« 強制収容所(ザクセンハウゼン、ベルゲン・ベルゼン)の歌 | トップページ | Ben Zimet »

2024年7月22日 (月)

タリラとベン・ジメット

ゼアミdeワールド420回目の放送、日曜夜10時にありました。24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。2枚組「イディッシュ・カフェ」ですが、諸般の事情で下記の曲に変更しました。ヤムバババムは来週かけます。パピロシュンは番組でかけたシャン・デュ・モンド盤ではなく、2010年のMon Yiddish Blues収録の歌唱だと思います。

東欧系ユダヤ音楽の58回目になります。今回はタリラとベン・ジメットの音源を取り上げます。ユダヤの音楽に関心を持った90年頃、最初に聞いた何枚かは彼らの盤でした。当時は本当に彼らの盤が多かったです。
女性歌手のタリラはイディッシュ語の歌手およびフランスの女優であり、第二次世界大戦後1946年にフランスでポーランド系ユダヤ人の両親のもとに生まれています。歌手としては、洗練された美しい歌声を聞かせる人で、私はユダヤ版ミルヴァのようなイメージでずっと見ていました。
プロフィールを見ていて気になったのが、Naïveから出たレコードブック『Mon Yiddish Blues』のプロデュースと編曲は、元マグマのマルチ楽器奏者テディ・ラスリーが担当していて、ジャズ、ハシディズム音楽だけでなく、ルンバやブロードウェイミュージカルも統合したものになっているという点がありました。 「イディッシュ音楽はジャンルを混ぜ合わせる芸術です」とタリラは語っていたそうです。では彼女の音源から2曲おかけします。

<1 Talila & Ensemble de Kol Aviv / Chants Yddish ~Lomir zich iberbeten 2分28秒>

<13 Talila / Papirossn ~Papirossn 4分11秒>

男性歌手のベン・ジメットは、イディッシュ語の歌手兼ストーリーテラーであり、カナダ国籍で、1935年生まれでドイツとポーランドのユダヤ人の祖先を持ち、主にフランスに住んでいるようです。
有名なカフェ劇場「ラ・ヴィエイユ・グリル」の演出家モーリス・アレズラに後押しされ、1973年に当時誰も話題にしていなかったイディッシュ語の歌に着手し、パリの数多くの劇場で『イディシュランドの歌と物語』を上演しています。1982 年には、パリのポンピドゥー・センターで第一回イディッシュ文化フェスティバルを創設。そして1984年にはイディッシュ語話者であるレイチェル・サリクの指揮のもと、ポンピドゥー・センターで満員の観衆を前に10日間上演されたミュージカル・シアター・ショー、イディッシュ・キャバレーを創設しています。ベン・ジメットはソロ、あるいは歌手タリラとともに、イディッシュ語の歌や音楽を約15枚のディスクに録音。ピーター・ブルック監督によるグルジェフの伝記映画『注目すべき人々との出会い』や、ジプシー、アラブ、ユダヤ音楽に敬意を表したトニー・ガトリフ監督の『Swing』など、いくつかの映画に出演しています。では彼の音源から2曲おかけします。Lomir Zich Iberbetnは、タリラとの聞き比べになります。

<1 Ben Zimet / Chants Yiddish ~Lomir Zich Iberbetn 3分2秒>
<1-2 Ben Zimet / Aux sources du Klezmer ~Dona dona 4分2秒>

この後は、タリラとベン・ジメットが共演したおそらく2000年リリースの2枚組「イディッシュ・カフェ」から、ハシディック・スピリットがみなぎる1枚目の2曲目Nye plotsh Mamaと、2枚目ラストのYambababamをおかけします。それぞれの音源しか、それまでは聞いたことがなかったので、二人のデュエットの素晴らしさに大変驚いたCDです。もし時間が余れば、モルデカイ・ゲビルティグのMoyshele mayn frayndと、ヘブライ語の歌ですがエステル・オファリームがよく歌っていたShirat Hanodedまでおかけします。番組ではかけられなくても、ゼアミブログでは取り上げる予定です。これらの曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1-2 Talila, Ben Zime Et Eddy Schaff / Yiddish Café ~Nye plotsh Mama 2分3秒>
<2-2 Talila, Ben Zime Et Eddy Schaff / Yiddish Café ~Moyshele mayn fraynd 5分23秒>
<1-5 Talila, Ben Zime Et Eddy Schaff / Yiddish Café ~Mazl 3分8秒>

|

« 強制収容所(ザクセンハウゼン、ベルゲン・ベルゼン)の歌 | トップページ | Ben Zimet »

イディッシュ」カテゴリの記事

ゼアミdeワールド」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 強制収容所(ザクセンハウゼン、ベルゲン・ベルゼン)の歌 | トップページ | Ben Zimet »