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2026年6月

2026年6月29日 (月)

ヨーデル王(Jodlerkönig)フランツル・ラング

ゼアミdeワールド520回目の放送、日曜夜10時にありました。1日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。ヨーデルの名の元に、スイスに入っているのにドイツやオーストリア、日本の歌手が多くなっています。スイスもオシュス・ディー・ドリッテン以外にも探してみます。今日の「アッペンツェルのヨーデル」のタイトルで思い出すのは、ユネスコ盤の現地録音。2回先を予定しております。

スイスの3回目になります。前回は日独のヨーデル歌手として北川桜さん、石井健雄さん、バイエルンのフランツル・ラング(Franzl Lang)の歌声をおかけしましたが、「ヨーデル王」とも呼ばれたビッグネームのフランツル・ラングが2曲だけで終わりましたので、彼の他の曲もおかけしたいと思います。まずは前回フェイドアウトで終わった「アッペンツェルのヨーデル」から始め、もう一曲続けておかけします。先日シューベルトやブルックナーの時に参考にした「ヨーデル:ベートーヴェンやシューベルトも魅了したアルプスのチロル地方の歌唱」のサイトで引用されていた2曲です。

Wenn ich verliebt bin, muß ich jodeln - 50 große Erfolge
<Der Appenzeller Jodler アッペンツェルのヨーデル 2分30秒>

<Der Jodelwirt vom Alpenblick アルペンブリックのヨーデルを歌う宿屋の主人 2分28秒>

プロフィールを繰り返しておきますが、フランツル・ラングは、1930年生まれ2015年没の、ドイツ南部バイエルン州ミュンヘン出身のヨーデル歌手、ギター奏者、アコーディオン奏者で、ヨーデル王またはヨーデルキング(独: Jodlerkönig, 英: Yodelking)の別名でも知られています。主にバイエルン方言のドイツ語でヨーデルを歌っています。
フランツル・ラングも石井健雄さんも、欲を言えば、打ち込みやポップアレンジ無しの、民族楽器だけの伴奏のヨーデルを聞きたいのですが、そういう音源は割と少ないようです。

前回石井健雄さんの歌唱でかけたBergvagabundenという曲は、オーストリアの時に「山のさすらい」としてかけた曲と同じで、「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」のシュタットルマイアとグリーサーのヨーデル掛け合いが大変美しく、「ヨハン大公のヨーデル」のある瞬間と並んで、ヨーデルで最も美しい部分ではないかとさえ思います。この曲がフランツル・ラングでも見つかりましたので、おかけしたいと思います。間奏の掛け合い部分は、本人の歌唱の多重録音だと思います。この曲はチロルからバイエルンにかけて山男たちに愛唱されている民謡で、サブスクデータの中ではありますが、シングルカットされているようです。

Bergvagabunden - Single
<Bergvagabunden 2分49秒>

Jodlerkönig(ヨードラーケーニヒ 「ヨーデル王」の意味)という、彼がギターを逆さに抱えた音源は、ちょっと怪しげなブートレグのような録音が多そうですが、その中からDer Jodelnde Milchmann(ヨーデルを歌う牛乳配達人)とJodlerballという2曲を入れておきます。最初の曲の冒頭は、大変よく聞くヨーデルの曲だと思います。確か「焼肉食べ放題」のCMに使われていました。

Jodlerkönig
<Der Jodelnde Milchmann 2分49秒>
<Jodlerball 2分38秒>

先ほど「民族楽器だけの伴奏のヨーデルを聞きたい」と言いましたが、1960年リリースのBeim Jodelwirt (Mono Version) - EPというモノラル音源の4曲は、割とそれに近いオールドスタイルの演奏でした。伴奏はアルプス音楽としては十分に民族的と言える小編成のブラスバンドが多めです。1曲目のDer Jodelwirt vom Alpenblickは今日の1曲目と同じ曲です。2曲目がEin Berchtesgadener Dirndl und ein Reichenhaller Bua(ベルヒテスガーデンの女の子とライヘンハルの男の子)、3曲目Ein Herzerl aus Bayern und eins aus Tirol(バイエルン産のハートとチロル産のハート)、4曲目A Busserl über'n Gartenzaun(庭の柵越しにキス)、4曲続けておかけします。これらの曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。次回は石井健雄さんの若い頃の素晴らしい歌声を中心に聞いてみます。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

Beim Jodelwirt (Mono Version) - EP
<Der Jodelwirt vom Alpenblick (feat. Blaskapelle Otto Ebner & Kapelle Wendlinger) 2分27秒>
<Ein Berchtesgadener Dirndl und ein Reichenhaller Bua (feat. Blaskapelle Otto Ebner & Kapelle Wendlinger) 2分40秒>
<Ein Herzerl aus Bayern und eins aus Tirol (feat. Tanzorchester des Bayerischen Rundfunks & Herbert Beckh) 2分54秒>
<A Busserl über'n Gartenzaun (feat. Tanzorchester des Bayerischen Rundfunks & Herbert Beckh) 2分37秒>

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2026年6月26日 (金)

