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2024年4月

2024年4月29日 (月)

100年前のクレズマー

ゼアミdeワールド408回目の放送、日曜夜10時にありました。1日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は2曲目まで上げておきます。

東欧系ユダヤ音楽の46回目になります。これから数回クレズマーの100年前後前の歴史的録音を聞いて行きたいと思います。最初の音源はKlezmer Pioneers - European and American Recordings 1905-1952と言う93年の米Rounder盤で、プロデュースはカペリエのメンバーだったヘンリー・サポズニクです。これまで聞いてきたリヴァイヴァル・クレズマーの源泉は、ここにありと言う珠玉の音源ばかりです。曲によっては、徐々にジャズに同化されていく音楽としての側面も感じられます。この盤の後は、独Trikontから出ていたYikhes(1911-1939年の古いクレズマーの録音)や、ナフテュール・ブランドヴァインやデイヴ・タラスなどの各音楽家別の音源を予定しております。

ラウンダーのKlezmer Pioneersは、ヨーロッパのクレズマー音楽の最初のスタジオ録音であり、ヴァイオリン、ツィンブル、セクンド(コントラフィドル)、ベースという、ハンガリー辺りの楽器編成で演奏され、収録曲の半分は原盤のSPで初めて録音されています。この盤には、Mikhl GuzikowやAvram Moyshe Kholodenkoなど、19世紀のクレズマーの偉大な作曲家による器楽曲が収録されています。クレズマー音楽がどこから来たのかを理解するのには、不可欠なアルバムの一枚でした。

まず1曲目のDem Rebens Tanz (The Rabbi's Dance)ですが、405回目の放送でかけたDi Naye Kapelyeのファーストアルバムの1曲目の原曲です。100年くらい前のクレズマーの古い録音で聞いたハシディック・ソング、とコメントを入れていました。1929年のArt Shryer's Orchestraの演奏です。

<1 Dem Rebens Tanz (The Rabbi's Dance) 3分15秒>

3曲目のFon der choope (From the Wedding)と言う曲も、リヴァイヴァル・クレズマーの演奏でよく聞く曲です。これはAbe Elenkrig's Yiddishe Orchestraの1913年の録音です。

<3 Fon der choope (From the Wedding) 3分7秒>

5曲目のMa Yofus (How Beautiful)と言う曲は、ルスティヒ・ザインと言うタイトルのハシディック・ニグンの典型例として、これまで度々かけてきた曲ですが、曲名が違っています。演奏はBelf's Rumanian Orchestraで、1908-10年の録音です。
この旋律は独TrikontのYikhesにもGalitsyaner Khusidと言う曲名で入っていますので、続けておかけしておきます。Galitsyaner Khusidのタイトルは、文字通り「ガリツィアのハシッド」の意味ですが、メドレーになっていてルスティヒ・ザインの旋律は後半に出て来ます。演奏はMishka Ziganoff (acc)です。

<5 Yofus (How Beautiful) 2分41秒>
<13 Yikhes ~Galitsyaner Khusid 3分13秒>

エイブ・シュヴァルツ楽団(Abe Schwartz's Orchestra)の音源は2曲ありますが、8曲目のA Dreidele Far All-Freilachs (A Dance For Everyone)をおかけします。数多のクレズマーの名演奏家や名曲を残した名楽団の演奏です。この曲もリヴァイヴァル・クレズマーの演奏でよく聞く曲です。

<8 A Dreidele Far All-Freilachs (A Dance For Everyone) 3分8秒>

9曲目にはJoseph Cherniavsky and His Yiddish-American Jazz BandのKalle Bezetzns Un A Freilachs (The Bridal Serenade And Congratulations)が入っていますが、こういう変化に富んだ曲調は、リヴァイヴァル・クレズマーの演奏には少ないようにも思います。ヴァイオリンを始め、全てのパートの演奏技術の高さに驚かされる一曲です。

<9 Kalle Bezetzns Un A Freilachs (The Bridal Serenade And Congratulations) 3分11秒>

次のDie Chasidim Forren Tsum Rebbin (The Chasidim Visit The Rabbi)を演奏しているのは、カンデル楽団(Kandel's Orchestra)ですが、リーダーのハリー・カンデルはスーザの楽団にも在籍していたそうで、なるほど管楽器と打楽器のダイナミックな使い方に特徴があると思います。この曲のようにイディッシュ演劇的な曲にも、ぴったりはまっています。

<10 Die Chasidim Forren Tsum Rebbin (The Chasidim Visit The Rabbi) 4分11秒>

もう一曲カンデル楽団の演奏で、A Laibediga Honga (A Lively Honga)と言う曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。この盤から後3曲選んでいましたが、入りませんので、次回に回したいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<15 A Laibediga Honga (A Lively Honga) 3分17秒>

