キャストのLP、森繫久彌版のサントラから抜粋したいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<3 If I Were A Rich Man 5分25秒>

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2023年6月23日 (金)

6月10日と11日

関係者の撮影でしょうか、今日の動画が一番近くから撮れているようです。所々明るすぎてねぷたはきれいに見えませんが、音はしっかり聞こえますし、囃子の編成がよく確認できます。来場者数は推定5万人だったそうですが、うちのカフェのお客さんや弦楽のメンバー、ラヂバリ関係者には余り行った人がいないようで、非常に意外に思いました。市外からの観客も多かったのでしょう。
11日日曜のみなとマルシェにも行きました。今回来られていたのは、弘前市役所のねぷた保存会の方々だったようです。囃子の種類も分かり易く解説して頂きました。幕間に今治の寿太鼓もありまして、お馴染みの春駒を披露されました。しかしメンバーの約半分が外国の方で、非常にびっくりしました。日本の文化に興味を持つ外国人が増える反面、日本の若い方には、太鼓を叩く人が減ってきているのだとしたら、寂しいことです。

青森県弘前ねぷた in 今治2023 ねぷた運行

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2023年6月22日 (木)

今治でのねぷた

昨日も書きましたが、笛と太鼓の鳴り初めを聞けなかったのが残念至極です。今日の動画は、縦の細長い映像ですが、ハーバリー前の動き出しから、市役所前までの往路を後ろからずっと追えています。(撮った方、有難うございます。腕が疲れたでしょう)映像は遠いですが、笛と太鼓の音はしっかり聞こえるので、嬉しい一本です。こういうシンプルで力強い祭囃子を聞くと、何とも言えない郷愁に誘われて、「てなもんや三度笠」の一節を思い出す世代です(笑) 山車が通り過ぎた後の寂しさは、サンバの場合も同じで、それもサウダーヂでしょう。サンバも関東にいる頃はよく見に行きました。(グループに入ってバスドラを叩きたい衝動に何度も駆られました(笑))
私はハーバリーへの復路もしっかり見て、南海放送のTV取材も傍で見て、ほぼ誰もいなくなったハーバリーの軒下で、ねぷたの電気がパチッと消えるまで見守って帰りました。消えた途端に雨が降り出しました。

ねぷた祭りin今治#ねぷた祭り#青森#お祭り

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2023年6月21日 (水)

青森の話

青森と言えば、ねぷたとねぶただけでなく、文学では太宰治と寺山修司、音楽面では民謡が盛んで津軽三味線と尺八も最高(特に高橋竹山の伴奏で成田雲竹の歌う民謡とか)、下北には寺山の映画「田園に死す」の舞台にもなった恐山もあって、食の方も大間のマグロ、ニンニク、リンゴ、流行歌の出身地としては奈良光枝さんだけでなく、ナツメロ歌手が他にもいたと思います。東北はどの県も民謡と祭り文化の宝庫ですし、酒は旨いし、中でも青森は好きなものが多いなと改めて思いました。最近の歌手では、吉幾三さんですが、彼の節回しを好むインド人を何人か知っています。ねぷたやねぶたの絵を見て常々思うのは、青森出身の版画家、棟方志功の絵との類似ですが、彼は大のねぶた好きで作品の題材としても描いていて、跳人(はねと)として参加している映像や写真も現存するそうです。
25年前に弘前に行って思ったことですが、道路の道幅が広い印象が今もあります。あれは、冬場に除雪車が通るからでしょうか? あのくらいあれば、ねぷたやねぶたも楽に通れるだろうと思います。今治の広小路の道幅では、脇に出店も出しにくいでしょうね。広小路では、ねぷたはギリギリですし、更に大きいのではと思われるねぶたは無理でしょう。
月曜に気が付きましたが、6/10の今治での映像がかなり上がっていました。1本上げておきます。もしかしたら映り込んでしまっているかもと思います(笑) 何とか夕飯を食べられる店を見つけて食事していたので、動き初めの笛と太鼓の音を聞けなかったのを非常に悔やんでいます。

【今治ねぷた初開催!】6/10、30分ノーカット観戦映像記録です。愛媛の濃い〜ラーメンおじさん(2023.6.10県内742店舗訪問完了)