ヨーデル・デュオGasser - Stadlmayrのベルクヴァガブンデン

ベルクヴァガブンデン(山のさすらい)の古い音源が見つかりました。今週かけた中では一番の名曲だと思いますので、この動画が見つかって満足しております。ビデオデータに歌詞の英訳含め以下の記述がありまして、Jodlerduo Gasser - Stadlmayrの歌唱、作曲はHans Kolesa (1908 - 1981)、作詞はErich Hartinger、録音は195X(1950年代)ということも分かりました。番組でかけた音源はシュタットルマイアとグリーサーでしたが、シュタットルマイアの相方がGasserという人に変わっているようです。シュタットルマイアとグリーサーの録音より古いと思います。歌唱はどちらも素晴らしいですが、Gasserという人は女性かと思うほどの高い声です。
グリーサーについても調べましたが、Max Griesserで検索するとSSのところがエスツェット(ß)になった表記で音源が出てきて、いくつか聞いてみましたが、チロル~バイエルンの歌謡曲のような歌がほとんどで、ヨーデルは確認出来ませんでした。この人は歌手よりも主にバイエルンの民俗俳優として活動していたようです。出てきた音源は彼が出演したテレビやラジオ番組の主題歌とかかも知れません。それと彼の出身地はクーフシュタインでした。(1928年Kufstein生まれ2000年没)
シュタットルマイアについては、1960年代から1970年代にかけて活躍したオーストリアの伝統音楽家・アコーディオン奏者で、自身の楽団(Max Stadlmayr Und Sein Ensemble)を率いて活動し、主にチロル地方の民謡やドイツ・オーストリアの歌謡曲(シュラーガー)、ポルカなどを演奏した、というデータだけ分かりました。高い声のパートはどちらかの相方で、音楽的リーダーはシュタットルマイアだと思われます。

Bergvagabunden (Wenn wir erklimmen...) – ドイツの登山とハイキングの歌 [英語字幕]

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2026年6月25日 (木)

「クーフシュタインの歌」をフランツル・ラングとシュタットルマイアで

ベルクヴァガブンデンで絶妙なヨーデル二重唱を聞かせたシュタットルマイアとグリーサについても大分分かってきました。また後日音源を探して上げようかと思います。彼らは1920年代後半生まれで「ヨーデル王」フランツル・ラングとほぼ同世代と言っていい位でした。シュタットルマイアがシュランメルでよく使われる2本棹のコントラギターを抱えたジャケットを見かけました。今日の「クーフシュタインの歌」のベース音もコントラギターでは? この曲も「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」のシュタットルマイアの歌唱も2本目に上げておきます。やはり間奏のヨーデルが素晴らしいです。(以下放送原稿を再度)

ドイツのバイエルン州出身のヨーデル歌手フランツル・ラング(Franzl Lang)の歌声をおかけします。ヨーデル王またはヨーデルキング(独: Jodlerkönig, 英: Yodelking)の別名でも知られている人で、主にバイエルン方言のヨーデルを歌っています。
1968年、オーストリアのカール・ガンツァーが1947年に作曲した「クーフシュタインの歌」(Das Kufsteiner Lied:クーフシュタインリート)は、彼の生涯で最大のヒット曲になり、この曲はラング自身のヒット曲のみならず、ドイツ・オーストリア民族音楽界の定番曲となったそうです。この曲も「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」にありましたので、続けておかけします。イン川がオーストリアのチロルからドイツに入るところにある国境の町クーフシュタインの故郷讃歌ですが、美しいメロディなので地元以外でも広く愛唱されています。男性の名歌手マックス・シュタットルマイアの歌唱です。

Das Kufsteiner Lied - Franzl Lang

アルペン・ヨーデル "クーフシュタインの歌"  ALPINE/YODEL "KUFSTEINERLIED"

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2026年6月24日 (水)

Bergvagabunden(山のさすらい)

ベルクヴァガブンデンとは、ベルク(山)とヴァガボンドが一緒になった単語だとすぐ分かります。この曲と「美しのチロル」の2曲は、「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」の中で、絶美のアルバムタイトル曲以外では、男性ヨーデルの最高傑作だと思いました。今日2本目に上げるシュタットルマイアとグリーサーの間奏部分のヨーデル掛け合いが大変に美しいです。この独特な声色は、現地民の名人以外には無理ではとさえ思います。フランツル・ラングと石井健雄さんの歌唱もありましたが、どちらもそれぞれの多重録音だと思います。今日の一本目が石井健雄さんの歌唱で、番組でかけたのと同じ音源です。名唱を残したシュタットルマイアとグリーサーのプロフィールが大変気になっています。(以下放送原稿を再度)

Happy Yodeling - Ein Jodler zieht hinaus in die Weltの2曲目のBergvagabundenという曲は、オーストリアの時に「山のさすらい」としてかけた曲と同じでした。その曲を次に入れておきます。「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」に入っていた歌唱ですが、チロルからバイエルンにかけて山男たちに愛唱されている民謡で、目もくらむような岸壁をよじ登り、頂上に立つときの感激を歌っています。シュタットルマイアとグリーサーのヨーデル掛け合いです。他にもスイスとオーストリアでレントラーに同じ音源がありました。その古いスイスの録音を取り上げる際に並べてかけようと思います。

Takeo Ischi - Bergvagabunden (Offizielles Musikvideo)

アルペン・ヨーデル "山のさすらい" ALPINE/YODEL "BERGVAGABUNDEN"

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2026年6月22日 (月)

日独のヨーデル歌手

ゼアミdeワールド519回目の放送、日曜夜10時にありました。24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。まず北川桜さんの長い映像を1本上げておきます。24分位から「ヨーデルは歌いチターは流れる」が出てきます。

