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2025年2月

2025年2月28日 (金)

Are you sleepingの旋律と巨人

番組で言ったことの繰り返しになりますが、他にマーラー作品で民族音楽を引用した有名な例としては、交響曲第1番「巨人」の第3楽章があります。この主題は童謡「フレール・ジャック」として知られるフランスの民謡ですが、オーストリアでは「ブルーダー・マルティン」として、また、一般的に英語名 "Are you sleeping?" でも知られている、とウィキペディアに解説があります。この旋律が短調に変わって出て来ますが、中高生頃に初めて聞いた時に大変びっくりしたのをよく覚えています。びっくり以上の度肝を抜かれた思いでした。昨日からクーベリック以外を貼っていますが、今日はジャン・マルティノンの動画がありましたので、こちらを上げておきます。マルティノンと言えば、ラヴェルやドビュッシーなど、フランス近代専門のイメージがありますので、マーラーの巨人と言うのは、かなり意外性がありました。しかも、日本でのライブで1970年当時の日本フィルハーモニーを振っています。第3楽章は22分頃からです。
マルティノンは1910年生まれ。パリ音楽院ではヴァイオリンを学び、ヴァンサン・ダンディ、アルベール・ルーセルに作曲、シャルル・ミュンシュとロジェ・デゾルミエールに指揮を師事。この映像の6年後、1976年に66歳で亡くなっています。ドイツ系アルザス人の血を引き、ドイツ音楽の解釈に対しても識者からの支持は高かったそうです。

Jean Martinon in Japan, 1970 (FULL CONCERT)

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2025年2月27日 (木)

マーラーの第3交響曲

マーラーの第3交響曲は、80年代位までは比較的マイナーだったように思います。一躍脚光が当たったのが、今日上げたガリー・ベルティーニの演奏だったように思いますが、どうでしょうか。TV放映もされましたが、確か80年代末か90年代だったように思います。放送で言いましたが、第1楽章冒頭の軍隊ラッパのような出だしは、水野信男氏の著書「ユダヤ音楽の旅」の中でユダヤ的な旋律だと指摘されていました。そこで引用されていた作曲家・柴田南雄氏の著書「グスタフ・マーラー」では、その旋律はマーラーが幼少時に聞いたシナゴーグの朗唱旋律ではないかと解説があります。水野先生の本(私がディスコグラフィを担当しました)が出たのが2000年でしたから、もしかしたらTVで見たのはその前後だったのかも知れません。当時ベルティーニは既に70前後で、2005年に亡くなっていました。マーラーの交響曲は9曲以外に未完の10番、大地の歌もあります。シェーンベルクに繋がる10番と、唐詩による「大地の歌」も、大変愛好していた曲です。マーラーで他によく覚えているのは、金子建志氏のFMでの名解説もあってブレークした第6番を聞いたのが80年頃でした。それより前から日本で人気があったのは1番と親しみやすい4番だけだったのかもと思います。「ヴェニスに死す」で5番が使われた71年頃のことはさすがに知りませんが、日本では当時まだ5番もマイナーだったのではと思いますが。
交響曲第3番ニ短調について、ウィキペディアに以下のようにありました。1楽章だけでも30分を越える大曲です。
グスタフ・マーラーが1895年から1896年にかけて作曲した交響曲。全6楽章からなり、第4楽章にアルト独唱、第5楽章にアルト独唱と児童合唱、女声合唱を導入している。演奏時間は約100分。マーラーの交響曲としても、また通常の演奏会で採り上げられる交響曲としても、最長の曲として、かつては「世界最長の交響曲」としてギネスブックに掲載されていた。

Mahler: Symphony No.3 In D Minor 01 Kräftig. Entscheiden Gary Bertini

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2025年2月26日 (水)

「ヴェニスに死す」とアダージェット

チェコの民族音楽とは全く関係ないのですが、マーラーと言えば、やはりこの曲です。アダージェットをバックに「ヴェニスに死す」の名場面が出て来る映像がありました。2本目はクーベリックの演奏です。来週は番外編としてマーラーの最高傑作の交響曲9番も考えていますが、いきなりポーランド関連と言う事でショパン作品に移るかも知れません。(以下放送原稿を再度)