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2024年4月26日 (金)

ヤコブの梯子~タイタニック~天国への階段

スラムについては、番組でかけた音源も見当たらないので、ギオラ・ファイドマンとの共演映像を上げておきます。今日はヤコブの梯子について、少しまとめておきます。

「ヤコブの梯子 (旧約聖書) - 地上から天国に通じる梯子あるいは階段。 旧約聖書の創世記28章10–12節で族長のヤコブが兄エサウから逃れる際に見た夢に登場する。天使たちが上り下りし、その頂上に神が立っていたとされている。夢の意味については議論されてきたが、ほとんどの解釈はこれはアブラハムの宗教においてヤコブが神から選ばれた民と責務を受け継ぐことで一致している。」ウィキペディアより

タイタニックで有名な讃美歌320番「主よ、みもとに 近づかん」の弦楽四重奏編曲を先日弾いていて気が付いたことですが、出典が創世記28章10–12節になっていたので、びっくりしました。この曲は、タイタニックが沈んでいく時に、楽団が演奏したことで有名です。召命の意味が、ユダヤ教とキリスト教では違ってきているようにも思います。余談ですが、ずっと8分の6拍子でイメージしていましたが、その弦楽四重奏編曲は4拍子でした。

「ヤコブの梯子」と聞くと、同時に思い出すのが、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」(ステアウェイ・トゥ・ヘヴン)です。直接関係はなくても、意識して作られた歌ではと思いますが。「ヤコブの梯子」は、他にシェーンベルクのオラトリオがありますが、ニューウェーブ方面ではモノクローム・セットの曲にもありました。絵画もウィリアム・ブレイクやシャガールなど夥しい画家がこのテーマで描いています。雲の隙間から光が差すことを「ヤコブのはしご」と呼んだりすることもあるようですが、私はウィリアム・ブレイク的な神秘主義的イメージで見てしまい勝ちかも知れません。

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2024年4月25日 (木)

スラム=「ヤコブの梯子」

スラムのヴェルゴ盤については、やはりPCに入れても違うジャケットが表示されるので、ストリーミングには上がってないようです。更にYouTubeもなさそうですので、幾つか生演奏の映像を上げておきます。そういうレーベルが、フランスやドイツにはまだ結構あります。Aneinu!も再度取り寄せたので、東欧系ユダヤシリーズの内に何とか番組には間に合うと思います。(動画の曲とは違いますが、以下放送原稿を再度)

イスラエルのクレズマーのもう一枚は、SulamのKlezmer Music From Tel Avivと言う独Wergo盤です。リーダーはイスラエルを代表するクラリネットの名手 Moshe“Moussa”Berlin (モシェ・ムッサ・バーリン)とそのアンサンブルによる演奏です。スラムと言うのは、ヘブライ語で梯子を意味しますが、言うまでもなく創世記に出て来る「ヤコブの梯子」を指しています。
彼らの音源は、他にも同じヴェルゴから「Aneinu! アネイヌー エルサレムのスィムハット・トーラーの祭でのハシディック音楽」と言う盤が後で出ていましたが、こちらは好評だったもので、売り切れで資料が残っておりませんでした。言うまでもなくハシディック・ソングはクレズマー音楽の源泉ですから、クレズマー・ファンは必聴盤でした。
この盤から、1、2曲目のThe Lord Will Bless His People With Peace / Sammy's FreilakhとDobranoc / Skocnaを時間まで聞きながら今回はお別れです。フルートやヴァイオリンの上手さも特筆ものだと思います。Dobranocと言うのは、ロシア語などのスラヴ系の言葉で「おやすみ」の意味です。

"Sulam" Ensemble at the 11th klezmer meetings in Elqana Israel playing Bilvavi

Klezmer clarinetist Moussa Berlin plays Kale Bazetsn camera1

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2024年4月24日 (水)

コマネチが床に使った曲 サニエ・ク・ズルガライ

コマネチが1976年頃に床運動に使った曲サニエ・ク・ズルガライについては、何度も書いていますが繰り返しておきます。サニエ・ク・ズルガライ(Sanie cu zurgălăi 鐘のあるそり)は、1936年にルーマニアのユダヤ系作曲家Richard Steinによって名歌手MariaTănaseのために作曲された、当時の民謡調の流行り歌と見ていいように思います。イスラエル・ゾハルの盤では、英語圏でカバーされて有名になったJohhnie Is The Boy For Meの曲名で出ています。この曲を探して20年ほど経ってイスラエル・ゾハルの盤で初めて耳にした件を、ルーマニア音楽巡りの際にお話しました。耳に残って忘れられなかった曲を、クレズマーを聞いていて20年振りに偶然見つけた喜びは、一言では言い表せません。
1本目はイスラエル・ゾハルのライブ映像からこの曲だけの部分、2本目はルーマニアの民謡歌手Maria Lătărețuの歌唱です。

