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2026年3月

2026年3月30日 (月)

映画「アマデウス」の冒頭

ゼアミdeワールド507回目の放送、日曜夜10時にありました。1日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。交響曲25番の1楽章ですが、番組でかけたワルターの演奏はテンポが非常に速く、テンポの揺れも大きいので、真贋を問う声もあるようです。今日は映画「アマデウス」で使われた演奏にしておきます。そう言えば、ネヴィル・マリナーの指揮でした。

オーストリアの音楽の11回目です。モーツァルトの短調の3回目として数曲入れておきたいと思います。次回からモーツァルトの長調に移る予定です。ヨーデルやレントラー絡みの曲も見つかりました。

まずは前回の最後にかけようとして時間切れになった曲からです。おそらく交響曲40番の1楽章と並んで有名なのではと思われる交響曲25番の1楽章です。映画「アマデウス」の冒頭に使われたことで80年代に急に有名になったように記憶しています。波乱のドラマの始まりを予感させる緊迫感あふれるこの曲は、確かに絶大なインパクトがあったと思います。この曲も数年前に弦楽合奏団で弦楽四重奏編曲版ですが弾いたことがあります。モーツァルトがわずか17歳くらいの頃に書いた傑作です。今回の音源は前回のレクイエムと同じでブルーノ・ワルター指揮のウィーン・フィルで、1956年のかなり古い録音です。この頃の方が今よりテンポが速かったのでしょうか。猛スピードで駆け抜ける感じです。

<Symphony No. 25 in G Minor, K. 183 Allegro con brio (Live) 4分50秒>
Mozart: Symphony No. 25 in G Minor, K. 183: I. Allegro con brio

続きまして、前回ワルターでかけたレクイエムですが、弦楽四重奏編曲で演奏した音源がありますので、時間の都合でレクイエムとキリエは外してラクリモーサだけおかけしておきます。演奏はバロック・ヴァイオリンの名手シギスヴァルト・クイケン率いるクイケン・カルテットです。
最晩年の絶筆になったレクイエムK626の8曲目「ラクリモーサ(涙の日)」の作曲途中でモーツァルトは亡くなり、弟子のジュスマイヤーが14曲目まで完成させていますが、ラクリモーサはモーツァルトが最後の最後に書いていたという話もありますし、この曲自体がレクイエムを象徴する素晴らしい音楽だと思います。

<Mozart/Lichtenthal: Requiem In D Minor - Lacrimosa 3分51秒>

では短調シリーズの最後にピアノ協奏曲20番の1楽章を時間まで聞きながら今回はお別れです。1楽章だけで15分余りありますので、ちょうど放送時間に収まるかどうかという感じです。(2楽章の頭まで入りました)この曲も80年前後に聞いたフリードリヒ・グルダの名盤をおかけしておきます。モーツァルトのピアノ協奏曲は全部で27曲ありまして、特に20番台は名作揃いですが、1曲と言われればやはり20番を選びます。これほど美しく哀しいピアノ協奏曲はないと思います。2楽章のロマンツェも有名で、映画「アマデウス」ではエンディングに使われています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466 ~Allegro (Cadenza by Beethoven, WoO 58 No. 1) 15分27秒>

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2026年3月27日 (金)

Mozart Requiem Karl Bohm

1979年にTV放映されたモーツァルトのレクイエムの名演の映像、ありました! このカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの感動的な名演にはTVに釘付けになりまして、確か翌年1980年の高3の時にLPを買って、擦り切れるほどよく聞きました。これが演奏時間が長いため番組ではかけられなかった音源です。この映像の収録は1971年ですから55年前になります。ブルーノ・ワルター(1876-1962)の後輩指揮者のカール・ベームは1894年生まれ1981年没、独唱者4人の内ソプラノのグンドラ・ヤノヴィッツだけ88歳でご存命ですが、クリスタ・ルートヴィヒ、ペーター・シュライアー、ヴァルター・ベリーは既に亡くなっています。ヴァルター・ベリーは、前にアップしたカール・リヒターのマタイ受難曲の映像にもイエス役のバスバリトンで出ていたと思います。この独唱陣の名前は70、80年代にはよく見かけました。

Mozart Requiem Karl Bohm

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2026年3月26日 (木)

