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2024年11月

2024年11月29日 (金)

ルチニッツァとグレートハウス

番組でかけたHelena Greathouseの歌唱の2曲はありましたが、その前に月曜に上げたルチニッツァで検索したら色々出て来ましたので、代表的なステージのハイライトを一本上げておきます。スロヴァキアの首都ブラティスラヴァの民族舞踊団で、こういう国立の団体は、大体どこもバックの演奏は上手すぎるくらい上手いです。整理され過ぎてつまらないという意見もたまに聞きますが、やはり模範として聞いておいて良いと思います。この団体、チェコスロヴァキア時代から活動は変わらず続いていたようです。
Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal)の方は、夫婦かなと思われるお二人のアコーディオン伴奏の歌唱で、Tuta Helpa (Slovak)とU Dunaja (Slovak)を番組でかけました。Amazonでは余り高評価ではないようですが、鄙びたスロヴァキアの民謡は、なかなか良いと思いました。これは全くの推測ですが、Greathouseと言うのはアメリカに移住した夫婦がスロヴァキア語の苗字を英語に訳したものかもと思いました。
U Dunajaと言うのは、ロシア語から類推すると「ドナウの方へ」ではないかと思います。先日のザドゥナイと前置詞が違っています。ロシア語の「ザ」は、ザカフカスの時と同じで、ビヨンドの意味です。因みに、先日フルザの歌に出て来たと言っていた「ザドゥナイ」の文句が出て来るロシアの歌は「デカブリストの歌」でしたから、民謡ではなく50年代に作られたシャポーリン作曲の曲でした。

Lúčnica - HIGHLIGHTS

Tuta Helpa (Slovak)

U Dunaja (Slovak)

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2024年11月28日 (木)

バルトークの44のヴァイオリン二重奏曲のスロヴァキア民謡

バルトークの44のヴァイオリン二重奏曲のスロヴァキア民謡は、さすがにYouTubeにはないかなと思いましたが、演奏者名Wanda Wilkomirska & Mihály Szűcsで入れたら、すぐ見つかりました。番組ではワンダ・ウィウコミルスカと言う演奏者名を言い忘れておりました。この人の演奏では、ディーリアスのヴァイオリン・ソナタ全曲が30年来の愛聴盤で、それ以来好きなヴァイオリニストの一人です。番組では、9. Playは外しました。(以下放送原稿を再度)

前にハンガリーやルーマニアの時にかけたバルトーク作曲の44のヴァイオリン二重奏曲に、2曲スロヴァキア民謡による曲がありますので、続けておかけしますが、4分余りの演奏の中で最初と最後がスロヴァキアの旋律で、間にハンガリーの歌とワラキア(ルーマニア南部)の歌が挟まれています。この曲集の割と前半の曲ですので、残念ながら手持ち楽譜には入っていませんでした。バルトークは、他に声楽曲でスロヴァキア民謡を取り入れた曲を幾つか書いています。

<Wanda Wilkomirska & Mihály Szűcs  ~Duos For Two Violins Sz. 98 - Volume I: 5. Slovak Song I - 6. Hungarian Song I - 7. Rumanian Song - 8. Slovak Song II - 9. Play 4分42秒>

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2024年11月27日 (水)

A ja taka dzivočka(ア・ヤー・タカ・ジーヴォチカ)

東スロヴァキアの民謡 A ja taka dzivočkaは、Sága krásy(美の物語?)と言うシリーズで沢山ある内の一曲ですが、この曲のスラヴとハンガリーの絶妙なブレンド具合に魅了されまして、長らく印象に残っていました。残念ながらCDで入っている音源は見た覚えがない曲です。先日のハラフィカとかが取り上げそうな曲です。15年前後前にゼアミブログで世界の音楽を回っている時に偶然見つけて以来、何故かポーランドの音楽と勘違いしていました。Anna Poracovaの歌声が大変に魅力的ですが、伴奏陣の演奏にはスラヴらしい旋律の中に確かにチャールダーシュらしいリズムのある曲です。

Sága krásy - A ja taka dzivočka. Folk song from eastern Slovakia. Slovak folk music.

