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2025年12月

2025年12月29日 (月)

第九と弦楽四重奏曲15番

ゼアミdeワールド494回目の放送、日曜夜10時にありました。今回は再放送は無しです。カラヤンの1986年の第九全曲で上げておきます。42分位からが番組でかけた部分です。2本目は番組でかけたハーゲンSQの音源です。

今回は放送されるのが12月28日だけということで、この時期にベタではありますが、ベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章の後半から始めたいと思います。通称「第九」で知られる「歓喜の歌」の部分です。これまで20回続けたドイツシリーズの番外編にもなります。演奏はヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。

<Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125 "Choral" 17分42秒>
BEETHOVEN Symphony No. 9 in D minor op. 125 "Choral" (karajan) 1986

第九を番組でかけるのは今度が初めてです。これまで年末に何度かかけたのが、ベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲から第15番の第3楽章と第5楽章でした。何回か前にもドイツシリーズでかけましたが、今回は時間の都合で5楽章だけおかけします。
この曲については「失われた時を求めて」で知られるフランスの小説家マルセル・プルーストが、「ベートーヴェンでは、後期のピアノソナタや弦楽四重奏曲第15番の最終楽章を好み、真夜中に自室に楽団を呼んで演奏させたこともある」というエピソードを読んだことがあります。当時の有名なカペー弦楽四重奏団だったのかも知れません。この楽章の主題にはもの凄い秘話がありまして、実は第九の終楽章の主題として予定されていたそうです。それがあの合唱に差し替えられました。もしこの曲が採用されていたら、憂いを含みながら素晴らしく情熱的で力動感溢れる名旋律ではあっても、器楽曲ですから、年末に第九が恒例になるようなことはなかったと思います。ハーゲン弦楽四重奏団の演奏でおかけします。現在の弦楽四重奏団の最高峰とも言われるカルテットですが、残念ながら近々の解散が発表されています。時間が余りましたら、「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と題された15番の白眉である3楽章も時間まで入れたいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい。

<第15番 イ短調 作品132 第5楽章:Allegro Appassionato 6分45秒>

<第15番 イ短調 作品132 第3楽章:Canzona Di Ringraziamento Offerta Alla Divinita Da Un Guarito, In Modo Lidico (Molto Adagio) - Sentendo Nuova Forza (Andante) 15分36秒>

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2025年12月26日 (金)

ツプフガイゲンハンゼルとイディッシュ・ソング

やはりツプフガイゲンハンゼルは、イディッシュ・ソングを歌っている時が一番輝いていると思います。ドイツ民謡で「ナチスの手垢のついてない歌」を探すのは難しいのではと思うほどですが、彼らが元とした東ドイツの民謡研究者シュタイニツの民謡集には、社会の不平等や貧困、軍隊の非人間性を歌った曲が多く(昨日上げた3曲はタイトルからもそういう側面が感じられました)、それらはツプフガイゲンハンゼルの活動において、自然とイディッシュ・ソングに繋がったのではと思います。一曲イディッシュ・ソングのライブ映像を上げておきます。’ch hob gehert sognに入っていた曲で、リリースの翌年1980年の映像です。

Folk-Archiv: Zupfgeigenhansel - Huljet, huljet kinderlech (Live beim WDR-Folkfestival 1980)

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2025年12月25日 (木)

ツプフガイゲンハンゼルのドイツ民謡

ツプフガイゲンハンゼルの動画を見ていて、歌とギターのトマス・フリッツが一昨年亡くなっていたことを知りました。彼の歌声で90年頃に初めてイディッシュ・ソングを聞いたので、寂しい限りです。Volkslieder Iは、有名なイディッシュ・ソングの盤「’ch hob gehert sogn」の3年前に出ていた彼らのファーストアルバムでした。(以下放送原稿を再度)