スイスの2回目になります。今回は何人かヨーデル歌手を聞いていきたいと思いますが、まず日本人の歌手から始めます。

北川桜さんは日本人で初のプロ・ヨーデル女性歌手で、本場スイスでの初CD、Es Fascht fur mis Harzを20年近く前にご本人から委託で預かっています。

プロフィールをオフィシャルサイトから引用します。
国立音楽大学声楽科(ソプラノ)卒業で二期会オペラ会員。数多くのオペラ・オペレッタ・ミュージカルに出演をしながら、1992年より ヨーデルを中心とした ドイツ、スイス、オーストリアの民族音楽を勉強するために現地へ留学。
スイスヨーデルをマリーテレーズ・フォン・グンテンに、ドイツヨーデルを インゲ・フォッファー、マリア・ヘルビック、オットー・ピアサック、チロルヨーデルをアンニ・イエーガーの各氏に師事。1994年にヨーデルを中心としたアルプスの音楽隊「ヨーデル北川桜とエーデルワイスムジカンテン」を結成。

先ほどの盤ではなくネットに出ている「元気になる - EP」から2曲おかけします。Jodlerin Sakura Kitagawa und die Edelweißmusikantenの演奏です。

<ヨーデルの女王 3分28秒>
<ヨーデルは歌いチターは流れる 2分15秒>

アートにエールを!ステージ型 ヨーデル北川桜とエーデルワイスムジカンテン「アルプスのクリスマスコンサート」

南ドイツバイエルン地方で活躍する日本人ヨーデル歌手、石井健雄さんの音源も今回入れておきます。プロフィールをウィキペディアから引用します。

機械工学を学ぶ余暇にツィターやハックブレットに夢中になり、東京でこの楽器を教わった。フランツル・ラングのヨーデルのレコードから自力でヨーデルを学んだ。
1973年26歳のとき、ドイツで機械工学を学びたいと両親に直談判し半年間の予定でドイツ・バイエルンに渡る。はじめ、誰も彼の歌声に耳を傾けることは無かったが、たまたま旅行先のスイス・チューリヒの酒場に誘われたときに披露したヨーデルが評価され、地元メディアでも評価された。そのまま日本に帰国することなくヨーデル歌手として活躍した。6年後、ドイツの国民的人気歌手であるマリア・ヘルヴィックの目に留まり、自ら司会を務める番組に招待した。これを機にラジオやテレビにも数多く出演するようになった。それからはマリア・ヘルヴィヒのライトインウィンクルにあるカフェレストラン『Zum Kuhstall(”牛舎で”の意。牛舎を改装したもの)』の専属歌手になった。1981年、そこで後に妻となる16歳年下のヘンリエッテと出会った。3年後、 彼女を連れて日本に帰国、温泉で得意のヨーデルでプロポーズした。1985年に結婚、4人の息子に恵まれた。

Happy Yodeling - Ein Jodler zieht hinaus in die Weltから2曲続けておかけします。

<Einen Jodler hör ich gern 私はヨーデルを聴くのが好きです。 2分15秒>
<Bergvagabunden 2分37秒>

2曲目のBergvagabundenという曲は、オーストリアの時に「山のさすらい」としてかけた曲と同じでした。その曲を次に入れておきます。「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」に入っていた歌唱ですが、チロルからバイエルンにかけて山男たちに愛唱されている民謡で、目もくらむような岸壁をよじ登り、頂上に立つときの感激を歌っています。シュタットルマイアとグリーサーのヨーデル掛け合いです。他にもスイスとオーストリアでレントラーに同じ音源がありました。その古いスイスの録音を取り上げる際に並べてかけようと思います。

<山のさすらい 2分39秒>

最後に石井健雄さんが最初に影響を受けたというドイツのバイエルン州出身のヨーデル歌手フランツル・ラング(Franzl Lang)の歌声をおかけします。ヨーデル王またはヨーデルキング(独: Jodlerkönig, 英: Yodelking)の別名でも知られている人で、主にバイエルン方言のヨーデルを歌っています。
1968年、オーストリアのカール・ガンツァーが1947年に作曲した「クーフシュタインの歌」(Das Kufsteiner Lied:クーフシュタインリート)は、彼の生涯で最大のヒット曲になり、この曲はラング自身のヒット曲のみならず、ドイツ・オーストリア民族音楽界の定番曲となったそうです。この曲も「ヨハン大公のヨーデル~ベスト・オブ・ヨーデル」にありましたので、続けておかけします。イン川がオーストリアのチロルからドイツに入るところにある国境の町クーフシュタインの故郷讃歌ですが、美しいメロディなので地元以外でも広く愛唱されています。男性の名歌手マックス・シュタットルマイアの歌唱です。
その後はフランツル・ラングのDer Appenzeller Jodler(アッペンツェルのヨーデル)を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Ernte 2023 ~Das Kufsteiner Lied (Die Perle Tirols) 3分31秒>
<クーフシュタインの歌 2分30秒>
<Wenn ich verliebt bin, muß ich jodeln - 50 große Erfolge ~Der Appenzeller Jodler アッペンツェルのヨーデル 2分30秒>

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2026年6月19日 (金)