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2024年11月25日 (月)

チェコスロヴァキア時代のチャールダーシュ

ゼアミdeワールド438回目の放送、日曜夜10時にありました。27日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は米Monitorのチャールダーシュ4曲を。19世紀ヨーロッパで大流行し、色々な国で作曲もされたチャールダーシュ(モンティ作曲のチャールダーシュ、サラサーテのツィゴイネルワイゼン、ブラームスのハンガリー舞曲 等)ですが、スロヴァキアの場合はハンガリーの音楽文化が今も残っているので、作者不詳の旋律も残っているのではと思います。

スロヴァキアの5回目になります。スロヴァキアの民族音楽の音源は、他には仏Ocoraから出ていた「スロヴァキアの民俗音楽」や、スイスVDE-Galloにも「中央スロヴァキアの伝統」がありましたが、どちらも売り切れでストリーミングにも見当たらないので、残念ながらおかけすることが出来ません。オコラの方は「ブラチスラバ放送局に30年余りに渡り蓄積された音源から編集されたアルバム。フヤラの倍音豊かな衝撃的な吹奏に始まり、娘さん達の草刈歌、結婚の歌等。ポーランド、ハンガリー寄りな面も時折顔を覗かせる。実に贅沢な音のフォークロア作品。」とコメントを入れていました。もしYouTubeにあれば、ゼアミブログの方では取り上げたいと思います。

ストリーミングに上がっている他の音源には、チェコスロヴァキアだった頃に出ていた米Monitorの2枚等がありました。チェコと一緒ですので、曲名などで判断するしかないのですが、チャールダーシュ的な曲ならスロヴァキア側の音源だろうと思いまして、その2枚から4曲選びました。続けておかけします。最初の3曲がルチニッツァ、4曲目はオイゲン・ファルカシュ・フォーク・アンサンブルの演奏です。

<Lúcnica - Czechoslovakian Folk Ballet from Bratislava ~Gypsy Czardas 3分2秒>

<Lúcnica - Czechoslovakian Folk Ballet from Bratislava ~Gypsy Czardas, Part 2 4分3秒>

<Lúcnica - Czechoslovakian Folk Ballet from Bratislava ~Funny Hat Dance 1分45秒>

<Folk Songs and Dances from Czechoslovakia ~Eugen Farkas Folk Ensemble / Horehronsks Cardás (Czardas from Hron Valley) 2分19秒>

続いて、大分前にYouTubeで見つけた曲ですが、15年前後前にゼアミブログで世界の音楽を回っている時に、ポーランドの音楽と勘違いしていた曲をおかけします。Anna Poracovaの歌声が大変に魅力的ですが、スラヴらしい旋律の中に確かにチャールダーシュらしいリズムのある曲です。

<Sága krásy - A ja taka dzivočka. Folk song from eastern Slovakia. Slovak folk music. 5分13秒>

前にハンガリーやルーマニアの時にかけたバルトーク作曲の44のヴァイオリン二重奏曲に、2曲スロヴァキア民謡による曲がありますので、続けておかけしますが、4分余りの演奏の中で最初と最後がスロヴァキアの旋律で、間にハンガリーの歌とワラキアの歌が挟まれています。この曲集の割と前半の曲ですので、残念ながら手持ち楽譜には入っていませんでした。バルトークは、他に声楽曲でスロヴァキア民謡を取り入れた曲を幾つか書いています。

<Wanda Wilkomirska & Mihály Szűcs  ~Duos For Two Violins Sz. 98 - Volume I: 5. Slovak Song I - 6. Hungarian Song I - 7. Rumanian Song - 8. Slovak Song II - 9. Play 4分42秒>

