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2026年4月

2026年4月30日 (木)

ヨーデル入りの歌曲《岩の上の羊飼い》

シューベルトの数ある歌曲の中でも顕著なほどヨーデルが用いられてるという《岩の上の羊飼い Der Hirt auf dem Felsen》を番組でかけました。これは例のサイトのコメントですが、「顕著なほど」ということは、他にも多少の影響がある歌曲はあるということかと思います。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ヨハン・シュトラウス、更には来週取り上げるブルックナーにも見られるということは、現代人が思ってる以上に(というか全く予想していなかったのですが)、ウィーンを活動の中心としている作曲家には日常的にヨーデルが耳に入っていたのでしょう。番組でかけたルディース・トリオの「ソプラノ、クラリネット、ピアノのための作品集」の演奏は見当たらないので、Anna Lucia Richter/Ensemble der KammerMusikKölnの実演映像を上げておきます。他にもキャスリーン・バトル、エリー・アメリング、クリスタ・ルートヴィッヒ、グンドラ・ヤノヴィッツなど有名な歌手も入れていたのには驚きました。

Franz Schubert: Der Hirt auf dem Felsen - Anna Lucia Richter/Ensemble der KammerMusikKöln

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2026年4月29日 (水)

シューベルトの最後の3つのソナタ

GW中の祭日は上げまいかとも思いましたが、イモージェン・クーパーの名が出たところで、70歳記念のシューベルトの最後の3つのソナタ全曲ライブを上げておきます。6年前の映像で、2時間余りあります。この3曲は初期ロマン派ピアノ・ソナタの最高峰だと思います。田部京子さんやアファナシエフなどの名盤がある曲ですが、さすが師匠のブレンデル譲りのシューベルト弾きだけあって、音楽の襞に入り込んだ大変素晴らしい演奏を聞かせます。しかもライブで見られるとはと思いました。80年代にイモージェン・クーパーに注目したのは、番組でかけたオランダのレーベルOttavo盤のシューベルトですが、同レーベルからはアンヌ・ケフェレックとのモーツァルトのデュオもありました。あの頃は、やはり「楽興の時」に特に魅了されました。

Imogen Cooper 70th Birthday Concert at Wigmore Hall

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2026年4月27日 (月)

「楽興の時」とヨーデル

ゼアミdeワールド511回目の放送、日曜夜10時にありました。29日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。火曜にアップの予定でしたが、時間が出来ましたので、いつも通り月曜にシューベルトから上げておきます。

511回目の放送になりました。オーストリアの音楽の15回目です。今回はシューベルトの作品で、ヨーデルの影響がある曲を取り上げます。参考にしたのは「大井駿の「楽語にまつわるエトセトラ」その94  ヨーデル:ベートーヴェンやシューベルトも魅了したアルプスのチロル地方の歌唱」https://ontomo-mag.com/article/column/shun-gakugo94/ というサイトです。

シューベルト作品でヨーデルあるいはレントラーの影響が顕著なのが

1. シューベルト:歌曲《岩の上の羊飼い》 D. 965
2. シューベルト:レントラー D. 366〜第6番 ハ長調
3. シューベルト:レントラー D. 366〜第7番 ト長調
4. シューベルト:楽興の時 D. 780〜第1番 ハ長調

とありました。歌曲はともかく、ピアノ曲の「楽興の時」はちょっと意外でしたが、確かに1番はヨーデル的な音の動きがあることに気が付きました。「楽興の時」は6曲中4番までが有名で、中でも特によく知られているのは3番だと思います。70年代にラジオのクラシック番組でテーマ曲に使われていました。2番はルイ・マルの自伝的映画「さよなら子供たち」の中に出てきたのが大変印象的でした。今回はヨーデルの影響が見られる1番と、大変有名な3番を続けておかけします。演奏はイギリスの女流ピアニストのイモージェン・クーパーです。この人は先週の最後にピアノ協奏曲23番をかけたアルフレッド・ブレンデルの愛弟子の一人で、80年代からの私の愛聴盤の一つです。
《楽興の時》第1番について、先ほどのサイトでは、「ヨーデルを意識して書かれていると言われていますが、まるでアルプスの山々でヨーデルを掛け合い、さらにそれがこだまするような場面が浮かんできます。」とコメントがありました。