ベニスに死す ・ マーラー 交響曲第5番 アダージェット - Edited ・ 4K 高画質 高音質

2曲目も映画に引用された曲ですが、交響曲第5番の第4楽章、アダージェットです。ルキノ・ヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」で使われたことは余りに有名です。この曲には特に民族的要素がある訳ではありませんが、マーラーの音楽でおそらく一番有名だと思いますので、今回おかけしておきます。この上ない甘美さの裏にある頽廃美を感じながら聞いてみて下さい。

<交響曲 第5番 嬰ハ短調(第3部) 第4楽章: Adagietto (Sehr langsam) 9分43秒>

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2025年2月24日 (月)

交響曲 第7番 ホ短調 《夜の歌》 第3楽章: Scherzo

ゼアミdeワールド450回目の放送、日曜夜10時にありました。26日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は7番の3楽章のみです。
余談ですが、ラヂバリの15分番組「大人の部室」に出ました。3回目です。何と、15年くらい前からよく聞いていたオーノウの檜垣孝文さんと、うちの店で収録と言う、夢のような企画で楽しく収録しまして、お互い一節ずつ謡曲も披露しました。放送は25日19:45と27日17:15が聞き手私、3月4日19:45と3月6日17:15は聞き手檜垣さんです。宜しければ是非お聞き下さい。

チェコ西部ボヘミア地方の音楽の6回目です。今回こそボヘミアの民族音楽をおかけしたいと思いましたが、チェコスロヴァキア時代から、またチェコ共和国になってからも、スロヴァキアやモラヴィアの民族音楽がかなり目立って、ボヘミアはどうなっているのか今一つ追いにくい状況で、それくらいボヘミアでは泥臭い民謡が少なく西欧に近いと言えると思います。音源は幾つかありますので、よく見極めてボヘミア的な音楽を抽出してみたいと思っております。ボヘミアかと思ったらモルダウの原曲もイタリアの歌でしたし、少し判別に時間がかかるかと思います。その際は日本でもよく知られる方の「おお牧場はみどり」も再度おかけすることになります。

今回は箸休め的に、と言いますか、もっと重い音楽になりますが、色々な民族的音楽の引用例として、ボヘミア出身の作曲家、マーラーの交響曲から何曲かお気に入りの曲をおかけしておきます。19世紀末前後のボヘミア出身の有名な作曲家と作家に、グスタフ・マーラーとフランツ・カフカがいますが、まず二人に共通するのはユダヤ系だという事です。ドイツ語を話したことも共通していて、それくらいボヘミアではドイツ~オーストリア文化の影響が強かったということだと思います。二人とも19世紀末前後からのそれぞれの分野の先鋭的な存在だったことも共通しています。

1曲目は交響曲第7番の第3楽章です。リリアーナ・カヴァーニ監督の映画「愛の嵐」に引用されていましたが、室内楽編曲だったので気が付いている人は余りいないかも知れません。この映画で他に出てきた有名な曲にWenn Ich Mir Was Wünschen Dürfte(「望みは何と訊かれたら」)がありまして、この歌は1930年代にマルレーネ・デートリヒが初めて歌いましたが、70年代になってシャーロット・ランプリングが「愛の嵐」の中の衝撃的なシーンで再び歌い演じました。この歌を聴いてすぐに連想してしまうのが、チャイコフスキーのスラヴ行進曲で、かなり似ていると思います。マーラーの交響曲第7番の第3楽章とも雰囲気が似ているようにも思いますが、この2曲は非常にあの映画にぴったりでした。最初に聞いたのはホーレンシュタインのCDでしたが、今日おかけする音源は、7番以外も全てラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏です。

<交響曲 第7番 ホ短調 《夜の歌》 第3楽章: Scherzo 9分28秒>

2曲目も映画に引用された曲ですが、交響曲第5番の第4楽章、アダージェットです。ルキノ・ヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」で使われたことは余りに有名です。この曲には特に民族的要素がある訳ではありませんが、マーラーの音楽でおそらく一番有名だと思いますので、今回おかけしておきます。この上ない甘美さの裏にある頽廃美を感じながら聞いてみて下さい。

