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2024年10月

2024年10月31日 (木)

Harafica

今週の番組でかけたHrdzaとHaraficaは、幾つか動画を見た限りでは、メンバーが大勢いてその中からセッションでその都度のステージが出来ているように思いました。Haraficaはツィンバロムとヴァイオリンを中心に、ハンガリー的なジプシー音楽のスタイルで演奏していますが、メンバーはジプシーではないように見えます。「ウヘルスケ・フラディシュチェ出身の音楽家で、伝統と新しい音楽の流れを組み合わせた演奏をしています。」と言うことでしたが、1本目の11年前のステージは、メンバーは若いですが伝統的そのものと言って良いのでは。ハンガリーのチャールダーシュの昔のLPを聞いているかのような錯覚を覚えました。2本目はHorela lipkaのハラフィカ版で、番組でかけた音源です。

Darebné písně | Harafica

Horela lipka

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2024年10月30日 (水)

菩提樹が燃えていた、燃えていた(ホレラ・リプカ、ホレラ)

「おお牧場はみどり」は、西スラヴの歌の中ではポーランドの「森へ行きましょう(シュワジベチカ)」と並んで日本では有名だと思います。「おお牧場はみどり」は、番組で言いました通り、スロヴァキアとチェコ東部のモラヴィアでは、ホレラ・リプカ、ホレラ=菩提樹が燃えていた、燃えていた、チェコ西部ボヘミア地方では、アイ、ルーチュカ、ルーチュカ・シロカーと呼ばれます。番組でかけた3本目はボヘミアの音源だったことになります。「菩提樹が燃えていた、燃えていた」の意味は共通していると思うので、Hrdzaのこの映像は、そのまま再現しているのかも知れません。歌詞が一部以上共通していながら、旋律が全く違うのは、番組で解説を入れたように、チェコおよびスロバキアの地方により2つの異なる歌が存在する、とウィキペディアにありますので、この短調の旋律がその「もう一つ」なのかも知れません。それにしても、惹き込まれるような映像と短調の名旋律です。どこか古代スラヴ世界を描いたストラヴィンスキーの「春の祭典」を思い出させるものがあるように思いましたが。Hrdzaの発音ですが、スロヴァキア語翻訳では「イルジャ」と聞こえました。Hはイと読むのでしょうか。「フルドザ」でないことは確かです(笑)(以下放送原稿を再度)

スロバキア語原題の、Horela lipka, horelaで検索しましたら、一部同じ歌詞が短調の旋律に変わって現代のポップスになっていたりしている音源が幾つかありましたので、おかけしておきます。旋律は違いますが、4拍ごとのシラブルは同じに聞こえます。チェコおよびスロバキアの地方により2つの異なる歌が存在する、とウィキペディアにありますので、この短調の旋律がその「もう一つ」なのかも知れません。
まず最初はHrdzaと言うグループの2023年のČo mi Je, To mi Je(私の何が間違っているのか)からHorela Ľipkaです。イルジャ?とはスロバキア語で「錆」を意味していて、1999 年に結成されたスロバキアのフォーク ロック バンドです。

<Hrdza / Čo mi Je, To mi Je ~Horela Ľipka 4分19秒>
Hrdza - Horela ľipka (Official Music Video)

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2024年10月28日 (月)

おお牧場はみどり(ホレラ・リプカ、ホレラ)

ゼアミdeワールド434回目の放送、日曜夜10時にありました。30日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は2本目までです。

今回から地域別シリーズに戻りまして、西スラヴの音楽を聞いて行きます。西スラヴとは、チェコ、モラヴィア、スロヴァキア、ポーランドを指しますが、「ブリキの太鼓」で有名なポーランドのバルト海沿岸のポメラニア系のカシューブ人や、ドイツ東部の少数民族ソルブ人も入りますので、もし音源があれば取り上げます。

チェコとスロヴァキアは、1993年にチェコスロヴァキアから分離しましたが、若い世代の方にはチェコスロヴァキアと言う国があったことを知らない人がいるかも知れません。モラヴィアはチェコ東部の地方で、この3つは独自の文化を持っているので、別々に取り上げたいと思います。言葉はチェコ語とスロヴァキア語ですが、お互いの言葉で話して通じるそうですから、方言の差程度と言えるようですが、歴史的にはチェコは長らくオーストリアの支配を受けてドイツ文化の影響が強かったのに対し、スロヴァキアは第一次世界大戦後にチェコスロヴァキアになるまで1000年近くハンガリー王国の領土だったという大きな違いがあります。

言語学者の千野栄一氏は、以下のように書いています。
「もし仮にチェコ人がいてチェコ語で話したとすると、ごく大雑把にいって、スロバキア人とは95%、ポーランド人となら70%、クロアチア人となら60%、セルビア人となら50%、ブルガリア人とは40%ぐらい理解し合える関係にある。」
とありますが、南スラヴのセルビア、クロアチア、ブルガリアがその位なら、東スラヴのロシア、ウクライナ、ベラルーシとはどうだろうかと言うのも気になります。スラヴ系の言葉は語彙面ではそっくりな単語も多いです。その点は全く別系統で意思疎通不可能なルーマニア語やハンガリー語とは違います。