ワルターのモツレク

いよいよモーツァルト最晩年の絶筆になったレクイエムK626です。名盤ひしめくモツレク(モーツァルトのレクイエム)で、誰を選ぶか、非常に迷いました。最初に聞いたのが1979年頃にTV放映されたカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの72年頃の感動的な名演で、映像に釘付けになった曲です。解説で故・皆川達夫さんが出ていたのと、「人類が作った最も素晴らしい音楽の一つですね」のようなことを仰っていたのをよく覚えています。当時NHKFMで放送されていた、小泉文夫さんの「世界の民族音楽」と皆川達夫さんの「バロック音楽のたのしみ」は、欠かさず毎朝聞いていました。全曲は長いので、番組では3曲だけ選びましたが、これもディエス・イレ(怒りの日)を入れるかどうか迷いました。ディエス・イレは全14曲中特に有名な曲で、テレビや映画などでよく用いられているそうです。結局、第1曲 レクイエム・エテルナム【永遠の安息を】 、壮大な二重フーガの第2曲 キリエ、モーツァルトの絶筆になった第8曲 ラクリモーサ【涙の日】の3曲にしましたが、ゼアミブログではディエス・イレも順番通りキリエの後に入れておきます。ラクリモーサの作曲途中でモーツァルトは亡くなったので、第14曲 ルックス・エテルナ【永遠の光】 まで、弟子のジュスマイヤーにより補筆完成されています。ブルーノ・ワルターで聞いたのは、ごく最近のことで、マーラーと直に関りがあったくらい昔の人の割には、レクイエムに限らず意外にもテンポが速い演奏が多いのですが、やはり巨匠の深い味わいが確かにあります。1956年頃のウイーン楽友協会合唱団の切迫感も凄いです。
以下は続唱 (Sequentia)の冒頭、ディエス・イレの解説とラテン語歌詞の翻訳ですが、この時期痛切に響きます。

この続唱のテキストには、最終戦争、火による浄化、最終審判など、キリスト教というよりも、むしろゾロアスター教、マヅダ教などイラン起源の二元論宗教の影響が色濃く認められる。

怒りの日、その日は
ダビデとシビラの預言のとおり
世界が灰燼に帰す日です。
審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはどれほどでしょうか。

Requiem in D Minor, K. 626: I. Introit. Requiem aeternam (Live)

Requiem in D Minor, K. 626: II. Kyrie eleison (Live)

Requiem in D Minor, K. 626: IIIa. Sequence. Dies irae (Live)

Requiem in D Minor, K. 626: IIIf. Sequence. Lacrimosa dies illa (Live)

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2026年3月25日 (水)

アインシュタインとモーツァルト

繰り返しになりますが、物理学者のアインシュタインがモーツァルトの音楽に「宇宙的な調和」を感じ、「死ぬということはモーツァルトを聞けなくなること」とまで言って絶賛していたことで有名です。彼はアマチュアながらヴァイオリンを本格的に演奏していて、特にモーツァルトのヴァイオリン・ソナタには強い愛着があったそうです。アインシュタインがヴァイオリンを弾いている写真が出て来る映像が幾つか上がっていますが、彼の録音は残ってないそうで、1本目にはThis magnificent recording of Albert Einstein accompanied by pianist Ivan Belminsiとありますが、実際はカール・フレッシュとFelix van Dyck、2本目はアルテュール・グリュミオーとクララ・ハスキルのようです。1920年代生まれのグリュミオーはともかく、1870年代生まれのカール・フレッシュは世代がほぼ同じなので、アインシュタインと直接の関りがあったかも知れません。カール・フレッシュはヴァイオリン教本で有名な往年の名人ですが、音色の素晴らしいことこの上なしです。2本目はK378ではなくK454のようです。

Albert Einstein NEVER BEFORE HEARD: Plays Violin - Mozart Sonata in B-flat KV378

Einstein plays: Mozart violin sonata b flat major k.378

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2026年3月23日 (月)

ヴァイオリン・ソナタ K304

ゼアミdeワールド506回目の放送、日曜夜10時にありました。25日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。グリュミオーとハスキルの盤はフィリップスだったと思いますが、番組でかけた音源ではDeccaになっていました。はて?と思いました。昔懐かしいフィリップス盤LPの頃のジャケットで2楽章全曲がありました。

オーストリアの音楽の10回目です。前回はモーツァルトの短調の曲を取り上げましたが、今回はその2回目として数曲入れておきたいと思います。

まずヴァイオリンソナタのK304ですが、35年くらい前にヴァイオリンでレッスンを受けたことがある懐かしい曲です。物理学者のアインシュタインは、モーツァルトの音楽に「宇宙的な調和」を感じ「死ぬということはモーツァルトを聞けなくなること」とまで言って絶賛していたことで有名です。彼はアマチュアながらヴァイオリンを本格的に演奏していて、特にモーツァルトのヴァイオリン・ソナタには強い愛着があったそうです。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは全部で36曲余りありますが、このK304もアインシュタインの愛奏曲だったと言われています。今回の音源はベルギーの名ヴァイオリニスト、アルテュール・グリュミオーと、ルーマニア出身の名女流ピアニスト、クララ・ハスキルの名コンビの演奏で、私は70年代に初めて聞いて以来、他の演奏が考えられないくらいのベスト盤だと今でも思います。まずは1楽章からおかけします。

