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2024年8月 8日 (木)

Moses Mirsky他のカントールの歌声

今週の番組でかけたカントール3人の音源ですが、ジャン・ピアースは有名なのであるだろうと思っていましたが、イネディ音源も見つかり、まさかないだろうと思っていたモーゼス・ミルスキーも見つかって、3つ全て揃いました。アシュケナジーム関係は、YouTubeで色々見つかる方だと思います。しかし、エプスタイン・ブラザース・オルケストラのWergo音源は、残念ながら見当たりませんでした。少年時代のポートレートまで出て来て感激したモーゼス・ミルスキーからアップしておきます。Hashkiveinu以外にも2曲上がっています。今日は埋め込みソースが出て良かったです。(以下放送原稿を再度)

90年頃に勤めていた六本木ウェイブのクラシックのオペラコーナーで偶然見つけた英Pearlからのヒストリカル音源数枚も、その頃に聞いたカントール関係の音源ですが、その中の一枚「ハザニーム・ヴェ・ハザヌート」から、輝かしいボーイ・ソプラノの歌を聞かせるモーゼス・ミルスキーの歌唱でHashkiveinuをおかけします。このシリーズのカントールの多くはホロコーストの犠牲になっていて、モーゼス・ミルスキーも1945年に亡くなっています。

<13 Chazanim & Chazanut(Cantors & Cantorials) ~Moses Mirsky / Hashkiveinu 3分12秒>

東欧系ユダヤの最後は、カントールの音源を幾つかおかけしたいと思います。東欧系ユダヤの初回は「ブダペスト ドハーニ街シナゴーグの典礼」でしたから、カントールに始まりカントールに終わることになります。ヴェルゴから出ていたオスマン帝国の名カントール、イサーク・アルガズィも入れようかと思いましたが、この人はセファルディー系カントールですので、またスペインに回ってきたら取り上げたいと思います。
まずはドハーニ街の盤のすぐ後くらいに聞いた「ジャン・ピアース/カントールの芸術」と言う米Vanguard盤から、冒頭のVli Yerusholayim Irchoをおかけします。アシュケナージ系らしくヘブライ語のイディッシュ訛が強い歌は勿論のこと、弦楽器の鳴らし方に、いかにもユダヤ的な響きがあります。ジャン・ピアースは往年のアメリカのカントール兼テノール歌手でした。90年頃に出ていたカントール関係の音源は、他にリチャード・タッカーのものが何枚かありましたが、二人ともオペラの名歌手でもありました。

<1 Jan Peerce / The Art of the Cantor ~Vli Yerusholayim Ircho 5分15秒>

では最後に、仏Inedit から出ている「ハザヌート~ユダヤの典礼歌」からアシュケナージ系カントールの歌を時間まで聞きながら今回はお別れです。この盤には、ウズベクのブハラ、モロッコ、エルサレムのスファラディー、サマリア人、アシュケナージ、イラクの各ユダヤ・コミュニティーの音源が収録されています。世界中のユダヤ・コミュニティーの典礼歌を集め、イネディらしくヘブライ原文まで載った先駆的な名盤でした。アシュケナージ系の祈祷歌は、ありがちなクラシックなアレンジが施されたりしているものではなく、実際にシナゴーグで毎週歌われているような無伴奏で小節を利かせた「泣き」の詠唱で実に素晴らしいです。

<10 Hazanout  ~Shalom Rakovski / Hazanout askénaze: Ana Aavda Dkudcha en araméen 4分15秒>

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