スロヴァキアの音楽ですが、チェコよりも東隣のウクライナ西部や北隣のポーランド南部との繋がりが見えたり、ハンガリー音楽そのもののような都市部の音楽も多く聞かれます。その中で最も有名な民謡をまずおかけします。うたごえ運動以降日本でもよく歌われた「おお牧場はみどり」がスロヴァキア民謡と言うのは、ほとんど知られてないことかと思います。ボニージャックス、歌声喫茶ともしび、チェコ少年合唱団"ボニ・プエリ"の歌唱の3曲を続けておかけします。

<世界子どもの歌名曲全集-ヨーロッパ編- ボニージャックス / おお牧場はみどり 2分18秒>

<歌声喫茶ともしび ~みんなで歌おう・ヤッホー夏の歌~ 歌声喫茶ともしび / おお牧場はみどり 2分2秒>

<~ヨーロッパの少年合唱による 天使の歌声~アヴェ・マリア/野ばら ~チェコ少年合唱団"ボニ・プエリ" / おお牧場はみどり 1分5秒>

ウィキペディアによると、「おお牧場はみどり」(ホレラ・リプカ、ホレラ)は、スロバキアおよびチェコ東部モラヴィア地方と、チェコ西部ボヘミア地方で歌われる民謡の邦題です。農村地帯で古くから親しまれていて、両国では現在も民俗歌謡祭などでよく歌われているそうです。本国では、燃え上がる菩提樹のもとで火の粉に包まれ泣く娘と、その事態にあわてふためく若者たちの滑稽な姿を歌った歌とのことですが、日本ではこの歌を広めた牧師の中田羽後(1896-1974)の作詞によって知られています。19世紀末から20世紀初頭にかけての移民によってアメリカにもたらされ、牧場での集団労働を賛美する労働歌風の「ああ、美しい牧場」(Ah, Lovely Meadows)に改作されています。原題は、スロヴァキアとモラヴィアでは、ホレラ・リプカ、ホレラ=菩提樹が燃えていた、燃えていた= - スロバキア語原題 : Horela lipka, horela / チェコ語原題 : Hořela lipka, hořela)、チェコ西部ボヘミア地方では、アイ、ルーチュカ、ルーチュカ・シロカー=ほら牧場、広い牧場= - チェコ語原題 : Aj, lúčka, lúčka široká)とありました。

スロバキア語原題の、Horela lipka, horelaで検索しましたら、一部同じ歌詞が短調の旋律に変わって現代のポップスになっていたりしている音源が幾つかありましたので、おかけしておきます。旋律は違いますが、4拍ごとのシラブルは同じに聞こえます。チェコおよびスロバキアの地方により2つの異なる歌が存在する、とウィキペディアにありますので、この短調の旋律がその「もう一つ」なのかも知れません。
まず最初はHrdzaと言うグループの2023年のČo mi Je, To mi Je(私の何が間違っているのか)からHorela Ľipkaです。イルザ?とはスロバキア語で「錆」を意味していて、1999 年に結成されたスロバキアのフォーク ロック バンドです。

<Hrdza / Čo mi Je, To mi Je ~Horela Ľipka 4分19秒>

民族楽器中心の楽団で面白いと思ったのが、ハラフィカと言うグループですが、ハラフィカはウヘルスケ・フラディシュチェ出身の音楽家で、伝統と新しい音楽の流れを組み合わせた演奏をしています。

<Harafica / Harafica Symphonic ~Horela lipka 4分45秒>

Horela lipka, horelaを、ハンガリー風なジプシー楽団が演奏している音源もありましたので、次におかけします。ハンガリーの時に触れたと思いますが、ハンガリー語で「酒場」という意味のチャールダに由来する「チャールダーシュ」と言う舞踊の名前が生まれたのは、ユダヤ系作曲家ロージャヴェルジ・マールクの作った楽曲にありまして、彼はスロヴァキアに近い北ハンガリーの生まれなのもあってでしょうか、現在もスロヴァキアではチャールダーシュの演奏が盛んです。Ján Berky-Mrenicaの楽団の演奏で、Horela Lipkaです。

<Ján Berky-Mrenica / Primasov Sen ~Horela Lipka 2分51秒>

では最後に再度HaraficaのHarafica Symphonicから、チャールダーシュ的でメランコリックなPod Šiatrom(テントの下で)と言う曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Harafica / Harafica Symphonic ~Pod Šiatrom 7分23秒>

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2024年10月25日 (金)

モーツァルト(カデンツァはジプシー音楽他) タラフっぽいLFAT

今日の1本目では、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番を清冽な音色で聞かせるところまでは、正統派クラシックの妙技を聞かせていますが、その後のフリーリズムのカデンツァの部分が大きく引き伸ばされ、まずアイリッシュあるいはカントリーが登場し、その後でこの映像の2003年頃に世界中で人気のあったジプシー・ヴァイオリンの名手ロビー・ラカトシュが登場。最初はジプシー音楽のセッションですが、最後はジプシーのルーツと言われるインドの古典音楽に移って行きます。おそらく北インド古典音楽スタイルの演奏です。そして、モーツァルトの演奏に戻って終了(笑) ヒンドゥスターニ音楽まで出ることには驚きました。
今回バッハ演奏にまでは触れられなくて残念ですが、最後にNO PIANO ON THAT ONEから、LFAT (Lookin' for a Title)の2つのヴァージョンは入れておきます。この辺の音を聞くと、全盛期のタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出してしまいます。2001年リリースですから、ルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出させるということは、ヨーロッパでタラフの活動が盛んだった時期と一致していて、ジル・アパップも影響を受けていたのではと思いました。