ドイツ民謡については、結局南ドイツ、バイエルン地方の酒歌くらいしかかけられていません。有名なローレライなどもドイツ民謡になりますが、この歌のように作曲者がはっきりしている民謡が比較的多いようで、作者不詳の歌を探すのが困難なように思います。有名な「ドイツ民謡」は、大なり小なりナチス時代のカラーが付いてしまっていて、60年代のフォークリヴァイヴァルの音楽家たちは贖罪の意識から、そういう歌を避ける傾向があったようです。
前に東欧系ユダヤのイディッシュ民謡を歌うドイツ人歌手と言うことで、ツプフガイゲンハンゼルの音源を取り上げました。イディッシュ専門グループのように、特にドイツ以外では思われがちなようですが、彼らは元はドイツ民謡を専門にしていて、そのレパートリーは「ナチスの手垢のついてない歌」を収集したシュタイニツの民謡集などを元にしています。盤を持っている訳ではありませんが、Volkslieder I(民謡1)と言う音源から、特に気に入った3曲をおかけしておきます。

<Zupfgeigenhansel / Volkslieder I ~Ich hab' die Nacht geträumt 3分31秒>

<Zupfgeigenhansel / Volkslieder I ~Marktsteinlied / Der Arme und der Reiche 2分57秒>

<Zupfgeigenhansel / Volkslieder I ~Mönch und Nonne 3分22秒>

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2025年12月24日 (水)

もみの木

今回の番組は、再放送枠がクリスマス・イヴに当たりますので、ドイツの有名なクリスマス・キャロル「もみの木」をおかけしました。同じウィーン少年合唱団の動画がありました。明日明後日でツプフガイゲンハンゼルの歌うドイツ民謡を見てみますが、ジンギスカンはどうしようかと思っています。女優兼歌手のヒルデガルト・クネフと、CANやDAFなどのジャーマン・ロックやニューウェーヴも名前だけ出しました。正月休みの間にこれまでに漏れた音源含め、ブログを書くかも知れません。私の番組は28日の放送が年内最後、29日にはその内容ブログを上げますが、年明け後は初回放送が7日です。

"O Tannenbaum" Vienna Boys Choir - Wiener Sängerknaben

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2025年12月22日 (月)

アーベントロートのマイスタージンガー

ゼアミdeワールド493回目の放送、日曜夜10時にありました。24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。

ドイツの20回目になります。今回で一応ドイツのシリーズは終わりにしたいと思います。まず前々回に頭だけになっていた楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の前奏曲をおかけします。演奏はアーベントロート指揮バイロイト祝祭管弦楽団です。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲は、大学オーケストラで毎年入学式の時に弾いた思い出の曲でもあります。パートはファーストヴァイオリンでした。
アーベントロートの名前ですが、アーベント(夕べ)、ロート(赤い)ですから、「夕焼け」さんになるでしょうか(笑) バッハが「小川」の意味になるのは有名ですが、シェーン・ベルクは美山さんということになりますし、ドイツ語圏には日本語の意味を当てられる苗字が散見されるように思います。戦前戦中から活躍したこの人の演奏はどんな感じなのか、前から気になっていました。勝手に親ナチのイメージで見ていましたが、ナチスの政策に非協力的で公職追放されるなど、正反対だったようです。

<Die Meistersinger Von Nürnberg: Vorspiel 8分59秒>

ドイツ民謡については、結局南ドイツ、バイエルン地方の酒歌くらいしかかけられていません。有名なローレライなどもドイツ民謡になりますが、この歌のように作曲者がはっきりしている民謡が比較的多いようで、作者不詳の歌を探すのが困難なように思います。有名な「ドイツ民謡」は、大なり小なりナチス時代のカラーが付いてしまっていて、60年代のフォークリヴァイヴァルの音楽家たちは贖罪の意識から、そういう歌を避ける傾向があったようです。
前に東欧系ユダヤのイディッシュ民謡を歌うドイツ人歌手と言うことで、ツプフガイゲンハンゼルの音源を取り上げました。イディッシュ専門グループのように、特にドイツ以外では思われがちなようですが、彼らは元はドイツ民謡を専門にしていて、そのレパートリーは「ナチスの手垢のついてない歌」を収集したシュタイニツの民謡集などを元にしています。盤を持っている訳ではありませんが、Volkslieder I(民謡)と言う音源から、特に気に入った3曲をおかけしておきます。