<交響曲 第5番 嬰ハ短調(第3部) 第4楽章: Adagietto (Sehr langsam) 9分43秒>

次は第3交響曲の第1楽章ですが、1楽章の冒頭の軍隊ラッパのような出だしは、水野信男氏の著書「ユダヤ音楽の旅」の中でユダヤ的な旋律だと指摘されていました。そこで引用されていた作曲家・柴田南雄氏の著書「グスタフ・マーラー」では、その旋律はマーラーが幼少時に聞いたシナゴーグの朗唱旋律ではないかと解説があります。1楽章だけで30分を越える長大な曲ですので、今回は冒頭だけおかけします。

他にマーラー作品で民族音楽を引用した有名な例としては、交響曲第1番「巨人」の第3楽章があります。この主題は童謡「フレール・ジャック」として知られるフランスの民謡(オーストリアでは「ブルーダー・マルティン」として、また、一般的に英語名 "Are you sleeping?" でも知られている、とウィキペディアに解説があります。この旋律が短調に変わって出て来ますが、中高生頃に初めて聞いた時に大変びっくりしたのをよく覚えています。この2曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<交響曲 第3番 ニ短調(第1部) 第1楽章: Kräftig. Entscheiden 30秒余り>
<交響曲 第1番 ニ長調 《巨人》 第3楽章: Feierlich und gemessen, ohne zu schleppen 10分37秒>

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2025年2月21日 (金)

イダ・ケラロヴァー&イヴァ・ビトヴァー姉妹

今週の最後に、イダ・ケラロヴァー&イヴァ・ビトヴァー姉妹の番組でかけた音源を上げておきます。もしかしたら、この二人が姉妹と言うのは、あまり知られてない事かも知れません。濃厚ロマ音楽路線の姉と、伝統音楽を残しつつもアヴァンギャルドに向かった妹と、好対照の二人です。Miri Romni(マイ・ウーマン)だけ動画無しでした。(以下放送原稿を再度)

続いて、イダ・ケラロヴァーの2曲、Džava Mange, Džava(私はもうすぐ旅に出る)と、Miri Romni(マイ・ウーマン)をおかけしますが、どちらもチェコのロマ音楽の哀愁が色濃く漂う典型的な曲調です。ロマノ・ラットは、先ほどのカリのメンバーだったデシデリウス・ドゥジュダと再婚してイダ・ケラロヴァーが結成したグループです。

<17 Ida Kelarová & Romano Rat / Džava Mange, Džava(私はもうすぐ旅に出る) 2分13秒>

<18 Ida Kelarová & Romano Rat / Miri Romni(マイ・ウーマン) 3分42秒>

イダ・ケラロヴァーの妹イヴァ・ビトヴァの方が、曲順は先に入っていますが、さすがイヴァ・ビトヴァらしく、ジプシー音楽の哀愁に寄りかからない強靭さを持った実験的な音楽を奏でていて、カラーが全く違いますので、後でかけることにしました。2曲目のZelený Víneček(緑の冠)と言う曲はスロヴァキア民謡で、ピアノを弾いているのは姉のイダ・ケラロヴァーです。

<15 Iva Bittová / Je Tma(暗闇) 1分47秒>

<16 Iva Bittová / Zelený Víneček(緑の冠) 3分59秒>

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2025年2月20日 (木)

イジー・パヴリツァとズザナ・ラプチーコヴァー

ヴァイオリンのイジー・パヴリツァ(Jiří Pavlica)は 1970 年の17歳の年からフラディシュチャンで活動しており、1978 年から現在まで芸術監督を務めているそうです。フラディシュチャンは、今年で活動75周年と言う老舗中の老舗グループです。昨日のOkolo Hradit’a(フラディシュチャの若者)の時もリーダーだったでしょうし、「チェコ ポップ・ミュージックへの誘い」には明確に書かれてなかったと思いますが、チャールダーシュ風に展開する「Dúbravěnko Zelená(緑の樫の森)」のヴァイオリンも彼だったのではと思います。この盤には日本のパーカッション奏者ヤス・カズとの面白いトラックもありましたが、チェコ音楽から離れるので番組では外しました。このようにイジー・パヴリツァが手掛けるのはモラヴィア音楽に限らないようです。91年と数年前の長い映像を2本上げておきます。3本目はズザナ・ラプチーコヴァーのツィンバル弾き語りがたっぷり見られる長い映像です。番組でかけた「Měl Sem Štěstí(ラッキー・ガイ)」のような、民謡のジャズ風アレンジもあります。