Gilles Apap - Another Unusual Cadenza

LFAT (Lookin' for a Title)

LFAT (string orchestra Version)

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2024年10月24日 (木)

モンティのチャールダーシュ Transylvanian Mountain Boys

モンティのチャールダーシュは、Gilles Apap & the Transylvanian Mountain Boysの頃の映像がありましたので、ライブ映像で上げておきます。このグループの頃ですから、96年くらいでしょうか。当時はモンティのチャールダーシュも、今ほどは弾く人がいなかったかも知れません。私が持っている古い楽譜は84年頃のものですが、その頃はまだ葉加瀬さんも弾いてなかったように思います。しかし、ジル・アパップほど、速い部分のスピッカートの弓がきれいに飛んでいる人は、あまり見かけません。それとハンガリーの時などで何度も指摘していますが、モンティ作曲のこの曲がチャールダーシュ(この曲の固有名詞として)だと思っている人が何と多い事でしょうか。2本目は昨日コメントしていたディニクのホラ・スタッカートですが、やはりワンボウスタッカートで弾いていました。この技術がいかに高度かは、ヴァイオリンを弾かない人には想像がつきにくいと思います。これもTransylvanian Mountain Boysの頃の映像でした。(以下放送原稿を再度)

The Transylvanian Mountain Boys」は、ジル・アパップが結成したもう1つの大成功を収めたクロスオーバーバンドですが、1996年に出たGilles Apap & the Transylvanian Mountain Boysから、大変に有名なモンティ作曲のチャールダーシュをおかけしておきます。この盤は「黒い瞳」などが入っているように全体にロシアン・ジプシー色が強いように思いますが、先ほどの2001年リリースのNO PIANO ON THAT ONEがルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出させるということは、ヨーロッパでタラフの活動が盛んになった時期と一致していて、ジル・アパップも影響を受けていたのではと思いました。

Gilles Apap _ Csardas de Monti

Gilles Apap _ Hora Staccato

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2024年10月23日 (水)

若い頃のジル・アパップ

ジル・アパップの初来日公演は、2006年の第22回<東京の夏>音楽祭だったと思います。この催しで来日していたイランのクルド系音楽家シャハラーム・ナーゼリーの方では、キングレコードのCDのライナーノーツを執筆したり、開演前にナーゼリー本人にインタビューしたり、会場に即売に出たりで、深く関わっていましたが、既にUターン後で、長くは東京にいられなかったので、気になりながらもジル・アパップの方は見れず終いでした。
今日の映像ですが1本目が彼が若い頃でしょう、クライスラーの「プニャーニのスタイルによる序奏とアレグロ 」の伴奏パートを若い楽団員に独創的な指導をしているシーン。2本目は番組でかけたディニクのホラ・スタッカートです。この曲の一番の焦点は、ハイフェッツのようにワンボウスタッカートで弾いているかどうかです。録音のみですが、おそらくワンボウでしょう。

Gilles Apap Unkown Fiddler (clip 1)

Hora Staccato

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2024年10月21日 (月)

ジル・アパップのスケルツォ・タランテラ

ゼアミdeワールド433回目の放送、日曜夜10時にありました。23日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。スケルツォ・タランテラ以外は、水曜以降に。

ヴァイオリンで「死ぬまでに弾きたい曲」として2回続けましたが、前々回に取り上げたスケルツォ・タランテラで名手ヤッシャ・ハイフェッツと並べて予定していたジル・アパップの音源が途中までになってしまっていましたので、まずこちらからおかけします。彼はクラシックに留まらず東欧やアイルランド等の民族音楽の領域にも越境している現代のヴァイオリンの鬼才です。ユーディ・メニューインが「21世紀の真のバイオリニスト。私にとって、あなたは21世紀の音楽家の典型です。あなたは音楽が進化するべき方向を体現しています。」と評していて、この大ヴァイオリニストの晩年に親交があったそうです。
スケルツォ・タランテラが入っていたのは2001年のNO PIANO ON THAT ONEと言う盤です。グループ名のThe Colors of Inventionの編成は、ヴァイオリン、アコーディオン、コントラバス、ツィンバロムです。最初に言っておきますが、私はいずれもCDでは持ってなくて、ストリーミングからかけていますので、解説は参照できておりません。Sarasate, Faure, Gluck, Wieniawski, Kreislerのクラシック曲に交じって、東欧のジプシー音楽にも深く踏み込んでいるユニークなアルバムです。

<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Scherzo-Tarantelle 4分52秒>

同じくNO PIANO ON THAT ONEから、前にルーマニアの時にハイフェッツの演奏などで取り上げた、ディニクのホラ・スタッカートをおかけしますが、その後の2曲LFAT (Lookin' for a Title)の2つのヴァージョンも大変面白い曲です。この辺の音を聞くと、全盛期のタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出してしまいます。

