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2024年9月 9日 (月)

浪曲「紺屋高尾」

ゼアミdeワールド427回目の放送、日曜夜10時にありました。11日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。番組では40分全ては入らないので、後半からかけました。是非前半からお聞き下さい。

お盆の純邦楽特集と言いながら少し長くなっていますが、一応今回で締めたいと思います。今回は浪曲の「紺屋高尾」と言う曲です。歌うのは初代篠田実と言う人で、この曲でよく知られている名人です。前にかけた長唄の「高尾懺悔」の主人公の高尾太夫は言わば「悲劇のヒロイン」でしたが、「紺屋高尾」では、高尾が久蔵の真心に惚れ、年季明けに彼の元に嫁ぐという、感動的なハッピーエンドで終わる曲です。
篠田実は、1898年生まれで1985年に亡くなった、大正から昭和にかけての浪曲師で、古典落語の演題としても有名な吉原ネタ「紺屋高尾」で一世を風靡しています。1923年に「紺屋高尾」が発売され、100万枚を越える空前の大ヒット、関東大震災で経営が傾いたレコード会社ヒコーキレコードが一気に盛り返すほどだったそうです。ヒコーキレコードは、のちに日本コロムビアの前身の日蓄に合併されています。
その人気具合は、喜劇王エノケンが、舞台や映画の中で真似るほどで、映画化も戦前中心に4回されています。落語の「紺屋高尾」は、桂歌丸さんの得意演目として知られています。
あらすじについては、ウィキペディアに落語のものが見事にまとめられていますので、そのまま読み上げます。大筋は同じだと思います。

神田紺屋町の染物屋吉兵衛の奉公人である久蔵は真面目一筋であり、26歳となった今でも遊び一つ知らない男だった。ある日、友人に連れられて出かけた吉原で花魁道中を見物し、そこで見た高尾太夫に惚れ込んでしまう。しかし、大名や大店(おおだな)の商家の主人を相手にする最高位の花魁である太夫では自分のような奉公人は門前払いだと聞き、絶望して恋煩いで寝込んでしまう。
話を聞いた吉兵衛は、お金さえ用意できれば俺が会わせてやると答える。久蔵は喜び、再び一生懸命働き出すと3年で十両の大金を貯める。吉兵衛は遊び人で知られる医者の竹内蘭石に頼み、高尾太夫との座敷を用意して欲しいと頼む。事情を知った竹内は快く引き受けたが、奉公人が花魁に会うのは難しいので久蔵を金持ちに仕立てて吉原へ連れて行き、紺屋高尾と引き合わせることに成功する。美しい高尾太夫の姿に感激するが、吉原のしきたりとして1回目は顔合わせのみであり、煙管に一服付けてもらうとその日は終わりとなっている。高尾が次はいつ会えるかと尋ねると、久蔵は泣きながら自分の正体を明かし、ここに来るのに3年間必死で働いて金を貯めたため、次に会えるのはまた3年後になると告げる。これを聞いた高尾も涙ぐみながら、自分を3年も思ってくれたことが嬉しい、来年の3月15日に年季が明けるのでその時に女房にしてほしいと切り出す。久蔵は驚きながらも喜んで受け入れる。
帰ってきた久蔵から話を聞いた店の者は誰も信じなかったが、やがて約束の3月15日になると本当に高尾がやってくる。二人は祝言を挙げて夫婦となり、親方の六兵衛は久蔵に身代(しんだい)を譲る。店を継いだ二人が売り出した早染めの手拭いは江戸っ子たちに人気となり、店は大繁盛した。

浪曲では十両ではなく十五両になっています。では後半の身分をごまかして初登楼する部分から幕切れまでをまずおかけします。21分近くあります。

<2 紺屋高尾(その二) 20分55秒>

この後は、前半を時間まで聞きながら今回はお別れです。前半も21分あります。声の感じと録音から推察しますと、この録音は戦後すぐ位ではと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 紺屋高尾(その一) 21分5秒>

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