オシュス・ディー・ドリッテンのライブ

色々見ていてメラニー・オシュが二児のママになっているというコメントを見かけました。大変めでたい話で、しかも音楽活動と両立させているそうです。この最高のヨーデル・ファミリーの益々の活躍を祈念して、何本かライブ映像を上げておきます。オシュス・ディー・ドリッテンだけで一週間通すのは今回だけですが、先でも何曲かお気に入りの曲で上げると思います。1本目は番組でかけたIch schenk' dir einen Jodlerから始まります。10年位前でしょうか。2本目も番組でかけたVolksmusik ist internationalで15年以上前。3本目は16年前でアルペンホルンとの珍しい共演。4本目は5年くらい前の家庭内?ライブ。コロナの頃でしょうか。5本目もIch schenk' dir einen Jodlerで11年くらい前の映像です。類似の動画にセントバーナードが出てきて、犬猫好きとしてそれを探していましたが見つからず。そっくりの舞台で、こちらも歌唱は最高です。グループ名の発音は、ほとんどエシュ・ディー・ドゥリッンと聞こえます。

スイスのヨーデル・クイーンが歌うヨーデル・メドレー

Oesch's die Dritten - Volksmusik ist international

Melanie Oesch yodels, Lisa Stoll plays the Alpine Horn, great medley of songs.

Oesch's die Dritten - LIVE STREAM Stuben-Konzert-Reupload

Oesch's die Dritten - Jodelmedley

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2026年6月18日 (木)

Ku-Ku-Jodel

番組で言ったことの繰り返しになりますが、"Ku-Ku-Jodel" が2008年10月「Die grössten Schweizer Hits 2008」の「Heimat&Fernweh」部門で優勝し、5部門の勝者による決勝に進出、このヨーデルはスイスのシングルチャートにも乗った、とウィキペディアにありました。彼らのナンバーワンヒットのようです。カッコーの声を模したと思われるこの曲は、訳する必要はないと思って訳文は載せませんでした。今日はメラニー・オシュがまだ若い頃の歌唱で上げておきます。

メラニー・オシュのプロフィールを多分一番情報量が多いだろうと思われるドイツのウィキペディアで見てみました。
オシュス・ディー・ドリッテン(Oesch’s die Dritten「オシュ家の3世代」の意味)のリードシンガーであり、ヨーデル歌手でもある。ベルン州トゥーン近郊で育ち、トゥーンの音楽高校に通った。5歳で初舞台を踏んだ。2008年には「トゥーン年間最優秀住民2007」に選出された。同年公開の映画『ヴォルフガング湖畔のミュージックホテル』ではメラニー役を演じた。2022年には、スイスの音楽交流コンサート『シング・マイ・ソング~スイス・エクスチェンジ・コンサート』の第3シーズンに出演した。作家としても活動しており、イラストレーターのクリスティーナ・ヴァルトと共著で児童書を2冊出版している。

彼らの演奏を聞いていて、とにかく明るくて楽しい素晴らしいステージなのですが、心配なのが4世代目はあるのだろうかということです。今年で39歳のメラニー・オシュはもう若いとは言いにくい年齢になっていて、常に家族で活動していて結婚したという情報がないし、お子さんが生まれてもヨーデルをこれほど見事に歌えるかどうか分かりませんし、お父さんは70歳に近づいているので、いつまでも演奏できるんだろうかとか、彼の弾いているスイス・アコーディオン (Schwyzerörgeli)は、次世代の奏者が出て来るんだろうかとか、そして何よりも一番負担がかかっているだろうメラニー・オシュのヨーデルが、喉の不調などで歌えなくなったらどうするのかとか、要らぬ心配かも知れませんが色々と考えてしまいます。

Oesch's die Dritten - Ku-Ku-Jodel

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2026年6月17日 (水)

3つの「ヨハン大公のヨーデル」

オーストリアの時に上げた動画ですが、ミュンヘン、スイス、オーストリア出身の3人の女性ヨーデル歌手Angela Wiedl, Melanie Oesch, Herlinde Lindnerが、この順番でシュタイアーマルク州の名歌「ヨハン大公のヨーデル」を歌っていて、国によっての歌唱スタイルの違いも分かる映像です。皆さんは誰の歌唱がお好きでしょうか? 私は南ドイツはバイエルンの州都ミュンヘン出身のAngela Wiedlの情感たっぷりな歌唱が、バイエルンの歌い手ですが、この曲に合っているように思いました。Herlinde Lindnerは、オーストリアのどこの出身か知りたいものです。どこかでリンツとちらっと見た気がしますが、それなら国の北部ですから、同じオーストリアでも「お国もの」とは言えないのかも知れません。2番手のオシュス・ディー・ドリッテンのリードヴォーカルMelanie Oeschのテクニックは凄いのですが、この時はまだ23歳頃という若さが歌唱に出ていると思います。

Angela Wiedl,Melanie Oesch,Herlinde Lindner-Erzherzog Johann Jodler/Zillertaler Bravourjodler

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2026年6月15日 (月)

スイスはOesch’s die Drittenから

ゼアミdeワールド518回目の放送、日曜夜10時にありました。17日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は最初に見たJodeln ist coolのみ上げておきます。Oesch’s die Drittenは「スイスのアイコン」とも呼ばれているようです。