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2023年6月19日 (月)

ねぷたとねぶた

ゼアミdeワールド364回目の放送、日曜夜10時にありました。21日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。番組でかけたクラウン盤と同じ音源はYouTubeにはないと思いますので、去年の4K高画質の長尺映像を上げておきます。

【弘前ねぷたまつり】2022 青森県弘前市【駅前運行】4K60P

364回目の放送になりました。東欧系ユダヤ音楽シリーズの途中ですが、弘前ねぷたが10日11日と今治にやってきまして、いつも放送原稿を書いている日曜の時点で、ねぷたの笛と太鼓の音が頭の中でこだまし、ユダヤ音楽について考える余地がありませんので(笑)、今回は二足程早い夏祭り特集として、弘前のねぷたと青森のねぶたの音源をおかけしたいと思います。実際に見る大灯篭の美しさと迫力、お囃子の音色が呼び起こす感動が冷めやらぬ中、今回の放送原稿をまとめました。これまでお盆には、阿波踊り、越中富山のおわら「風の盆」、郡上八幡の民謡などをかけました。
クラウンのねぶたとねぷたの音源は、去年の8月14日にも流しましたが、その時は阿波踊りの苔作と78年徳島での現地録音をかけた後で、東北三大祭りの一つ、青森市のねぶたと弘前市のねぷたの、この実況録音盤(昭和60年録音)をかけました。去年はねぶたを5分、ねぷたも5分だけでしたが、今回はねぷた30分の音源から20分余りをまずおかけします。今治に来たねぷたは一台でしたが、現地録音を聞くと何台もねぷたが次々登場しているのが分かります。

<2 弘前ねぷた 29分58秒 ~20分余り>

青森ねぶたの起源としてよく知られていたのは「のちに征夷大将軍となる坂上田村麻呂が陸奥国の蝦夷征伐の戦場において、敵を油断させておびき寄せるために大燈籠・笛・太鼓ではやし立てたことを由来とする」とあります。ねぶたとねぷたで、燈籠だけでなく音色や雰囲気が少し違うことも音から分かるかと思います。
余談ですが、千葉にいた20年ほど前のヤマトの担当ドライバーにねぶた好きの人がいまして、このクラウン盤を買って頂いたことがありました。夏場は配達の時も聞かれていたようです。ねぶたマニアの中には、彼のように毎年本場に行って「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声をかけて踊り歩く「跳人(ハネト)」をする人も多いようです。
もう一つ個人的な話になりますが、「悲しき竹笛」の71年の映像を見てから弘前出身の歌姫、奈良光枝さんの大ファンだったので、千葉にいた1998年に、ご家族に連絡を取ってから奈良光枝さんの二十一周忌に参列するため、弘前に夜行バスで行ったことがあります。もう25年も前になります。墓前では、奈良さんの同級生の方々と「青い山脈」も歌ってきました。「青い山脈」を最初に歌ったのは、奈良さんと藤山一郎さんですが、奈良さんが若くして亡くなったので、藤山さんだけの歌と思われている傾向があるようです。今回の放送原稿を推敲し印刷した6/13は、ご存命なら奈良さん100歳のお誕生日です。奈良さんの命日は5/14ですので、ねぷたも弘前城の桜も見れずですが、津軽民謡酒場の山唄で本場の津軽三味線は聞いてきました。山唄は名人の故・山田千里さん経営の店でした。
では最後に青森ねぶたを時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 青森ねぶた 28分57秒>

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2023年6月16日 (金)

ガリツィアの歌 Der Rebbe ElimeylechとZen Brider

Der Rebbe Elimeylech(ラビ・アリメレフ)は、Un as der Rebbe singtなどと並んで、数あるイディッシュ・ソングの盤ではお馴染みの曲ですが、実は19世紀ポーランドのガリツィア(ポーランド南東部~ウクライナ西部に跨ってあった地方)のハシディック・ソングです。ルッツ・エリアスの音源はARC盤と昨日のRegenbogen Musikverlagの2種類がありましたので、聞き比べてみました。ARCの方はヴァイオリンとクラリネットの伴奏が華やかで、85年頃のクレズマー色が濃厚に感じられます。Regenbogen Musikverlagの方は、録音年が25年近く経過しているでしょうか。伴奏は変わらずMassel Klezmorimですが、歌声が渋くなり、クラリネットやヴァイオリンが控えめな辺りを聞くと演奏者が変わっているのかも知れません。どんどん演奏が速くなるところは、ARCよりハシディック色が増しているようにも思います。もう一つの音源がYouTubeにありますが(同じくハヌキヤがジャケット)、更にストレートにユダヤ教に回帰しているように思いました。

