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2024年5月 6日 (月)

ハリー・カンデルから

ゼアミdeワールド409回目の放送、日曜夜10時にありました。8日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はハリー・カンデルの音源だけ上げておきます。

東欧系ユダヤ音楽の47回目になります。前回からクレズマーの100年位前の歴史的録音を聞いておりますが、今回は米Rounderから93年に出ていたKlezmer Pioneers - European and American Recordings 1905-1952の続きからおかけします。プロデュースはカペリエのメンバーだったヘンリー・サポズニクです。これまで聞いてきたリヴァイヴァル・クレズマーの源は、ここにありと言う珠玉の音源ばかりです。この盤は、ヨーロッパのクレズマー音楽の最初のスタジオ録音であり、ヴァイオリン、ツィンブル、セクンド(コントラフィドル)、ベースという、ハンガリー辺りの楽器編成で演奏され、収録曲の半分は原盤のSPで初めて録音されています。クレズマー音楽がどこから来たのかを理解するのには、不可欠なアルバムの一つでした。

まずは前回最後に入らなかったカンデル楽団(Kandel's Orchestra)の、A Laibediga Honga (A Lively Honga)と言う曲からおかけしたいと思います。リーダーのハリー・カンデルはスーザの楽団にも在籍していたそうで、なるほど管楽器と打楽器のダイナミックな使い方に特徴があると思います。

<15 A Laibediga Honga (A Lively Honga) 3分17秒>

16曲目のOdessa - Bulgarですが、現在よく聞くオデッサ・ブルガールとは全く違う旋律です。演奏は前回独TrikontのYikhesと言うコンピレーション盤をかけた際に出てきたルスティヒ・ザインの旋律を弾いていたMishka Ziganoffのアコーディオン独奏です。1920年ニューヨークでの録音です。

<16 Odessa - Bulgar 3分25秒>

クラリネット名人のナフテュール・ブランドヴァインやデイヴ・タラスの音源もありますが、個人別の時にかけることにします。1924年録音の21曲目のMit Der Kalle Tanzen (Dancing With The Bride)は、Art Shryer's Modern Jewish Orchestraの演奏と言うことですが、カントールの一声から始まり、演奏の合間合間にカントールの歌が入ってきます。こういうタイプは現在のクレズマーではほとんど聞くことのない、実際のユダヤの結婚式に即した演奏スタイルと言えるのではと思います。

<21 Mit Der Kalle Tanzen (Dancing With The Bride) 3分9秒>

23曲目のErinerung Fun Kishenev (Memories Of Kishenev)で面白いと思ったのは、ドイナ風のクラリネットよりも、ミュートをつけたコルネットの少々ユーモラスな演奏でした。キシニョフの思い出と、このコルネットのミュートプレイがどう繋がるのか(笑)気になります。演奏はAbe Katzman's Bessarabian Orchestraですから、キシニョフが首都のベッサラビアからやってきた楽団による1927年のニューヨークでの録音です。

<23 Erinerung Fun Kishenev (Memories Of Kishenev) 2分55秒>

次は独TrikontのYikhesに移ります。このシリーズはYikhesが1枚目で、1907-1939年の古いクレズマーの録音ですから、時期は一番古いものでした。
シリーズ2枚目のDoyresは、1979-1994年のクレズマーの録音で、長生きした現代クレズマーの父デイヴ・タラスの晩年の録音が含まれていました。彼は晩年にアンディ・スタットマンも教えました。
3枚目Shteygersには、1991-1994年の新しいクレズマー音楽が収録されていて、KCB(クレズマー・コンサーヴァトリー・バンド)やクレズマティクス等の、現代クレズマーの代表的なグループの他に、エリオット・シャープやB.マルサリスのように他ジャンルが専門の人も出て来ました。
Yikhes以外は売り切れていまして、手元に資料が残っていませんでした。この3枚のシリーズが出たのは、前回のラウンダー盤が出た93年より早く、91年でした。解説はドイツ語のみだったので、ラウンダー盤が出てからは影が薄くなった感もありました。最初にこの盤を聞いた91年頃から耳に残って仕方なかった7曲目のJewish Danceからおかけします。演奏はState Ensemble Of Jewish Folk Musiciansとありまして、この匿名のようなグループ名が興味をそそります。クラリネット名人のナフテュール・ブランドヴァインやデイヴ・タラスの音源もありますが、重複するように思いますので、やはり個人別の時にかけることにします。

<7 Jewish Dance 2分39秒>

8曲目がアルバムタイトル曲のYikhes(家系図?)です。演奏はBelf's Rumanian Orch. (Rumynskii Orkestra - Belfs Rumänisches Orch.)とありますから、この曲ではルーマニアからの移民の演奏と分かります。

<8 Yikhes 2分57秒>

それでは最後に、11曲目のヴァイオリンとツィンブルのDoinaと、2曲目のアコーディオンとツィンブルのYoshke Fort Avekを時間まで聞きながら今回はお別れです。11曲目がLeon Ahlのヴァイオリン(ツィンブル奏者は不明)、2曲目がMax Yenkovitz (acc), Goldberg (tsimbl)の演奏ですが、特に11曲目前半のドイナの部分のヴァイオリンの技に驚きました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<11 Doina 3分5秒>
<2 Yoshke Fort Avek 3分23秒>

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