<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Hora Staccato 2分25秒>
<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~LFAT (Lookin' for a Title) 2分26秒>
<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~LFAT (string Orchestra Version) 1分35秒>

The Transylvanian Mountain Boys」は、ジル・アパップが結成したもう1つの大成功を収めたクロスオーバーバンドですが、1996年に出たGilles Apap & the Transylvanian Mountain Boysから、大変に有名なモンティ作曲のチャールダーシュをおかけしておきます。この盤は「黒い瞳」などが入っているように全体にロシアン・ジプシー色が強いように思いますが、先ほどの2001年リリースのNO PIANO ON THAT ONEがルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出させるということは、ヨーロッパでタラフの活動が盛んになった時期と一致していて、ジル・アパップも影響を受けていたのではと思いました。

<Gilles Apap & the Transylvanian Mountain Boys ~Csárdás 4分55秒>

2007年リリースのFRIENDSと言う盤では、Old-time, Cajun and bluegrass folk musicをやっているとオフィシャルサイトにコメントがありましたが、私が引っ掛かったのは、アメリカのケイジャンやブルーグラスではなく、やはりノスタルジックな東欧の雰囲気のVals Emilianoと言う曲でした。

<Gilles Apap / FRIENDS ~Vals Emiliano 3分5秒>

2006年リリースのMUSIC FOR SOLO VIOLINでは、Bach and Ysaye sonatas, seasoned with traditional Irish and American tunes.とサイトにコメントがあります通り、バッハとイザイの無伴奏ヴァイオリン曲と、アイルランドとアメリカの民族音楽が交互に出て来るユニークな構成です。何と「私のお休みミュージック」になっているとして数回前にかけたバッハの無伴奏ヴァイオリンのソナタ1番のプレストと、パルティータ1番のサラバンドとドゥーブルも出て来ます。プレストとサラバンドを時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Gilles Apap / MUSIC FOR SOLO VIOLIN Presto from Sonata No. 1 In G Minor, BWV 1001 2分48秒>
<Gilles Apap / MUSIC FOR SOLO VIOLIN Sarabande from Partita No. 1 In B Minor, BWV 1002 4分18秒>

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2024年10月18日 (金)

ショーソンの詩曲 ヒラリー・ハーンとジャニーヌ・ヤンセン

ショーソンの詩曲は、数年前「題名のない音楽会」で辻彩奈さんのスタジオでのライブ映像が出まして、ピアノ伴奏のためヴァイオリン技巧が手に取るように分かり、改めて強い関心を持ちました。長らくジネット・ヌヴーのイメージが強すぎる曲でしたが、探してみるとほとんどの有名なヴァイオリニストが手掛けているのではと思う程、音源は沢山ありました。
詩曲については番組で言いました通り、ワーグナーの影響が色濃いフランス後期ロマン派音楽と言う印象を持ち続けていました。ずばり連想するのは、やはり「トリスタンとイゾルデ」の響きです。ロシアの作家ツルゲーネフの小説『恋の凱歌』(または『勝ち誇れる愛の歌』)に基づく交響詩として当初は着想されたそうですが、ほぼ同時期に書かれた類似作と番組で指摘したウジェーヌ・イザイの悲劇的詩曲(Poème élégiaque)の素材は、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」でした。原作から考えても、トリスタンに似た響きになるのは容易に想像できるのではないでしょうか。それがフランコ・ベルギー派のヴァイオリンの音色と結びついた双生児のような2つの名曲です。
誰かの生演奏で上げようと思いまして探しました。ヒラリー・ハーンとジャニーヌ・ヤンセンの演奏を上げておきます。

Hilary Hahn - Poeme by Ernest Chausson

Ernest Chausson - Poème (Janine Jansen, Swedish Radio Symphony Orchestra, Johannes Gustavsson)

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2024年10月17日 (木)

ハイフェッツとピアティゴルスキーのパッサカリアも

番組でかけたハイフェッツとプリムローズのパッサカリアは2本目ですが、ハイフェッツとピアティゴルスキーの演奏もありましたので、1本目に入れておきます。この録音、もしかしたらYouTubeで聞いただけかも知れません。ピアティゴルスキーと言えば、ローゼン師匠の師匠で、ハイフェッツのエピソード含め色々お聞きしました。ローゼンさんもデルモニとこの曲を入れていて、これはCDで持っています。やはり最近の演奏よりはテンポゆったり目だと思います。(以下放送原稿を再度)

前回「死ぬまでに弾きたい曲」として2曲取り上げました。ヴァイオリンとヴィオラまたはチェロの技巧を凝らした唯一無二の二重奏曲になっているヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアを最初にかけました。「古くはハイフェッツとピアティゴルスキーの二重奏もありました。」と言っていたので、その音源もと思い探しましたが、チェロのピアティゴルスキーとの演奏が見つからず、代わりにヴィオラのプリムローズとの二重奏はありましたので、その音源をおかけしたいと思います。

Handel-Halvorsen - Passacaglia - Jascha Heifetz, Gregor Piatigorsky

<ヤッシャ・ハイフェッツ & ウィリアム・プリムローズ / Passacaglia in G Minor (After Handel's HWV 432) 6分41秒>

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2024年10月16日 (水)