Vlasta Redl + AG Flek a J Pavlica s Hradišťanem 1991(Muzicírování)

Exkluzivně Hradišťan a Jiří Pavlica, FullHD

ZUZANA LAPČÍKOVÁ –„MARIJA PANNA PŘEČISTÁ“ - 20. 12. 2020 od 19.00

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2025年2月19日 (水)

Okolo Hradista (フラディシュチャの若者)

久々に「チェコ ポップ・ミュージックへの誘い」を聞き返して一番感銘を受けたのが1曲目ですので、今日はその「Okolo Hradit’a(フラディシュチャの若者)」だけにしておきます。ズザナ・ラプチーコヴァーの儚い感じも良いのですが、同じ曲の2本目の歌唱もなかなか素晴らしいです。リーダーは同じくJiří Pavlicaのようです。ズザナ・ラプチーコヴァーはツィンバルを弾き語っているのではと思われます。その映像も見てみたいものですが。(以下放送原稿を再度)

この後は、この盤の最初に戻りまして、1950年に結成されたフラディシュチャンと言うモラヴィア民謡グループの演奏が数曲続きます。最初の「Okolo Hradit’a(フラディシュチャの若者)」は大変に美しい曲で、ズザナ・ラプチーコヴァーが寂し気でリリカルな歌唱を聞かせます。次の「Dúbravěnko Zelená(緑の樫の森)」はヴァイオリンをフィーチャーした曲で、後半はチャールダーシュ風に展開します。3曲目の「Měl Sem Štěstí(ラッキー・ガイ)」は、ズザナ・ラプチーコヴァーの「モラヴィアン・ラヴ・ソング」に入っている曲で、1曲目とは打って変わって民謡をジャズ風に歌っています。

<1 Hradišt‘An & Zuzuna Lapčíková / Okolo Hradit’a(フラディシュチャの若者) 3分23秒>
Okolo Hradišťa - Zuzana Lapčíková, Hradišťan/ obrázky František Pavlica

Okolo Hradišt'a

<2 Hradíšťan / Dúbravěnko Zelená(緑の樫の森) 2分46秒>
<3 Zuzana Lapčíková & Jiří Pavlica / Měl Sem Štěstí(ラッキー・ガイ) 4分2秒>

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2025年2月17日 (月)

Věra Bílá / Mamo Dado

ゼアミdeワールド449回目の放送、日曜夜10時にありました。19日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はVěra Bílá / Mamo Dadoだけにしておきます。

チェコ西部ボヘミア地方の音楽の5回目ですが、今回も内容的にはモラヴィア寄りの音楽になります。その盤は、「チェコ ポップ・ミュージックへの誘い」と言うライス・レコードから2001年に出ていたコンピレーション盤で、元の音源はチェコのLotos Musicと言うレーベルの音源です。「ズザナ・ラプチーコヴァーの清楚な女性ヴォーカル、イジー・パヴリツァのヴァイオリン演奏から、ヴィエラ・ヴィラ、イダ・ケラロヴァーなどで話題のロム・ポップまで。」と言うコメントをゼアミHPでは付けていました。選曲と解説は北中正和さんです。前半は伝統的な路線のグループから始まり、その現代的な展開に触れ、その後欧米風な音楽も入った後で、トリのように出て来るのが、ジプシー(ロマ)とモラヴィア両方の血を引くイダ・ケラロヴァーとイヴァ・ビトヴァの姉妹と、ヴィエラ・ビラ&カリが演奏するチェコのジプシー音楽です。特にヴィエラ・ビラの歌唱が最高な、この盤ラストの曲、Mamo Dado(マモ・ダド)からおかけします。最初に聞いた時から耳について離れない哀愁の名旋律です。