<1-5 Der Rebbe Elimeylech 3分34秒>

Der rebbe Elimeylech

番組のラストにかけたゼン・ブリダーは一番長い演奏時間のためフェイドアウトになりましたので、フルで入れておきます。この歌も、18,19世紀ポーランドのガリツィアの歌で、ゼン・ブリダーとは「10人の兄弟」の意味ですが、楽しい歌ではなく、十人いた兄弟が貧困のため一人ずつ減って行き、最後の一人も餓死寸前になるという、何とも悲しく辛い歌です。「ユダヤ版ウィー・アー・ザ・ワールドのような」と95年頃形容したアレ・ブリダーとは大違いでしょう。この曲もまた後日BNKやザハヴァ・ズィーヴァルトなどで取り上げます。

<2-3 Zen Brider 10分35秒>

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2023年6月15日 (木)

ルッツ・エリアスのドゥダイームに似た歌唱

Lutz Elias & Massel Klezmorimで覚えていましたが、Lutz Elias-Cassel & Massel Klezmorimがフルネームのようです。90年頃に出た国内仕様盤の江波戸先生の解説には、ルッツ・カッセルと出ていたので別の人かと最初思っていました。今週かけた曲は、後5曲ありますが、また2枚組の同じデータで上げるのではつまらないので、ライブ映像はないものか探していました。ARC盤のハヌカーのコンサートは37年前という事になりますから、当時40位だとしたら、もう80歳近いのではと思います。やはり難しいかなと思います。
動画が見つからない代わりに、2010年に出たと思しきRegenbogen Musikverlagと言うレーベルのハヌキヤ(ハヌカー用の燭台)のジャケットの音源がARC盤と共に目立ちますので、昨日と同じ曲ですが、ヤミン・ウスモールを2本目に上げます。昨日このヤミン・ウスモールがドゥダイームの演奏スタイルに似ていると書きましたが、正しく1本目はドゥダイームの国内盤LP(私が聞いたのは1980年)に入っていた曲でした。サブラの男女が、このホラのリズムで輪になって踊っているジャケットでした。

Adama admoti

Jamin usemol

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2023年6月14日 (水)

ルッツ・エリアスの歌うヘブライ・ソング

ルッツ・エリアスのプロフィールが昔からよく分からないままですが、ハンブルク辺りのドイツ人社会で育ったユダヤにルーツ()のある人なのかなと思います。何より名前がルツとエリアですから、もろユダヤ系の名前でしょう。「ヤンバババイ」などと掛け声が入るだけでなく、音階含めコール・ドディは明らかにハシディック・ソング系です。「黄金のエルサレム」は余りにもよく知られた曲ですので2曲目にし、コール・ドディを最初にして、番組ではかけなかったヤミン・ウ・スモールを3本目に入れました。ヤミン・ウ・スモールはイスラエルの名フォーク・デュオのドゥダイームが歌いそうな曲です。他の曲では気になりませんが、「黄金のエルサレム」のヘブライ語発音は少し独特です。これはアシュケナジーム風と言うことでしょうか。(以下放送原稿を再度)

彼らのレパートリーのユニークな点は、イディッシュ民謡と結婚式などのクレズマー曲などの東欧系ユダヤ音楽だけでなく、スペイン系ユダヤ人(セファルディ)の歌や、ヘブライ語の歌まで入っている事だと思います。東欧系とセファルディだけなら他にも例はありますが、ヘブライ語の歌まで歌っているのは他に記憶がありません。
ヘブライ語の歌は3曲入っています。何年か前にイスラエルの時にもかけたエルサレム市の歌「黄金のエルサレム」と、ヤミン・ウ・スモール(「右と左」。邦題は砂漠のキャラバンとなっています)、旧約聖書の雅歌から歌詞が取られているコール・ドディです。「黄金のエルサレム」とコール・ドディは、91年頃ヘブライ語教室でも歌った歌で、個人的に二重に懐かしい曲です。この2曲を続けておかけします。