今回から予定通りスイスの音楽を巡っていきたいと思います。スイスについては、永世中立国というのがまず一番有名だと思いますが、言葉がドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つが使われていることも、ある程度は知られていると思います。スイスの地名で言えば、ドイツ語系にはバーゼル、ルツェルン、ベルン、チューリヒなどが入り、フランス語系はジュネーヴ、ローザンヌ、モントルーなどはすぐにフランス語と分かるかと思います。イタリア語や同じロマンス語系のロマンシュ語の地域は、それぞれアルプス山中のスイス南部と南東部なので、ドイツ語圏とフランス語圏程は知られていない地域かと思います。スイスは、ドイツ語ではSchweiz(シュヴァイツ)、フランス語ではSuisse(スュイス)、イタリア語ではSvizzera(ズヴィッツェラ)、ロマンシュ語でSvizra(ズヴィーツラ)、ラテン語でHelvetia(ヘルヴェーツィア)と国名の呼び方も違っています。

スイスの伝統音楽と言えば、まずヨーデルとアルペンホルンなどをイメージすると思いますが、オーストリアの時に触れましたように、ヨーデルと言う声楽の技巧は、ドイツ語圏のみに見られるというのが面白いと思います。何故フランス語圏やイタリア語圏には広まらなかったのか、解明できればしてみたいと思います。

今回はオーストリアの時に色々なヨーデルを聞いていて偶然見つけたオシュス・ディー・ドリッテン(ドイツ語: Oesch’s die Dritten)の特集にします。ドリッテンは、余り母音を明瞭に発音しない方が感じが出ると思います。オシュス・ディー・ドリッテンとは「オシュ家の3世代」の意味です。彼らのような大衆音楽化した例を先に聞いておいて、ユネスコの現地録音のヨーデルを後で取り上げる予定です。
リードヴォーカルのメラニー・オシュの余りに鮮やかなヨーデルの技巧を聞いて、唸るやら思わず笑ってしまうやらで(笑)、とにかくびっくりしました。何より伝統的な歌唱技術が大衆音楽として生き続けていて、凄いことだと思います。こういうドイツ語圏の音楽というのは、日本にはCDなどはほとんど入ってきてないのではと思います。

2015年にリリースされているヨーデルベスト20曲選から最初の3曲を続けておかけします。1曲目の"Ku-Ku-Jodel" が2008年10月「Die grössten Schweizer Hits 2008」の「Heimat&Fernweh」部門で優勝し、5部門の勝者による決勝に進出、このヨーデルはスイスのシングルチャートにも乗った、とウィキペディアにありました。彼らのナンバーワンヒットのようです。

Oesch's die Dritten / Unsere 20 schönsten Jodler
<Ku-Ku Jodel 2分30秒>
<Wir sind eine Jodelfamilie 私たちはヨーデルファミリー 3分1秒>
<Ich schenk' dir einen Jodler ヨーデルを歌ってあげるよ 3分8秒>

次にかける4曲目のJodeln ist cool(ヨーデルはかっこいい)を、たまたまYouTubeで見かけまして、母娘の楽しいかけあいの後、最後のヨーデルの技が出た時は、思わず笑ってしまうと同時に拍手しました(笑) 人を笑顔にする音楽の筆頭かも知れません。短調のメロディが見当たらず、明るい長調のみ。このメンタルの強さは永世中立国だからでしょうか?
次のグリュックス・ヨードラーという曲などは、どこかハワイアンに似て聞こえます。アメリカのカントリーなどにもヨーデルの技が入っていますが、あれはスイスかオーストリアのドイツ系の移民が伝えたようです。ハワイにも似た歌唱法がありますが、同じアメリカですから、ハワイアンにも入って行ったのでしょうか?
その次のVolksmusik ist internationalもよく聞く曲です。「フォークミュージックは国際的なもの」と歌われますが、最近は各国固有のフォークミュージック(民謡、民族音楽)が各国においてほとんどないがしろにされ、音楽が均一化してきているように思えてなりません。スイスの音楽状況が羨ましく思います。以下のようにウィキペディアにありました。
スイスでは現在でもこどもから大人まで多くのヨーデル人口を有し、連邦ヨーデル連盟という団体が伝統を守り育てていくことに大きく貢献している。次々と新しい曲が作曲されるなど、発展を続けている現在進行形の民俗音楽といえる。2025年、スイスのヨーデルはユネスコの無形文化遺産に登録された。

<Jodeln ist cool ヨーデルはかっこいい 3分22秒>

<Glücks-Jodler ハッピーヨーデル 3分1秒>
<Volksmusik ist international フォークミュージックは国際的なもの 2分54秒>

それでは2013年に出たライブ盤から、Jodeln ist cool (Live)とJetzt wei mir eis jödele* / 7000 Rinder** (Live)、Ein Wiederseh'n (Live)(再結成の意味?)の3曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。2曲目は究極の超絶歌唱のように思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Jodeln ist cool (Live) 3分53秒>
<Jetzt wei mir eis jödele* / 7000 Rinder** (Live) 4分2秒>
<Ein Wiederseh'n (Live) 3分位>

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2026年6月12日 (金)

