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2024年6月 3日 (月)

シャローム・コムラード~道の歌 Dorozhnaia

ゼアミdeワールド413回目の放送、日曜夜10時にありました。5日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はDorozhnaiaとSvadebnaiaだけにしておきます。同じ意見の人が多いのか、Shalom Comrade!と検索すると、この曲Dorozhnaiaが一番に出て来ます。因みにグレゴール・ピアティゴルスキーは、私の先生の師匠です。

東欧系ユダヤ音楽の51回目になります。今回から後数回はイディッシュ音楽に戻って、60回前後で東欧系ユダヤ音楽のシリーズを終える予定です。去年の夏にジョン・ゾーン・マサダからクレズマーの方に移りましたが、イディッシュは途中だったので、まだ音源がありました。今回取り上げるのは、2005年に独Wergoから出ていた「Shalom Comrade! Yiddish Music in the Soviet Union 1928-1961」(こんにちわ、同志よ。 1928-1961年のソヴィエトのイディッシュ音楽)と言う盤です。コムラードと聞くと、フランスの音楽家パスカル・コムラードを思い出してしまいますが、ここでは元の「同志」(ロシア語ではタヴァーリッシ)の意味です。
まずこの盤についてのゼアミHPに上げた解説を読み上げます。「スターリンは社会主義体制下のソ連邦に懐柔しようとして、体制向きのユダヤ音楽の展開を図り、国立歌舞団を創立したり、オペラ歌手の育成に取り組んだが、そのモスクワ公認のユダヤ音楽(SP音源)を集成したのがこの記録。ウクライナ、ベラルーシ、バルト3国などでの録音の他に、1928年にシベリアのハバロフスクの西に作られたユダヤ自治区(首都ビロビジャン)での音源も含まれている模様。リタ・オッテンスとブレイヴ・オールド・ワールドの初代クラリネット奏者のジョエル・ルービンの編集。」
1928-1961年ですから、正にスターリン、フルシチョフの時代の音源と言うことになります。時代の雰囲気を感じさせる曲が多く、本物の凄さを痛感する貴重な音源です。私が特に興味を持ったのは合唱曲で、ハシディック・ソングをベースにしながらも、どこか日本の「うたごえ運動」にも通じるように聞こえる曲からおかけしたいと思います。その3曲目を聞いて思い出したのは、1970前後にTVで放送されていた毎日新聞のCMでした。7,8歳頃の記憶ですが、後で思い返すと労働歌のような音楽が聞こえてきたことはよく覚えています。そのDorozhnaia(道の歌)と言う曲は、イディッシュ演劇Hreblyesのために書かれていてMoscow State Yiddish Theatre Orchestraの演奏、1937年の録音です。ユダヤ音楽としてはフレイレフになっているようです。この曲の作曲者でヴァイオリニストのLev Pulverは、クレズマーの家系出身で、ボリショイ歌劇場管弦楽団の首席ヴァイオリニストでしたが、レーニン弦楽四重奏団でチェロのグレゴール・ピアティゴルスキーとも活動していたようです。

<3 Moscow State Yiddish Theatre Orchestra / Dorozhnaia 2分50秒>

似た感じの曲Svadebnaiaは14曲目に入っていますが、この婚礼の歌はハシディック・ソングがベースになっていると思います。この曲はJewish Vocal Ensemble Evokansの演奏で、1939年の録音です。

<14 Evokans / Svadebnaia 2分2秒>

クレズマティクスなどが演奏していたガスン・ニグンに似たタイトルのA gas nignと言う曲が13曲目に入っていまして、1937年の録音と言う事で、当時の演奏スタイルを知ることが出来る貴重な録音だと思います。

<13 State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR / A gas nign 2分45秒>

1曲目に戻りまして、オーソドックスなクレズマーのフレイレフが入っています。State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR & Moscow State Yiddish Theater Orchestraによる演奏で、1937年の録音です。

<1 State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR & Moscow State Yiddish Theater Orchestra / Freylekhs 2分30秒>

9曲目のDobranotsh & Freylekhsも、起伏に富んだ楽しいクレズマー曲です。1939年頃の演奏力の高さにも驚きました。

<9 State Ensemble for Jewish Folk Music and Song of the Ukrainian SSR / Dobranotsh & Freylekhs 2分47秒>

4曲目のB. N. FlorovのTeshchenkaと言う曲が一番古く、1928年の録音です。Irma Iaunzemと言う女性歌手の歌唱ですが、この人はピアノのウラディーミル・ホロヴィッツやヴァイオリンのナタン・ミルシタインのような後の大御所とも活動歴があるそうです。3人ともユダヤ系です。

<4 B. N. Florov / Teshchenka 2分47秒>

カントールの技巧を生かした歌唱が2曲目と23曲目にありますので、続けておかけします。2曲目はZinovii Shulmanの1947年の録音、23曲目はSolomon Khromchenkoの1948年の録音です。後者のMikhail Fikhtengoltsのヴァイオリン伴奏も見事です。2人ともオデッサで活躍し、Khromchenkoはクレムリンが開催した1945年の戦勝記念式典の際に、スターリンの前で演奏した内の一人とのことです。

<2 Zinovii Shulman / Pastekh shpil a volekh 3分4秒>
<23 Solomon Khromchenko / Afn hoykhn barg 2分27秒>

しっとりと聞かせるイディッシュ・ソングも何曲もありますが、その中からAnna GuzikのKolybel'naiaと言う曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。有名なイディッシュ語詩人のモルデカイ・ゲビルティグの作詞作曲で、ジャンルとしては子守歌(ヤンケレ)になります。1956年の録音です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<8 Anna Guzik / Kolybel'naia 2分33秒>

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