<2-12 Kol dodi 1分59秒>

<2-10 Jerushalajim shel zahav 3分57秒>

Jamin usemol

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2023年6月12日 (月)

ルッツ・エリアスとマッセル・クレズモリーム

ゼアミdeワールド363回目の放送、日曜夜10時にありました。14日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はLower East SideとDona Donaのみです。

東欧系ユダヤ音楽の4回目になります。2回続けて1989年に聞いたイディッシュ・ソングの「懐かしい2枚」をご紹介しましたが、今回もその後くらいの1990年に聞いたやはり懐かしい一枚です。一枚と言いますか、2枚シリーズですので、その中から抜粋したいと思います。演奏者はルッツ・エリアスとマッセル・クレズモリームMassel Klezmorimと言うドイツのグループで、1986年のハヌカーに催されたハンブルクのユダヤ音楽会のライブ録音です。レーベルはイギリスのARCです。このレーベルは、ワールドリスナーの間でそれ程評価が高くないのかも知れませんが、この頃はこの盤のようないい録音が色々出ていました。80年代末にリリースされた1枚もの2枚は一度廃盤になって、2003年頃に2枚組廉価盤で再発されています。
彼らのレパートリーのユニークな点は、イディッシュ民謡と結婚式などのクレズマー曲などの東欧系ユダヤ音楽だけでなく、スペイン系ユダヤ人(セファルディ)の歌や、ヘブライ語の歌まで入っている事だと思います。東欧系とセファルディだけなら他にも例はありますが、ヘブライ語の歌まで歌っているのは他に記憶がありません。
当時はアメリカのリヴァイヴァル・クレズマーの最盛期だと思いますから、その影響を受けたようなLower East Sideなどの曲も見えます。Lower East Sideと言えば、ニューヨークでユダヤの伝統が今も息づいている地区として有名です。この曲辺りはクレズマーの範疇に入ると思います。まずはその曲と、前々回にジョーン・バエズの歌唱でかけたドナ・ドナのイディッシュ語版の2曲を続けておかけします。

<2-1 Lower East Side 2分15秒>

<2-7 Dona Dona 3分6秒>

ヘブライ語の歌は3曲入っています。何年か前にイスラエルの時にもかけたエルサレム市の歌「黄金のエルサレム」と、ヤミン・ウ・スモール(邦題は砂漠のキャラバンとなっています)、旧約聖書の雅歌から歌詞が取られているコール・ドディです。「黄金のエルサレム」とコール・ドディは、91年頃ヘブライ語教室でも歌った歌で、個人的に二重に懐かしい曲です。この2曲を続けておかけします。

<2-10 Jerushalajim shel zahav 3分57秒>
<2-12 Kol dodi 1分59秒>

セファルディの歌は、スペインに回って来ましたらまた取り上げる予定です。イディッシュの歌に戻りまして、19世紀ポーランドのガリツィアのハシディック・ソングDer Rebbe Elimeylechと、以下は何度かかけていますがUn as der Rebbe singt、Sog nischt kejnmol ...、Dire Geldの4曲を続けます。ルッツ・エリアスの演劇的な歌唱が素晴らしいです。Sog nischt kejnmol ...(決して最後の道を行くと言わないで)は、パルティザン活動の末にナチスに捉えられ亡くなったと言われる詩人Hirsch Glickが書いたユダヤ・パルティザンの聖歌とも言われる曲です。

<1-5 Der Rebbe Elimeylech 3分34秒>
<1-9 Un as der Rebbe singt 3分20秒>
<2-9 Sog nischt kejnmol ...1分27秒>
<2-5 Dire Geld 1分24秒>

では最後に18,19世紀ポーランドのガリツィアの歌とされるZen Briderを時間まで聞きながら今回はお別れです。ゼン・ブリダーとは「10人の兄弟」の意味です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-3 Zen Brider 10分35秒>

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2023年6月 9日 (金)

ZupfgeigenhanselのJiddische Lieder (`ch hob gehert sogn)