では最後に、Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal)と言う、夫婦かなと思われるお二人のアコーディオン伴奏の歌唱で、Tuta Helpa (Slovak)とU Dunaja (Slovak)を時間まで聞きながら今回はお別れです。かつてはCDも出ていたCzech and Slovak Folk Musicと言うストリーミング音源です。Amazonでは余り高評価ではないようですが、鄙びたスロヴァキアの民謡は、なかなか良いと思いました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal) Tuta Helpa (Slovak) 1分50秒>
<Mark L. Greathouse (accordion) & Helena Greathouse (vocal) U Dunaja (Slovak) 1分53秒>

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2024年11月22日 (金)

Horela Ľipka再び

スロヴァキアのフォークロックバンドHrdza週間の締めは、やはりHorela Ľipkaです。ライブ映像もありましたので、2、3本目に上げました。番組で言ったことの繰り返しになりますが、日本でもよく知られている「おお牧場はみどり」のスロヴァキア語原題の、Horela lipka, horelaで検索して偶然見つけたグループです。原題の意味は「菩提樹が燃えていた、燃えていた」です。Horela Ľipkaの歌の素晴らしさはもちろんのこと、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のピナ・バウシュの80年代の舞台を思い出させるようなプロモーションビデオの素晴らしさも特筆ものだと思いました。YouTubeのコメントを見ると、スラヴ諸国の人々から絶賛の声が多数ありました。
「おお牧場はみどり」は、チェコとスロヴァキアの地方により2つの異なる歌が存在する、とウィキペディアにありましたが、色々調べた結果、チェコ西部ボヘミア側が日本でも知られる長調の旋律、チェコ東部モラヴィアとスロヴァキアで、Hrdzaの歌っている短調の旋律が多く歌われているのではと思いました。

Hrdza - Horela ľipka (Official Music Video)

HRDZA - Horela lipka, horela...

HRDZA - Horela lipka

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2024年11月21日 (木)

Veru mi je dobre / I’m Truly All Right

番組の最後にかけたHrdzaのNeskrotenyの1曲目Veru Mi Je Dobreもプロモーションビデオがありました。フヤラの玄妙な音から始まります。フリーリズムの鮮烈な女性の歌唱とフヤラはぴったりです。フヤラは日本で喩えれば、法螺貝とかの神聖な笛なのではと思います。それにしても衝撃的な映像で、これは何を意味しているのでしょうか。

Hrdza - Veru mi je dobre / I’m Truly All Right

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2024年11月20日 (水)

ルシン語の民謡 シュテファン

アンディ・ウォーホルとかガイ・クルセヴェクがスロヴァキア系と言うのは聞いた事がありましたが、ウォーホルがルシン人の家系と言うのは今回初めて知りました。現在のスロヴァキア人口の0.44%ほどだそうです。と言う事で、ルシン関係の曲、シュテファンのプロモーションビデオとライブ映像を最初に持って来ました。この曲ではハンガリー色は皆無です。他の曲も全てプロモーションビデオかライブ映像がありました。(以下放送原稿を再度)

2018年リリースのNeskrotenyからは4曲選びました。この頃も女性歌手が大変に素晴らしく、それを伴奏陣が最大限に盛り上げています。自主盤でおそらく本国周辺国でしか知られてないのではと言うのが、もったいなく思いました。3曲目のStefanと言う曲は、東部のルテニア地方のルシン語の民謡だそうです。ルシン語はウクライナ語の方言とされる東スラヴ系の言葉です。スロヴァキア系ルシン人の家系の有名人には、ポップアートの大御所アンディ・ウォーホルがいます。

<Hrdza / Neskroteny ~Stefan 2分58秒>

Hrdza: Štefan (Official Live Video)

<Hrdza / Neskroteny ~Spivaj Ptasku 3分18秒>

<Hrdza / Neskroteny ~Kosielocka 4分>

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2024年11月18日 (月)

