Zahava Seewald & Psamim
ゼアミdeワールド377回目の放送、日曜夜10時にありました。20日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。Amim Zemirosは、別メロと併せて水曜以降に。Zahava Seewaldは、英語風に読めばザハヴァ・スィーワルドかも知れませんが、イディッシュですからドイツ語風に読んでズィーヴァルトが近いと思います。ザハヴァは、「黄金のエルサレム」のヘブライ語タイトル、イェルシャライム・シェル・ザハヴのザハヴ(金)の女性形です。
東欧系ユダヤ音楽の17回目になります。今回は90年代前半によく聞いたイディッシュ・ソングの盤で、ザハヴァ・ズィーヴァルトと言う女性歌手のベルギーSub Rosa盤(Zahava Seewald & Psamim / Ashkenaz Songs)中心におかけしたいと思いますが、2003年にジョン・ゾーンのプロデュースするツァディク・レーベルのラディカル・ジューイッシュ・カルチャーからも彼女のCDが出ていますので、こちらからもかけたいと思います。サブローザ盤については、99年に音楽之友社から出たユーロルーツポップサーフィンにレビューを書いていましたので、読み上げてから、文中の数曲をまずおかけします。
この盤は演奏の鮮烈さ、選曲の妙で光る。彼女はベルギーのアントワープの正統派ユダヤ教徒の家に生まれた。鮮やかな印象を残すゲットーの歌やハシディームのユダヤ神秘主義の歌の数々だが、あまり採り上げられない佳曲が多い。ベツニ・ナンモ・クレズマーの演奏で日本でも知られる「アレ・ブリデル」「パピロシュン(煙草)」、アハヴォ・ラボ旋法の結婚式の歌、最後のシャバトのヘブライ語の歌「アニム・ズミロット」の独唱も良い。モダン・ミュージックの良質なレーベルとして知られるサブローザ盤なので、パッケージもなかなかアーティスティック。
<8 Ale Brider 1分28秒>
<19 Papirosn 4分56秒>
<21 Amim Zemiros 1分45秒>
シャバトのヘブライ語の歌「アニム・ズミロット」は、いくつか旋律を知っていますが、これはこの盤だけで聞くメロディでした。1曲目の結婚式の歌は特に素晴らしいのでおかけしておきます。
<1 In Rod Arayn 2分28秒>
ザハヴァ・ズィーヴァルトが生まれたのはアントワープの正統派ユダヤ教徒の家と言うことですが、オランダPanのPlanet Flandersの解説によると、両親はモロッコ系の母とポーランド系の父とのことですから、モロッコ系のセファルディとポーランド系のアシュケナジームと言うことだと思います。ラディカル・ジューイッシュ・カルチャーから出ている盤(Zahava Seewald & Psamim / Koved)には、イディッシュだけでなくセファルディも16曲中2曲入っているのは、おそらくどちらにも馴染んできたからではと思います。ドイツ語に似たイディッシュ語とスペイン語に似たラディノ語の両方が、一人の歌い手によって一枚のCDから聞こえる不思議があります。今は東欧系ユダヤの特集ですので、今回はイディッシュ語の歌のみ取り上げます。まずは、ブレイヴ・オールド・ワールドの名演でも有名なルーマニアのドイナのスタイルによるバサラビエ(ベッサラビア)からおかけします。Sarah GorbyのLPを参考にしたという事で、他の演奏とは少し違っています。伴奏のサミームの編成はアコーディオン、ヴァイオリン、コントラバスです。
<1 Besarabye 4分31秒>
9曲目のヴェタヘル・リベイヌはヘブライ語の宗教歌、7曲目のHad Gadyaはアラム語の過ぎ越しの祭りの歌で、Vetaher Libeynuの旋律は東欧系ユダヤの有名なメロディです。ヴェタヘル・リベイヌに続いて、「ルーマニアのバルガー」は典型的なクレズマー・レパートリーで、その後はイディッシュの歌が続きます。12曲目のA Yidish Klarineteleと、16曲目のVesomahto Behogekhoを時間まで聞きながら今回はお別れです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<9 Vetaher Libeynu 2分48秒>
<10 Roumenian Bulgar 3分13秒>
<12 A Yidish Klarinetele 3分17秒>
<16 Vesomahto Behogekho 2分56秒>
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