Israel Zohar / Johhnie Is The Boy For Me

Sanie cu zurgălăi - Maria Lătărețu - melodia originala

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2024年4月22日 (月)

バアル・シェム・トーブをイメージしたBerl`s Tune

ゼアミdeワールド407回目の放送、日曜夜10時にありました。24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。何をさておいてもBerl`s Tuneと思っていました。ようやく見つけましたので、今日はこれだけ上げておきます。おそらく番組でかけたのと同じ音源です。

東欧系ユダヤ音楽の45回目になります。今回から数回はクレズマーの歴史的録音を予定していましたが、イスラエルの音源を忘れていましたので、2枚おかけしておきます。

まず、イスラエル・ゾハルの「黄金のニグニーム」と言う盤です。イスラエル・ゾハルはギオラ・ファイドマンの後輩になると思いますが、やはりイスラエル・フィルに所属していたクラリネット奏者で、クレズマー演奏ではファイドマン以上のテクニックを聞かせる人だと常々思っていました。イスラエルHed Arziから出ていたこの盤は、7年ほど前にイスラエルの音楽を特集している際にかけようかとも思っていましたが、データを調べましたらかけてなかったので、今回取り上げます。Safed (Tzfat)とメロン山で実践されているクレズマー様式を研究し、その後は他のスタイルのクレズマー音楽にも精通するようになり、メロン山での伝統的なユダヤ教の祭日の一つ、ラグ・バ・オメルの公式楽器奏者として認められました。 彼はSafed (Tzfat)で毎年開催されるクレズマー音楽祭の創設者の一人でした。
冒頭のバールズ・チューンの超絶の演奏にまずびっくり度肝を抜かれますが、ハシディズムの創始者バアル・シェム・トーブをイメージした曲のようです。その他ヴァラエティーに富んだ選曲で、コマネチが1976年頃に体操の床運動に使った曲から、イディッシュの名歌パピロシュン(煙草)、金持ちなら(屋根の上のバイオリン弾きより)など、ポピュラー曲も披露しています。
では鮮烈極まりないバールズ・チューンからおかけします。クラリネットと言うのは、ここまでの表現が出来るのかと驚いた演奏です。

<1 Israel Zohar / Berl`s Tune 3分26秒>

コマネチが1976年頃に床運動に使った曲、ルーマニア民謡のサニエ・ク・ズルガライを続けておかけしますが、英語圏でカバーされて有名になったJohhnie Is The Boy For Meの曲名で出ています。サニエ・ク・ズルガライについては、この曲を探して20年ほど経ってこの盤で初めて耳にした件を、ルーマニア音楽巡りの際にお話しました。

<6 Israel Zohar / Johhnie Is The Boy For Me 1分43秒>

極めて有名な「モンティのチャールダーシュ」もやっていますので、おかけしておきます。

<21 Israel Zohar / Chardash 4分36秒>

イスラエルのクレズマーのもう一枚は、SulamのKlezmer Music From Tel Avivと言う独Wergo盤です。リーダーはイスラエルを代表するクラリネットの名手 Moshe“Moussa”Berlin (モシェ・ムッサ・バーリン)とそのアンサンブルによる演奏です。スラムと言うのは、ヘブライ語で梯子を意味しますが、言うまでもなく創世記に出て来る「ヤコブの梯子」を指しています。
彼らの音源は、他にも同じヴェルゴから「Aneinu! アネイヌー エルサレムのスィムハット・トーラーの祭でのハシディック音楽」と言う盤が後で出ていましたが、こちらは好評だったもので、売り切れで資料が残っておりませんでした。言うまでもなくハシディック・ソングはクレズマー音楽の源泉ですから、クレズマー・ファンは必聴盤でした。
この盤から、1、2曲目のThe Lord Will Bless His People With Peace / Sammy's FreilakhとDobranoc / Skocnaを時間まで聞きながら今回はお別れです。フルートやヴァイオリンの上手さも特筆ものだと思います。Dobranocと言うのは、ロシア語などのスラヴ系の言葉で「おやすみ」の意味です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 The Lord Will Bless His People With Peace / Sammy's Freilakh 6分38秒>
<2 Dobranoc / Skocna 5分59秒>

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2024年4月19日 (金)

Ensemble Draj / Kinderjorn

アンサンブル・ドライのキンデルヨルンについては、ジャケットがとても印象的です。楽器かもと最初思いましたが、これはタイトル通り、子供の遊具でしょう。そのキンデルヨルンも素晴らしい演奏ですが、この曲ではチェロが出てこないので外しました。(以下放送原稿を再度)