ZupfgeigenhanselのJiddische Lieder(「私が耳にしたこと (`ch hob gehert sogn)」)は、現在CDは入手困難のようです。YouTubeとストリーミングでは全曲聞けますので上げておきます。今回他に番組でかけた曲は、Di Grine Kusine、Lomir Sich Iberbetnと、5曲目のArbetlosemarsch(失業者達の行進)でした。7曲目のDonai, Donai(ドナ・ドナ)が何故かiPhoneで表示されてなくて、番組でかけ忘れてしまいました。(久しくCDではかけてなかったもので)
Di Grine Kusineはオープニングの躍動感あふれる曲ですが、有名なクレズマーヴァイオリニストのエイブ・シュヴァルツ作と言うことは余り知られてないかも知れません。6曲目のLomir Sich Iberbetnはハシディックなノリが強く感じられる曲で色々なグループの演奏をよく聞きます。英訳はLet Us Be Lovers Againと出てきましたが、これはこのままの意味でしょうか。Arbetlosemarsch(失業者達の行進)は、イディッシュ民謡の名曲を数多く残したモルデハイ・ゲビルティグ作の歌です。ゲットー暮らしの劣悪さを歌ったDire-Gelt同様、エレジー的な歌ですが、共に空元気のようなところがイディッシュ・ソングらしさでしょう。
昨日のSchtil, Di Nacht is Ojsgeschterntですが、少女パルティザンの活躍を歌った歌で「静かに、夜には星が散りばめられ」と、故・阪井葉子さんの「戦後ドイツに響くユダヤの歌」に解説と訳がありました。イディッシュ民謡やZupfgeigenhanselがお好きな方には、超お薦めの著書です。と言うか必携の名著です。

Zupfgeigenhansel - Jiddische Lieder

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2023年6月 8日 (木)

Schtil, Di Nacht is Ojsgeschternt ツプフガイゲンハンゼルの昔と今

番組でもかけましたが、ZupfgeigenhanselのJiddische Liederの中で、特に好きな曲の一つSchtil, Di Nacht is Ojsgeschterntの1984年のライブ映像がありました。この詩も、昨日のSog Nischt Kejnmolと同じHirsch Glikの作と分かりました。意外に他のイディッシュの音源では聞かない曲です。Jiddische Liederの他の曲は、明日全曲入れようと思っていますので、ドイツ民謡を歌っている82年の映像を2本目に入れます。ハシディックなノリが強く感じられるLomir Sich Iberbetnも個別に上げようかと思いましたが、他のグループの演奏も多い曲ですので、外しました。ワンダーフォーゲル活動などで歌われるドイツ民謡の方が彼らのレパートリーの中心ですから、ドイツに回って来たら取り上げる予定ですが、アルバムとしては1枚だけのイディッシュ民謡は相当評価が高かったようで、私のようにイディッシュ専門のグループと思っていた人も日本にはいるのではと思います。
3本目は2022年の映像ですが、もうすっかりお爺ちゃんになっていて、分かってはいたことですが、少々ショックを受けました。

Zupfgeigenhansel - Schtil, di nacht is ojsgeschternt (Live 1984 - Volksbühne Berlin)

Zupfgeigenhansel - Bürgerlied (Live bei "Nacht der Lieder" 1982 - 2/6)

50 Jahre Zupfgeigenhansel: Das große Comeback 2022 (Interview von RegioTV)

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2023年6月 7日 (水)

ツプフガイゲンハンゼルのSog nischt kejnmol

ZupfgeigenhanselのJiddische Lieder(イディッシュ民謡「私が耳にしたこと (`ch hob gehert sogn)」)は、手に入れた1990年頃かなり夢中になって聞いた一枚です。ゲットーの写真も素晴らしく、そこに映っていた少年が実際に歌っていたのではとリアルに思えるような哀しい歌の数々から、1978年に見た、戦時中のユダヤ人迫害を再現したTV映画「ホロコースト 戦争と家族」をすぐ様思い出しました。あの映画の中で、ガス室に連行される前に女教師が子供たちのピアノ伴奏をしたのは、戦時中はまだシオニスト・ソングだったハティクヴァ(イスラエル独立後は国歌)でした。パルティザンが捉えられ銃殺される直前にハティクヴァをレジスタンス・ソングのように歌っていたシーンも、非常にインパクトがありました。この二つは特に忘れられないシーンです。ツプフガイゲンハンゼルの歌唱で、同じ様なイメージで聞いたのがゾーグ・ニシュト・ケインモルでしたから、今日はこの曲だけ上げておきます。
Sog nischt kejnmol ...(直訳するなら「決して最後の道を行くと言わないで」)は、パルティザン活動の末にナチスに捉えられ亡くなったと言われる詩人Hirsch Glickが書いたユダヤ・パルティザンの聖歌とも言われる曲です。

