「アヒル」からトゥンバラライカ
今日のベツニ・ナンモ・クレズマーは、セカンドの「アヒル」です。番組でかけたのは、非常に有名なイディッシュ・ソングの一つ「トゥンバラライカ」でした。この曲がよく知られている理由の一つには、バラライカの名が入っているのもあるかと思いますが、ではトゥンと言うのは何でしょうか? 言うまでもなくバラライカはロシアの楽器で最も有名な弦楽器で、大小さまざまあり、コントラバス・バラライカは、足が付いていて立てて奏し、高さは170センチはあるでしょうか。バラライカ・アンサンブルの楽器で、名前からカザフのドンブラと明らかに繋がりを感じるのが、胴の丸いロシアのドムラですが、それが三角に変形したのでしょうか。19世紀のワシーリー・アンドレーエフが農奴の弾く楽器に感銘を受け改良し出来たのがバラライカですが、元も三角だったのか気になります。この薄く軽めの軽快な音色が、重厚なロシア民謡にぴったりです。コーカサスのジョージア(グルジア)やチェチェンでは、パンドゥリの代わりによく演奏され、コーカサスのハチロク・リズムにもよく馴染みます。
「トゥンバラライカ」と言う歌が生まれたのは、ロシアのユダヤ人社会ですが、ポグロム~ホロコーストより前の録音はほとんど残ってないので、ユダヤ人の間でも一般的な楽器だったのか確認は困難です。この歌の内容はいかにもイディッシュ民謡らしいエレジー風なラブソングですが、それがバラライカの軽快なリズムで表現されるところが大きな特徴です。トゥンバラライカはバラライカの掻き鳴らしのリズムをリアルに感じる曲です。(昨日指摘されて気が付きましたが、確かにチム・チム・チェリーに少し似てます。)
例によって1本目は2014年のライブ映像、2本目は「アヒル」全編です。オデッサ・ブルガールから始まり、トゥンバラライカは2曲目です。久々に聞いて思いましたが、2,3枚目はアレンジが凝ってますね。梅津さんのルーツのフリージャズ色も度々顔を出します。
Betsuni Nanmo Klezmer "Tum Balalayke" Vocal:Koichi Makigami&Tokyo Nammy
Ahiru (full album) - Batsuni Nanmo Klezmer & Kazutoki Umezu (1996)
| 固定リンク
« 悲しき天使 | トップページ | BNKのドナ・ドナ »
「ユダヤ音楽」カテゴリの記事
- Moses Mirsky他のカントールの歌声(2024.08.08)
- ハイフェッツのヘブライ・メロディ(2024.08.07)
- ミッキー・カッツのフレンチ・カンカン(2024.08.05)
- カントールを伴奏するトランペット(2024.02.08)
- カントールの芸術 ジャン・ピアース(2023.12.29)
「イディッシュ」カテゴリの記事
- ツプフガイゲンハンゼルとイディッシュ・ソング(2025.12.26)
- 三本締め ソロモン・ミホエルス サラ・ゴルビー バリー・シスターズ(2024.08.09)
- ブルーノ・ジラールとドニ・キュニオ(2024.08.02)
- バリー・シスターズとアンドリュー・シスターズ(2024.08.01)
- サラ・ゴルビー「ゲットーの忘れられない歌」(2024.07.31)


コメント