クルチマーロチカとベタル・ヂヴカ

ゼアミdeワールド437回目の放送、日曜夜10時にありました。20日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。Horela Ľipkaは何度か上げていますので、今日はクルチマーロチカ(宿屋の主人)とベタル・ヂヴカの2曲です。どちらもライブ映像がありました。ベタル・ヂヴカの「ザドゥナイ」(ドナウを越えて)の文句は、ロシア民謡にも全く同じ意味の語彙で出て来る歌がありました。99年結成ですから、フルザのメンバーは50歳前後ではと思います。老若男女が楽しめる伝統音楽系のポップスがこんなに盛況なのは、実に羨ましい事です。

スロヴァキアの4回目は、434回目の放送で取り上げたスロヴァキアのフォークロックバンドHrdzaの2枚の音源から抜粋したいと思います。日本語表記するのは難しいバンドの読みですが、フルザとしておきます。フルザとはスロヴァキア語で「錆」を意味していて、1999 年に結成されています。一時ユニヴァーサルからCDリリースされていたようですが、最近は自主盤のみのようです。
日本でもよく知られている「おお牧場はみどり」のスロヴァキア語原題の、Horela lipka, horelaで検索して偶然見つけたグループですが、Horela Ľipkaの歌の素晴らしさはもちろんのこと、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のピナ・バウシュの80年代の舞台を思い出させるようなプロモーションビデオの素晴らしさも特筆ものだと思いました。YouTubeのコメントを見ると、スラヴ諸国の人々から絶賛の声が多数ありました。
「おお牧場はみどり」は、チェコとスロヴァキアの地方により2つの異なる歌が存在する、とウィキペディアにありましたが、色々調べた結果、チェコ西部ボヘミア側が日本でも知られる長調の旋律、チェコ東部モラヴィアとスロヴァキアで、Hrdzaの歌っている短調の旋律が多く歌われているのではと思いました。
では2023年のČo mi Je, To mi Je(私の何が間違っているのか)から、再度Horela Ľipkaをおかけして、その後にセレクトした2曲を続けます。スラヴっぽい哀愁の旋律にどうしても惹かれてしまいます。

<Hrdza / Čo mi Je, To mi Je ~Horela Ľipka 4分19秒>
<Hrdza / Čo mi Je, To mi Je ~Krčmáročka 3分30秒>

<Hrdza / Čo mi Je, To mi Je ~Beťar Ďivka 3分21秒>

2018年リリースのNeskrotenyからは4曲選びました。この頃も女性歌手が大変に素晴らしく、それを伴奏陣が最大限に盛り上げています。自主盤でおそらく本国周辺国でしか知られてないのではと言うのが、もったいなく思いました。3曲目のStefanと言う曲は、東部のルテニア地方のルシン語の民謡だそうです。ルシン語はウクライナ語の方言とされる東スラヴ系の言葉です。スロヴァキア系ルシン人の家系の有名人には、ポップアートの大御所アンディ・ウォーホルがいます。

<Hrdza / Neskroteny ~Spivaj Ptasku 3分18秒>
<Hrdza / Neskroteny ~Kosielocka 4分>
<Hrdza / Neskroteny ~Stefan 2分58秒>

では最後に同じくNeskrotenyの1曲目Veru Mi Je Dobreを時間まで聞きながら今回はお別れです。前々回の番組で出てきたフヤラの玄妙な音から始まります。フヤラとその音楽は2005年にUNESCOの無形文化遺産に登録されています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Hrdza / Neskroteny ~Veru Mi Je Dobre 3分14秒>

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2024年11月15日 (金)

ヤナ・レヴィトヴァーとヴラディーミル・メルタのセファルディ

ヤナ・レヴィトヴァーとヴラディーミル・メルタのコンビですが、ハシディック音楽の復興を行っているミシュパハー・アンサンブルとの仕事で、映画監督でもあるメルタとヴォーカルのレヴィトヴァーが出会ってからだそうです。このコンビで割とよく知られているのが、セファルディ音楽の盤で、20年ほど前に何枚かチェコArta盤で出ています。彼らがユダヤ系でないとすれば、古楽の演奏家として、そのルーツの一つとしてセファルディの音楽に目を向けたということではないかと思いますが、その中でスロヴァキアの音楽に取り組んだ「さかしまの世界とバラード~スロヴァキアの牧場から」は、異色作と言えるのかも知れません。チェコ人がスロヴァキアの音楽をどんな風に見ているのか、その辺りが焦点のように思います。スロヴァキアには、西欧化していない古い(あるいは、不可思議なとか、さかしまなとか)西スラヴの文化が残っていると取っているのではと推測しますが。動画は幾つかありましたが、いずれもセファルディの歌でした。「さかしまの世界」の方は、やはりレアなようで見当たりません。