タールの話

タール奏者のオマール・シェリフについて、大体想像していた通りですが、Omar SherifでYouTube検索して出て来るのは、俳優のオマー・シャリフ関連がほとんどでした。私も47年前にユネスコ盤LPを初めて聞いた時に、オマー・シャリフにそっくりの名前だなと思ったものです。映画「アラビアのロレンス」や「ドクトル・ジバゴ」で有名な俳優で、当時は映画を見てから数年でしたからよく覚えていました。更にイランMahoor Institutのコンピレーション盤「タールの一世紀」にはオマール・シェリフの演奏が入っていたと思います、と番組で言いましたが、勘違いで入ってなかったです。ということはオマール・シェリフの演奏を聞いたのは、ユネスコ盤LPのみということになります。仕方ないので、セガー旋法のタール演奏で検索したら、今度はほとんどがアゼルバイジャンのムガームのタール演奏動画でした。ペルシア文字で絞り込めば何かあるかも知れませんが、とりあえずほとんど唯一出てきたセガー旋法のタール独奏を上げておきます。Reza Mazandaraniという人の演奏です。イラン北部カスピ海沿岸のマザンダラン出身でしょうか。「微分音程を含んだセガー旋法らしいこの演奏はとてもエキゾチックで、先ほどと同じでホセイン・テヘラーニのトンバクが入ってくるところに、ぞぞぞっと来るような興奮を覚え、特に耳を惹きつけられました」とオマール・シェリフの演奏を形容しましたが、ここでは独奏のみです。動画ではありませんが、2本目はオコラの「イラン ペルシアの音楽」にも出ていた往年の名人Jalil Shahnazの演奏です。
以下よく知られたことだとは思いますが、タールという弦楽器について一言書いておきます。綴りはTarとなっていて、これはギターGuitarの綴りにも入っています。英語的に容易に想像がつくGuiterと綴らない理由は、ここにあります。ギターのルーツ楽器はイスラム王朝時代の中世スペインに生まれていますが、そのルーツはアラブの弦楽器で、更にそのルーツを辿ればペルシアのTar(「弦」の意味)に行きつきます。反対にシルクロードを東に伝わって、イランのSetar(「3本の弦」の意味ですが現在は4本)がインドのシタールのルーツになり、中国では三弦になり、それが日本に渡って沖縄の三線と日本の三味線になっています。日本の琵琶や西洋のリュートのルーツも、アラブのウードと更にその祖に当たるペルシアのバルバットにあるというのも有名な話です。序にヴァイオリンなど擦弦楽器も、中央アジア~中東がルーツのようです。

Reza Mazandarani . Tar . Segah

Classical music from Iran - Great masters of the tar - Jalil Shahnaz

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2026年6月11日 (木)

アスガール・バハーリーのケマンチェ

アスガール・バハーリーについては、ユネスコ盤と同じ音源はなさそうです。ペルシア語で検索すると色々出てきますが、ちょうどエスファハーン旋法でアーヴァーズの伴奏をしているおそらく晩年の映像と、若い頃のシャジャリアンが出て来るモノクロ映像の2本を上げておきます。出来ればホセイン・テヘラーニとのデュオを聞きたかったですが。(以下放送原稿を再度)

この後は小泉さんのNHKFMの「世界の民族音楽」を夢中に聞いていた頃の1979年に今治のレコード屋さんで見つけたユネスコ・コレクションの一枚「イランの音楽 Iranian Dastgah」から、特に決定的な影響を受けた2曲をそれぞれ途中までおかけしたいと思います。当時日本フォノグラムから出ていたユネスコ・コレクションの原盤はオランダPhilips盤で、90年代にフランスのAuvidisから出ていたユネスコ・コレクションのシリーズとは別で、何故かほとんどCD化されてきていません。最近米Smithsonian FolkwaysからCD化されてなかったアナログ時代の音源が一足飛びにサブスクとカスタムCDRで復活し聞けるようになっていますが、このイランの盤は入っていないので、幻の音源と言えそうです。

特に強く感激したのが、アスガール・バハーリーのバヤーテ・エスファハーンとオマール・シェリフのセガーでした。まずアスガール・バハーリーの方ですが、ケマンチェの巨匠アスガール・バハーリーのエスファハーンらしい哀感を漂わせた枯れた味わいの演奏に、トンバクの神様と称賛されたホセイン・テヘラーニが神業のように当意即妙に伴奏している演奏は、最初聞いた時から鳥肌が立ち、何度繰り返し聞いたか勘定が出来ません。この二人は、ゼアミdeワールドのテーマ曲にしているオコラのマーフールにも名を連ねています。

کمانچه استاد اصغر بهاری - آواز اصفهان بخش اول

محمد رضا شجریان ، علی اصغر بهاری و.... جشن هنر شیراز

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2026年6月10日 (水)

ヴァイオリン独奏のデイラーマン

アボルハサン・サバーは1902年生まれ1957年没のヴァイオリニスト、セタール奏者で、イラン国内外の様々な楽器を演奏できたそうですが、ヴァイオリンとセタールを専門楽器として選びました。彼はミルザー・アブドッラーとダルヴィッシュ・ハーンの弟子で、教え子にはファラマルズ・パイヴァール、パルヴィーズ・ヤハギ、ダリウシュ・サフヴァト、ゴラム=ホセイン・バナン、そしてホセイン・テヘラーニも名を連ねています。これらの名前を見るだけで、ペルシア古典音楽の中枢にいた大巨匠だったのがよく分かります。ヴァイオリンはケマンチェのように膝に立てるのではなく、西洋風な肩に乗せ顎で挟むスタイルですが、調弦は西洋のソレラミではなく、高い2本をそれぞれ1音ずつ下げたソレソレが多いようです。ヴィオラの場合は、同様にドソレラがドソドソになります。(以下放送原稿を再度)