D.スカルラッティですが

残念ながらアンヌ・ケフェレックでヘンデルのパッサカリア(ハープシコード組曲第7番の第6曲)は見当たりませんので、2本目に他の人のピアノ演奏で入れておきます。1本目はアンヌ・ケフェレックの演奏で、LPも出ていたドメニコ・スカルラッティのソナタの一曲です。スカルラッティのソナタは5分前後の曲が全部で555曲あって、スペイン王女バルバラの音楽教師としてスペイン王宮に仕えていた頃にそれらを書いたので、中にはフラメンコに繋がるスペインのリズムが息づいている曲がかなりあります。それはまたスペインの時に取り上げます。
ケフェレックは1982年に来日した際に新宿文化センターに聞きに行きましたが、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ラヴェル、クープラン、D.スカルラッティ、サティなどの作品の中でも、たまたま個人的に好きなピアノ曲をよく弾いていた人で、LPの頃から聞いていました。ラ・フォル・ジュルネでの来日で日本でも近年すっかりお馴染みのようです。
その1982年のプログラムは、バッハのパルティータ2番、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ28番、ブラームスの間奏曲作品117から119の全曲、ラヴェルの「夜のガスパール」、アンコールにクープランの「神秘な障壁」、サティのジムノペディ1番、だったと思います。見事に当時の「私のお気に入り曲」ばかりでした。洒脱な「神秘な障壁」は、高校時分にユゲット・グレミー・ショーリャックで聞いて感銘を受け、何とか自分でも弾いてみようと練習しました。

Domenico Scarlatti : Sonate en Si mineur (allegro) K. 27 (Anne Queffélec)

GF HAENDEL - Suite No 7 en Sol mineur - Passacaille

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2024年10月14日 (月)

ジネット・ヌヴーのショーソン / 詩曲

ゼアミdeワールド432回目の放送、日曜夜10時にありました。16日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はヌヴーの詩曲です。ヌヴーと言えば、80年代頃はブラームスのヴァイオリン協奏曲とラヴェルのツィガーヌ、ショーソンの詩曲ばかりが有名な感を受けましたが、最近はどうでしょうか。2本目は貴重な詩曲のエンディングの部分の動画です。数年前に見た時は、飛行機事故で1949年に亡くなった伝説のヴァイオリニストの動画が残っていたのかと驚きましたが、何故全曲はないのでしょうか。

前回ヴァイオリンで「死ぬまでに弾きたい曲」として2曲取り上げました。ヴァイオリンとヴィオラまたはチェロの技巧を凝らした唯一無二の二重奏曲になっているヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアを最初にかけました。番組の終わりに原曲のピアノ曲を用意していましたが、時間切れでかけられなかったので、その音源を最初にかけます。それと「古くはハイフェッツとピアティゴルスキーの二重奏もありました。」と言っていたので、その音源もと思い探しましたが、チェロのピアティゴルスキーとの演奏が見つからず、代わりにヴィオラのプリムローズとの二重奏はありましたので、その音源をおかけしたいと思います。

それでは、パッサカリアの原曲のヘンデルのハープシコード組曲第7番の第6曲「パッサカリア」をピアノで弾いた音源がありますので、アンヌ・ケフェレックの演奏でおかけします。ケフェレックは1982年に来日した際に聞きに行きましたが、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ラヴェル、クープラン、D.スカルラッティ、サティなどの作品の中でも、たまたま個人的に好きなピアノ曲をよく弾いていた人で、LPの頃から聞いていました。ラ・フォル・ジュルネでの来日で日本でも近年すっかりお馴染みのようです。

<Anne Queffélec Plays Handel ~Passacaille de la Suite en Sol Mineur No. 7, HWV 432, 1er Cahier 4分37秒>

<ヤッシャ・ハイフェッツ & ウィリアム・プリムローズ / Passacaglia in G Minor (After Handel's HWV 432) 6分41秒>

「死ぬまでに弾きたい曲」として前回はスケルツォ・タランテラを2曲目に取り上げましたが、もう3曲ありました。まず19世紀フランスの作曲家エルネスト・ショーソンが作曲した「詩曲」とイザイの「悲劇的詩曲」ですが、ショーソンの「詩曲」はヴァイオリンと管弦楽のための作品で、原題そのままで「ポエム」とも呼ばれます。当時の名ヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイが初演していますが、彼は作曲家でもあり、悲劇的詩曲(Poème élégiaque)と言う曲をほぼ同時期に書いています。原題もエレジアックを取れば同じで、非常に似た作品だと思います。特にショーゾンの詩曲は、ワーグナーの影響が色濃いフランス後期ロマン派音楽と言って良いと思います。個人的に若い頃はバッハ以前の古楽とシェーンベルク以降の現代音楽に傾きがちでしたが、この年になると後期ロマン派の濃密な音楽の方に惹かれてしまいます。もう一曲はディーリアスのヴァイオリン・ソナタ1番です。またイギリスに回った際に触れると思います。
今回イザイの曲はかけませんが、フランスかベルギーに回った時にかけるかも知れません。1949年に飛行機事故で若くして亡くなった往年の名ヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴーの演奏でショーソンの「詩曲」を時間まで聞きながら今回はお別れです。15分余りありますので途中までになりますが、ゼアミブログでは全曲アップします。
前回ジル・アパップのスケルツォ・タランテラが途中までになってしまいましたので、次回彼の東欧音楽へのアプローチを聞いてから、その後、西スラヴの音楽に移行したいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Ginette Neveu: The Complete Recordings ~Ernest Chausson / Poème, Op. 25 15分38秒>
Ginette Neveu - Chausson Poème (studio recording in 1946)