Sog nischt kejnmol

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2023年6月 5日 (月)

TahahとDire-Gelt

ゼアミdeワールド362回目の放送、日曜夜10時にありました。7日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はTahahとDire-Geltのみです。

東欧系ユダヤ音楽の3回目になります。先週に続いて1989年に聞いたイディッシュ・ソングの「懐かしい2枚」の内の一枚、ドイツのプレーネから出ていたZupfgeigenhanselのJiddische Lieder(「私が耳にしたこと (`ch hob gehert sogn)」)からおかけします。メンバーがユダヤ系ではないツプフガイゲンハンゼルは、元々ドイツ民謡が専門のバンドですが、ドイツ人が共感を持って演奏するとこうなるという良い例だと思います。リリースが1979年ですから時期は近いですが、クレズマー曲でもアメリカのリヴァイヴァル・クレズマーのグループとは一味違い、「歌」に重心を置いた素晴らしい演奏を展開しています。イディッシュ語の歌唱も、ドイツ人なら歌いやすいのかなと思います。なお、ツプフガイゲンハンゼルのドイツ民謡の方も、またドイツに回って来たら取り上げる予定です。

シャガールが描いたクレズマーのフィドラーそっくりに見えるジャケットも秀逸なこの盤のプロデューサーは、ジャーマン・ロックのバンドCan(カン)やDAF、日本のPhewのLPもプロデュースしていたコニー・プランクです。80年代前半は大学オーケストラでヴァイオリンを弾きながらも、聞く方ではその辺のニューウェイヴ~インディーズにどっぷりだったので、コニー・プランクの名前だけでも飛びつくのに動機は十分でした。ライナーノーツに載ったゲットーのユダヤ人の写真そのもののようなユダヤ音楽の哀感とともに、躍動感のある演奏と音作りになっています。

この盤で思い出すのが、ジョン・ゾーン・マサダが演奏していた曲にそっくりな曲がありまして、そのことについてのエピソードです。私が六本木ウェイブの4階にあったアール・ヴィヴァンの支店のストアデイズの音楽担当をしていた94年の事ですが、当時よく店に来られていたジョン・ゾーンから、「この店は世界一ユダヤ音楽が充実してる」と褒められまして、今度出すマサダのCDのライナーノーツを書いて欲しいと直接依頼されました。ジョン・ゾーンと言えば、ニューヨーク・アヴァンギャルド・シーンの中心人物として大活躍の頃で、70年代には近藤等則さんともよく活動していたようです。94年頃はTzadikレーベルを立ち上げ、ユダヤ音楽を取り入れる方向に舵を切った頃でした。ディスクユニオンのDIWレコーズから1994年に出た「ジョン・ゾーン・マサダ/Alef」がその盤ですが、ライナーノーツの中に「5曲目のTahahが、ツプフガイゲンハンゼルも演奏していたDire-Geltと同じ曲」と書いたのですが、その件で編集者を通してジョン・ゾーンとやりとりした結果、Dire-Geltと言う曲を彼は知らないようでした。これは私の推測ですが、無意識にそっくりな旋律を演奏していたのかも知れないと思いました。

余談ですが、94年と言えば、FM東京の番組、トランスワールド・ミュージックウェイズの田中さんから出演依頼が来まして、1994年6月4日に「ユダヤの音楽」と言うタイトルで初めてラジオ番組に出演しました。ラヂバリで番組を持つ22年前で、ちょうど映画「シンドラーのリスト」が話題になっていた頃です。96年にゼアミを立ち上げる2年前でした。