<Imogen Cooper Moments musicaux, Op. 94, D. 780: I. Moderato 5分44秒>

<Imogen Cooper Moments musicaux, Op. 94, D. 780: III. Allegro moderato 1分49秒>

この後もシューベルト作品を入れますが、最後にかける「今週のペルシア音楽」の音源が10分余りありまして、やはりフェイドアウトは絶対にしたくないので、先にペルシア音楽の方をおかけしておきます。先週も言いましたが、世界的な民族音楽学者だった藝大教授の小泉文夫さんが「世界で一番美しい歌」と称賛したのには、彼が晩年近くになって聞いたパリサーの歌がかなり念頭にあったのではと思います。
1978年東京国立劇場でのライヴを収めたこの音源は、ビクターJVCのワールド・サウンズ・シリーズの一枚で、「ペルシア絶唱/イスラム神秘主義の歌声」です。演奏者は、アーヴァーズ(歌)が、ファーテメ・パリサー、S.N.ラザヴィー、セタール、タールのジャラール・ゾルフォヌーン、ネイのモハンマド・ムーサヴィー、トンバクのモルタザー・ハージェアリー・アーヤンです。マーフール旋法は、先週かけたホマーユンとは対照的に明るく威厳があり、ここでもパリサーはタハリールの装飾技巧を華やかに聞かせています。
来週の「今週のペルシア音楽」は、ゼアミdeワールドのテーマ曲にしているシャヒーディーのマーフールを少し長くかける予定です。

<Fatemer Vaezi Parisa  Mahur: Poems Of Sheykh Bahai And Hafez 10分47秒>

では最後に、シューベルトの数ある歌曲の中でも顕著なほどヨーデルが用いられてるという《岩の上の羊飼い》を時間まで聞きながら今回はお別れです。ルディース・トリオの「ソプラノ、クラリネット、ピアノのための作品集」に収録されている演奏です。今回はたまに似ていると言われたりもする、ヨーデルとタハリールの競演のような回になりました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ルディース・トリオ ソプラノ、クラリネット、ピアノのための作品集 〜岩の上の羊飼い 10分20秒>

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2026年4月24日 (金)

ピアノ協奏曲23番の2楽章

ラストにかけたこの曲、物哀しい美しさにいつも耳が引き寄せられます。ポリーニでは動画もありましたが、やっぱりシューベルトとかモーツァルトはブレンデルが良いですね。来週かけるブレンデルの愛弟子のイモージェン・クーパーなどもあったらと思いましたが、なさそうです。なお27日の月曜ですが、所要のためブログは書けません。火曜に26日日曜の放送分の報告をアップ予定です。GW中の店の営業は28、30、1、7、8日です。(以下放送原稿を再度)

それでは最後にモーツァルトの作品に戻りまして、ピアノ協奏曲23番の2楽章を時間まで聞きながら今回はお別れです。演奏はピアノがアルフレッド・ブレンデル、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団です。
ペルシアのホマーユンと釣り合うほどメランコリックで物思いに沈んだような名旋律がピアノで歌われます。曲自体はイ長調ですが、2楽章だけモーツァルトの作品としては珍しく「嬰ヘ短調」に転じます。この曲はシチリアーノのリズムで書かれていて、シチリアーノに特有の8分の6拍子というリズムはペルシア音楽にも多く、どこか通じるものがあります。

<Piano Concerto No. 23 in A, K. 488: 2. Andante 6分50秒>

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2026年4月23日 (木)

「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」と「恋とはどんなものかしら」

チェーザレ・シエピの「もう飛ぶまいぞこの蝶々」の生映像がないか探してみました。さすがになさそうと思いましたが、何とフィガロの一節1本だけありました。3本目に入れておきます。彼のドン・ジョヴァンニやフィガロは極めつけの歌唱であるだけでなく、舞台姿も大変かっこよかったそうです。スタジオ録音かと思われるマイク近くで歌っている別音源もありましたが、やはりエーリッヒ・クライバー指揮ウィーン・フィルの名盤の音源にしておきます。この名盤は80年代に何度聞いたか数えられません。日本文学・日本学者、文芸評論家のドナルド・キーンさんのコラムが1980年頃だったか、レコード芸術に出ていまして、確か苦学生だった若い頃「フィガロの結婚」を手に入った1枚ずつ舐めるように覚えるくらい何度も聞いたことを書かれていて、多分にその影響は受けたと思います。キーンさんが聞いていたのが、この演奏だったと読んだような気がしますが、レコ芸の現物がもう手元にないので確証はありません。当時の東芝の好企画「フランス音楽のエスプリ」シリーズについても何か書いていたように思います。(以下放送原稿を再度)

前にシューベルトの「冬の旅」をかけた際に、ドイツ・リートのハンス・ホッターと並んで好きなバスバリトン歌手として名前を上げていたチェーザレ・シエピの歌唱で、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」から「もう飛ぶまいぞ、この蝶々 Non più andrai, farfallone amoroso」をおかけしますが、併せてこのオペラで有名なケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら Voi che sapete」を続けておかけしておきます。「恋の惱み知る君は」とも訳されるこの有名なアリアですが、大屋政子さんが「笑っていいとも」で出囃子のように歌っていたのを覚えている方がいらっしゃるかも知れません。「恋とはどんなものかしら」は今治西高の音楽の授業で秋山先生からイタリア語で教わった記憶があります。「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」は、大体カラオケに入っているので、何度か歌いました(笑) シエピの歌唱ほどスタイリッシュでかっこいいフィガロを他に知りません。「恋とはどんなものかしら」の歌唱はスザンヌ・ダンコ、2曲ともエーリッヒ・クライバー指揮ウィーン・フィルの演奏です。

Mozart: Le nozze di Figaro, K. 492, Act I: No. 10, Non più andrai

Mozart: Le nozze di Figaro, K.492 / Act 2: "Voi che sapete... Bravo! che bella voce!"