<Zupfgeigenhansel / Volkslieder I ~Ich hab' die Nacht geträumt 3分31秒>
<Zupfgeigenhansel / Volkslieder I ~Marktsteinlied / Der Arme und der Reiche 2分57秒>
<Zupfgeigenhansel / Volkslieder I ~Mönch und Nonne 3分22秒>

Ich hab' die Nacht geträumt 昨夜夢を見た
Marktsteinlied / Der Arme und der Reiche マーケット・ストーン・ソング / 貧乏人と金持ち
Mönch und Nonne 僧侶と尼僧

今回の放送は、再放送枠がクリスマス・イヴに当たりますので、ドイツの有名なクリスマス・キャロル「もみの木」をおかけしておきます。その後は、ドイツの有名なポップス「ジンギスカン」を時間まで聞きながら今回はお別れです。ドイツのポップスだったのは意外に知られてないかもと思います。その他のジャンルに目を向けますと、女優兼歌手だったヒルデガルト・クネフはCDを持っていますし、昔よく聞いたCANやDAFなどのジャーマン・ロックやニューウェーヴも考えていましたが、ちょうど年末になりましたので、いずれも割愛します。次回は28日だけありますが、再放送は31日で年末年始になりますので無しです。新年は4日は無しで、7日の再放送枠だけあります。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ウィーン少年合唱団 / もみの木 1分38秒>
<ジンギスカン / Dschinghis Khan 3分4秒>

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2025年12月19日 (金)

デュメイとピリスのライブ

デュメイとピリスのライブ映像がないか探してみました。ブラームスのヴァイオリン・ソナタ3番の4楽章だけありました。それぞれの素晴らしさはもちろんですが、これほど当意即妙に対話するような演奏は、本当に稀だと思います。92年の来日公演を思い出します。この頃は音楽的にベストパートナーだっただけでなく、結婚もされたそうですが、その後離婚に至り、それからはデュオの機会もなくなったようです。寂しい限りです。

Dumay/Pires - Brahms Sonata No.3 for Violin & Piano d minor - IV

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2025年12月18日 (木)

ヴァイオリン・ソナタ3番はマルコヴィッチとオイストラフで

ブラームスのヴァイオリン・ソナタ3番ですが、ジプシー音楽風に始まるメランコリックな1楽章から始まります。やはりどこかジプシー音楽風に聞こえながらも、実はバッハの「フーガの技法」から主題を取っていたチェロ・ソナタ1番のように、これも違うのかも知れません。1980年頃にFMで聞いた3番が誰の演奏だったのか思い出せないのですが、アイザック・スターンだったかもと思っています。スターンではありませんでしたが、やはり往年の巨匠ダヴィッド・オイストラフとスヴャトスラフ・リヒテルで全曲映像がありましたので、2本目に貼っておきます。これは大変に貴重な動画の記録だと思います。
そして1本目には何と1983年頃に新宿文化センターで聞いたルーマニアの女流ヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィッチの演奏が、2楽章だけありましたので入れておきました。1974年の映像のようです。朗々と美しく歌い上げていたのを間近で見ました。それに大変美しい人でした。あの時の感動が甦りました。シルヴィア・マルコヴィッチは、1980年にTVでポルムベスクのバラーダ(日本では「望郷のバラード」として知られています)を日本で初めて弾いた人です。これも当時TVから録音して、まだデータがあります。

Brahms Violin Sonata No.3 Op.108 · Silvia Marcovici & Albert Guttman (1974)

David Oistrakh - Brahms - Violin Sonata No 3 in D minor, Op 108

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2025年12月17日 (水)

