ロシア版「きらきら星」? アダマ・アダマティ
セオドア・ビケルの歌うロシア語とヘブライ語の歌も、それぞれLP2枚と1枚分はありますので、選曲に大変迷いましたが、個人的な愛好曲を1曲ずつかけました。ロシア語の方は1960年リリースのSongs of Russia Old & New / Russian Gypsyから、大変に美しい19世紀のロシアのロマンスGari Gari Maya Zvyezda (Twinkle, Twinkle, My Star)、ヘブライ語の方は1958年リリースのSings Songs of IsraelからShech Abrekです。Shech Abrekは、イスラエルの有名なフォーク・デュオDudaimの70年代に出ていた国内盤LPの冒頭を飾っていた曲で、Adama Adamati「私の大地」と言うタイトルだったと思います。エステル・オファリームも歌っていました。このサブラらしい曲をセオドア・ビケルは豪快に歌っています。
3本目は、テヴィエ役としてのセオドア・ビケルの素晴らしい一面がうかがえる「金持ちなら」。「サンライズサンセット」と並ぶ「屋根の上のヴァイオリン弾き」の名曲です。番組で言いましたが、ブロードウェイで1969年からテヴィエを2000回以上演じたそうですが、Fiddler on the Roofのウィキペディアに載っていないのは何故でしょうか。これは大きな謎です。
Gari Gari Maya Zvyezdaは、直訳すれば「輝け、輝け、私の星…」ですから、ロシア版の「きらきら星」と言えなくもないと思いますが、「きらきら星」と違って、何と物悲しく美しい旋律でしょうか。この曲についてロシア語版ウィキペディアを参照し、以下はそこから抜粋、編集しました。
ウラジミール・チュエフスキーの詩にピョートル・ブラホフが作曲したロシアのロマンス。最も有名で人気のあるロシアのロマンスの一つ。1846年に書かれ、1847年にモスクワ建都700周年を記念した創作コンテストに出品されました。おそらく、このロマンスの「テーマ」は、1846 年に天文学者 J. ル ベリエが海王星の存在を予言したことによって示唆されたのでしょう。
ロマンスの人気の第 2 の波は第一次世界大戦の初めに遡り、歌手ウラジーミル・サビニンがアレンジして 1915 年にレコードに録音したことに関連しており、そのおかげでロマンスはすぐに人気を博し、愛国的な響きをもたらしました。
このロマンスの代表的な歌い手の一人は、ソ連の有名なポーランド人歌手アンナ・ジャーマンでした。彼女はアレンジの中で、ソ連で銃殺刑された父親のオイゲン・ヘルマンを追悼して冒頭にドラムロールを追加するよう依頼しました。ほとんどの視聴者はこのロマンスをアンナ・ジャーマンの運命と関連付け、人々は彼女が自分の運命について歌っているように見えました。アンナにとって父親はその“大切な星”でした。
<5 Theodore Bikel Songs of Russia Old & New / Russian Gypsy ~Gari Gari Maya Zvyezda 2分11秒>
<8 Theodore Bikel Sings Songs of Israel ~Shech Abrek 2分29秒>
Theodore Bikel - Fiddler on the roof - If I were a rich man
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