<20 Věra Bílá / Mamo Dado(マモ・ダド) 3分35秒>

続いて、イダ・ケラロヴァーの2曲、Džava Mange, Džava(私はもうすぐ旅に出る)と、Miri Romni(マイ・ウーマン)をおかけしますが、どちらもチェコのロマ音楽の哀愁が色濃く漂う典型的な曲調です。ロマノ・ラットは、先ほどのカリのメンバーだったデシデリウス・ドゥジュダと再婚してイダ・ケラロヴァーが結成したグループです。

<17 Ida Kelarová & Romano Rat / Džava Mange, Džava(私はもうすぐ旅に出る) 2分13秒>
<18 Ida Kelarová & Romano Rat / Miri Romni(マイ・ウーマン) 3分42秒>

イダ・ケラロヴァーの妹イヴァ・ビトヴァの方が、曲順は先に入っていますが、さすがイヴァ・ビトヴァらしく、ジプシー音楽の哀愁に寄りかからない強靭さを持った実験的な音楽を奏でていて、カラーが全く違いますので、後でかけることにしました。2曲目のZelený Víneček(緑の冠)と言う曲はスロヴァキア民謡で、ピアノを弾いているのは姉のイダ・ケラロヴァーです。

<15 Iva Bittová / Je Tma(暗闇) 1分47秒>
<16 Iva Bittová / Zelený Víneček(緑の冠) 3分59秒>

この後は、この盤の最初に戻りまして、1950年に結成されたフラディシュチャンと言うモラヴィア民謡グループの演奏が数曲続きます。最初の「Okolo Hradit’a(フラディシュチャの若者)」は大変に美しい曲で、ズザナ・ラプチーコヴァーが寂し気でリリカルな歌唱を聞かせます。次の「Dúbravěnko Zelená(緑の樫の森)」はヴァイオリンをフィーチャーした曲で、後半はチャールダーシュ風に展開します。3曲目の「Měl Sem Štěstí(ラッキー・ガイ)」は、ズザナ・ラプチーコヴァーの「モラヴィアン・ラヴ・ソング」に入っている曲で、1曲目とは打って変わって民謡をジャズ風に歌っています。これらの曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Hradišt‘An & Zuzuna Lapčíková / Okolo Hradit’a(フラディシュチャの若者) 3分23秒>
<2 Hradíšťan / Dúbravěnko Zelená(緑の樫の森) 2分46秒>
<3 Zuzana Lapčíková & Jiří Pavlica / Měl Sem Štěstí(ラッキー・ガイ) 4分2秒>

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2025年2月14日 (金)

チャールダーシュ風民謡でのイヴァ・ビトヴァ

スロヴァキアほどではなくても、モラヴィアでもチャールダーシュと聞き紛うような音楽が結構あるようです。その楽団をバックにイヴァ・ビトヴァが歌っていて、新鮮に感じた2曲でした。放送では「指揮者」と言いましたが、もしかしたらヴァイオリン・ソロ兼かも知れません。(以下放送原稿を再度)

モラヴィアの首都ブルノの民族楽団をバックに歌っている曲が3曲ありまして、2曲おかけしますが、いずれもチャールダーシュ風で個人的には一番好きなタイプです。音源のデータにはIva Bittová, The Brno Radio Folk Instruments Ensemble & Miroslav Lopučekとあります。指揮者だと思いますが、2曲目はBohumil Smejkalに変わっています。

<9 Ej ně do nás 2分5秒>

<10 Hladaj ty mi krajčíra 2分23秒>

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2025年2月13日 (木)

スピーチ・メロディと弦楽四重奏伴奏のヴァイオリン弾き語り

イヴァ・ビトヴァのClassicから、明日は民族楽団バックの曲を上げたいので、今日はSpeech MelodiesとQuator pour Coraにしました。どちらも生映像が見当たらないのが残念でした。ここで歌われるSpeech Melodiesですが、不思議なことにチェコと言うよりノルウェーのサーミのヨーイクを思い出しました。(以下放送原稿を再度)

ヤナーチェクの時に出てきた最重要な用語、発話旋律(スピーチ・メロディ)と題する民謡が3曲ありまして、少女合唱と共演しています。V tom brezovském poliと言う曲をおかけしておきます。チェコ語翻訳にかけると「あの白樺畑で」と出て来ました。