Cesare Siepi Le Nozze di Figaro

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2026年4月22日 (水)

2019年のパリサー

2019年のパリサーのライブ映像がありました。番組でかけた1978年の東京国立劇場でのライヴの時は28歳、2019年は70歳に達していたようです。音的には独Network Medienからの2枚にイメージが近く、往年ほどの輝きはなくても、やはり大変味わい深い歌を聞かせています。バックの楽器は左から順にケマンチェ、ウード、セタール、トンバクで、パーソネルはAmir Hossein Pourjavady, Pejman Hadadi, Saeed Kamjoo, and Ali Pajooheshgarとあります。ネットワーク盤の頃は、ハミド・モテバッセム(タール)、ホセイン・ベールズニアー(バルバット)、サイード・ファラジプーリ(ケマンチェ)、ペジマン・ハダディ(トンバク)、ベーナム・サマニ(ダフ)だったので、トンバク奏者だけが同じです。(実はケマンチェ以外は手元にあります。ケマンチェも70年代以来の憧れの楽器ですが、この年で何を今更(笑)代用のヴァイオリンで我慢しています。アスガール・バハーリーの楽譜は持ってますから)
師匠のマームード・キャリーミーから「あらゆる旋法を歌いこなし、イラン音楽の演奏者に求められるものを全て持っている。私の最高の教え子である。」と折り紙付きだったという名歌手のファーテメ・パリサー。イラン革命とイラン・イラク戦争後の混乱、コロナ、今度は戦争と、活動が制限される状況が次々起こり、遠い日本にいてもやりきれない思いです。Nightingaleの声よ永遠にと言う思いと、何より彼女とグループのメンバー、更には<東京の夏音楽祭>で2004年にお会いしたホセイン・アリザーデさんご一行、2006年にお会いしたシャーラム・ナーゼリーさん他の皆さんの無事を祈っています。

Parissa in Concert: Recitals of the Nightingale

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2026年4月20日 (月)

パリサーのホマーユン旋法の名唱

ゼアミdeワールド510回目の放送、日曜夜10時にありました。22日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今週も新設のペルシア音楽ミニ・コーナーの音源から始めます。

オーストリアの音楽の14回目です。モーツァルトの長調の3回目です。
前にシューベルトの「冬の旅」をかけた際に、ドイツ・リートのハンス・ホッターと並んで好きなバスバリトン歌手として名前を上げていたチェーザレ・シエピの歌唱で、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」から「もう飛ぶまいぞ、この蝶々 Non più andrai, farfallone amoroso」をおかけしますが、併せてこのオペラで有名なケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら Voi che sapete」を続けておかけしておきます。「恋の惱み知る君は」とも訳されるこの有名なアリアですが、大屋政子さんが「笑っていいとも」で出囃子のように歌っていたのを覚えている方がいらっしゃるかも知れません。「恋とはどんなものかしら」は今治西高の音楽の授業で秋山先生からイタリア語で教わった記憶があります。「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」は、大体カラオケに入っているので、何度か歌いました(笑) シエピの歌唱ほどスタイリッシュでかっこいいフィガロを他に知りません。「恋とはどんなものかしら」の歌唱はスザンヌ・ダンコ、2曲ともエーリッヒ・クライバー指揮ウィーン・フィルの演奏です。

<Le nozze di Figaro, K. 492, Act I: "Non più andrai" 3分46秒>
<Le nozze di Figaro, K. 492, Act II: "Voi che sapete.Bravo! che bella voce!" 3分51秒>

この後もモーツァルトの長調作品を考えていましたが、最後にかける「今週のペルシア音楽」の音源が先週のモルタザー・マハジュビーのピアノによるホマーユンを受けて旋法を揃えて短調にしておこうかと思いました。ハーフェズの抒情詩「恋人の巻毛から結び目を解け」に基づいたこのパリサーの絶美の名唱については、10分余りありますがフェイドアウトは絶対にしたくないので、先にペルシア音楽の方をおかけしておきます。その後で、ペルシアの短調に釣り合う曲を考えました。世界的な民族音楽学者だった藝大教授の小泉文夫さんが「世界で一番美しい歌」と称賛したのには、彼が晩年近くになって聞いたパリサーの歌がかなり念頭にあったのではと思います。
音源はビクターJVCのワールド・サウンズ・シリーズの一枚で、「ペルシア絶唱/イスラム神秘主義の歌声」です。演奏者は、アーヴァーズ(歌)が、ファーテメ・パリサー、S.N.ラザヴィー、セタール、タールのジャラール・ゾルフォヌーン、ネイのモハンマド・ムーサヴィー、トンバクのモルタザー・ハージェアリー・アーヤンです。

