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2023年8月16日 (水)

ハティクヴァとエリ・エリ

ヘブライ語の歌では、ハティクヴァとエリ・エリが残りました。どちらも特別な曲で、他の大衆歌謡とは一緒に出来ません。ハンナ・セネシュのエリ・エリのこともここでは指しますが、番組でかけたカルステン・トロイケの曲は、そのハンナ・セネシュの有名なエリ・エリとは別の歌で、キリスト教側の聖書の言葉として有名な「エリ・エリ・ラマ・アザヴタニ」の文句が出て来たことにおいて、これは一体どういう歌だろうと一人驚いていました。この秘密を解き明かしたいものですが。カルステン・トロイケのハティクヴァは、YouTubeには見当たらないので、2本目に珍しいインド系ユダヤ人の歌唱で。
ハティクヴァで個人的に強く印象に残っているのは、1978年のTVドラマ「ホロコースト 戦争と家族」で、パルティザンの数人が捕まって銃殺される寸前までこの曲を歌っていたこと、女教師がガス室に送られる直前に子供たちが歌うハティクヴァのピアノ伴奏をしていたシーンです。モルダヴィア民謡「Cucuruz cu frunza-n sus」を基に、サミュエル・コーエンが編曲し、更に1897年に作曲家パウル・ベン=ハイムによって管弦楽曲に編曲されたという事で、そのモルダヴィア民謡を聞いてみましたが、ハティクヴァとはかなり違って聞こえました。(以下放送原稿を再度)

Karsten Troyke, Daniel Weltlinger & Daniel Pliner名義の2018年のThe World and Iと言う音源の最後には、Eli Eliと言う曲が入っていまして、これは有名なハンナ・セネシュの歌ではなく、歌詞の冒頭に「エリ・エリ・ラマ・アザヴタニ」と出て来る通り、イエス・キリストが処刑される際に言ったとされる言葉、「神よ、何故私を見捨てたもう」のヘブライ語ですから、聖書をテーマにしているのではと思いますが、新約聖書の福音書以外にこの文句が出てきたか、また調べてみます。Eli Eliは、どちらの場合も「わが神、わが神」の意味です。冒頭の文句とシェマー・イスラエルなどヘブライ語の定例文以外は、ほとんどがイディッシュ語のようです。新約聖書の福音書やバッハのマタイ受難曲などでは、「エリ・エリ・ラマ(レマ)・サバクタニ」と、元のヘブライ語から離れた発音がされています。

<Karsten Troyke / The World and I ~Eli Eli 3分11秒>

Yiddish Berlinは、イディッシュ名曲のAbi Gezintで始まりますが、イディッシュ語とヘブライ語だけでなく、ロシア語の歌や、歌詞はイディッシュ語でもシャンソンのパダンパダンやアメリカのポピュラーソング、ケセラセラまであります。最後にイスラエル国歌のハティクヴァが入っていますので、次におかけします。元は19世紀末以来のシオニスト・アンセムですが、戦時中は対独レジスタンスの歌でもありました。スメタナのモルダウに似ているとも言われる悲愴感溢れる極めて美しい旋律です。

<Karsten Troyke / Yiddish Berlin ~HaTikva (Die Hoffnung) 2分30秒>

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