<Sonata for Piano and Violin in E Minor, K. 304: I. Allegro 6分30秒>
Mozart - Violin Sonata in E minor K 304 (No.21) (Century's recording: Clara Haskil, Arthur Grumiaux)

この曲はヴァイオリンソナタには珍しく2楽章です。この楽章はメヌエットで主題は短調ですが、中間部が逆に長調に変わり、この部分の深い表情を称える人も多いと思います。このソナタついてアインシュタインは以下のように言っています。
「ホ短調はモーツァルトにとって非常に珍しい。短調でありながら抒情的で、天上的な光を感じる。この作品は、まことに彼の創造の奇蹟の一つである。 感情の最も深い奥底から取り出された音楽である。」

<Sonata for Piano and Violin in E Minor, K. 304: II. Tempo di minuetto 5分30秒>

次に、最晩年の絶筆になったレクイエムK626から、第1曲 レクイエム・エテルナム【永遠の安息を】 、壮大な二重フーガの第2曲 キリエ、モーツァルトの絶筆になった第8曲 ラクリモーサ【涙の日】の3曲を続けておかけします。ラクリモーサの作曲途中でモーツァルトは亡くなったので、第14曲 ルックス・エテルナ【永遠の光】 まで、弟子のジュスマイヤーにより補筆完成されています。79年頃にTV放映されたカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの感動的な名演の映像に釘付けになった曲ですが、そのグラモフォン盤は演奏時間が長いので、時間の都合で、テンポが速いブルーノ・ワルター指揮ウィーン・フィルの演奏で入れておきます。こちらも定評のある名演です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Requiem in D Minor, K. 626:Introit. Requiem aeternam (Live) 5分38秒>
<Requiem in D Minor, K. 626:Kyrie eleison (Live) 3分5秒>
<Requiem in D Minor, K. 626:IIIf. Sequence. Lacrimosa dies illa (Live) 3分25秒>

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2026年3月19日 (木)

トスカニーニの40番 スメタナSQの弦楽五重奏曲4番

モーツァルトの短調作品でおそらく一番有名な交響曲40番については、番組では最後にかけたので1楽章の途中で終わりました。カール・ベーム指揮のベルリン・フィルでしたが、YouTubeに何と往年の大指揮者トスカニーニの映像がありましたので、こちらで上げておきます。全4楽章で1948年頃のようです。1楽章の有名な旋律は、ダリダか誰かがシャンソンで歌っていたと思います。それ程に甘美な旋律です。
2本目は、昨日の弦楽五重奏曲2番ハ短調K406をスメタナ弦楽四重奏団&ヨゼフ・スークで探していましたが、この曲は見当たらず、代わりに弦楽五重奏曲4番ト短調が同じメンバーでありましたので上げておきます。文芸評論家の小林秀雄が「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。」と言及していたのは、この曲の1楽章です。今日の2曲はどちらもト短調です。なお明日はブログはお休みします<(_ _)>

Arturo Toscanini conducts Mozart Symphony No 40 G minor K 550 NBC Orchestra

Mozart - Quintet No.4  Suk Smetana SQ

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2026年3月18日 (水)

弦楽五重奏曲第2番ハ短調K406

月曜に上げた管楽セレナーデK388ハ短調から編曲された弦楽五重奏曲第2番ハ短調K406ですが、番組でかけたスメタナ弦楽四重奏団&ヨゼフ・スークやアマデウス弦楽四重奏団であれば良いのですが、よく探せば音源は出てきても彼ら往年の名人の生演奏はないと思いますので、今日の動画を上げておきました。全4楽章で、なかなか良い演奏だと思います。原曲の管楽セレナーデは1782年に作曲されており、2本ずつのオーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンという編成でしたが、5年後の1787年に編曲された弦楽五重奏版は、ヴァイオリン2本、ヴィオラ2本、チェロ1本という編成です。モーツァルトが5年経って編曲した理由は、よく分かってないようですが、原曲の管楽セレナーデよりも弦楽版の方が哀切感が強まると思います。モーツァルトの弦楽五重奏曲は全部で6曲ありますが、ブダペスト弦楽四重奏団などの名盤がいくつかあって、いずれもLPの頃によく聞きました。

Mozart: String Quintet no 2 in C minor, K406/K516b performed by the Adderbury Ensemble

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2026年3月16日 (月)

モーツァルトの管楽セレナードK388

ゼアミdeワールド505回目の放送、日曜夜10時にありました。18日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。番組でかけたザルツブルク・モーツァルテウムの1楽章の音源と、Camerata Pacificaというグループによる4楽章全曲のライブ映像を上げておきます。放送では、編成はオーボエ、クラリネット、フルート、ファゴット、ホルンではと言いましたが、フルートは入ってこないようです。モーツァルトのセレナードで唯一、短調で書かれていて、その直接の原因として、オランダ生まれの音楽愛好家の貴族ゴットフリート・ファン・スヴィーテン男爵の許でのバロック音楽体験、特にバッハ、ヘンデルの影響があると、多くの音楽学者が指摘しているとのこと。1本目の5分15秒辺りの展開が前に取り上げたヘンデルのパッサカリアの一部に少し似ているかもと思いました。ぞくぞく来るような展開で特に好きな箇所です。