次はイディッシュ・ソングになりますが、Ensemble Draj / Kinderjornと言う2006年の盤です。 独Laika Recordsから出ていて、女性ヴォーカルにチェロ、アコーディオンのみというユニークな編成です。ゲットーで生まれた物悲しいイディッシュ・ソングですが、室内楽サウンドで静かに演じられると、ECM風のクールな趣きにも聞こえます。この盤から、他の演奏でも何度かかけたイディッシュ名曲のOifn Pripetschikをおかけします。その後時間が余ればPapir Is Doch Wajssまでおかけします。

<4 Ensemble Draj / Kinderjorn ~Oifn Pripetschik 4分5秒>

<9 Ensemble Draj / Kinderjorn ~Papir Is Doch Wajss 2分39秒>

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2024年4月18日 (木)

Deborah Strauss and Jeff Warschauer夫妻

今日は役所用事で松山に行っていたので、夜のアップになりました。番組でかけたDeborah Strauss and Jeff Warschauer夫妻の曲とは違いますが、共演映像は結構ありました。2本上げておきます。Ellipsis artsは、PCで違うジャケットが表示されますし、YouTubeも見当たりませんでした。(以下放送原稿を再度)

次はKlezmer Music: A Marriage of Heaven & Earthと言うEllipsis artsからの96年のコンピレーション盤から、Deborah Strauss and Jeff WarschauerのWedding Suiteと言う曲をおかけします。前にデボラ・シュトラウスは今どうしているのでしょうか、と言う事をゼアミブログで書いたり、400回目の放送でThe Chicago Klezmer EnsembleのSweet Home Bukovinaをかけた際に言いましたが、同じクレズマー・コンサーヴァトリー・バンドに在籍したことのあるジェフ・ワルシャワと夫婦になられていたことは、最近知りました。400回目でかけたMazltovは、同じくこのコンピレーションに入っていました。デボラ・シュトラウスはIn the Fiddler`s Houseの95年に出たVHSの映像で、ブレイヴ・オールド・ワールドのメンバーとクラクフ・ゲットー跡地でドイナを演奏しているシーンがありまして、それが強く印象に残っていたヴァイオリニストです。

Deborah Strauss and Jeff Warschauer, Krakow Jewish Culture Festival 2014

Deborah Strauss and Jeff Warschauer on The Wandering Muse

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2024年4月17日 (水)

HuljetのBay Mir Bistu Sheyn

Huljetと検索すると、ほとんどイディッシュ・ソングのHuljet, huljet kinderlechが出て来ますが、一本だけグループとしてのHuljetで間違いないのではと言う映像がありました。アカペラではありませんが、同じBay Mir Bistu Sheynです。最近の映像がないということは、もう活動してないのかも知れません。2本目にツプフガイゲンハンゼルのHuljet, huljet kinderlechの1980年の素晴らしいライブ映像を上げておきます。(以下放送原稿を再度)

次に南ドイツで94年に結成されたクレズマー・グループ、フルイェト(Huljet)のMeschuggeと言う盤からです。前作の独Heartmoon Recordsからのthe goj groupではトラッドを大事にしながら、現代的感性を盛り込むスタイルでしたが、こちらではウードやダラブッカなど中東の楽器も入れて更に新しい試みを色々展開しています。この盤から、イディッシュ・ソングの大変有名な曲、Bay Mir Bistu Sheynをおかけします。この曲はアカペラ重唱です。

<10 Meschugge - Huljet! - That New Kind Of Klezmer  Bay Mir Bistu Sheyn 2分6秒>
huljet! live at Kneipenbühne, Mar. 3, 2007 Part 2

Folk-Archiv: Zupfgeigenhansel - Huljet, huljet kinderlech (Live beim WDR-Folkfestival 1980)

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2024年4月15日 (月)

In the Klezmood

ゼアミdeワールド406回目の放送、日曜夜10時にありました。17日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はIn the Klezmoodの2曲を。

東欧系ユダヤ音楽の44回目になります。ヨーロッパのクレズマーも6回目になりますが、今回で現代のクレズマーは終えたいと思います。クレズマーの音源は、本当に星の数ほどありますが、今回は手持ち資料の中から数枚おかけします。次回から数回はクレズマーの歴史的録音を予定しております。

まず最初は、オーストリア在住のYさんから頂いたIn the Klezmoodと言う盤で、おそらく日本ではなかなか手に入らない盤ではないかと思います。パイプオルガンなど弾かれる鍵盤奏者のYさんのお薦め盤でした。ピアノ弾き語りのRoman Grinbergを中心に結成されたグループによる演奏で、ピアノと歌、クラリネット、ベース、パーカッションの4人編成です。本格的なイディッシュ語の歌唱も聞かせています。この盤からギオラ・ファイドマンの演奏で有名になったNoch Mer Freylechと、割と珍しいピアノによるドイナの演奏の2曲を続けておかけします。