Ginette Neveu toca Chausson Poème

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2024年10月11日 (金)

最近のスケルツォ・タランテラ

最近の演奏家では、ヴィエニャフスキと同郷ポーランドのヴァイオリニスト、コンスタンティ・クルカの演奏は、技術的余裕が凄いと思いました。この難曲を簡単な曲のように弾いています。ポーランド人にとってこの曲は、日本で言えば津軽三味線のようなものでしょうか(笑) パッサカリアに続いて、高松あいさんの演奏もありましたので、2本目に入れておきます。3本目はレッスン動画で、弾いてみようと思っている者にはとても参考になります。4本目のRuslan Khokhlachevの演奏はスケルツォ・タランテラのヴァイオリンも完璧ですが、何と自身が弾いたエレキギターと合わせています。他にもチェロで多重録音したものなど色々ありまして、びっくりし通しでした。

スケルツォタランテラ/ヴィニヤフスキop.16 /コンスタンティ・クルカ 平澤真希/ Scherzo Tarantelle/Wieniawski op.16

踊り狂う技巧オンパレードスケルツォ!【スケルツォ・タランテラ : ヴィエニャフスキ(Scherzo-tarantelle : Wieniawski)】

【バイオリン講座37】スケルツォ・タランテラ練習法/ 速いパッセージ、重音練習、ボウイング

Ruslan Khokhlachev - H.Wieniawski - "Scherzo-Tarantelle" (metal version)

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2024年10月10日 (木)

ハイフェッツのスケルツォ・タランテラ

ハイフェッツが弾くスケルツォ・タランテラは、1950年、彼が49歳の時の動画がありましたので、それを1本目に、2本目は番組でかけた戦前の録音です。この曲はハイフェッツの十八番の一つで、80年代のLPにもトップに入っていました。ジル・アパップの演奏は来週改めて取り上げます。(以下放送原稿を再度)

もう一曲はポーランドの名ヴァイオリニスト兼作曲家だったヴィエニャフスキ(1835-1880)が書いたスケルツォ・タランテラと言うピアノ伴奏のヴァイオリン独奏曲です。70年代頃からパールマンがよく弾いていたイメージがありまして、華やかなヴァイオリン技巧を披露する類似のヴィルトゥオーゾ・ピースには前から余り興味はないのですが、この曲については名人芸の中に高い音楽性と歌心が感じられまして、数年前から猛烈に弾きたい曲になりました。D線で朗々と歌うように弾く旋律が最高に美しく、これを弾きたいからと言うのもあります。後半ではその旋律がタランテラの速い部分と絡んでますます面白い展開になります。
先で触れる予定の南イタリアの舞曲タランテラもそうですが、この数回で出てきた色々な舞曲が、現代のヨーロッパで継承されているか否かも、今後探ってみようと思っているポイントです。
それではスケルツォ・タランテラを一番有名にしたのではと思われる往年の名手ヤッシャ・ハイフェッツの古い録音でおかけしてから、クラシックに留まらず東欧やアイルランド等の民族音楽の領域にも越境している現代のヴァイオリンの鬼才ジル・アパップの演奏を続けます。ジル・アパップの伴奏は、ピアノではなくアコーディオンです。

Heifetz plays Scherzo Tarantelle (Wieniawski)

<ヤッシャ・ハイフェッツ & Arpád Sándor / The Heifetz Collection (1925 - 1934) - The First Electrical Recordings ~Scherzo - Tarantelle, Op. 16 4分20秒>

<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Scherzo-Tarantelle 4分52秒>

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2024年10月 9日 (水)

ユリア・フィッシャーとダニエル・ミュラー・ショットのパッサカリア

ヘンデル / ハルヴォルセンのパッサカリアを誰の演奏で最初に見た(聞いた)か、思い出しました。2009年にアップされているユリア・フィッシャーとダニエル・ミュラー・ショットの二重奏の映像でした。当時26歳くらいのユリア・フィッシャーは、今では中堅の大ヴェテランで、現代ヴァイオリニストの最高峰の一人と言って良いと思います。ダニエル・ミュラー・ショットも中堅のヴェテランで、数年前にBSのクラシック倶楽部で来日公演の映像を見かけました。
この曲は視覚的なインパクトが大きく、特にヴァイオリンやチェロを弾く者にとっては、これほどワクワクする映像も少ないと思います。2009年と言えば、YouTubeが本格化して数年だったと思いますが、この映像の影響もあってでしょうか、爆発的に音源や映像が増えたように思います。私のiPhoneにはストリーミングから拾った音源中心に20種類位入っていて、先日番組でかけた2つ(宮本笑里とツケメン)は、その中から選びました。楽譜も2010年頃に手に入れました。90年前後にハイフェッツとプリムローズで聞いたようにも思いますが、ハイフェッツにしては意外に大人しく当時は映像もなかったので、ほとんど記憶に残っていませんでした。