ヴァイオリン・ソナタ2番をズーカーマンで

1984年頃にTVで聞いたシュロモ・ミンツのブラームスのヴァイオリン・ソナタ2番は流麗の極みで、ブラームスのヴァイオリン・ソナタに開眼するきっかけになりました。本当に素晴らしい演奏でした。この曲はブラームスが心身ともに落ち着いていた頃に、スイスのトゥーン湖の避暑地で書いたそうです。その放送はVHSに録っていたいたはずですが、見当たらず、見つかってももう見れないでしょう。残念ながらミンツの演奏ではYouTubeが見当たらないので、彼が師事していた一人、ピンカス・ズーカーマンの演奏で全楽章上げておきます。シュロモ・ミンツはヴァイオリンだけでなくヴィオラも弾いていて、最近は指揮者としての活動をよく目にします。2本目にミンツが弾くブラームスのヴィオラ・ソナタの演奏を上げておきます。やっぱり師弟で音の出し方が似ていると思います。ヴァイオリン・ソナタ2番の演奏は最近増えてきた気がします。イザイの「悲劇的な詩」を好演していたロザンネ・フィリッペンスも重要な演目にしているようです。クラシック倶楽部に出た際にその話をしていました。

Pinchas Zukerman, Marc Neikrug: Johannes Brahms - A major Violin Sonata No.2, Opus 100

Brahms Viola Sonata Op 120-2 Paul Ostrovsky, Shlomo Mintz (Part-1)

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2025年12月15日 (月)

ヴァイオリン・ソナタ 第1番《雨の歌》

ゼアミdeワールド492回目の放送、日曜夜10時にありました。17日20時半に再放送があります。デュメイ&ピリスのライブ映像があればと思いましたが、まず番組でかけた1番の全曲を上げておきます。ピリスの名前表記ですが、70年代のPCM録音の頃は「マリア・ジョアオ・ピリス」でした。この表記に馴染みがあります。ポルトガル語ではJoaoはジョアンとするのが近いのでそこは折れても、ピレシュという表記にはどうも慣れません(笑)

ドイツの19回目になります。ゼアミブログで予告していましたが、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを忘れていましたので、今回1回かけたいと思います。チェロ・ソナタの方は、2番が今でもよく分からないのに対して、ヴァイオリン・ソナタは3曲とも40年余り前から変わらず愛好してきました。ジプシー音楽風に始まる3番をFMで聞いたのが80年頃で一聴で気に入り、2番は84年頃にTVで見たシュロモ・ミンツの演奏に魅了されました。一番有名な1番は、今回おかけするドイツ・グラモフォン盤を聞いてから、1992年にオーギュスタン・デュメイとマリア・ジョアン・ピリスのサントリーホールでの来日公演にかけつけ、二人の名演を聞いた前後から本当の素晴らしさに気づいた感じでした。イザイやグリュミオー直系のフランコ・ベルギー派らしい気品あるエレガントな演奏でした。全3曲の楽譜は全音版で持っていましたが、1番と2番は江藤俊哉さん校訂の楽譜も手に入れ、1992年頃についていたヴァイオリンの師匠に「ブラームスのソナタを見て頂きたいのですが」と聞いてみましたが、「ブラームスは最後の最後に弾く曲です」とのお返事で、取り合って頂けませんでした。バッハの無伴奏パルティータ3番のプレリュードやモーツァルトのヴァイオリン・ソナタK304辺りを終えてレッスンから疎遠になってしまいまして、ちょうど関心を持ち始めた北インドのタブラとイランのトンバクや謡曲に始まり、その後で新内節の方に行ってしまったという次第です。
では1番「雨の歌」の流麗な1楽章からおかけします。「雨の歌」の副題は3楽章に旋律が使われた同名の歌曲から来ていますが、他は晴れやかな曲調が多いと思います。この曲を聞くと、オーギュスタン・デュメイとマリア・ジョアン・ピリスのサントリーホールでの圧巻の名演と立ち姿を毎回思い出してしまいます。デュメイは、おそらく2メートル近いのではと思うほどの背の高さで、ヴァイオリンがおもちゃのように見えました。

<ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 作品78《雨の歌》 第1楽章: Vivace ma non troppo 10分59秒>
Brahms : Violin Sonatas No.1 - Augustin Dumay & Maria Joao Pires