<4 In the Klezmood ~Noch Mer Freylech 3分46秒>

<6 In the Klezmood ~Doina 3分25秒>

次に南ドイツで94年に結成されたクレズマー・グループ、フルイェト(Huljet)のMeschuggeと言う盤からです。前作の独Heartmoon Recordsからのthe goj groupではトラッドを大事にしながら、現代的感性を盛り込むスタイルでしたが、こちらではウードやダラブッカなど中東の楽器も入れて更に新しい試みを色々展開しています。この盤から、イディッシュ・ソングの大変有名な曲、Bay Mir Bistu Sheynをおかけします。この曲はアカペラ重唱です。

<10 Meschugge - Huljet! - That New Kind Of Klezmer  Bay Mir Bistu Sheyn 2分6秒>

次はKlezmer Music: A Marriage of Heaven & Earthと言うEllipsis artsからの96年のコンピレーション盤から、Deborah Strauss and Jeff WarschauerのWedding Suiteと言う曲をおかけします。前にデボラ・シュトラウスは今どうしているのでしょうか、と言う事をゼアミブログで書いたり、400回目の放送でThe Chicago Klezmer EnsembleのSweet Home Bukovinaをかけた際に言いましたが、同じクレズマー・コンサーヴァトリー・バンドに在籍したことのあるジェフ・ワルシャワと夫婦になられていたことは、最近知りました。400回目でかけたMazltovは、同じくこのコンピレーションに入っていました。デボラ・シュトラウスはIn the Fiddler`s Houseの95年に出たVHSの映像で、ブレイヴ・オールド・ワールドのメンバーとクラクフ・ゲットー跡地でドイナを演奏しているシーンがありまして、それが強く印象に残っていたヴァイオリニストです。

<7 Deborah Strauss and Jeff Warschauer / Wedding Suite 6分26秒>

次はイディッシュ・ソングになりますが、Ensemble Draj / Kinderjornと言う2006年の盤です。 独Laika Recordsから出ていて、女性ヴォーカルにチェロ、アコーディオンのみというユニークな編成です。ゲットーで生まれた物悲しいイディッシュ・ソングですが、室内楽サウンドで静かに演じられると、ECM風のクールな趣きにも聞こえます。この盤から、他の演奏でも何度かかけたイディッシュ名曲のOifn Pripetschikをおかけします。その後時間が余ればPapir Is Doch Wajssまでおかけします。これらの曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<4 Ensemble Draj / Kinderjorn ~Oifn Pripetschik 4分5秒>
<9 Ensemble Draj / Kinderjorn ~Papir Is Doch Wajss 2分39秒>

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2024年4月12日 (金)

Traktoristとディ・ナイェ・カペリエの近況

ディ・ナイェ・カペリエのサードアルバムのTraktoristは2008年に出ていますが、当時オリエンテ含むドイツ盤が入りにくくなっていたのか、聞いたのは最近でした。ストリーミングでDi Naye Kapelyeと検索すると、今回ラストにかけたBaj Van Medleyが一番に出て来ます。いかにもカルパチアらしい低音打楽器が入る曲です。今の所、昨日と一昨日聞いたセカンドほどのアイデアの斬新さはないようにも思いましたが、カルパチア色をはっきり打ち出しているように聞こえます。この盤の最後はブレイヴ・オールド・ワールドのファーストアルバムに入っていたチェルノブイリで締めていますが、私が特に注目したのは“7:40”と言う曲で、これは90年頃にQuintanaから出ていた「カルパチアの音楽」に入っていたユダヤ・メロディの曲でした。あの録音を耳にして取り入れたのか、気になるところです。
3本目は、月曜に上げたSzól a kakas márの演奏で、歌唱はマルタ・セバスチャンです。この動画は大分前にも上げたことがあります。4本目は2017年のモスクワでのライブです。CDは2008年以降リリースがありませんし、動画もこの一本以外は2010年頃なので、今も変わらず活動しているのか気になっていました。CDは出してなくてもライブはやってて、YouTubeは上がっているというパターンもありますが、メンバーも大分いい年になってきていると思いますので。

<15 “7:40” 4分3秒>

<5 Baj Van Medley 2分52秒>

Sebestyén Márta és a Di Naye Kapelye - Szól a kakas már

Di Naye Kapelye in Moscow

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2024年4月11日 (木)