Vladimír Merta a Jana Lewitová 2

Jana Lewitová, Vladimír Merta 2 141001

Jana Lewitová, Vladimír Merta 1 141001

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2024年11月14日 (木)

さかしまの世界とバラード~スロヴァキアの牧場から

「さかしまの世界とバラード~スロヴァキアの牧場から」は、あるだろうかと少々心配していましたが、原語で検索したらありました。Jana Lewitováが割と知られているからでしょうか。古楽か、アングラか、どういうスタンスのユニットなのか、今一つ掴めないところが、チェコらしい音源です。アルメニアのドゥドゥクやパキスタンのハルモニウムまで出てくるのにも、驚きました。8曲目のZotˇali Brezuを先にしたのは、他で聞いた事のある曲なので、フェイドアウトしたくなかったためです。最後の7曲目は番組では時間切れで流せなかった曲です。(以下放送原稿を再度)

もう一枚は、チェコArtaから2002年頃に出ていた「さかしまの世界とバラード~スロヴァキアの牧場から Jana Lewitová & Vladimír Merta / Topsy Turvy World (Svet Zmotany)」と言う盤です。メンバーは、ヤナ・レヴィトヴァー(vocal, viola)、ウラディミル・メルタ(vocal, guitars, lutes, theorbo, psalterium, folk flutes, duduk, harmonica, Pakistan harmonium, percussion)、インゲ・ジャードナー(viola da gamba)、ヤロスラフ・コルジャーン(percussion)となっています。スロヴァキアの古楽やトラッドをベースに、世界のトラッドのフレーヴァーを添えたアルバムで、あの不思議なアニメや人形劇を創造するチェコ人にしか思いつかないであろうユニークなアイデアが一杯、と言うコメントをゼアミHPで添えていました。1,2,8,5,7曲目の順に時間まで聞きながら今回はお別れです。

<1 Krajina První 1分22秒>

<2 Ked Puojdeš Za Dunaj 2分55秒>

<8 Zotˇali Brezu 3分31秒>

<5 Jakí Je Ten Svet Zmotaní 6分50秒>

<7 Ej, Co To, Bože, Za Strom 4分50秒>

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2024年11月13日 (水)

スロヴァキアのハンガリー風な舞踊と音楽

今日はウルピン民族アンサンブルのステージ映像を幾つか上げておきます。1本目は色々な踊りが次々出て来ます。音楽はもちろんのこと、踊りも衣装も、やはりハンガリーに近いことを改めて確認しました。隣のウクライナの踊りは余り見た記憶がありませんが、ロシアの踊りとはかなり違うと思います。同じスラヴ系でも、ハンガリー領だった時期が長いとこんなにも変わるかと思いました。3本目はウルピンではないようですが、ヴァイオリン、コントラ、ツィンバロム、コントラバスと言うハンガリー音楽らしいアンサンブルに、踊りもハンガリー的なのが、よりはっきり分かります。

FS Urpin Promotional video

FS Urpin, Slovakia

Slovak folk dance

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2024年11月11日 (月)

Urpin Folklore Ensemble

ゼアミdeワールド436回目の放送、日曜夜10時にありました。13日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は番組でかけたウルピンの4曲です。

スロヴァキアの3回目は、ウルピン民族アンサンブルと、さかしまの世界とバラードと言う2枚からおかけします。前回と同じで、現物は売り切れで手元にないので英訳が入った解説は参照できず詳細が不明ですので、番組では数曲ずつおかけして、ゼアミブログの方で動画などから探ってみたいと思います。