<14 Speech Melodies: V tom brezovském poli 1分45秒>

98年の「Classic」の方では、イヴァ・ビトヴァ自作の歌入り弦楽四重奏曲、モラヴィアの民謡やヤナーチェクの歌曲等を歌っていて盛沢山な内容です。前半では弦楽四重奏をバックにヴァイオリン弾き語りを披露しています。シュカンパSQ、レルキー少女合唱等との演奏です。まずは弦楽四重奏と一緒に演奏しているQuator pour Cora(角笛?)からSkočná(飛び跳ねる)とDanceの2曲を続けておかけします。

<2 Quator pour Cora: Skočná 3分46秒>

<3 Quator pour Cora: Dance 2分44秒>

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2025年2月12日 (水)

「草陰の小道」の「われらの夕べ」とヴァンパイア

ホーカン・アウストボの弾くヤナーチェクの「草陰の小道」を再度上げておきます。この曲の1曲目が「われらの夕べ」です。大変に美しい曲です。2本目は月曜にも上げたイヴァ・ビトヴァの「吸血鬼の踊り」に入っていた管楽アンサンブル編曲の「われらの夕べ」です。
モラヴィア地方の吸血鬼伝説をベースにした組曲仕立てのこの盤に「吸血鬼の踊り」と言うタイトルが付いている件について、「モラヴィアには少数民族としてラテン系のヴラフ人が住んでいる関係だと思いますが、吸血鬼伝説があるそうです」と解説していましたが、このヤナーチェクの曲と何か繋がりがあるのかは、現物が手元に残ってないので分からなくなってしまいました。何よりも、古臭くも思える吸血鬼伝説と言うものを、現代に生きるイヴァ・ビトヴァはどう見ているのでしょうか。それが一番気になります。
モラヴィアのヴラフ人の存在については、チェコ盤カセットについての横井雅子さんのレビューを参照しましたが、実際はスラヴ人に同化してヴラフ人はもういないことになっているようです。ヴラフ人とは、ローマ帝国時代以来のルーマニアを中心に南東ヨーロッパに残ったラテン系民族の総称と言えますが、ローマ帝国以前からルーマニアにいたトラキア系のダキア人とか、その他の先住民が言語的にラテン化した例も多いようです。

Janáček: On an Overgrown Path by Håkon Austbø

<7 Janácek: Dance of the Vampires ~Our Evenings 2分55秒>

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2025年2月10日 (月)

吸血鬼の踊り

ゼアミdeワールド448回目の放送、日曜夜10時にありました。12日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。ヤナーチェクの「草陰の小道」の「われらの夕べ」も入れておきますが、水曜に再度原曲のピアノ曲と合わせて上げようかと思います。

チェコ西部ボヘミア地方の音楽の4回目ですが、内容的にはモラヴィアの音楽になります。前回に続いてイヴァ・ビトヴァの音源を取り上げますが、今回は2000年のライブ盤「吸血鬼の踊り」と98年の「Classic」と言う2枚にしました。英NBEとチェコSupraphonからのリリースです。
「吸血鬼の踊り」と言うタイトルが付いている件についてですが、彼女はチェコ東部モラヴィアの生まれで、モラヴィアには少数民族としてルーマニア系のヴラフ人が住んでいる関係だと思いますが、吸血鬼伝説があるそうです。ルーマニア南部と同じワラキアと言う地方があるのも、そのためかと思われます。この盤はモラヴィア地方の吸血鬼伝説をベースにした組曲仕立てになっていて、ブルノのヤナーチェク・アカデミーでも学んだイヴァ・ビトヴァらしく、前に取り上げたヤナーチェクのピアノ曲「草陰の小道」の1曲目「われらの夕べ」などのヤナーチェク作品が管楽アンサンブル編曲で入っています。演奏はオランダ管楽合奏団です。では「吸血鬼の踊り」と言う曲と、「草陰の小道」の「われらの夕べ」を続けておかけします。