ハシディック・ソングの原曲とハンガリー音楽

ハシディック・ソングの無伴奏男性合唱の原曲と、その曲をテーマにしたハンガリー音楽を並べて14、15曲目に収録しているディ・ナイェ・カペリエのこのセカンドアルバムは、これだけでも注目に値すると思いますが、更に17、18曲目には何とボスニア由来のニグン独唱と、そのテーマによる演奏もあります。ボスニアですから、セファルディの伝統も入っている場所と言うことになります。1915年生まれのCili Svartsが、第一次世界大戦前に仕事でボスニアに滞在していた叔父から教わったという旋律でした。彼女のお気に入りのメロディだったそうです。この曲をディ・ナイェ・カペリエは、ゆったりしたホラで演奏しています。
昨日のハシディック・ソングによるチャールダーシュも驚きでしたが、更にこの4曲の存在は、この盤を忘れられないものにしています。ハシディック・ソングとチャールダーシュなどのハンガリー音楽は、ストレートに結びつかない感じがありますが、知らないだけで他にもユダヤ・メロディは入ってきているのかも知れません。

<14 Borey Olam (Vocal Version) 1分10秒>

<15 Borey Olam Be-Kinyan 2分31秒>

The Bosnian Nign (A Cappella Version by Cili Svarts)

The Bosnian Nign

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2024年4月10日 (水)

シャバトのチャールダーシュ

ディ・ナイェ・カペリエの2001年に出た2枚目のアルバムA Mazeldiker Yidでは、リズミカルなジプシーのケレマスキ・ジリのフィーリングも上手くチャールダーシュに織り込んでいるように思いますが、そのシャバトのチャールダーシュ、999/Yom Ha-Shabbesをまずおかけします。
このように番組では紹介しましたが、ハシディック・ソングの原曲と、その曲をテーマにしたハンガリー音楽の14、15曲目と並んで、特に驚いた曲の一つ。Yom Ha-Shabbesは、ヘブライ語で「シャバト(安息日)の日」の意味ですが、999は解説を読んでも不明のままでした。実際にシャバトに歌われるハシディックの旋律が、農村系の速いチャールダーシュ(つまりはケレマスキ・ジリ)に乗せて歌われています。

<4 999/Yom Ha-Shabbes 3分33秒>


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2024年4月 8日 (月)

ディ・ナイェ・カペリエのカルパチア風味

ゼアミdeワールド405回目の放送、日曜夜10時にありました。10日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はディ・ナイェ・カペリエ1枚目の3曲を上げてきます。久々にディ・ナイェ・カペリエを聞いて改めて思ったのは、ウクライナ西部~ハンガリー東部~トランシルヴァニア北部のカルパチア色が強いことでした。1枚目はムジカーシュの影響が特に強いようです。

東欧系ユダヤ音楽の43回目になります。今回はハンガリーのブダペストに拠点を置くディ・ナイェ・カペリエ(Di Naye Kapelye)の3枚を取り上げます。いずれも独Oriente Muzikから出ていました。ディ・ナイェ・カペリエと言うのは、イディッシュ語で「新しいバンド」の意味ですが、1993年に立ち上げられて以来、ハンガリーやルーマニアを中心に、モルダヴィア、ウクライナの土臭い感じを前面に出した「古い世界」の音楽がベースになっています。メンバーは
Bob Cohen (violin, mandolin, koboz, cümbüş, flutes, Carpathian drum, vocals)
Yankl Falk (clarinet, vocals)
Ferenc Pribojszki (cimbalom, Carpathian drum, flutes)
Antal Fekete (kontra)
Gyula Kozma (bass, koboz, violin)
の5人です。

1997年に出たファーストアルバムのDi Naye Kapelyeは、100年くらい前のクレズマーの古い録音で聞いたハシディック・ソングDem Rebns Tants(ラビの踊り)から始まります。その音源もいずれ取り上げます。

<1 Dem Rebns Tants 3分29秒>

この盤には、93年に出たムジカーシュの「トランシルヴァニアの失われたユダヤ音楽」に入っていた曲が2曲ありますので、続けておかけします。4年後のリリースなので、かなり影響を受けているように思います。曲はハンガリーの時にムジカーシュで取り上げたアニ・マアミンと
Szól a kakas márですが、サトゥマールの音楽でメドレーになっている後者は長いので途中までにします。

<2 Ani Maamini / Wedding March from Transylvania 4分37秒>

<10 Jewish Tunes from Szatmár 8分39秒 ~3分位>

2001年に出た2枚目のアルバムA Mazeldiker Yidでは、リズミカルなジプシーのケレマスキ・ジリのフィーリングも上手くチャールダーシュに織り込んでいるように思いますが、そのシャバトのチャールダーシュ、999/Yom Ha-Shabbesをまずおかけします。

<4 999/Yom Ha-Shabbes 3分33秒>

14、15曲目にはハシディック・ソングの無伴奏男性合唱の原曲と、その曲をテーマにしたハンガリー音楽の演奏が続けて入っています。17、18曲目にはボスニアの女性のニグン独唱と、そのテーマによる演奏もありますが、時間の都合で今回は前者の14、15曲目を続けておかけします。後者もゼアミブログでは触れてみたいと思います。

