David Krakauer / Klezmer Madness!
デヴィッド・クラカウアーは、97年のPossessedからはクレズマティクスから抜けているようですが、95年頃はフランク・ロンドンと並んでホーンセクションの中心メンバーでした。クレズマー・マッドネスの後、97年にはクロノス・カルテットと組んでノンサッチからオスバルド・ゴリホフの作品も出していました。この辺りからでしょうか、クレズマー・クラリネットをフィーチャーしたクラシック方面の活動も増えていたようです。ディスコグラフィにあったMagyar Madness by David Del Tredici (eOne, 2016)と言うのが、とても気になります。番組ではThe Ballad of Chernobylが途中までになりましたので、この曲から先に上げておきます。(以下放送原稿を再度)
95年に同じくツァディクから出たデヴィッド・クラカウアーのクレズマー・マッドネスですが、Bocota Bulgarと言う曲の、ラテンリズムに乗せての古い録音の残るクレズマー曲がクラリネット演奏では出色だと思いますが、ライナーノーツで歌詞と解説が見開きで入っている通り、おそらくこの盤の目玉は「チェルノブイリのバラード」と言う曲で、ブレイヴ・オールド・ワールドのマイケル・アルパートがゲスト・ヴォーカルで参加しています。ブレイヴ・オールド・ワールドのファーストアルバムに、かつて繁栄したユダヤ人居住区シュテトルであり、重要なハシディズムの本拠地でもあった町としての「チェルノブイリ」と言う曲があったことをすぐさま思い出させます。今では原発事故のみで知られるこの町に、そんな輝いた時期があったことが綴られています。
<7 David Krakauer / Klezmer Madness! ~The Ballad of Chernobyl 5分19秒>
<2 David Krakauer / Klezmer Madness! ~Bocota Bulgar 4分6秒>
| 固定リンク
「クレズマー」カテゴリの記事
- ミッキー・カッツのフレンチ・カンカン(2024.08.05)
- ブルーノ・ジラールとドニ・キュニオ(2024.08.02)
- セオドア・ビケル or セオドア・バイケル(2024.07.01)
- シュニーレレ・ペレレ(真珠の弦)とカントール入り(2024.06.13)
- Nigun Karlinの部分(2024.06.12)
コメント