カントールのフランソワ・リリエンフェルト
ハシディック・ソングとイディッシュ・ソングの、ラフな演奏ながら味わい深い歌声をRelief盤で聞かせたフランソワ・リリエンフェルトが、カントールに転身していた(あるいは元々カントールでもあったのかも)のは、今回調べて初めて知りました。Relief盤には曲の解説だけで、プロフィールは載っていなかったので。映像の撮影年は2002年頃と言うことなので、1989年のRelief盤から13年経っています。名前もおそらく珍しい苗字でしょうし、テノールの声質を聞く限り、間違いなくフランソワ・リリエンフェルトだと思います。バンド名にガリツィアナーと付けていたくらいですから、おそらくポーランド南部~ウクライナ西部のガリツィア辺りから、スイスに逃れてきた家系ではないかと思います。来週取り上げるギオラ・ファイドマンは、ベッサラビア(現在のモルドヴァ共和国の辺り)系ユダヤ人の両親が迫害から逃れ移住したアルゼンチンのブエノスアイレスで1936年に生まれています。ガリツィアとベッサラビア(バサラビエ)は共に、戦前にユダヤ文化が花開いた地方です。
カントールの詠唱を2本と、3本目はクレズマティクスのロリン・スクランベルクの感動的な名唱が耳に残るShnirele perele(真珠の弦)です。この映像のように指揮者としても活動しているようです。
Kantor François Lilienfeld, France Part 1
Kantor François Lilienfeld, Narbonne, France Part 2
Shnirele perele
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