2番も全楽章美しいので迷いますが、1楽章をおかけしておきます。心身ともに落ち着いていた頃に、スイスのトゥーン湖の避暑地で書いたそうです。84年頃にTVで見たシュロモ・ミンツの演奏は流麗の極みで、それ以来レガートのボウイングから生まれる温かい音色づくりを真似るようになりました。

<ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品100 第1楽章: Allegro amabile 8分50秒>

最後に3番ですが、ジプシー音楽風に始まるメランコリックな1楽章をおかけします。時間があれば2楽章もかけたいところですが、入らないのでゼアミブログの方には3曲とも全楽章上げます。3番の2楽章で思い出すのが、1983年頃に新宿文化センターで聞いたルーマニアの女流ヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィッチの演奏です。朗々と美しく歌い上げていたのを間近で見ました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 作品108 第1楽章: Allegro 8分44秒>

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2025年12月12日 (金)

トリスタンとイゾルデ 1967大阪

何と1966年のバイロイト録音と同じ、ビルギット・ニルソン(イゾルデ)とヴォルフガンク・ヴィントガッセン(トリスタン)の1967年大阪での来日公演の映像がありました。全曲ですから3時間26分あります。バイロイトの引越し公演だったそうですが、オケはNHK交響楽団のようです。指揮はピエール・ブーレーズ。80年代の演奏は有名でしたが、67年にも振っていたとは知りませんでした。そして、トリスタンの叔父マルケ王が「冬の旅」などドイツ・リートの名歌手として有名なハンス・ホッター、イゾルデの侍女ブランゲーネがバッハのカンタータで名唱を聞かせたヘルタ・テッパーと、信じられないような豪華歌手陣。

TRISTAN UND ISOLDE, FULL VIDEO - Nilsson, Windgassen, Topper, Hotter - Osaka, 1967

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2025年12月11日 (木)

「アンダルシアの犬」とブレンデル

「トリスタンとイゾルデ」で思い出すのが、スペインの映画監督ルイス・ブニュエルが画家サルバドール・ダリと組んだ1929年のシュルレアリスムの映画「アンダルシアの犬」と、アルフレッド・ブレンデルのピアノ編曲版の演奏です。
「アンダルシアの犬」を見たのは、1984年頃のアートシアター新宿の黙壺子(もっこす)フィルムアーカイヴでした。アングラ文化のメッカとして有名だった場所です。フリークスとかピンク・フラミンゴなど変な映画ばかりかかっていました(笑) この余りに衝撃的な短編映画のバックで鳴っていたのが、トリスタンとイゾルデと軽快なタンゴでした。後年再度見た時は音楽がついてなかったので、あれはアートシアター新宿の計らいかもと思っていましたが、YouTubeで見るとやはりトリスタンとタンゴのようです。2本目のようにトリスタンだけになっている映像もあります。ワーグナーの大傑作と何とも不思議なマッチの仕方です。飴屋法水率いる東京グランギニョルによる、一般に有名になる前の「帝都物語」演劇版を見たのもここでした。
もう一つのアルフレッド・ブレンデルのリスト編曲トリスタンは、80年代にTVでも放映されていたと思います。シューベルトなどで流麗な名演を聞かせたあのブレンデルが、脳震とうを起こさないか心配になるほど頭を振って熱演していて目が釘付けになりました。名手も取り乱すほどの、それ程の壮絶な曲だと思います。グールドでも聞いてみたかったです。ブレンデルも今年90代で亡くなりました。動画は見当たらないので、3本目に音源で上げておきます。

Un Chien Andalou (1929) A Short Film by Luis Buñuel, Salvador Dalí

"Un Chien Andalou" (1929) - Full Movie

Liszt: Isoldes Liebestod, S.447 - Piano Transcription After Wagner's "Tristan und Isolde"

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2025年12月10日 (水)