まず英ARCから2010年頃に出た「スロヴァキアの歌と踊り~ウルピン民族アンサンブル(Urpin Folklore Ensemble / Slovakia, Songs & Dances)」ですが、スロヴァキアにて複数の受賞歴のあるアンサンブル“Urpin”によるスロヴァキア伝統音楽集で、編成はアコーディオン、ヴァイオリン、ツィンバロム、クラリネット等です。かつて一つの国だったチェコよりも、ハンガリーの方が絶対的に近いという印象の音です。フヤラのような珍しい楽器も数曲で出て来ますが、チャールダーシュ的な楽曲を中心に選んでみました。スロヴァキア語の発音はよく分かりませんので、曲名は読み上げませんが、ゼアミブログには原語で全て載せます。4曲続けてどうぞ。

<1 Zasela Sem Bazalicku 2分46秒>

<11 Spomienky Na Samka 3分28秒>

<16 Cigansey Tanec 3分30秒>

<18 Vyhadzovana 3分57秒>

もう一枚は、チェコArtaから2002年頃に出ていた「さかしまの世界とバラード~スロヴァキアの牧場から Jana Lewitová & Vladimír Merta / Topsy Turvy World (Svet Zmotany)」と言う盤です。メンバーは、ヤナ・レヴィトヴァー(vocal, viola)、ウラディミル・メルタ(vocal, guitars, lutes, theorbo, psalterium, folk flutes, duduk, harmonica, Pakistan harmonium, percussion)、インゲ・ジャードナー(viola da gamba)、ヤロスラフ・コルジャーン(percussion)となっています。スロヴァキアの古楽やトラッドをベースに、世界のトラッドのフレーヴァーを添えたアルバムで、あの不思議なアニメを創造するチェコ人にしか思いつかないであろうユニークなアイデアが一杯、と言うコメントをHPで添えていました。1,2,8,5,7曲目の順に時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Krajina První 1分22秒>
<2 Ked Puojdeš Za Dunaj 2分55秒>
<8 Zotˇali Brezu 3分31秒>
<5 Jakí Je Ten Svet Zmotaní 6分50秒>
<7 Ej, Co To, Bože, Za Strom 4分50秒>

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2024年11月 8日 (金)

スロヴァキアのチャールダーシュ

番組でかけたチャールダーシュ系の2曲を演奏していたグループについては、生映像はおそらく見当たらないと思いますので、イネディ音源のみ貼っておきます。演奏風景は、先週上げたHaraficaなどに近いと思いますが、3弦の伴奏ヴァイオリン(あるいはヴィオラ)のコントラの音は、イネディの方ではよく聞こえます。(以下放送原稿を再度)

それではチャールダーシュ系の音楽に移ります。前回に言いましたが、ハンガリー語で「酒場」という意味のチャールダに由来する「チャールダーシュ」と言う舞踊の名前が生まれたのは、ユダヤ系作曲家ロージャヴェルジ・マールクの作った楽曲にありまして、彼はスロヴァキアに近い北ハンガリーの生まれなのもあってでしょうか、現在もスロヴァキアではチャールダーシュの演奏が盛んです。

フランスのInedit盤からチャールダーシュ系の音源を2曲おかけします。1曲目のCiganske Piesne(ジプシーの歌)は、比較的都会のジプシー音楽に近い感じですが、他はハンガリー農村の泥臭いチャールダーシュにそっくりに聞こえます。あるいはトランシルヴァニアのハンガリー音楽にも似ています。8曲ある中から、1曲目と11曲目「高原の音楽」を続けておかけします。

<1 Ciganske Piesne 3分46秒>

<11 Musique des plateaux: Oci, oci, cierne 3分3秒>

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2024年11月 7日 (木)