この盤について2002年に音楽之友社から出た「世界の民族音楽ディスクガイド」掲載の拙稿の一部を読み上げておきます。

今や伝説の1978年東京国立劇場でのライヴを収めた名盤中の名盤。時はまさにイラン革命の前年、当時の男女の最高の歌手を中心に、伴奏陣もセタール~タールの巨匠ジャラール・ゾルフォヌーン、ネイのモハンマド・ムーサヴィー、トンバクのアーヤンと超豪華だ。もしも一年ずれたらまず来日公演は実現しなかっただろう。特にこの後20年近く消息さえ我々には伝わってこなかったパリサーの若き日の名唱には感涙を禁じ得ない。引退してしまったとも伝えられるラザヴィーの「葦笛の歌」も、ルーミーの詩の神髄に迫る燻銀の歌声。

<Homayun: Poem Of Hafez 10分13秒>

それでは最後にモーツァルトの作品に戻りまして、ピアノ協奏曲23番の2楽章を時間まで聞きながら今回はお別れです。演奏はピアノがアルフレッド・ブレンデル、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団です。
ペルシアのホマーユンと釣り合うほどメランコリックで物思いに沈んだような名旋律がピアノで歌われます。曲自体はイ長調ですが、2楽章だけモーツァルトの作品としては珍しく「嬰ヘ短調」に転じます。この曲はシチリアーノのリズムで書かれていて、シチリアーノに特有の8分の6拍子というリズムはペルシア音楽にも多く、どこか通じるものがあります。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Piano Concerto No. 23 in A, K. 488: 2. Andante 6分50秒>

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2026年4月17日 (金)

ジュピター音型

「三つ子の魂百まで」を思い出させるエピソードです。モーツァルトは35年の短い生涯でしたが。1番の方は飯森範親指揮、山形交響楽団では見当たらないので、ネヴィル・マリナー指揮Academy of St Martin in the Fieldsの演奏です。1番や4番は今回初めて聞きました。(以下放送原稿を再度)

今回調べていて初めて知ったことがありまして、それは『ジュピター音型(ジュピター主題)』というものです。41曲あるモーツァルトの交響曲の最後の傑作が41番の通称「ジュピター」ですが、その終楽章の中で現れる音形が、8歳の時に書いたとされる1番の交響曲から既に現れていたということを初めて知って驚いた次第です。
1番の中では第2楽章の中間部に、E♭ - F - A♭ - Gという音形で登場しますが、これは彼のその後の作品のいくつかに登場し、特に最後の交響曲である第41番ハ長調 K. 551「ジュピター」の終楽章で有名になったため『ジュピター音型(ジュピター主題)』と呼ばれるようになったそうです。1番の2楽章は、この音型が初めて彼の交響曲に登場した例です。
41番ジュピターの終楽章は、高度で複雑なフガートの技法が用いられ、フーガの壮麗さに高校時分大変感動したのをよく覚えています。この楽章は通称「ジュピター音型」と呼ばれる「ド - レ - ファ - ミ」から始まる第1主題から始まります。モーツァルトがたいへん好んだモチーフで、1番のE♭ - F - A♭ - Gも「ド - レ - ファ - ミ」の音列を移調しただけで同じ旋律です。
では41番の4楽章と1番の2楽章を続けておかけします。ジュピターがカール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、交響曲1番は飯森範親指揮、山形交響楽団です。

<Symphony No. 41 in C Major, K. 551 "Jupiter" Molto allegro 6分27秒>

Mozart: Symphony No. 1 in E flat, K.16: 2. Andante

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2026年4月16日 (木)

ベートーヴェンのヨーデル

しかし、この曲には驚きました。中期の弦楽四重奏曲のラズモフスキーに当時のロシア民謡を取り込んだ例もありますが、これはほとんど素材そのままでは。(以下放送原稿を再度)

一曲だけドイツに戻りますが、ヨーデルに魅せられたベートーヴェンがヨーデルの曲を編曲したとあったベートーヴェン:WoO 158〜第8番という「23の各国の歌」の一曲も、音源が見つかりましたので、おかけしておきます。有名でないのは分かる感じですが、何よりベートーヴェンがこういう曲を書いていたということが大変な驚きです。

<23 Songs of Various Nationality, WoO 158a: 23 Songs of Various Nationality, WoO 158a: No. 8. Ih Mag Di Nit 3分52秒>

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2026年4月15日 (水)