タンホイザー大行進曲

ワーグナー作品の最初に、歌劇「タンホイザー」から、有名な第2幕の「タンホイザー行進曲」の部分をかけました。大行進曲となっていることも多いようです。タンホイザーの中では、佐川急便のCMに使われた前奏曲の次に有名だと思います。この胸のすくような音楽は、確かオペラ合唱名曲集のLPで78年頃に初めて聞いたように思います。「ローエングリン」と併せて、昔からコンヴィチュニー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団・合唱団の演奏が好きでよく聞いていました。この演奏は、歌はもちろんティンパニの音色一つとっても素晴らしいことこの上なしです。今でもベストだと思います。日本の演奏では、ほとんどドイツ語の歌唱が入ってこないのが残念です。ワーグナー前期のこの2曲はまだ「歌劇」の範疇で、「トリスタンとイゾルデ」以降の作品は「楽劇」(ミュージカルドラマ)と呼ばれます。

Tannhäuser, Act II, Scene 4: "Freudig begrüssen wir die edle Halle" (Thüringischer Adel)

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2025年12月 8日 (月)

トリスタンとイゾルデ

ゼアミdeワールド491回目の放送、日曜夜10時にありました。10日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。トリスタンは他にイゾルデがヒルデガルト・ベーレンス、キルステン・フラグスタート、マリア・カラスなどの音源を聞きましたが、ベームのこの66年のバイロイト録音は、80年に最初にLPで聞いたのでやっぱり特別な思い入れがあります。

ドイツの18回目になります。今回はワーグナーをかける予定にしていました。ドイツも長くなったので、1回で終える予定ですが、長大な曲が多いワーグナーを1回と言うのがそもそも無謀な話です(笑) ワーグナーの曲でおそらく一番有名なのは、映画「地獄の黙示録」に引用された楽劇「ニーベルングの指輪」の2作目「ワルキューレ」の中の「ワルキューレの騎行」だと思いますが、今回は割愛します。一番かけたかった「トリスタンとイゾルデ」だけは、有名な前奏曲と愛の死を全て入れますが、まずはポピュラリティーのある「タンホイザー」から、有名な第2幕の「タンホイザー行進曲」の部分をおかけします。佐川急便のCMに使われた前奏曲の次に有名だと思います。「ローエングリン」と併せて昔からコンヴィチュニー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団・合唱団の演奏が好きでよく聞いていました。ワーグナー前期のこの2曲は「歌劇」の範疇で、以降の作品は「楽劇」と呼ばれます。

<Wagner: Tannhäuser - Act 2: Freudig Begrüßen Wir Die Edle Halle 6分44秒>

楽劇「トリスタンとイゾルデ」ですが、半音階進行を極限まで多用するこの曲によって調性崩壊に向かい、現代音楽への道筋を作った曲だと言う事を1980年に先に知ってしまったので、最初に聞いたワーグナー作品が「トリスタンとイゾルデ」になりました。その前に同じ1980年の高3の年に聞いたのがシェーンベルクの浄夜と「月に憑かれたピエロ」だったので、後で「トリスタンとイゾルデ」を聞いてなるほどと思いました。シェーンベルクのその2作品にも激しく魅了されていたので、自然に入ってきました(特に浄夜)。前にマタイ受難曲の時に言いましたが、クラシックで実演を聞いて激しく揺さぶられた曲は、マタイの他には「トリスタンとイゾルデ」だけでした。プロオケの演奏で前奏曲を聞いていて感涙を抑えられなかったのを40年余り経ってもよく覚えています。1980年に最初に聞いたカール・ベーム指揮バイロイト祝祭管弦楽団の演奏でおかけします。「愛の死」の独唱はビルギット・ニルソンです。ケルト起源と考えられている古代トリスタン伝説に基づく究極の愛の賛美、あるいは愛の耽溺の極みとも言われるこのドラマのピークは第2幕ですが、前奏曲と愛の死は、全曲をぎゅっと凝縮させたような内容になっています。

<Tristan und Isolde: Prelude. Langsam und schmachtend (Live At Bayreuther Festspiele / 1966) 10分39秒>

<Tristan und Isolde: "Mild und leise wie er lächelt" (Isoldes Liebestod) (Isolde) 6分17秒>

