アルメニア通りで
ゼアミdeワールド468回目の放送、日曜夜10時にありました。2日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は「アルメニア通りで」だけにしておきます。ロシア語でも「通り」はウーリッツァです。Pe Uliţă Armeneascăはロマンス諸語に属するルーマニア語ですが、結構ロシア語中心にスラヴ系の単語も入っていると聞いた事があります。
ポーランドの音楽の16回目です。今回はポーランドのグループながら、バルカン半島各地やルーマニアのジプシー音楽などを聴かせるチャチー・ヴォルバ(Čači Vorba)の独Oriente Musikから出ていた2作目の「秘密の婚礼 Tajno Biav - Secret Marriage」、3作目のŠatrikaから抜粋していきます。
チャチー・ヴォルバの中心であるマリア・ナタンソンは2002年にこのバンドを結成、ファーストアルバムリリースの2008年当時まだ23歳だったという女性アーティストですが、ポーランドからルーマニアにまでまたがるカルパティア山脈周辺を14歳から5年の歳月を費やして旅し、ジプシーの旅芸人とも行動を共にしたという筋金入りの人で、音によくそれが現れていると思います。主にジプシー、バルカン、カルパチア音楽に取り組んでいて、バンドのメンバーは、ルーマニアのコブザ、トルコのケメンチェ、ギリシアのブズーキなどの伝統的な楽器を巧みに演奏しますが、一番の聞きものは、やはりマリア・ナタンソンのヴァイオリンの超絶技巧と味わい深い歌声だと思います。
2作目の「秘密の婚礼 Tajno Biav - Secret Marriage」は2011年に出ていますが、まず最初に2曲目のPe Uliţa Armeneascaをおかけします。この曲は前回最後にかけて途中までになった曲です。ファーストのラストを飾っていましたが、セカンドでも再度演奏しています。再録するほどですから、チャチー・ヴォルバの十八番の曲かと推測しました。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのアップテンポの曲のようなノリで、曲名のPe Uliţa Armeneascaとは、ルーマニア語では「アルメニア通りで」の意味です。
<2 Pe Uliţă Armenească アルメニア通りで 4分45秒>
8曲目に飛びまして、Sevdano Le, Lube Leと言う曲名は「愛しきセヴダーノ」と国内盤で訳されていました。この名の通りで、オスマン時代以来のボスニアの民謡セヴダのスタイルで歌っています。
<8 Sevdano Le, Lube Le 愛しきセヴダーノ 3分4秒>
無伴奏の印象的な哀歌風の詠唱を聞かせる11曲目のIoane, Ioane!も、おそらくセヴダではないかと思います。この曲に続くラストナンバーのTe Aştept(あなたを待っている)が、実に自然に繋がるので、おそらくIoane, Ioane!が元歌だと思います。
<11 Ioane, Ioane! イオアーネ、イオアーネ! 1分52秒>
<12 Te Aştept あなたを待っている 3分51秒>
これまでかけたチャチー・ヴォルバの1,2枚目はリリース当時に入ったことがありましたが、3枚目のŠatrikaは最近ストリーミングでリリースを知りました。2015年に出たこの盤以降はリリースがないようです。10年経った今も活動が続いているかどうかは、ゼアミブログで探ってみたいと思います。この3作目は、前の2作よりはギリシアのレベティカなどに近づいている部分が目立つように思います。それと北インドのサーランギを使っている部分も、Pre Stepo Zamardoと言う曲にありました。
ギリシア風と言うことで2曲続けますが、最初のTrecut O-Doru Codruと言う曲は、2分位からギリシア本土と言うより、クレタ島やカルパトス島などエーゲ海の島の、ミニマルなフレーズを畳みかける弓奏楽器リラと、規則的な力強いリズムを刻む撥弦楽器ラウートの音楽を思い出させます。次のYasemi Mouも、ハリス・アレクシーウが歌っていそうなメロディで、タイトルもギリシア語だと思います。
<2 Trecut O-Doru Codru 4分26秒>
<3 Yasemi Mou 4分33秒>
後ろの方もギリシア寄りの音が目立つように思いますが、一曲だけブルガリアかマケドニアの音楽を意識したような変拍子の激しい曲もありますので、そのKopanistaを時間まで聞きながら今回はお別れです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<5 Kopanista 2分32秒>


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