オーストリアの音楽の9回目です。前回予告しましたが、何回かかけてクラシック作品も入れておきたいと思います。オーストリアの作曲家で番組に少し入れておこうと思っているのは、古い順にハイドン、モーツァルト、シューベルト、ブルックナーですが、現代音楽に入る新ウィーン楽派のシェーンベルク作品も幾つか考えています。前回はシューベルトの歌曲集「冬の旅」から3曲取り上げました。

今回はモーツァルトの短調の曲を取り上げたいと思います。前回のブルーな流れを受けた感じですが、「モーツァルトの短調作品は外れ無しで、名曲が多い」というのが一般的な意見です。文芸評論家の小林秀雄も「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。」と言及していて、それは弦楽五重奏曲4番ト短調の出だしを指しています。他にも映画「アマデウス」の冒頭に使われた交響曲25番の1楽章とか、シャンソンなどにもアレンジされている交響曲40番の1楽章などが特に短調作品では有名です。
短調の曲は、モーツァルトの626曲の全作品中、20曲余りしかないそうです。私は40年以上前からモーツァルトの短調が好きで、今日おかけする管楽セレナーデK388のハ短調と、その弦楽五重奏曲版は80年代のLPの頃によく聞きました。最近管楽アンサンブルのモーツァルト作品全集をストリーミングで見つけましたので、まずその管楽セレナーデK388のハ短調からおかけします。全曲は長いので1楽章のみです。

<ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団 & ハンスイェルク・アンゲラー Serenade in C Minor, K. 388 "Nacht Musik" 8分16秒>

Mozart: Serenade in C Minor, K. 388 — Camerata Pacifica

続いて管楽セレナーデK388のハ短調の弦楽五重奏曲版をおかけします。80年代から持っているLPをデジタル化した音源で、現物が行方不明ですが、スメタナ弦楽四重奏団にヴィオラ奏者1人が加わった演奏です。ヴァイオリン2本、ヴィオラ2本、チェロ1本という編成で、モーツァルトには多い五重奏編成です。当時来日の時の映像がTVに出ていて見た記憶がありまして、大変感銘を受けました。もう一人のヴィオラはヨゼフ・スークです。同じく1楽章のみおかけします。

<弦楽五重奏曲ハ短調K406 9分14秒>

他にどんなモーツァルトの短調名曲があるかと言いますと、
交響曲第40番、交響曲第25番、ピアノ協奏曲の第20番と第24番、最晩年の絶筆になったレクイエムK626、ミサ曲ハ短調、ピアノソナタのK310とK457、ヴァイオリンソナタのK304、ピアノ四重奏曲第1番、弦楽四重奏曲第15番、弦楽五重奏曲第4番、さきほどの管楽セレナーデK388とその弦楽五重奏曲版 この辺りになります。本当に名曲揃いです。

ピアノソナタのK310はよくピアノで試してみましたし、ヴァイオリンソナタのK304は、35年くらい前にヴァイオリンでレッスンを受けたことがある懐かしい曲です。映画「アマデウス」の冒頭に使われた交響曲25番の1楽章も数年前に弦楽合奏団で弾いたことがあります。
この後はおそらく短調作品で一番有名な交響曲40番の1楽章を時間まで聞きながら今回はお別れです。演奏はカール・ベーム指揮のベルリン・フィルです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Symphony No. 40 in G Minor, K. 550 8分27秒>

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2026年3月13日 (金)

シューベルトの「冬の旅」

シューベルトの「冬の旅」で忘れられない曲があります。それは番組で2曲目にかけた6曲目の「溢れる涙 Wasserflut」ですが、32年くらい前に当時63歳だったKBさんが「僕は冬の旅の溢れる涙が好きでね」と遠い目をしておっしゃったことで、普段は土佐出身の「いごっそう」らしい豪放な方から出た言葉なもので余計に感銘を受けました。この20年余りはお会いすることはなく、今もお元気なら95歳。方々飲みにも連れて行って頂いて楽しい思い出ですが、その後お会いすることが叶わなかったのが残念です。今度上京したら消息を知人に聞いてみようかとも思っています。この歌曲集の歌詞そのものは失恋の歌ではありますが、それを越えた普遍的な人間の悲しさを表現した名曲として受容されていると思います。私は6曲目までが非常に好きで、最後の24曲目「辻音楽師 Der Leiermann」までハンス・ホッターの透徹した歌唱で聞くと、人生観が変わるような意見まで聞いたことがあります。
Leiermannというのが気になりますが、これはシュタイナー教育にも使われる竪琴のライアーではなく、ハーディ・ガーディ(手回しヴァイオリン)のようです。この絶望の末の極北の音楽のような24曲目「辻音楽師 Der Leiermann」について、フィッシャー=ディースカウは「これに類似する音楽は、世界中を探しても、恐らく日本の能楽以外にはないのではないか」と述べています。5曲目の「菩提樹」が大変有名ですが、この曲の他、長調の曲は全24曲の内わずか8曲で、それは幻想かアイロニーに過ぎないとも言われます。
では番組でかけた6曲目の「溢れる涙 Wasserflut」と最後の24曲目「辻音楽師 Der Leiermann」の後に全曲を上げておきます。6曲目だけ何故かジェラルド・ムーア伴奏の1954年版が見当たらないので、Michael Raucheisen伴奏の音源です。戦中の録音のようです。