<13 Janácek: Dance of the Vampires ~Dance of the Vampires 7分47秒>

<7 Janácek: Dance of the Vampires ~Our Evenings 2分55秒>

98年の「Classic」の方では、イヴァ・ビトヴァ自作の歌入り弦楽四重奏曲、モラヴィアの民謡やヤナーチェクの歌曲等を歌っていて盛沢山な内容です。前半では弦楽四重奏をバックにヴァイオリン弾き語りを披露しています。シュカンパSQ、レルキー少女合唱等との演奏です。まずは弦楽四重奏と一緒に演奏しているQuator pour Cora(角笛?)からSkočná(飛び跳ねる)とDanceの2曲を続けておかけします。

<2 Quator pour Cora: Skočná 3分46秒>
<3 Quator pour Cora: Dance 2分44秒>

ヤナーチェクの時に出てきた最重要な用語、発話旋律(スピーチ・メロディ)と題する民謡が3曲ありまして、少女合唱と共演しています。V tom brezovském poliと言う曲をおかけしておきます。チェコ語翻訳にかけると「あの白樺畑で」と出て来ました。

<14 Speech Melodies: V tom brezovském poli 1分45秒>

モラヴィアの首都ブルノの民族楽団をバックに歌っている曲が3曲ありまして、2曲おかけしますが、いずれもチャールダーシュ風で個人的には一番好きなタイプです。音源のデータにはIva Bittová, The Brno Radio Folk Instruments Ensemble & Miroslav Lopučekとあります。指揮者だと思いますが、2曲目はBohumil Smejkalに変わっています。

<9 Ej ně do nás 2分5秒>
<10 Hladaj ty mi krajčíra 2分23秒>

では最後にKnife-eaterと言うパンパイプと共演している曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。現物は売り切れで手元にないので、詳細不明ですが、イヴァ・ビトヴァらしい鮮烈な一曲です。共演者はMichal Zpěvák(ミハル・ズピェヴァーク)で、クラリネット,Tarogato,Pan-Pipeを演奏しているようです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<7 Knife-eater 3分51秒>

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2025年2月 7日 (金)

マイ・ファニー・ヴァレンタイン 百年

一週間早いですが「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」がありましたので、イヴァ・ビトヴァの歌唱でSto letと言う曲と一緒に上げておきます。マイ・ファニー・ヴァレンタインは個人的に最も好きなジャズ・ナンバーで、一番がビル・エヴァンス&ジム・ホールのデュエットと言うのは45年間変わらずです。2番目は86年に来日公演で聞いたニコでしょうか。イヴァ・ビトヴァは、野外で急に思いついたのかエモーショナルに歌い出します。Sto letはロシア語で「百年」の意味ですが、チェコ語でもそのままでした。それにしても、不思議なマスクです。97年リリースのBile infernoに入っていた曲です。この頃、歌もヴァイオリンも乗りに乗っています。
昨日の記事に補足しますと、3本目の歌唱で思い出したのは、ルチアーノ・ベリオのヴィサージュと言う曲でした。80年代にVOXからLPがありました。あのキャシー・バーベリアンの名唱はCD化されたのでしょうか。

Iva Bittova - My Funny Valentine

Iva Bittova sings *Sto let*

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2025年2月 6日 (木)

1987年のイヴァ・ビトヴァ

1987年のイヴァ・ビトヴァの映像がありました。「ステップ・アクロス・ザ・ボーダー」で世界に飛び出す前の音源は、当時LPでは聞いた事がありましたが、映像を見るのは初めてでした。歌いながらのヴァイオリンの元弓での激しいスピッカートや、抱えてのピチカート奏法など彼女のお馴染みのテクニックが、この頃から確立されていたことを確認しました。更に3本目では、現代音楽の声楽家キャシー・バーベリアンのようなヴォーカルを披露しています。夫だったルチアーノ・ベリオを初めとして、シルヴァーノ・ブッソッティやジョン・ケージなどから作品を献呈されたキャシー・バーベリアンを知っていたかどうかは分かりませんが、これはほとんどその域の歌唱です。各種パーカッションを駆使し、激しく時に淡々と伴奏するのが、後の夫のパヴェル・ファイトです。

Bittová & Fajt - Heja, Folková Lipnice 1987

Bittová & Fajt - Den je u konce, Folková Lipnice 1987

Bittová & Fajt - Nikdo mě nemá rád (Žížaly), Bitová, Fajt.