Julia Fischer & Daniel Muller-Schott - Handel-Halvorsen Passacaglia (HQ)

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2024年10月 7日 (月)

ヘンデル / ハルヴォルセンのパッサカリア

ゼアミdeワールド431回目の放送、日曜夜10時にありました。9日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はパッサカリアの方ですが、番組でかけた宮本さんの音源はYouTubeには見当たらないので、高松あいさんの映像で。若手の素晴らしいヴァイオリニストです。

いきなり超絶技巧アンサンブル!【パッサカリア:ヘンデル-ハルヴォルセン(HANDEL・HALVORSEN:Passacaglia)】

クラシックをまとめて取り上げるのは今回までにして、次回からは東欧の西スラヴから地域別のシリーズに戻る予定です。その中でもスメタナやショパンの曲などクラシックもかけますが。

今回は「死ぬまでに弾きたい曲」として2曲選んでみました。所属している弦楽合奏団では70歳位で引退するメンバーが多いので、そう考えるとあと8年ですから、その間に弾けるかどうかの難曲です。

まずはヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアです。ヘンデルの原曲を作曲家でヴァイオリニストのハルヴォルセンが編曲していますが、ヴァイオリンとヴィオラまたはチェロの技巧を凝らした素晴らしいアレンジの唯一無二の二重奏曲になっています。ヨハン・ハルヴォルセン(Johan Halvorsen, 1864 - 1935)は、ノルウェーの19世紀の作曲家で、ほとんどこの曲の編曲だけがよく知られているようです。元々ヴァイオリンとヴィオラのために書かれていますが、どちらかと言えばヴァイオリンとチェロの編曲の方で広く弾かれていると思います。最初に誰で聞いたか覚えていませんが、これほど美しくかっこいい曲があるのかと衝撃を受けました。古くはハイフェッツとピアティゴルスキーの二重奏もありました。

まずは宮本笑里の音源でおかけしますが、CDは持ってないので、チェロが誰なのか不明でした。艶っぽいヴァイオリンの音色がこの曲にぴったりで、とても気に入っています。

<宮本笑里 / birth ~パッサカリア 6分29秒>

パッサカリアは木曜のチェロメンバーと出来る部分だけ少し合わせてみましたし、簡略版の弦楽四重奏編曲なら何とかなりそうです。難関は後半の速い4オクターブ近いスケールの部分と、フラジオの部分、激烈なエンディング辺りです。パッサカリアはチェロパートも少しさらっています。パッサカリアと言えば、バッハもオルガン曲に名曲「パッサカリアとフーガ ハ短調」を書いていますが、ルーツを辿るとシャコンヌと類似のスペインあるいは南米起源の遅い3拍子の舞曲で、バロック時代に純器楽曲として様式化されています。ウィキペディアには「パッサカリアとチャッコーナ(シャコンヌ)は芸術音楽の領域に取り込まれるようになって、共にオスティナート・バスに基づく3拍子の変奏曲となり、関係が深くなっていった。主にパッサカリアは短調、チャッコーナは長調の定型が用いられた。」とありますから、バッハやヴィタリのシャコンヌは例外と言う事になります。現代音楽ではシェーンベルクの浄夜などと並んで後期ロマン派音楽の最後を飾る、ウェーベルンが書いた名曲パッサカリアがあります。因みに、南米のパサカージェについては、大分前に南米の音楽をゼアミブログで探っている時に取り上げたことがあります。

次に同じパッサカリアを今治でもコンサートがあった男性のデュオ、ツケメンの演奏でおかけします。ヴァイオリンとヴィオラの二重奏です。

<TAIRIKU(TSUKEMEN) / MIZUTANI×TAIRIKU ~パッサカリア (ハルヴォルセン編曲) 6分41秒>

もう一曲はポーランドの名ヴァイオリニスト兼作曲家だったヴィエニャフスキ(1835-1880)が書いたスケルツォ・タランテラと言うピアノ伴奏のヴァイオリン独奏曲です。70年代頃からパールマンがよく弾いていたイメージがありまして、華やかなヴァイオリン技巧を披露する類似のヴィルトゥオーゾ・ピースには前から余り興味はないのですが、この曲については名人芸の中に高い音楽性と歌心が感じられまして、数年前から猛烈に弾きたい曲になりました。D線で朗々と歌うように弾く旋律が最高に美しく、これを弾きたいからと言うのもあります。後半ではその旋律がタランテラの速い部分と絡んでますます面白い展開になります。先で触れる予定の南イタリアの舞曲タランテラもそうですが、この数回で出てきた色々な舞曲が、現代のヨーロッパで継承されているか否かも、今後探ってみようと思っているポイントです。
それではスケルツォ・タランテラを一番有名にしたのではと思われる往年の名手ヤッシャ・ハイフェッツの古い録音でおかけしてから、クラシックに留まらず東欧やアイルランド等の民族音楽の領域にも越境している現代のヴァイオリンの鬼才ジル・アパップの演奏を続けます。ジル・アパップの伴奏は、ピアノではなくアコーディオンです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ヤッシャ・ハイフェッツ & Arpád Sándor / The Heifetz Collection (1925 - 1934) - The First Electrical Recordings ~Scherzo - Tarantelle, Op. 16 4分20秒>
<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Scherzo-Tarantelle 4分52秒>