Schubert: Winterreise, D.911: 6. Wasserflut

Schubert - Winterreise - "Der Leiermann", Hans Hotter

Hans Hotter; "WINTERREISE"; Franz Schubert

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2026年3月12日 (木)

ハンス・ホッターの「冬の旅」Gute Nacht

ハンス・ホッターは本当に好きな歌手で、もちろんシューベルトの歌曲だけでなく楽劇「ワルキューレ」でのヴォータンなども強く印象に残っています。オペラは全然詳しくありませんが、他にはモーツァルトのオペラでのチェーザレ・シエピとか、イタリアオペラでのマリア・カラスとかの大ファンでした。カラスは30年余り前にDIVAの主人公のように取り付かれたように聞いたことがあります(笑) 「冬の旅」は最初に聞いたのは、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウで、大変に素晴らしいのですが、後で聞いたハンス・ホッターは遥かに上を行く名唱でした。今日は1曲目の「おやすみ Gute Nacht」だけにしておきます。未聴だったゲルハルト・ヒュッシュの古い録音も聞いてみようかと思います。(以下放送原稿を再度)

まずシューベルトの歌曲集「冬の旅」から始めたいと思います。「冬が来る前に~」と言う歌詞の歌がありましたが、それに倣えば「冬が終わる前に」入れておきたいと思った次第です(笑) シューベルトは「冬の旅」だけでなく、ピアノ曲や室内楽にも忘れられない名作が沢山あります。今回かけますのは、往年の名バスバリトン歌手のハンス・ホッターの音源です。1954年のジェラルド・ムーアのピアノ伴奏で歌った名盤の誉れ高い盤と、1969年のハンス・ドコウピルの伴奏の枯淡の極みのような名唱もありますが、1954年の方から抜粋しておかけします。全24曲の内3曲です。

1曲目の「おやすみ(グーテ・ナハト)」ですが、西高の2年の時に秋山雅史さんのお父様の秋山先生から音楽の授業の際にドイツ語で教わりまして、今も鮮烈に覚えています。5曲目の「菩提樹」と並んで、ドイツ・リート(ドイツ歌曲)で最も有名なメロディの一つだと思います。当初は1~6曲目まで続けてかけて、最後の24曲目「辻音楽師」で締めようと思っていましたが、後の曲を少しでも長くかけたいので、1曲目と6曲目の「溢れる涙 Wasserflut」、最後の24曲目「辻音楽師 Der Leiermann」の3曲にしました。最もシューベルトらしい3曲であると共に、今の心象風景のような3曲と言えるでしょうか。間の曲もゼアミブログでは取り上げたいと思います。

<1. おやすみ Gute Nacht 6分8秒>
Schubert - Winterreise - "Gute Nacht", Hans Hotter, Gerald Moore

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2026年3月11日 (水)