Morteza Mahjubiのピアノ

ペルシアン・ピアノの巨匠モルタザー・マハジュビーの動画があればと思いましたが、この人は1900年生まれ1965年没ですので、さすがに見当たりませんでした。ケマンチェのアスガール・バハーリーやセタールとヴァイオリンのアボルハサン・サバーなど、ペルシア古典音楽の往年の大御所とほぼ同世代の人です。検索していて、DEATH IS NOT THE ENDというイギリスのレーベルから2022年にレコードが出ていたことを知りました。ゼアミでレコードは取り扱っていませんし、私物としてもこの年で更にレコードを増やすことは全く考えてないので、入れるつもりもありません。おそらくイランMahoor Institutなどから出ていた音源と同じかと思います。
今日はピアノの独奏を2つ上げておきますが、チャハールガーは不思議な旋律が耳に残るダストガーだと思います。大変素晴らしい演奏です。ダシュティは、有名なデイラーマンに代表されるようなノスタルジックな美しい旋律が特徴です。月曜にも書きましたが、彼の音源はCALTEXやTaranehなどの90年代アメリカ西岸のイラン音楽レーベルのCDをよく探せば、かなり伴奏で参加していました。それらはGolha のラジオ音源がほとんどでした。それにしても、カタカナ表記はモルテザ・マジュビやモルテザ・マジュービなど、まちまちです(笑)

以下にウィキペディアのプロフィールを和訳抜粋します。イランMahoor Institutのヴィンテージ音源でお馴染みのターヘルザーデ、ダルヴィーシュ・ハーンとも共演しています。
モルテザ・マジュービ (ペルシア語: مرتضى محجوبى ) は 1900 年にイランのテヘランで生まれた 。彼の父、アッバス・アリは、ナゼルとして知られ、ネイを演じた。彼の母親、ファフル・オ・サアダートがピアノを弾きました。マジュービの両親は、兄のレザーとともに彼をホセイン・ハン・アファリンのもとに送り、レザーにヴァイオリンを、モルテザにピアノを教えた。10歳のとき、モルテザはファルス・シネマでアレフ・カズヴィニの伴奏でコンサートを行った。その後数年間、彼はダルヴィッシュ・ハーン、セイエド・ホセイン・タヘルザデ、ホセイン・エスマイル・ザデなどの他の音楽家と共演した。

Persian-Tuned Piano - Morteza Mahjoobi - Chahargah

Morteza Mahjubi - Improvisations in Avaz Dashti

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2026年4月13日 (月)

ペルシャン・ピアノのホマーユン

ゼアミdeワールド509回目の放送、日曜夜10時にありました。15日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。新設のペルシア音楽ミニ・コーナーの音源から始めます。Morteza Mahjubiの読みですが、1980年に柘植元一氏のラジオで聞いた際に「モルタザー・マハジュビー」と確認しましたので、以後その読みにしております。この人は有名なゴルハーシリーズなどに往年の巨匠たちとの共演音源が沢山あります。

オーストリアの音楽の13回目です。モーツァルトの長調の2回目ですが、今回調べていて初めて知ったことがありまして、それは『ジュピター音型(ジュピター主題)』というものです。41曲あるモーツァルトの交響曲の最後の傑作が41番の通称「ジュピター」ですが、その終楽章の中で現れる音形が、8歳の時に書いたとされる1番の交響曲から既に現れていたということを初めて知って驚いた次第です。
1番の中では第2楽章の中間部に、E♭ - F - A♭ - Gという音形で登場しますが、これは彼のその後の作品のいくつかに登場し、特に最後の交響曲である第41番ハ長調 K. 551「ジュピター」の終楽章で有名になったため『ジュピター音型(ジュピター主題)』と呼ばれるようになったそうです。1番の2楽章は、この音型が初めて彼の交響曲に登場した例です。
41番ジュピターの終楽章は、高度で複雑なフガートの技法が用いられ、フーガの壮麗さに高校時分大変感動したのをよく覚えています。この楽章は通称「ジュピター音型」と呼ばれる「ド - レ - ファ - ミ」から始まる第1主題から始まります。モーツァルトがたいへん好んだモチーフで、1番のE♭ - F - A♭ - Gも「ド - レ - ファ - ミ」の音列を移調しただけで同じ旋律です。
では41番の4楽章と1番の2楽章を続けておかけします。ジュピターがカール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、交響曲1番は飯森範親指揮、山形交響楽団です。

<Symphony No. 41 in C Major, K. 551 "Jupiter" Molto allegro 6分27秒>
<交響曲 第 1番 変ホ長調, K. 16: 2. Andante 4分11秒>

一曲だけドイツに戻りますが、ヨーデルに魅せられたベートーヴェンがヨーデルの曲を編曲したとあったベートーヴェン:WoO 158〜第8番という「23の各国の歌」の一曲も、音源が見つかりましたので、おかけしておきます。有名でないのは分かる感じですが、ベートーヴェンがこういう曲を書いていたということが大変な驚きです。

<23 Songs of Various Nationality, WoO 158a: 23 Songs of Various Nationality, WoO 158a: No. 8. Ih Mag Di Nit 3分52秒>

