番組でかけたHelena Greathouseの歌唱の2曲はありましたが、その前に月曜に上げたルチニッツァで検索したら色々出て来ましたので、代表的なステージのハイライトを一本上げておきます。スロヴァキアの首都ブラティスラヴァの民族舞踊団で、こういう国立の団体は、大体どこもバックの演奏は上手すぎるくらい上手いです。整理され過ぎてつまらないという意見もたまに聞きますが、やはり模範として聞いておいて良いと思います。この団体、チェコスロヴァキア時代から活動は変わらず続いていたようです。
Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal)の方は、夫婦かなと思われるお二人のアコーディオン伴奏の歌唱で、Tuta Helpa (Slovak)とU Dunaja (Slovak)を番組でかけました。Amazonでは余り高評価ではないようですが、鄙びたスロヴァキアの民謡は、なかなか良いと思いました。これは全くの推測ですが、Greathouseと言うのはアメリカに移住した夫婦がスロヴァキア語の苗字を英語に訳したものかもと思いました。
U Dunajaと言うのは、ロシア語から類推すると「ドナウの方へ」ではないかと思います。先日のザドゥナイと前置詞が違っています。ロシア語の「ザ」は、ザカフカスの時と同じで、ビヨンドの意味です。因みに、先日フルザの歌に出て来たと言っていた「ザドゥナイ」の文句が出て来るロシアの歌は「デカブリストの歌」でしたから、民謡ではなく50年代に作られたシャポーリン作曲の曲でした。
<Wanda Wilkomirska & Mihály Szűcs ~Duos For Two Violins Sz. 98 - Volume I: 5. Slovak Song I - 6. Hungarian Song I - 7. Rumanian Song - 8. Slovak Song II - 9. Play 4分42秒>
東スロヴァキアの民謡 A ja taka dzivočkaは、Sága krásy(美の物語?)と言うシリーズで沢山ある内の一曲ですが、この曲のスラヴとハンガリーの絶妙なブレンド具合に魅了されまして、長らく印象に残っていました。残念ながらCDで入っている音源は見た覚えがない曲です。先日のハラフィカとかが取り上げそうな曲です。15年前後前にゼアミブログで世界の音楽を回っている時に偶然見つけて以来、何故かポーランドの音楽と勘違いしていました。Anna Poracovaの歌声が大変に魅力的ですが、伴奏陣の演奏にはスラヴらしい旋律の中に確かにチャールダーシュらしいリズムのある曲です。
Sága krásy - A ja taka dzivočka. Folk song from eastern Slovakia. Slovak folk music.
<Wanda Wilkomirska & Mihály Szűcs ~Duos For Two Violins Sz. 98 - Volume I: 5. Slovak Song I - 6. Hungarian Song I - 7. Rumanian Song - 8. Slovak Song II - 9. Play 4分42秒>
では最後に、Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal)と言う、夫婦かなと思われるお二人のアコーディオン伴奏の歌唱で、Tuta Helpa (Slovak)とU Dunaja (Slovak)を時間まで聞きながら今回はお別れです。かつてはCDも出ていたCzech and Slovak Folk Musicと言うストリーミング音源です。Amazonでは余り高評価ではないようですが、鄙びたスロヴァキアの民謡は、なかなか良いと思いました。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal) Tuta Helpa (Slovak) 1分50秒>
<Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal) U Dunaja (Slovak) 1分53秒>
番組の最後にかけたHrdzaのNeskrotenyの1曲目Veru Mi Je Dobreもプロモーションビデオがありました。フヤラの玄妙な音から始まります。フリーリズムの鮮烈な女性の歌唱とフヤラはぴったりです。フヤラは日本で喩えれば、法螺貝とかの神聖な笛なのではと思います。それにしても衝撃的な映像で、これは何を意味しているのでしょうか。
スロヴァキアの4回目は、434回目の放送で取り上げたスロヴァキアのフォークロックバンドHrdzaの2枚の音源から抜粋したいと思います。日本語表記するのは難しいバンドの読みですが、フルザとしておきます。フルザとはスロヴァキア語で「錆」を意味していて、1999 年に結成されています。一時ユニヴァーサルからCDリリースされていたようですが、最近は自主盤のみのようです。
日本でもよく知られている「おお牧場はみどり」のスロヴァキア語原題の、Horela lipka, horelaで検索して偶然見つけたグループですが、Horela Ľipkaの歌の素晴らしさはもちろんのこと、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のピナ・バウシュの80年代の舞台を思い出させるようなプロモーションビデオの素晴らしさも特筆ものだと思いました。YouTubeのコメントを見ると、スラヴ諸国の人々から絶賛の声が多数ありました。
「おお牧場はみどり」は、チェコとスロヴァキアの地方により2つの異なる歌が存在する、とウィキペディアにありましたが、色々調べた結果、チェコ西部ボヘミア側が日本でも知られる長調の旋律、チェコ東部モラヴィアとスロヴァキアで、Hrdzaの歌っている短調の旋律が多く歌われているのではと思いました。
では2023年のČo mi Je, To mi Je(私の何が間違っているのか)から、再度Horela Ľipkaをおかけして、その後にセレクトした2曲を続けます。スラヴっぽい哀愁の旋律にどうしても惹かれてしまいます。
<Hrdza / Čo mi Je, To mi Je ~Horela Ľipka 4分19秒>
<Hrdza / Čo mi Je, To mi Je ~Krčmáročka 3分30秒>
スロヴァキアの2回目はフランスのIneditから出ていたSlovaquie - Musiques de Polana (Slovakia - Music from Polana)を取り上げます。スロヴァキアの中心部に位置するポラナ地方には、驚くほど多様な音楽や楽器があって、それは田園フルートのコンツォフカ、ヴァラスカ・ピスタルカ、ドヴォジャツカ、独奏、二重奏、四重奏で演奏される有名なフヤラ、ガイディ・バグパイプ、弦楽アンサンブルなどですが、この盤ではジプシー音楽のチャールダーシュと、ファゴットに似た長い木管楽器のフヤラの音源が特に目立っています。
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