シャヒーディーのダストガー・マーフール

仏Ocora盤「イラン ペルシアの音楽」は、LPで出ていた70、80年代当時は、メンバー中一番有名だったバンド・リーダーのサントゥール奏者ファラマルズ・パイヴァールの音源のように語られ勝ちだったと思いますが、演奏されているZendegi(人生)というダストガー・マーフール(マーフール旋法)の曲を作曲したのは、ウード弾き語りのアブドルワハブ・シャヒーディーですので、彼が中心と見るべきだと思います。この映像では左からサントゥールのファラマルズ・パイヴァール、ウード弾き語りのアブドルワハブ・シャヒーディー、ネイ奏者はハッサン・ナヒッド?、ケマンチェ奏者は不明、トンバクはモハンマド・エスマイリーですが、70年頃の録音のオコラ盤ではケマンチェがアスガール・バハーリー、トンバクはホセイン・テヘラーニ、タールがジャリール・シャフナーズと、人間国宝級の名人が揃っていました。今日の映像のメンバーは、カルテックスで出ていたNegah Garm Toの頃と同じではと思います。女性の目のジャケットです。
この曲を10年間、ゼアミdeワールドのテーマ曲にして来ました。敬愛するホセイン・テヘラーニのトンバクの一打から始まります。大分前に書きましたが、東京にいた頃の25年ほど前に某ペルシア料理店で、この曲の一節をたまたま持っていたウードで弾いたら、その場にいらしたイラン人夫婦が大変喜んでくれました。「シャヒーディーは古典の範囲内でオリジナリティのある曲を作る素晴らしい人なんですよ」と仰ってました。プロフィールを見ると1922年生まれで2021年没でした。何と5年前までご存命だったとは知りませんでした。ウェイブ時代の後輩が97年頃にドイツに行った際に、バイロイトがメインだったようですが、シャヒーディーのドイツ公演があったことを後で知って、大変残念がっていました。
月曜に上げたDar Madh-e-Aliですが、セイエド・ジャヴァード・ザビーヒの歌唱はシーア派の宗教歌そのもののようで敷居が高い気がしましたが、シャヒーディーの曲はペルシア古典音楽の味わいを上手く出していると思います。ザヒーヒの方が1931年生まれなので、年下だったのが意外でした。1本目がZendegiの合奏、2本目はウード弾き語りです。タクシームも大変素晴らしいと思います。この映像を初めてみたのは30年余り前で、VHSはテープが伸びて久しいので、YouTubeで見れて嬉しい限りです。

Zendegi - Ostad Abdolvahab Shahidi

Abdolwahab Shahidi

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2026年3月 9日 (月)

冬の旅とシャヒーディー

ゼアミdeワールド504回目の放送、日曜夜10時にありました。11日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はシャヒーディーのDar Madh-e-Aliから始めます。カルテックス盤とは別テイクかも知れません。水曜にゼアミdeワールドの番組テーマ曲のライブ映像とウード(あるいはバルバット)弾き語りを上げる予定です。「冬の旅」は木金の予定です。

オーストリアの音楽の8回目です。オーストリアの民族音楽音源は、チロル中心にまだまだありそうですが、ここで少しクラシック作品も入れておきたいと思います。オーストリアの作曲家で番組に少し入れておこうと思っているのは、古い順にハイドン、モーツァルト、シューベルト、ブルックナーですが、現代音楽に入る新ウィーン楽派のシェーンベルク作品も幾つか考えています。

まずシューベルトの歌曲集「冬の旅」から始めたいと思います。「冬が来る前に~」と言う歌詞の歌がありましたが、それに倣えば「冬が終わる前に」入れておきたいと思った次第です(笑) シューベルトは「冬の旅」だけでなく、ピアノ曲や室内楽にも忘れられない名作が沢山あります。今回かけますのは、往年の名バスバリトン歌手のハンス・ホッターの音源です。1954年のジェラルド・ムーアのピアノ伴奏で歌った名盤の誉れ高い盤と、1969年のハンス・ドコウピルの伴奏の枯淡の極みのような名唱もありますが、1954年の方から抜粋しておかけします。全24曲の内3曲です。

1曲目の「おやすみ(グーテ・ナハト)」ですが、西高の2年の時に秋山雅史さんのお父様の秋山先生から音楽の授業の際にドイツ語で教わりまして、今も鮮烈に覚えています。5曲目の「菩提樹」と並んで、ドイツ・リート(ドイツ歌曲)で最も有名なメロディの一つだと思います。当初は1~6曲目まで続けてかけて、最後の24曲目「辻音楽師」で締めようと思っていましたが、後の曲を少しでも長くかけたいので、1曲目と6曲目の「溢れる涙 Wasserflut」、最後の24曲目「辻音楽師 Der Leiermann」の3曲にしました。最もシューベルトらしい3曲であると共に、今の心象風景のような3曲と言えるでしょうか。間の曲もゼアミブログでは取り上げたいと思います。

<1. おやすみ Gute Nacht 6分8秒>
 2. 風見の旗 Die Wetterfahne 1分46秒
 3. 凍った涙 2分53秒
 4. 氷結 Erstarrung 2分51秒
 5. 菩提樹 Der Lindenbaum 4分50秒
<6. 溢れる涙 Wasserflut 4分36秒>
<24. 辻音楽師 Der Leiermann 4分20秒>

この後の音源はオーストリアから離れますが、今回の放送分の準備をしていた2月28日に起こった出来事に衝撃を受け強い憂慮の念を覚えましたので、入れてみようと思いました。苦悩に満ちた曲調も「冬の旅」に繋がるようにも思います。
ゼアミdeワールドのテーマ曲は、10年前に番組を始めた時からずっとイランのペルシア古典音楽のダストガー・マーフールです。藝大教授だった世界的民族音楽学者の小泉文夫さんが「世界で最も美しい歌」と形容していたペルシアの歌と音楽に1980年頃に関心を持ったことから民族音楽行脚が本格的に始まりましたが、このダストガー・マーフールが入ったオコラ盤は80年代以来ずっと愛聴盤でした。1970年頃のペルシア音楽の超豪華オールスターキャストのようなこの盤でウードを弾き語っていたのはアブドルワハブ・シャヒーディーですが、彼のDar Madh-e-Aliと言う盤は、ちょうど30年前にゼアミを立ち上げた頃のベストセラーで、今でも忘れられない名盤です。いぶし銀のような渋く味わい深い名唱を聞かせています。