504回目の放送でペルシア音楽を入れましたが、今後しばらくは番組の最後にイランの音楽を少し入れて終えたいと思います。今回は往年のペルシアン・ピアノの巨匠モルタザー・マハジュビーのダストガー・ホマーユンです。これまでに番組で1,2回はかけたと思います。微分音調律されたピアノの音は、サントゥールそっくりに聞こえます。この番組が始まった10年前にはイランの音楽から始めましたし、それ以来ずっと番組テーマ曲は仏オコラの「イラン ペルシアの音楽」のマーフールをかけてきました。最初は15分枠でイランには10回ほどしかかけてないので、まだまだ十分なわけでもありませんでした。モルタザー・マハジュビーの音源は1980年に藝大名誉教授の柘植元一さんの「世界の民族音楽」のFM放送で初めて聞いて衝撃を受け、2005年にイランMahoor Institutの音源を25年振りに見つけゼアミで入れて以来、ベストセラーだった一枚です。「ほまーゆん」というHNもマハジュビーやパリサーの演奏するダストガー・ホマーユン(ホマーユン旋法)から取っています。ホマーユンは短調のエキゾチックで美しい旋律が多いと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Morteza Mahjubi / The Art of the Piano  Dastgah-e Homayun 13分14秒>

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2026年4月10日 (金)

モーツァルトの数少ないレントラー K606

モーツァルトの作品の中間楽章に出て来る3拍子の曲は、メヌエットが多いと思いますが、メヌエットと言うのは本来フランス起源の宮廷舞曲です。何故オーストリアの作曲家が、お国ものの3拍子舞曲であるレントラーよりメヌエットを多く書いたのか不思議にも思いますが、これは17世紀後半から18世紀にかけて、メヌエットが宮廷の優雅な舞踊として流行していたという流れからでしょう。同じ3拍子でも、レントラーはヨーデルも時に交じるような、少し泥臭く田舎っぽいイメージを持っていると見て間違いないように思います。チロルからバイエルン辺りの農民の踊りヴェッラーからレントラーとワルツが生まれているので、ワルツは弟分になります。前に「美しく青きドナウ」の最初の有名な旋律の装飾音がヨーデルに似ていると指摘しましたが、ワルツも弟分だから十分にあり得ます。レントラーは、聞きながらチロルの山々などをイメージすると、ぴったりなように思います。今日の動画が番組でかけた音源です。ヨーデル入りの同じKV. 606: Ländlerもあったように思いますが、見失ってしまいました。

Ländler (KV. 606)

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2026年4月 9日 (木)

魔笛とヨーデル

モーツァルトのオペラ「魔笛」とヨーデルと言うのは、さすがに牽強付会に過ぎるのではと思いましたが、以下の事実を知って驚愕しました。まだまだクラシックの世界にも知らないことがあります。今日の映像はソプラノのDiana DamrauとThe Royal Operaです。「ヨーデル」という言葉が最初に登場した1796年は、モーツァルトが亡くなって5年後です。16世紀半ばの資料では、ヨーレ(jole)、またはヨーラ(jola)と呼ばれていたそうです。(以下放送原稿を再度)

更には、晩年の歌劇《魔笛》の中でヨーデルの要素が描写されているとWebマガジン「ONTOMO」の記事では述べられています。そう言えば難曲として知られる有名な「夜の女王のアリア」も、ヨーデルの影響あるいは応用ではと思いました。裏声に逃げない地声の範囲で超絶技巧を披露している曲です。
Webマガジン「ONTOMO」の記事によると、何と「ヨーデルという言葉が最初に登場したのは1796年で、最初にこの言葉を使ったのは、エマヌエル・シカネーダーでした。彼は、モーツァルトの歌劇《魔笛》の台本を書いた台本作家であるだけでなく、《魔笛》の初演ではパパゲーノ役で出演するなど、歌手や俳優として活動した人物です。」とありまして、大変驚いた次第です。

The Magic Flute – Queen of the Night aria (Mozart; Diana Damrau, The Royal Opera)

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2026年4月 8日 (水)

モーツァルトとヨーデル

モーツァルトの時代、アルプス地方の音楽は既に独自の民俗音楽として知られており、彼もそうした影響を受けていたと言われています。しかしモーツァルトとレントラーならともかく、ヨーデルとも関係があるとは知りませんでした。純粋な器楽のこともあれば、ヨーデルのような歌が混ざることもあることから、レントラーとヨーデルは近くにあったようですが、ヴェッラー(Weller)から発展したレントラーが元は農民の踊り、ヨーデルは山での遠くにいる仲間との信号ラッパのような役割を果たすことから、牧畜関係の伝統的な歌唱だったという違いはあると思います。
モーツァルトの特に初期の作品には、よく聞くと確かにヨーデルの音の動きが感じられる曲があり、番組でかけた10歳の時に書かれた交響曲第4番の第2、3楽章は、AI回答にあったようにヨーデルやバグパイプを思わせるような牧歌的な旋律にも聞こえました。歌劇《魔笛》など晩年近くの作品では、ストレートに出て来るのではなく、より高次でそれらの影響が昇華されているように思います。
今日は交響曲第4番の第2、3楽章だけはなさそうなので、全曲で上げておきます。2分25秒くらいからが2楽章と3楽章です。演奏はChristopher Hogwood指揮The Academy of Ancient Musicです。