では最後に、楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。演奏はアーベントロート指揮バイロイト祝祭管弦楽団です。(頭だけで終わったので、21日の放送で再度かける予定)

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Die Meistersinger Von Nürnberg: Vorspiel 8分59秒>

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2025年12月 5日 (金)

マイスキーの無伴奏チェロ組曲2番の新旧映像

今日はマイスキーによるバッハの無伴奏チェロ組曲2番を新旧映像で上げておきます。古い方が1991年ですから、ドイツ・グラモフォンからの無伴奏チェロ組曲全曲盤の1回目が出てから6年後くらいでしょうか。データは1991年6月5日東京・上野 東京文化会館小ホールとあります。この頃来日公演がTVでも放映されて、この映像も見たような気がします。マイスキーは特にアルマンドで、ところどころ楽譜にはない和音を入れて弾いています。プレリュードの終止の重音の前は、カデンツァのように速い音符を沢山入れる人もいます。新しい方はコロナでロックダウン中の2020年の映像のようです。ロックダウン中の映像は短調の2番と5番だけのようですが、あの苦しい状況を象徴するようにも思えて選んだのかも知れません。この曲、レッスンは全て受けていますが暗譜出来ているのはプレリュードとサラバンドだけで、何とかしないとと思っているところです。メヌエットの重音が最難関だと思います。

Bach Cello Suite No.2 in D minor, BWV 1008 Mischa Maisky

Maisky plays Bach Cello Suite No 2 in D minor during pandemic lockdown (バッハ)

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2025年12月 4日 (木)

マイスキーのブラームス

マイスキーが弾くブラームスのチェロ・ソナタ1番は、番組でかけたCD音源もありますが、ライブ映像があるので、そちらで上げておきます。2003年の演奏のようです。まず驚いたのが最初をアップボウから始めている点でした。この人の演奏を見ていていつも思うのが、ハイポジションを多用しているところで、芳醇な音色の秘密はここにもありそうです。それと稀にみるような深いヴィブラートでしょうか。サン=サーンスの白鳥を見た時も驚きました。ここまでどぼどぼの(これは知人がよく使う表現ですが(笑))ロマンティックな演奏も、そうないかも知れません。濃過ぎて苦手と思う人もいらっしゃるかと思います。
後2回でドイツを離れる時になって、思い出しました。ブラームスのヴァイオリン・ソナタ3曲は是非取り上げておきたいので、1回延ばします。チェロ・ソナタの方は、2番が今でもよく分からないのに対して、ヴァイオリン・ソナタは3曲とも40年余り前から変わらず愛好してきました。

Mischa Maisky & Pavel Gililov: Brahms - Cello Sonata No. 1 in E-minor, Op.38

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2025年12月 3日 (水)

Camille Thomasのブラームス

ブラームスのチェロ・ソナタ1番を教わってクラスコンサートで2楽章を弾いたのは、2013年だったと思います。当時参考にしたのが、Camille Thomasの演奏でした。この映像の頃はまだ20代だったと思いますが、動画のコメントにあるように、滑らかさ、精密さ、フレージング、どれも完璧!と私も思います。カミーユ・トマと読むので、何となくベルギーかなと思っていたら、フランスのパリ出身でした。道理でシャルル・アズナヴールのシャンソンをチェロで弾いているのも納得です。エルガーのチェロ協奏曲も弾いていますし、方向性が似ているようにも思いまして、注目のチェリストの一人です。2楽章も上げておきますが、この曲はブラームス流のセンチメンタリズム満開だと思います。番組で言いましたが、1楽章の冒頭の旋律は、どことなくジプシー音楽風に聞こえていましたが、実際はバッハの「フーガの技法」の第4コントラプンクトゥスから主題を取っているそうです。ピアノとの掛け合いが必須で、晦渋な印象もあってノータッチの3楽章は、第13コントラプンクトゥスだそうです。このチェロ・ソナタは、ブラームスのバッハ研究の精華が披露されている曲でもあります。