デイラーマンをヴァイオリンの独奏で表現した音源がありまして、これもイランMahoor Institutから出ています。演奏者は往年のセタールとヴァイオリンの名手アボルハサン・サバーです。この演奏の余りにレガートでスムーズは演奏は、ヴァイオリンではなく笛ではないかと言う意見もありましたが、これはヴァイオリンと言うタイトルの盤ですので、あくまでヴァイオリンでの演奏です。私もどうやってこんな声帯模写のような演奏が可能なのか、映像で確認したい衝動にかられた驚異的な演奏です。

<Abolhasan Saba, Violin, Vol. 1 ~Deylaman (Avaz Dashti) 8分56秒>

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2026年6月 8日 (月)

デイラーマンの歌

ゼアミdeワールド517回目の放送、日曜夜10時にありました。10日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。まずはバナーンのデイラーマンから。

今回は予告通り「今週のペルシア音楽」をおかけしますが、予定していた音源で大体収まる感じですので、今回は全てペルシア音楽にして、一旦今回で締めたいと思います。次回からのスイスシリーズではスイスに集中します。

東京藝大教授で世界的な民族音楽学者だった小泉文夫氏の影響で70年代から民族音楽の道に踏み込んだ私としては、小泉さんが「世界で一番美しい歌」と称賛していたペルシア音楽が、以下のユネスコ盤を聞いた1979年頃からずっと気になってきました。「死ぬ前に聞きたい歌の1番がペルシアの歌で、2番が日本の新内節」と言われていたそうで、そのどちらにも足を踏み入れても来ました。どの著書か分からなくなってしまいましたが、「デイラーマンの歌」について書かれていたのをよく覚えていまして、この曲は小泉さんがイメージされていた美しい歌に入るのではと常々思ってきました。デイラーマンは北イランの民謡がルーツとどこかで読んだのですが、これも出典を調べるのに時間がかかりそうです。この曲はダシュティ旋法の伝統的旋律形グーシェの一つに組み込まれていて、マームード・キャリーミーのラディーフ集成の楽譜も手元にあります。グーシェの一つなので、旋律が固定したタスニーフではなく、即興的にパラフレーズされて演奏されることが常のようです。ダシュティらしい穏やかでノスタルジックな雰囲気の大変美しい曲です。小節を細かく回すタハリール唱法もふんだんに盛り込まれています。

小泉さんはこの人の歌唱をイメージしていたのではと常々思ってきたのが往年の名歌手バナーンですが、最近イランMahoor Institutから出たデイラーマンと言う編集盤から、デイラーマンをまずおかけします。ピアノ伴奏はジャヴァッド・マアルフィーです。

<Gholam-Hoseyn Banan & Javad Ma'rufi / Deylaman ~Deylaman (Dashti) 3分31秒>

このデイラーマンをヴァイオリンの独奏で表現した音源がありまして、これもイランMahoor Institutから出ています。演奏者は往年のセタールとヴァイオリンの名手アボルハサン・サバーです。この演奏の余りにレガートでスムーズは演奏は、ヴァイオリンではなく笛ではないかと言う意見もありましたが、これはヴァイオリンと言うタイトルの盤ですので、あくまでヴァイオリンでの演奏です。私もどうやってこんな声帯模写のような演奏が可能なのか、映像で確認したい衝動にかられた驚異的な演奏です。

<Abolhasan Saba, Violin, Vol. 1 ~Deylaman (Avaz Dashti) 8分56秒>

この後は小泉さんのNHKFMの「世界の民族音楽」を夢中に聞いていた頃の1979年に今治のトチギレコードさんで見つけたユネスコ・コレクションの一枚「イランの音楽 Iranian Dastgah」から、特に決定的な影響を受けた2曲をそれぞれ途中までおかけしたいと思います。当時日本フォノグラムから出ていたユネスコ・コレクションの原盤はオランダPhilips盤で、90年代にフランスのAuvidisから出ていたユネスコ・コレクションのシリーズとは別で、何故かほとんどCD化されてきていません。最近米Smithsonian FolkwaysからCD化されてなかったアナログ時代の音源が一足飛びにサブスクとカスタムCDRで復活し聞けるようになっていますが、このイランの盤は入っていないので、幻の音源と言えそうです。

特に強く感激したのが、アスガール・バハーリーのバヤーテ・エスファハーンとオマール・シェリフのセガーでした。まずアスガール・バハーリーの方ですが、ケマンチェの巨匠アスガール・バハーリーのエスファハーンらしい哀感を漂わせた枯れた味わいの演奏に、トンバクの神様と称賛されたホセイン・テヘラーニが神業のように当意即妙に伴奏している演奏は、最初聞いた時から鳥肌が立ち、何度繰り返し聞いたか勘定が出来ません。この二人は、ゼアミdeワールドのテーマ曲にしているオコラのマーフールにも名を連ねています。

<アスガール・バハーリー エスファハーン 12分48秒~6分>

タール奏者のオマール・シェリフについては、詳細が分からないままですが、イランMahoor Institutのコンピレーション盤「タールの一世紀」にはこの人の演奏が入っていたと思います。微分音程を含んだセガー旋法らしいこの演奏はとてもエキゾチックで、先ほどと同じでホセイン・テヘラーニのトンバクが入ってくるところに、ぞぞぞっと来るような興奮を覚え、特に耳を惹きつけられました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<オマール・シェリフ セガー 15分55秒~6分30秒>

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2026年6月 5日 (金)