<14 Borey Olam (Vocal Version) 1分10秒>
<15 Borey Olam Be-Kinyan 2分31秒>

2008年にはサードアルバムのTraktoristが出ています。最後はブレイヴ・オールド・ワールドのファーストアルバムに入っていたチェルノブイリで締めていますが、私が特に注目したのは“7:40”と言う曲で、これは90年頃にQuintanaから出ていた「カルパチアの音楽」に入っていたユダヤ・メロディの曲でした。

<15 “7:40” 4分3秒>

では最後にBaj Van Medleyと言うカルパチアらしい低音打楽器が入る曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Baj Van Medley 2分52秒>

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2024年4月 5日 (金)

最近のJoshua Horowitz

ブドウィッツのWedding Without A Brideは、演奏者5人全員が楽器を構えたものと、イラストのものとありましたが、現在知られているのは後者のようです。一枚で一回丸々かけたい位の素晴らしい音源ですが、東欧系ユダヤも43回にもなりまして、今後更に長くなりますので、ブログも一回で終えます。Budowitz / Wedding Without A Brideの動画は見当たりませんでした。Budaはストリーミングにも見当たらないことも多いので、予想はしていましたが。代わりに最近のジョシュア・ホロヴィッツのVeretski Passの映像を2本上げておきます。ヴァイオリンはCookie Segelstein、ベース(チェロでは?)はブレイヴ・オールド・ワールドのステュアート・ブロットマンです。(以下放送原稿を再度)

ジョシュア・ホロヴィッツの活動に目を向けますと、彼は19世紀のクレズマー達の音楽のスタイルを復活させるブドウィッツと言うグループもやっていました。独Koch SchwannからMother Tongueと言う盤もありましたが、資料としてはやはり90年代に仏Budaから出ていたWedding without a Brideと言う盤が残っていますので、こちらから3曲、Gliner Gasn Nign、Tsum Badekns、Shulem Tants Mit Variatsyesをおかけします。
この盤には、他で聞くようなクレズマーではなく、ホロコースト前の典型的な東ヨーロッパのイディッシュ式結婚式の主要な音楽的瞬間を再現するという斬新な試みが展開されています。楽器編成はシンプルで、ジョシュア・ホロヴィッツのツィンブルとアコーディオン、クラリネット、ヴァイオリン2本、チェロと言う小さなアンサンブルですが、音楽は極めてユニークで、星の数程あるクレズマー音源の中で最高の盤の一つだと思います。

Concert: Cookie Segelstein & Josh Horowitz

Veretski Pass: Old Country Music, Part A

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2024年4月 4日 (木)

ジョエル・ルービン&エプスタイン・ブラザース・オルケストラ

ブレイヴ・オールド・ワールドの初代クラリネット奏者ジョエル・ルービンは1955年生まれ、ユダヤ音楽などの民族音楽学者でもあります。一方エプスタイン・ブラザース・オルケストラのメンバーは、1910年代の人がほとんど。40歳も違う、録音当時80代の古老ミュージシャンとは思えない矍鑠とした演奏にまず驚きます。さすが大ベテランです。
ジョエル・ルービンの吹いているC管クラリネットについて知らなかったので、調べてみました。C管クラリネットは、フルートやピアノなどの楽譜を読み替えずに演奏できる楽器で、C調(ハ長調 ドレミファソラシド)の音になっているとのこと。入門楽器を持っていますが、確かに楽譜の読み替えが難しく感じていました。「C管クラリネットは、クラリネットの語源となったクラリーノ(高音ナチュラル・トランペット)の響きが、教会の天井から降り注いでくるかのような錯覚を覚えるといわれています。」とのこと。古老達との演奏に、鄙びた甲高い音色がよく合っているように思います。(以下放送原稿を再度)

ジョエル・ルービンは同じく独Wergoから、エプスタイン・ブラザース・オルケストラと組んでZeydes Un Eyniklekh (Jewish-American Wedding Music)を出していましたが、こちらは95年リリースでした。Jewish-Americkan Wedding Musicと訳があるように、今回この曲の前後でおかけする戦前の東欧の古いクレズマーを復活させる曲とは違って、戦前に東欧からアメリカに渡ってきていたユダヤ人のクレズマーですから、他の演奏で耳にする機会がある曲も多いです。

<3 Joel Rubin & Epstein Brothers Orchestra / Zeydes Un Eyniklekh ~Baym Zeydns Tish 4分56秒>

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2024年4月 3日 (水)