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2024年10月 4日 (金)

無伴奏チェロ組曲2番のプレリュード

バッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードは、長谷川陽子さんの音源で上がっていました。この盤は廃盤だと思いますから。と言う事は、「シャコンヌ」の方はまだカタログ上生きているのかも知れません。メヌエットとジーグは、番組でかけたロストロポーヴィチの1955年プラハ録音では上がってないと思いますので、長谷川さんの演奏で入れておきます。(以下放送原稿を再度)

次に同じく長谷川陽子さんの演奏でバッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードをおかけしたいと思います。この曲について15日の放送で、「ある番組を見たことから、今治にUターンした2005年の43歳の年に、ヴァイオリン編曲版ではなく、チェロで無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードを弾いてみたい、と言う動機でチェロを始めた」と言っておりましたので、今回シャコンヌの次に入れてみました。
この曲をチェロで弾いてみたいという強い動機がなければ、43歳でチェロを始めてクラシックに戻り、再びヴァイオリンを弾くこともなく、そのまま新内の三味線を弾いていたのではと思います。現在一緒に活動している弦楽合奏団のメンバーとお会いすることもなかったでしょう。更に2014年のまかな瑠音さんのライブにゲストで呼ばれてチェロを弾いたことで、ちろりんさんと知り合いまして、彼の番組に呼ばれて「番組を持ってみたら」と言って頂いたことで、私のこの番組が始まりました。このように大きな転機の際にバッハの曲があるという気がしています。
バッハの無伴奏チェロ組曲と言えば、ヨーヨー・マのCMで使われたことから1番のプレリュードばかり有名になってしまって、他の35曲がほとんど一般には知られてないのが大変に残念に思っています。6曲の各組曲はそれぞれ6曲から成っていますので、全部で36曲ありますが、他に比較的知られているのは、3番のブーレ位でしょうか。
実は、私が弾いてみたいと思った2番のプレリュードを見たのも、実はヨーヨー・マの2004年のBSのチェロ・レッスン番組でした。80年代にロストロポーヴィチの2番と5番のLPで聞いて以来好きな曲でした。ローゼン師匠の発表会で弾いたこともありますし、ずっと暗譜はしていますが、短調の内省的な音楽なので、ほとんどの催しの場に合わないように思いまして、なかなか弾く機会はないままです。

<2-1 長谷川陽子 J.S.Bach - The Complete Cello Suites [Disc 2] No.2 i. Prelude 4分38秒>

無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008 メヌエット

無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008 ジーグ

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2024年10月 3日 (木)

Tanya Anisimovaのスーフィー・ソウル

昨日バッハのシャコンヌとロカテッリのチェロ・ソナタを上げたTanya Anisimovaの音源を調べてみましたら、Sufi Soulと言う2006年の盤がありました。ジャケットにもイスラム教徒らしい衣装で写っていて、これを見てまた驚きました。超絶技巧で驚き、チェチェン生まれで驚き、イスラム教徒かも知れないという事で、3度驚きました。チェチェンでスーフィズム(イスラム神秘主義)が盛んなのは有名ですが、この人はクラシックのチェリストなので、チェチェンでは少数派のロシア人かと思ったら、チェチェン人だったのかも知れません。ロシア人だから、94年にチェチェン紛争が始まった時に亡命したのだと思っていましたが、違ったのでしょうか。この3度の驚きで、ますます関心が強まりました。
彼女のその他の音源には、ストリーミングで表示されている年があっていればですが、2003年にチェロでの無伴奏ヴァイオリンのソナタとパルティータ、2004年に無伴奏チェロ組曲が、それぞれ全曲で出ています。無伴奏ヴァイオリンの編曲の方では、原調で弾いているようですが、一部音をオクターブ下げて弾いている箇所がありました。当時はクラシックからすっかり離れていたので、聞き逃してしまっていました。今日は取り合えずスーフィー・ソウルから2曲上げておきます。2曲目は「アドナイ」と言うヘブライ語かも知れないタイトルで、これで4度目の驚きです(笑)

Sufi Suite For Cello Solo, After Rumi

Adonai For Cello and String Orchestra

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2024年10月 2日 (水)

チェロによるシャコンヌ Tanya Anisimova

Tanya Anisimovaは、何年か前に2本目の難曲として有名なロカテッリのチェロ・ソナタを見て、大変驚いたチェリストでした。バッハのシャコンヌもありました。月曜にアップした後で、YouTubeのページを更新したら出て来ました。この人もロシア系ですが、月曜のAlexei Romanenkoと同じくアメリカで活動しています。1994年にアメリカ国籍を取得していますが、生まれた場所は何とチェチェンの首都グローズヌィでした。チェチェン紛争が始まったのと同時に移住したようです。テクニックの凄さも、生まれた場所も、驚きの連続です。このシャコンヌの壮絶なフィンガリングには、またもやびっくり仰天しました。

J.S. Bach, Chaconne (arr. Tanya Anisimova)

The Best Ever Locatelli Cello Sonata in D - Tanya Anisimova - Cello, Pi Hsun Shih - Piano

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