コンツォフカと他の笛

コンツォフカのデモ演奏がありました。穴は上下だけで指孔がないのは、ノルウェーの柳の笛(セリエフレイテ)と共通しています。フィップルの歌口があるから指孔がなくても音階が出せるのでしょうが、演奏は大変に難しいのでは。スロヴァキアではハンガリー的な弦楽アンサンブルが盛んな一方で、フヤラやコンツォフカのようなプリミティヴな笛が豊富にあるのが面白いです。2本目はフヤラ、コンツォフカだけでなく、ガイディ(バグパイプ)のデモ演奏も出て来ます。古楽器のクルムホルンや、西インドのコブラの笛のようなダブル管もありますが、演奏の基本はコンツォフカでしょうか。この映像を見ると全ての笛が繋がっているように思いました。

Koncovka

AEROFONICKÉ ĽUDOVÉ HUDOBNÉ NÁSTROJE V ZBIERKE MICHALA SMETANKU / 2014

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2024年11月 6日 (水)

フヤラ(ファゴットに似た形の牧笛)と「ブリキの太鼓」

フヤラについては、UNESCOの無形文化遺産に登録されていて、スロヴァキアの首都ブラティスラヴァのブラティスラヴァ放送のコールサインになっているのもあって、沢山映像がありました。番組で言いましたが、1本目冒頭の大変に印象的な倍音奏法は、映画「ブリキの太鼓」の冒頭の辺りで使われていたように思います。この映画はポーランド北部バルト海沿岸のグダニスク(ドイツ名はダンツィヒ)が舞台ですが、あの音はフヤラのように聞こえました。類似の笛は、オーバートーンフルートと呼ばれて北欧や東欧に広く分布していますが、他にはスロバキアのコンツォフカ、北欧の柳笛(セリエフレイテ)、ルーマニア・ウクライナのティリンカなどがありますから、どれか他の笛かも知れません。しかし「ブリキの太鼓」は、フヤラに余りに似ていましたが、どうなのでしょうか。4本目が、その映画冒頭のシーンです。

Fujara

FUJARA

La fujara, flauta tradicional de Eslovaquia

The Tin Drum English Translation

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2024年11月 4日 (月)

スロヴァキアの管楽器フヤラ、コンツォフカ等

ゼアミdeワールド435回目の放送、日曜夜10時にありました。6日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はフヤラやコンツォフカ等の管楽器の音源7曲です。

スロヴァキアの2回目はフランスのIneditから出ていたSlovaquie - Musiques de Polana (Slovakia - Music from Polana)を取り上げます。スロヴァキアの中心部に位置するポラナ地方には、驚くほど多様な音楽や楽器があって、それは田園フルートのコンツォフカ、ヴァラスカ・ピスタルカ、ドヴォジャツカ、独奏、二重奏、四重奏で演奏される有名なフヤラ、ガイディ・バグパイプ、弦楽アンサンブルなどですが、この盤ではジプシー音楽のチャールダーシュと、ファゴットに似た長い木管楽器のフヤラの音源が特に目立っています。

フヤラ(スロバキア語: fujara)は、スロバキアの民族楽器で、倍音が大変豊かな木管楽器です。高次の倍音と3つの音孔を組みあわせることで全音階を演奏することができるそうですが、指孔がたった3つしかないことに大変驚きました。

フヤラの管は木製で長さは4フィート(約1.2m)から7フィート(約2.1m)までのものがあり、普通のフヤラの長さは5フィートあまり(約1.7m)だそうです。ぱっと見はファゴットに似て見えます。縦に持って吹きますが、楽器分類学上はリコーダーやオカリナと同じフィップルの一種と言うことです。

高次の倍音を使う笛は、オーバートーンフルートと呼ばれて北欧や東欧に広く分布していますが、他にはスロバキアのコンツォフカ、北欧の柳笛(セリエフレイテ)、ルーマニア・ウクライナのティリンカなどがあります。はっきり音色が記憶に残っているのは、映画「ブリキの太鼓」ですが、冒頭の辺りで使われていました。この映画はポーランド北部が舞台ですが、あの音はフヤラのように聞こえました。