ベッサラビアのシンフォニー3曲

クラリネットとツィンブル又はアコーディオンだけの古いスタイルのクレズマー演奏を聞かせる「ジョエル・ルービン&ジョシュア・ホロヴィッツ/ベッサラビアのシンフォニー」が出た1994年頃はクレズマーブーム真っ盛りで、よく売れていたものですから、あると思っていた資料が残っていませんでした。ですので曲の詳細の照会が出来ませんが、このアルバムタイトル曲は3曲に分かれていて、1曲目はツィンブル・ソロで静かに始まり、2本目でクラリネットが途中から加わり、3本目は大体がデュオと言う構成になっています。何故3つに分かれているのかは、よく分からなくなってしまいました。番組では3本目だけかけましたが、今日は3本まとめて入れておきます。ジャケットに出ているツィンブルの立奏も珍しい図ですが、立ってチェロを弾いているのにも大変驚いたものです。衣装や帽子も大変風変りです。当時はベッサラビアと言う地名も、一般にはほとんど知られてなかったと思います。

Bessarabian Symphony 1

Bessarabian Symphony 2

Bessarabian Symphony 3

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2024年4月 1日 (月)

ベッサラビアのシンフォニー

ゼアミdeワールド404回目の放送、日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はドブリデン2本です。ベッサラビアのシンフォニーは、後日まとめて3本上げます。

東欧系ユダヤ音楽の42回目になります。今回はクラリネットとツィンブル又はアコーディオンだけの古いスタイルのクレズマー演奏を聞かせる「ジョエル・ルービン&ジョシュア・ホロヴィッツ/ベッサラビアのシンフォニー」で始めたいと思います。この盤は独Wergoから94年に出ていました。ジョエル・ルービンはブレイヴ・オールド・ワールドの初代クラリネット奏者ですが、ユダヤ音楽などの民族音楽学者でもあります。その後ジョシュア・ホロヴィッツと組んで古いスタイルのクレズマー演奏を聞かせる方向に舵を切った感がありました。彼が吹いているのは甲高く聞こえるC管クラリネットで、ジョシュア・ホロヴィッツのこれまた古めかしいツィンブルの響きも、とても珍しく聞こえました。首にかけて演奏するツィンブルはツィンバロム系の古い民俗楽器で、ジャケットの通り歩きながらの演奏が可能なようです。ジョシュア・ホロヴィッツのアコーディオンも、19世紀のボタン・アコーディオンを使用しています。この盤から最初のドブリデンの2曲と、アルバムタイトルのベッサラビアン・シンフォニーの3曲の内、クラリネットも入った終曲の3曲を続けておかけします。ドブリデンとは、ロシア語などのスラヴ系の言葉で「こんにちわ」の意味ですが、度々登場してきた「シャローム・アレイヘム」のベッサラビア版と理解していいのではと思いました。

<1 Joel Rubin & Joshua Horowitz / Bessarabian Symphony ~Dobriden 1 2分46秒>

<2 Joel Rubin & Joshua Horowitz / Bessarabian Symphony ~Dobriden 2 3分37秒>

<22 Joel Rubin & Joshua Horowitz / Bessarabian Symphony ~Bessarabian Symphony 3 3分42秒>

ジョエル・ルービンは同じく独Wergoから、エプスタイン・ブラザース・オルケストラと組んでZeydes Un Eyniklekh (Jewish-American Wedding Music)を出していましたが、こちらは95年リリースでした。Jewish-American Wedding Musicと訳があるように、今回この曲の前後でおかけする戦前の東欧の古いクレズマーを復活させる曲とは違って、戦前に東欧からアメリカに渡ってきていたユダヤ人のクレズマーですから、他の演奏で耳にする機会がある曲も多いです。

<3 Joel Rubin & Epstein Brothers Orchestra / Zeydes Un Eyniklekh ~Baym Zeydns Tish 4分56秒>

ジョシュア・ホロヴィッツの活動に目を向けますと、彼は19世紀のクレズマー達の音楽のスタイルを復活させるブドウィッツと言うグループもやっていました。独Koch SchwannからMother Tongueと言う盤もありましたが、資料としてはやはり90年代に仏Budaから出ていたWedding without a Brideと言う盤が残っていますので、こちらから3曲おかけします。
この盤には、他で聞くようなクレズマーではなく、ホロコースト前の典型的な東ヨーロッパのイディッシュ式結婚式の主要な音楽的瞬間を再現するという斬新な試みが展開されています。楽器編成はシンプルで、ツィンブルとアコーディオン、クラリネット、ヴァイオリン2本、チェロと言う小さなアンサンブルですが、音楽は極めてユニークで、星の数程あるクレズマー音源の中で最高の盤の一つだと思います。これらの曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Budowitz / Wedding Without A Bride ~Gliner Gasn Nign 2分49秒>
<2 Budowitz / Wedding Without A Bride ~Tsum Badekns 1分8秒>
<19 Budowitz / Wedding Without A Bride ~Shulem Tants Mit Variatsyes 3分39秒>

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