Brahms Sonata op.38 1st mvt Camille Thomas and Beatrice Berrut

Brahms Cello Sonata op.38 2d mvt, Camille Thomas and Beatrice Berrut

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2025年12月 1日 (月)

無伴奏チェロ組曲2番のプレリュード

ゼアミdeワールド490回目の放送、日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。プレリュードだけはないので、デュプレの2番全曲です。

ドイツの17回目になります。ドイツも長くなってきましたので、そろそろクラシック作品は切り上げて少ないドイツの民謡関係の音源に移って、その後はオーストリアとスイスに向かう予定です。ドイツ・クラシックの最後はワーグナーを予定していますが、その前にバッハとブラームスのチェロの曲を少し聞いておきたいと思います。
ゼアミを開店したのは96年ですから来年で30年になりますが、その頃はすっかりクラシックから離れていたので、チラシなどに「クラシックは卒業したので・・」のようなことを書いた記憶があります。「卒業したのじゃなかったのか?」と思う民族音楽ファンのお客様もいらっしゃるかも知れません(笑) 何故戻ったかと言いますと、2004年にBSでヨーヨー・マの公開レッスン番組がありまして、バッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードをレッスンしていました。「最初の3つの音はこんな風に弾くんだよ」と生徒に教えていましたが、それが非常に沁みまして、1980年代にロストロポーヴィチのLPで聞いた記憶が蘇りました。ヴァイオリン編曲版楽譜を入手してしばらく弾いていましたが、どうしてもチェロで弾いてみたくなり、まず中国製の安いチェロを入手し、2005年のUターン直前に当時住んでいた松戸の教室に通いだしました。Uターン後の2008年に今治の弦楽合奏団に入団し、2011年にローゼン先生に教わるようになってから2番のプレリュードも見て頂きまして発表会で弾きましたし、有名な1番のプレリュードなど他の無伴奏チェロの数曲は何度も催しで弾く機会がありました。

つまりは、バッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードとの再会がなければ、チェロを始めることとヴァイオリンを再び手に取ることもなく、現在の弦楽関係のメンバーや知人と知り合うこともなく、江戸の浄瑠璃・新内節をそのまま続けていたかも知れません。バッハの音楽でクラシックに連れ戻された形になりました。この曲もたくさんお気に入りがありますが、ジャクリーヌ・デュプレの若い頃の音源でおかけします。彼女の代名詞のようなエルガーのチェロ協奏曲の1楽章や、フォーレのシシリエンヌとエレジー、ブラームスのチェロ・ソナタ1番の1楽章と2楽章、エルネスト・ブロッホの「祈り」などをローゼン先生から教わりました。エルガー以外ですが、それぞれ発表会や催しでも弾きました。バッハとブラームス以外は、またそれぞれの国に回ってきたら取り上げます。それではジャクリーヌ・デュプレの演奏で、バッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードをおかけします。有名な明るい1番ではなく、短調で内省的な2番のプレリュードの方に、大学生の頃から惹かれていました。

Suite N° 2 in D Minor - J. Du Pre

先程曲名が出たブラームスのチェロ・ソナタ1番も大学の頃から好きな曲ですが、1楽章と2楽章を見て頂いて、1楽章はレッスン回数の多かった姉弟子に譲り、センチメンタルな2楽章を発表会で弾きました。2楽章ともブラームス流の内省的な音楽です。1楽章の冒頭の旋律は、どことなくジプシー音楽風に聞こえていましたが、実際はバッハの「フーガの技法」の第4コントラプンクトゥスから主題を取っているそうです。それでは何度も登場しているミッシャ・マイスキーの演奏で続けておかけします。以前取り上げた歌曲のチェロ演奏もこの盤に入っています。
もし時間が余りましたら、バッハの無伴奏チェロ組曲2番のアルマンドをおかけします。これらの曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Cello Sonata No.1 in E minor op.38 - 1. Allegro non troppo 14分37秒>
<Cello Sonata No.1 in E minor op.38 - 2. Allegretto quasi Menuetto 5分38秒>

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