フヤラとその音楽は2005年にUNESCOの無形文化遺産に登録されていて、スロヴァキアの首都ブラティスラヴァのブラティスラヴァ放送では、フヤラ・トリオの音がコールサインになっているそうです。

それでは、この盤からフヤラ等管楽器の音源を7曲まとめておかけします。17分程あります。曲によっては途中から歌が出て来ます。現物は売り切れで手元にないので曲名の英訳が入った解説は参照できず、スロヴァキア語の発音もよく分かりませんので、曲名は読み上げませんが、ゼアミブログには原語で全て載せます。

<3 Piesen z kyzùc 1分13秒>

<4 Piesen z kyzùc Duo Koncovka 2分20秒>

<5 Trojcene 1分54秒>

<6 Ej Janicek Belavy 1分39秒>

<7 Oj, tmavà nôcka 2分52秒>

<8 Joj, Nebudem Ja Dobry 2分43秒>

<9 Pomaly Ovecky 4分3秒>

それではチャールダーシュ系の音楽に移ります。前回に言いましたが、ハンガリー語で「酒場」という意味のチャールダに由来する「チャールダーシュ」と言う舞踊の名前が生まれたのは、ユダヤ系作曲家ロージャヴェルジ・マールクの作った楽曲にありまして、彼はスロヴァキアに近い北ハンガリーの生まれなのもあってでしょうか、現在もスロヴァキアではチャールダーシュの演奏が盛んです。

この盤からチャールダーシュ系の音源を2曲おかけします。1曲目のCiganske Piesne(ジプシーの歌)は、比較的都会のジプシー音楽に近い感じですが、他はハンガリー農村の泥臭いチャールダーシュにそっくりに聞こえます。あるいはトランシルヴァニアのハンガリー音楽にも似ています。8曲ある中から、1曲目と11曲目を続けておかけします。

<1 Ciganske Piesne 3分46秒>
<11 Musique des plateaux: Oci, oci, cierne 3分3秒>

もう一つ、歌舞の伴奏に頻繁に使われる楽器に、ガイディ(バグパイプ)があります。12曲目のガイディの演奏を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<12 Piesne Spod Babej Hory 2分1秒>

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2024年11月 1日 (金)

スロヴァキア、モラヴィア、チェコの「おお牧場はみどり」の色々

Haraficaの幾つかの映像を見ていて、ハンガリー風の楽団ながら聞こえて来る言葉がスラヴ系なのが、何とも不思議です。何本か見ている内に、中心メンバーかなと言う人が見当が付いてきました。めぼしい映像を2本上げておきます。新しい傾向も取り入れながら、こういう伝統的なスタイルが若い世代に存続している状況には、とても羨望を感じます。日本も何とかならないものでしょうか。
3本目にはHrdzaの例のHorela lipkaを、日本語字幕入りで上げている人がいましたので、その映像を上げておきます。この歌詞なのに「おお牧場はみどり」とどうして繋がるのか不思議です。日本でこの歌を広めた中田羽後(1896-1974)作詞の歌詞と、アメリカにもたらされて後の「ああ、美しい牧場」(Ah, Lovely Meadows)の影響でしょうが。短調の旋律はボヘミア以外のモラヴィアとスロヴァキアだけかとも思いましたが、スロヴァキアで長調の「おお牧場はみどり」の旋律でHorela lipkaを演奏している楽団もあって、頭の中は?のままです(笑) 
4本目は番組でかけたジプシー楽団のHorela lipkaですが、この音源はチェコで出ているようなので、モラヴィア側の楽団ではと推測しました。
5本目は日本で知られる「おお牧場はみどり」の旋律のまま演奏されている舞踊の舞台映像です。番組で3曲目にかけた音源に似ています。Ej Lucka Luckaと歌っているので、これはボヘミア側のものでしょう。後半は他にも色々な民謡が出て来ます。

Ančulenka | Harafica

Mája | Harafica

【和訳付き】菩提樹が燃えていた (スロバキア民謡) "Horela lipka, horela" - カナ読み有

Horela Lipka

Ej Lucka Lucka

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