タイトルについてAIに聞いてみましたら
「Dar Madh-e-Ali」は、シーア派イスラム教の第一イマームであるアリー・イブン・アビー・ターリブを称賛(Madh)する詩や歌を指すペルシャ語の表現で、この言葉は、セイエド・ジャヴァード・ザビヒなどの歌手による伝統的なペルシャ音楽の楽曲のタイトルとして知られています。セイエド・ジャヴァード・ザビヒ(Seyed Javad Zabihi)やアブドゥルワハブ・シャヒディ(Abdovahab Shahidi)などが、このテーマで演奏や録音を行っています。 意味: アリーの美徳や精神的な指導力を称える、賛美歌や精神的な詩の形式です。

とありました。大筋は当たっていると思います。この混乱が一日も早く収まることを願いつつ、この曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Abdolwahab Shahidi / Dar Madh E Ali 30秒~>
Episode I  Dar Madh E Aliの全体の4分の1くらいです。

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2026年3月 6日 (金)

Ellmauer Stubnmusigによるレントラー

「山のさすらい」Bergvagabundenも、「ベルク(山)のヴァガボンド」というタイトル共々気になっていましたが、こういう男性の歌では、しばしば軍関連の映像が出て来るので、いくらヨーデルが爽快でも外しておきたいと思います。今は特にそういう気分です。今週の最後はレントラーについて音源を探していて見つかったEllmauer Stubnmusigの演奏にしました。チロル地方の伝統的な室内音楽(ストゥーベンムジーク)を奏でる女性グループで、So klingt's bei uns - Echte Volksmusik aus Tirol, Folge 2という音源からレントラー2曲を番組で取り上げました。チロルのレントラーとキルヒェンタールのレントラーです。ドイツではクラシック作品にも余り見当たらなかったレントラーが、オーストリアでは民族音楽の形で割と簡単に見つかります。調べてみるとKirchentalはザルツブルクから南西50キロほどの場所でした。このことからモーツァルト作品にヨーデルが紛れ込んでないかも大変気になりましたが、Ellmauer Stubnmusigの他の曲も聞いていると、モーツァルト作品ではメヌエット扱いになっている曲(おそらく元はレントラー)にかなり似た感じの曲があるように思いました。一曲目はライブ映像、2,3本目は番組でかけた曲です。

Die Ellmauer Stubenmusig am Goinger Handwerksmarkt 24 Juni 2016

<Tiroler Landler 3分1秒>

<Kirchental-Landler 3分25秒>

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2026年3月 5日 (木)

ライブニッツの歌 Leibnitzer Lied

「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」は、聞けば聞くほど良い歌ばかりで、二週間で全ては取り上げかねます。先週の最初に「ヨハン大公のヨーデル Erzherzog Johann Jodler」を、この盤冒頭のエディット・ディーポルトの歌唱で上げましたが、そのリンクから20曲全て聞くことが出来ますので、よろしければそちらでお聞き下さい。今日はライブニッツの歌だけ上げておきます。シュタイエルマルクの州都グラーツの南方にあり、スロヴェニアとの国境に近い町ライプニッツのこの讃歌を、「ヨーデルの女王」と呼ばれたEdith Diepoldが歌っています。この歌でも爽快なヨーデルを披露しています。ライプニッツと言えば、ドイツの偉大な哲学者兼数学者のライプニッツを真っ先に思い出すので、敬愛する哲学者スピノザとの関係もある人で、絶対忘れられない名前です。微積分法、微分記号、積分記号を考案したのは、ライプニッツです。

<ライブニッツの歌 4分22秒>

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2026年3月 4日 (水)

夢の山嶽地帯

月曜に上げた「美しのチロル(das schonste auf der welt)」は、戦中を連想させる映像がありましたが、ゲルニカのこの曲も、どこかヒトラーユーゲントを思い出させるようにも前から思っていました。しかし実際は「ナチスはワンダーフォーゲル、スカウティング、ユンゲンシャフト、ブント青年団など、ヒトラーユーゲントとは独立した青年の集団のほとんどを違法化した」そうですから、ほっと一安心です(笑) ゲルニカ以降も右すれすれ感の歌がありまして、「レインボー戦隊ロビン」の主題歌の替え歌では、軍歌風な曲を印象的に聞かせていました。1本目は11PMに出た際のライブだそうです。2本目はLPで出た時以来のジャケットと音源です。(以下放送原稿を再度)