Mozart: Symphony No. 4 in D major, K. 19 (Complete)

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2026年4月 6日 (月)

クラリネット協奏曲の第2楽章

ゼアミdeワールド508回目の放送、日曜夜10時にありました。8日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。

オーストリアの音楽の12回目です。モーツァルトの短調で3回続けましたが、今回は予定通りモーツァルトの長調作品です。ヨーデルやレントラー絡みの曲も見つかりました。

まず晩年のクラリネット協奏曲の第2楽章から始めます。AIでなかなか見事な回答が返ってきましたので、ほぼその通りで読み上げておきます。

この曲で思い出すのは、ジャン=リュック・ゴダール監督の映画『勝手にしやがれ』(1960年)の終盤で、ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)が逃走を諦め、虚無感の中で死を迎える印象的なシーンです。ここでモーツァルトの『クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 第2楽章』が美しく流れます。この音楽は、空虚な都会と青春の終わりを強調しています。
ミシェルが死を悟り、うつろな表情で最期を迎える場面で、虚無感や青春の閉塞感を、モーツァルトの穏やかで哀愁を帯びた旋律がより引き立て、突然のカットアウトで幕を閉じます。 この名シーンは、ゴダールの音響感覚が光る代表的なエピソードとして知られています。

学生時代はヌーヴェル・ヴァーグの映画にどっぷりだったので、今もそのシーンははっきり覚えています。私が80年代にLPで聞いたのは、クラリネットがジャック・ランスロだったと思いますが、カール・ライスターも素晴らしいので、その音源でおかけしておきます。カール・ライスター, アカデミー室内管弦楽団 & サー・ネヴィル・マリナーの演奏です。

<Clarinet Concerto in A, K. 622: II. Adagio 7分47秒>

モーツァルトのヨーデルやレントラーの影響についてもAIに聞いてみましたら、全く知らなかった作品が出てきました。まずその解説を読み上げます。

モーツァルトの音楽には、アルプス地方の民俗的なヨーデルの要素が反映されている場合があります。チロル地方に由来する、裏声(ファルセット)と地声(胸声)を素早く切り替える特徴的な歌唱法ヨーデルやメロディが、彼の舞曲や一部の交響曲の旋律に見られます。
具体的なヨーデルに関連する例は以下の通りです。
《レントラー(ドイツ舞曲)》(KV 606)や『5つのコントルダンス KV 609』などの舞曲には、チロル風のヨーデルの旋律的要素が組み込まれていると指摘されています。
初期交響曲(例えば交響曲第4番など)の一部では、第2・3楽章にヨーデルやバグパイプを思わせるような牧歌的な旋律が含まれている場合があります。
モーツァルトの時代、アルプス地方の音楽はすでに独自の民俗音楽として知られており、彼もそうした影響を受けていたと言われています。

このように出てきました。交響曲4番は聞いたこともなかった作品でした。更には
晩年の歌劇《魔笛》の中でヨーデルの要素が描写されているとWebマガジン「ONTOMO」の記事では述べられています。
とありまして、そう言えば難曲として知られる有名な「夜の女王のアリア」も、ヨーデルの影響あるいは応用ではと思いました。裏声に逃げない地声の範囲で超絶技巧を披露している曲です。

それでは、先ほど引用されていた《レントラー(ドイツ舞曲)》(KV 606)と「夜の女王のアリア」を続けておかけします。先ほどのWebマガジン「ONTOMO」の記事によると、何と「ヨーデルという言葉が最初に登場したのは1796年で、最初にこの言葉を使ったのは、エマヌエル・シカネーダーでした。彼は、モーツァルトの歌劇《魔笛》の台本を書いた台本作家であるだけでなく、《魔笛》の初演ではパパゲーノ役で出演するなど、歌手や俳優として活動した人物です。」とありまして、大変驚いた次第です。
レントラーがウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団 & パウル・アンゲラー、「魔笛」の方は、ソプラノのシルビア・ゲスティとオトマール・スウィトナー指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の演奏です。

<KV. 606: Ländler 4分40秒>
<Die Zauberflöte, K. 620, Act II: Der Hölle Rache 2分47秒>

この後は先ほど引用されていた、モーツァルトが僅か10歳の時に書いた交響曲4番の2楽章と3楽章を時間まで聞きながら今回はお別れです。演奏は飯森範親指揮、山形交響楽団です。次回は、一曲だけドイツに戻りますが、ヨーデルに魅せられたベートーヴェンがヨーデルの曲を編曲したとあったベートーヴェン:WoO 158〜第8番という「23の各国の歌」の一曲も、音源が見つかったらおかけしたいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<交響曲 第 4番 ニ長調, K. 19: 2. Andante 4分11秒>
<交響曲 第 4番 ニ長調, K. 19: 3. Presto 2分59秒>