前置きが長くなりました。マサダはまた改めて取り上げますが、そのジョン・ゾーン・マサダの1枚目、Alefから5曲目のTahahと、ツプフガイゲンハンゼルのDire-Geltを続けておかけします。

<5 John Zorn Masada / Alef ~Tahah 5分42秒>

<2 Dire-Gelt 2分12秒>

この2曲はそっくりに思いますが、いかがでしたでしょうか。
続いて、ZupfgeigenhanselのJiddische Liederから、Di Grine Kusine、Schtil, Di Nacht is Ojsgeschternt、Lomir Sich Iberbetn、Sog Nischt Kejnmolの4曲をピックアップしました。Di Grine Kusineはオープニングの躍動感あふれる曲、その後はしっとりと美しいバラード風なSchtil, Di Nacht is Ojsgeschterntと言う曲で、その次のLomir Sich Iberbetnはハシディックなノリが強く感じられる曲で色々なグループの演奏をよく聞きます。Sog Nischt Kejnmolは、前回かけた「パルティザンの歌」と同様、対独レジスタンスの中で生まれた歌です。では4曲続けます。

<1 Di Grine Kusine 2分38秒>
<4 Schtil, Di Nacht is Ojsgeschternt 3分36秒>
<6 Lomir Sich Iberbetn 3分30秒>
<10 Sog Nischt Kejnmol 2分21秒>

では最後に5曲目のArbetlosemarsch(失業者達の行進)を時間まで聞きながら今回はお別れです。イディッシュ民謡の名曲を数多く残したモルデハイ・ゲビルティグ作の歌です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Arbetlosemarsch 2分36秒>

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2023年6月 2日 (金)

ジョーン・バエズのドナ・ドナ

そして今週の最後は、ドナ・ドナです。番組でかけたジョーン・バエズの英語による1961年の歌唱で一躍世界的に有名になりましたが、原曲は1938年に作られたイディッシュ語の歌で、ショロム・セクンダ作曲、アーロン・ツァイトリン作詞です。1940年にイディッシュ語のミュージカル Esterkeに初めて使われました。作詞作曲者共に、ベラルーシとウクライナから来たユダヤ系アメリカ人で、アメリカで生まれた曲と言うのは意外に知られてないかも知れません。ドナ・ドナの部分のイディッシュ語表記ですが、

דאָנאַ


ですから、本来はダナ・ダナと言う方が音は近いです。
このドナ・ドナのドナは、詩篇などに頻出する「我が主よ」の意味のアドナイの短縮形と言う解釈があります。23篇の「アドナイ・ロイー・ロー・エフサル」など、ヘブライ語教室で暗誦したものですが、アドナイはとにかくよくタナフ(ヘブライ語聖書)に出て来る単語です。

今日はジョーン・バエズのみ上げておきますが、また番組でイディッシュ語版の音源を幾つかかける予定です。

Joan Baez ~ Donna, Donna

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2023年6月 1日 (木)

「重い砂」のLomir alle

結婚式の歌「ロミール・アッレ」は、歌詞の英訳がオコラ盤に出ていたので、以下に入れておきます。この歌を会衆が歌っている映画「Heavy Sand/Тяжёлый песок」のワンシーンがYouTubeにありました。英語、ロシア語共に、和訳すれば「重い砂」です。これはロシアのテレビ番組のようです。結婚式なのに、このハシディック由来のアハヴォ・ラボ旋法の物悲しい旋律と音階、それとは対照的にも映る明るい人々の表情など、見どころ豊富で何度も見てしまいました。これはユダヤ人でなければ、演じられないシーンでしょう。
2本目はオコラのイディッシュ音源のロミール・アッレ。昨日「ヴァイオリンはアミ・フラメール、ギター弾き語りはモシェ・ライサー、アコーディオンはジェラール・バローで、出来ればライブ映像を見たかったのですが、この3人の静止画像を見れただけでも嬉しい一本」と書きましたが、静止画像を見れるのは、今日のロミール・アッレでした。

Let`s all together celebrate
with the groom and the bride
Let`s all get together
and drink a glass of wine

Lomir Ale Ineynem - Jewish Folk Song

Ami Flammer/Moshe Leiser/Gérard Barreaux - Lomir alle (Yiddish Song)

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