次は日本の変わり種の歌ですが、チロルと言えば、つい思い出してしまうのが、ゲルニカの「夢の山嶽地帯」です。「第二次世界大戦前、20世紀初頭の歌謡曲、唱歌、軍歌をシンセサイザー等を使用して再解釈する」というコンセプトで、歌は戸川純、作曲とシンセサイザーが上野耕路、作詞と美術が太田螢一でした。ポマードかチックで髪を固めた上野さんがチロリアン・ハットをかぶっている姿がぴったりの歌です(笑) 80年代前半にとにかくよく聞いた一枚です。

ゲルニカ「夢の山嶽地帯」

夢の山嶽地帯 (2016 Remaster)

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2026年3月 2日 (月)

美しのチロル(das schonste auf der welt)

ゼアミdeワールド503回目の放送、日曜夜10時にありました。4日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今回の番組の準備をしていて、一番耳に残って気が付くと鼻歌で歌っていた(笑)のが、「美しのチロル(das schonste auf der welt)」です。タイトル通り「世界で一番美しい場所チロル」と歌われる故郷讃歌ですが、映像によってはネオナチ関連かもというようなものもありました。今日の歌唱のように穏健な範囲で留まって欲しいものですが。番組でかけた音源のようにヨーデル入りなら嬉しかったのですが、おそらくそういうタイプは上がってないようです。

オーストリアの音楽の7回目です。前回に続いて「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」というフィリップス盤からおかけします。今回は14曲目以降です。大変お世話になった故・江波戸昭先生の解説を参照しております。
ヨーデルと言いますと、スイスのイメージが強いかと思いますが、実はルーツはオーストリア東南部のシュタイエルマルク(あるいはシュタイアーマルク)とケルンテン辺りの地方にあり、それが西のチロルやスイスに伝わっていったとされています。ルーツの場所だけでなく、スイスにおいてもドイツ語を話す人々が住んでいる地方に主に伝わっているようです。

「インフィールテルの我が家」は、イン川がドナウに合流する手前のインティールテル地方の舞曲で、ワルツの前身とされているレントラーはこの辺りを中心にアルプス一帯で昔から愛好されてきた3拍子の踊りです。ゴットフリート・グレヒナーのヨーデルとゾリンガー農民楽団にフィドルが加わったブラス中心のこの地方独特の編成で聞かせます。

<インフィールテルの我が家 3分8秒>

シュタイエルマルクの州都グラーツの南方にあり、スロヴェニアとの国境に近い町ライプニッツの讃歌を、「ヨーデルの女王」と呼ばれたEdith Diepoldが歌っています。

<ライブニッツの歌 4分22秒>

「山のさすらい」は、チロルからバイエルンにかけて山男たちに愛唱されている民謡で、目もくらむような岸壁をよじ登り、頂上に立つときの感激を歌っています。シュタットルマイアとグリーサーのヨーデル掛け合いです。

<山のさすらい 2分39秒>

「美しのチロル」は、祭りや催し物、ビアホールなどでチロル人が集まれば必ず歌われるチロル州歌で、故郷への讃辞を行進曲風に歌い上げています。同じくシュタットルマイアとグリーサーのデュエットです。

<美しのチロル 2分49秒>
Das Schönste auf der Welt

アルプスの森林限界の上、ほぼ2000mの高さにある山の牧場アルム(スイスではアルプ)での生活を歌った民謡で、シュタットルマイアがツィター伴奏で歌っています。

<アルプスの賛歌 2分42秒>

次は日本の変わり種の歌ですが、チロルと言えば、つい思い出してしまうのが、ゲルニカの「夢の山嶽地帯」です。「第二次世界大戦前、20世紀初頭の歌謡曲、唱歌、軍歌をシンセサイザー等を使用して再解釈する」というコンセプトで、歌は戸川純、作曲とシンセサイザーが上野耕路、作詞と美術が太田螢一でした。ポマードかチックで髪を固めた上野さんがチロリアン・ハットをかぶっている姿がぴったりの歌です(笑) 80年代前半にとにかくよく聞いた一枚です。

<夢の山嶽地帯 (2016 Remaster) 2分19秒>

最後にレントラーについて音源を探していたら、ハープの演奏でありましたので、Ellmauer Stubnmusigという、チロル地方の伝統的な室内音楽(ストゥーベンムジーク)を奏でるグループのSo klingt's bei uns - Echte Volksmusik aus Tirol, Folge 2という音源からレントラーを2曲続けておかけします。チロルのレントラーとキルヒェンタールのレントラーです。このようにドイツではクラシック作品にも余り見当たらなかったレントラーが、オーストリアでは民族音楽の形で割と簡単に見つかります。Kirchentalはザルツブルクから南西50キロほどの場所でした。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Tiroler Landler 3分1秒>
<Kirchental-Landler 3分25秒>

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