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2025年2月 5日 (水)

ステップ・アクロス・ザ・ボーダー

「ステップ・アクロス・ザ・ボーダー」の映像断片がありました。この盤は1990年のリリース当時、勤務していた六本木ウェイブの企画会議に出ていて話題の中心の一つになっていたので、よく覚えています。この映像も当時VHSで見た記憶があります。この頃はレコメンディッド系が盛り上がっていましたが、最近はどうなのでしょうか。イヴァ・ビトヴァがもう66歳ですから、ムーヴメントの中心のフレッド・フリスやクリス・カトラーは、もうかなりいい年になっていると思います。90年代の内だったと思いますが、イヴァ・ビトヴァのライブも聞きに行きましたが、間近で見る彼女は、奏でる音楽とは違って柔和でエレガントな感じの人でした。「スラヴ音楽とロマ音楽が融合したオルタナティブ・ロック」と言う形容で片付けられ勝ちなようにも思いますから、もっと彼女の音楽の深意をディープリスニングする必要をいつも感じます。来週取り上げますが、作品に引用しているヤナーチェクの音楽とのすり合わせなどは、少なくとも90年頃の日本には視野になかったと思いますので、その辺りは重要なポイントになると思います。

Fred Frith, Iva Bittová & Pavel Fajt (Step across the border)

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2025年2月 3日 (月)

ビトヴァ & ファイト

ゼアミdeワールド447回目の放送、日曜夜10時にありました。5日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。MUSICA BOHEMICAのかけた音源は見つかりませんので、今週と来週はイヴァ・ビトヴァ週間とします。まず1987年のBittová & Fajtから。

チェコ西部ボヘミア地方の音楽の3回目です。チェコSupraphonから出ていたMUSICA BOHEMICAのCzech Folk Songs(チェコの民謡集)と言う2枚組からピックアップしていましたが、前回かけられなかった曲から始めたいと思います。他に6曲選んでいましたが、2曲だけおかけすることにします。最初はNarrative Songs(物語歌)のカテゴリーから、The Fiddlers Wandered(フィドラー達は彷徨った)、2曲目は葬送歌のカテゴリーからLull Your Lamentation(嘆きを鎮める)と言う曲です。どちらも大変美しく印象的な歌です。

<2-22 Czech Folk Songs: The Fiddlers Wandered /Narrative Songs/ (VI., Page 27) 6分16秒>
<2-29 Czech Folk Songs: Lull Your Lamentation /Funeral Songs/ (VI., Page 187) 3分>

この後は、パヴェル・ファイトと組んでチェコのアヴァンギャルド・シーンから登場し、レコメンディッド系でも活躍したヴァイオリン弾き語りヴォーカリスト、イヴァ・ビトヴァの音源から数曲続けます。チェコのPavianから出ているEntwine/Propletamと言う盤ですが、1曲目はMUSICA BOHEMICAの演奏する古楽的な音楽と、びっくりする位自然に繋がるように思いました。モラヴィアの時にかけた2007年のMoravian Gemsより後の2014年リリースですから、伝統的な部分への回帰の傾向が見られるようにも思います。1,3曲目を続けておかけします。

<1 Iva Bittová / Entwine/Propletam ~Sluje 3分24秒>
<3 Iva Bittová / Entwine/Propletam ~Víla 4分31秒>

では、90年に「ステップ・アクロス・ザ・ボーダー」でレコメンディッド系に登場するまでにチェコで出ていた音源がどうだったかの例として、パヴェル・ファイトと組んで1987年に出ていたBittová & Fajtから、1,7曲目を続けておかけします。スラヴ音楽とロマ音楽が融合したオルタナティブ・ロックとの形容がありますが、確かに表現はアヴァンギャルドでも音階はチェコの民謡そのもののようにも聞こえます。これらの曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Iva Bittová & Pavel Fajt / Bittová & Fajt ~Smích 4分11秒>

<7 Iva Bittová & Pavel Fajt / Bittová & Fajt ~Pták 3分21秒>

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