スメタナのモルダウ
ゼアミdeワールド445回目の放送、日曜夜10時にありました。22日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。
今回からチェコのシリーズに戻りまして、西部のボヘミア地方の音楽を聞いて行きます。まずチェコと言えば、おそらく最も有名な曲だと思いますが、スメタナ作曲のモルダウから始めます。6曲の連作交響詩「わが祖国」の2曲目です。
「モルダウ」と言うのはドイツ語で、チェコ語ではヴルタヴァになります。モルダウ川(ヴルタヴァ川)の流れを描写しているこの曲の有名な最初の主題は、15世紀から16世紀にかけてイタリアで活動したテノール歌手ジュゼッペ・チェンチ作の『ラ・マントヴァーナ』に由来するメロディが改変されて用いられているとのことですが、この曲はモルドヴァなどにも伝わり、民謡の一節に流用され、ユダヤ人のシオニスト・アンセムになり、後に対独レジスタンス・ソングの時期を経てイスラエルの国歌になった『ハティクヴァ』のメロディの基礎ともなっています。モルダウとハティクヴァの類似は、以前からよく指摘されていました。
モルダウは弦楽合奏で何度も弾いたことがありますが、冒頭の名旋律だけでなく、中間部の農夫のポルカのような部分も大変楽しい曲です。モルダウ川は、ドイツではエルベ川へと変わります。
では、ヴァーツラフ・スメターチェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でどうぞ。
<2 連作交響詩《わが祖国》 Ⅱ- ヴルタヴァ(モルダウ) 11分18秒>
次にドヴォルザークのピアノ三重奏曲第4番 ホ短調 「ドゥムキー」から、2楽章と6楽章をおかけします。ドゥムカと言うのは、チェコ語では、「回想」あるいは「瞑想」を意味しますが、ウクライナではドゥムキーは民謡形式の一つ「ドゥムカ」の複数形でもあります。同じスラヴ系のロシア語の「思う」の意味のドゥーマチとそっくりな言葉であることが分かるかと思います。このピアノ・トリオでは副題に「ドゥムキー」と付けられている通りで、ウクライナ起源の憂鬱な叙事的歌謡バラッドの流れを引いていることがよく分かり、スラヴらしいエレジーとでも形容できるでしょうか。
では、Suk Trioの演奏で2楽章と6楽章をおかけします。私はとてもスラヴらしい2曲だと思います。スーク・トリオは、ピアノのヤン・パネンカ、ヴァイオリンのヨゼフ・スーク、チェロのヨゼフ・フッフロの3人です。時間が余りましたら、1楽章に戻りまして時間まで聞きながら今回はお別れです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<2 Dvořák: Piano Trio #4 In E Minor, Op. 90, "Dumky" - 2. Poco Adagio 7分>
<6 Dvořák: Piano Trio #4 In E Minor, Op. 90, "Dumky" - 6. Lento Maestoso 4分47秒>
| 固定リンク
「東欧」カテゴリの記事
- クラクフのゲットーの歌と古楽(2025.07.11)
- 1954年頃のポーランド民謡(2025.07.10)
- Solidarity! - Postulat 22: Songs from the New Polish Labour Movement(2025.07.09)
- アーシャ&ザ・バイスン・ルージ(2025.07.07)
- ČAČI VORBAのライブ(2025.07.04)
「ゼアミdeワールド」カテゴリの記事
- 市丸さんの「天竜下れば」(2026.09.07)
- 江差追分のルーツ 信濃追分(2026.08.31)
- 西馬音内盆踊り(2026.08.24)
- 阿波おどりの原型「津田の盆(ぼに)踊り」(2026.08.17)
- 赤いレイ(2026.08.06)


コメント