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2026年4月 3日 (金)

ピアノ協奏曲20番とレクイエムのラクリモーサ

グルダのピアノ協奏曲20番は全曲でありました。番組では全曲はかけられないので1楽章だけでした。グルダの後でクララ・ハスキルで聞いて、やっぱりハスキルがベストとは思いましたが、80年に最初に聞いたグルダの演奏も忘れられません。クイケンのレクイエムも全曲ありました。この盤が2003年に出た後でドビュッシー・カルテットもレクイエムを2008年に出していたようですが、私は未聴でした。しかし歌無しのレクイエム、最初何か不思議でした。番組とは逆にピアノ協奏曲20番を先に入れておきます。(以下放送原稿を再度)

モーツァルトの短調シリーズの最後にピアノ協奏曲20番の1楽章を時間まで聞きながら今回はお別れです。1楽章だけで15分余りありますので、ちょうど放送時間に収まるかどうかという感じです。この曲も80年前後に聞いたフリードリヒ・グルダの名盤をおかけしておきます。モーツァルトのピアノ協奏曲は全部で27曲ありまして、特に20番台は名作揃いですが、1曲と言われればやはり20番を選びます。これほど美しく哀しいピアノ協奏曲はないと思います。2楽章のロマンツェも有名で、映画「アマデウス」ではエンディングに使われています。

Mozart: Piano Concertos No.20 -Friedrich Gulda

前回ワルターでかけたレクイエムですが、弦楽四重奏編曲で演奏した音源がありますので、時間の都合でレクイエムとキリエは外してラクリモーサだけおかけしておきます。演奏はバロック・ヴァイオリンの名手シギスヴァルト・クイケン率いるクイケン・カルテットです。
最晩年の絶筆になったレクイエムK626の8曲目「ラクリモーサ(涙の日)」の作曲途中でモーツァルトは亡くなり、弟子のジュスマイヤーが14曲目まで完成させていますが、ラクリモーサはモーツァルトが最後の最後に書いていたという話もありますし、この曲自体がレクイエムを象徴する素晴らしい音楽だと思います。

<Mozart/Lichtenthal: Requiem In D Minor - Lacrimosa 3分51秒>

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2026年4月 2日 (木)

ガボール・タカーチ=ナジ指揮ヴァインベルガー室内管弦楽団の25番

交響曲25番全曲の演奏で、これは素晴らしいと思った演奏を上げておきます。ブルーノ・ワルターの速いテンポに驚いていましたが、かなり近い速さです。動画のサムネイルではファゴットだけ見えますが、ホルン以外の木管楽器が後ろで立奏するのは、当時の演奏図を再現しているものかも知れません。木管楽器陣が立って演奏している図は、管楽セレナーデハ短調のLPのジャケットを思い出させます。野外で丸くなって演奏している図でした。弦楽器の並びも、左からファーストヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、セカンドヴァイオリンで、これも現在は余り見られない並びです。モーツァルトの頃はこういうスタイルで演奏していたのでしょうか。
ガボール・タカーチ=ナジ(Gábor Takács-Nagy)が指揮するヴァインベルガー室内管弦楽団(Weinberger Chamber Orchestra)は、緊密なアンサンブルと熱い表現で知られ、特にモーツァルトの交響曲第25番などの演奏が高く評価されており、スイスのチューリッヒを拠点に活発な演奏活動を展開する室内オーケストラとAI回答にありました。

Mozart: Symphony No. 25 in G minor -- Takács-Nagy, Weinberger Chamber Orchestra

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2026年4月 1日 (水)

交響曲25番全曲 ブルーノ・ワルター&コロンビアSO

月曜は映画「アマデウス」の音源を上げましたが、今日は番組でかけたブルーノ・ワルターの1954年の録音を入れておきます。モーツァルトの交響曲25番全曲です。この1楽章のことでしょうか、よく「疾走する悲しみ」と形容されるように思いますが、小林秀雄が「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。」と言及していたのは、弦楽五重奏曲4番ト短調の出だしを指しているようです。
このYouTubeではさほど気になりませんが、オルフェオ音源でテンポがかなり速いのはともかく、テンポが不自然に揺れてフレーズが寸詰まりになっているところがあったので、マスタリングのミスか、サブスクに上がった音源自体の問題なのではと思います。
1楽章はファーストヴァイオリンとチェロの両方を弾いたことがありますが、ファーストが強烈なシンコペーション、チェロがそのままの4分音符なので、こういう音響が生まれるように思います。似たフレーズをパートごとに少しずつずらしたりというのは、やはり両パート弾いたアイネクライネナハトムジークでもありまして、ファーストに慣れてしまうとチェロが最初弾き難く感じたことがありました。短調の交響曲は41曲中、40番とこの25番のみ。しかし、本当に17歳の少年が書いたとは思えない曲です。

Mozart: Symphony No. 25, Walter & ColumbiaSO (1954) モーツァルト 交響曲第25番 ワルター

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