オーストリア民謡4曲

今日がオーストリア・シリーズの締めですが、4曲ともオーストリア西部中心の民謡ということになります。1本目はオーストリアの「ヨーデルの女王」と呼ばれたEdith Diepoldの歌うシュタイアーマルク州の民謡「ヨハン大公のヨーデル」です。スイスのヨーデルより味わい深く感じる絶美の歌唱ですが、特に驚いたのはこの歌の主人公のヨハン大公が名指揮者ニコラウス・アーノンクールのご先祖だったことです。2曲目のチロルの州歌「美しのチロル」も、耳について離れないヨーデル入りの歌でした。ちょうど冬季オリンピックが盛り上がっていた2月末に東京に行った頃で、時折鼻歌で歌ってしまっていました(笑) あの時は戦争前で、あの頃が何だか懐かしいです。3本目は昨日上げたベルクのヴァイオリン協奏曲に引用されていたケルンテン民謡Ein Vogel auf'm Zwetschenbaum(スモモの木で一羽の鳥が)で検索して出てきた歌ですが、タイトルがEin Vogel saß auf einem Baum(鳥が木に止まっていた)なので、違う曲のように思いますが上げておきます。こういう清冽な感じの歌ではないかと思います。4本目はイザークの「インスブルックよ、さらば」の四重唱ですが、なかなか見事です。それでは、この歌をもってお開きと致します。<(_ _)>

アルペン・ヨーデル "ヨハン大公のヨーデル"  ALPINE/YODEL "ERZHERZOG JOHANN JODLER"

アルペン・ヨーデル "美しのチロル" ALPINE/YODEL "DAS SCHONSTE AUF DER WELT"

Ein Vogel saß auf einem Baum

Innsbruck, ich muss dich lassen - Heinrich Isaac

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2026年6月 4日 (木)

ケルンテン州の民謡 ベルクのヴァイオリン協奏曲

シュタイアーマルク州の西に位置するケルンテン州は、アルプスの東の端と言っていい場所でしょう。ケルンテンの民謡で思い出す曲がありました。アルバン・ベルク作曲のヴァイオリン協奏曲で、1楽章の終わりの方でケルンテンの民謡「スモモの木で一羽の鳥が」(Ein Vogel auf'm Zwetschenbaum) が引用され、2楽章の終わりにもこの曲が回想されています。歌劇のヴォツェックやルルなどは曲の長大さもありますし、シェーンベルク以上にハードかなと思ってベルク作品は外していましたが、ヴァイオリンの開放弦の4音から始まるヴァイオリン協奏曲は、一番一般的な人気があると思います。この曲はマーラー未亡人のアルマ・マーラーの夭逝した娘マノン・グロピウスを追悼して書かれています。18歳で亡くなったマノンを偲んで「ある天使の想い出に」の献辞が付けられています。ケルンテンの民謡音源の後に、ベルクに作曲を委嘱し初演したヴァイオリニストのルイス・クラスナーの演奏で入れておきます。指揮はアントン・ウェーベルンです。なおケルンテンの民謡音源のジャケットの湖ですが、ブラームスが交響曲2番を作曲した場所がこの湖の北側のようです。(以下放送原稿を再度)

アルプスが近く風光明媚な所なのが窺えるジャケットのケルンテンの音源からは、3、7、15曲目の3曲を続けておかけしますが、時間が少し余りそうなので、「Chrysanthemenwalzer 菊のワルツ」という曲をその後に入れておきます。菊というのが気になりました。Gradtaktiger Landlerは、ストレートペース・レントラーと訳文が出てきましたが、それがどういう意味なのかは解説がないので不明でした。何よりもケルンテンのレントラーというのが一番のポイントです。

So Klingt's Bei Uns - Echte Volksmusik Aus Kärnten, Folge 1
<3 Zitherquartett Manfred Schuler / Hüttenberger Reiftanz ヒュッテンベルガー・ライフタンツ 2分50秒>

<7 Zitherquartett Manfred Schuler / Drum Leich I's Neama Her だから私はここに魂を捧げる 2分16秒>

<15 Zitherquartett Manfred Schuler / Gradtaktiger Landler ストレートペース・レントラー 1分28秒>

<19 Klagenfurter Volksmusik / Chrysanthemenwalzer 菊のワルツ 2分49秒>

Berg: Violin Concerto (1936) Krasner/Webern

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2026年6月 3日 (水)

シュタイアーマルク州の民謡

タイトルにSo Klingt's Bei Uns(これが私たちの奏でる音)、Echte Volksmusik(本格的なフォークミュージック=民謡)が入った2つの音源は、YouTubeにも上がっていました。シュタイアーマルクは、どうしてもヨーデルの名曲「ヨハン大公のヨーデル」の感動が忘れられない所で、似た曲を探してしまいます。演奏者名で検索すれば更に色々出て来るかも知れません。なお19曲目はアップされてないようでした。(以下放送原稿を再度)

オーストリアの音楽の20回目です。予告通り今回をオーストリアシリーズの締めにしたいと思います。最後に再度民謡音源を探してみました。選んだのはシュタイアーマルク州とケルンテン州の民謡集で、どちらもSo Klingt's Bei Uns(これが私たちの奏でる音)、Echte Volksmusik(本格的なフォークミュージック=民謡)というタイトルが入っています。オーストリア南東部に位置するこの2つの州を選んだ理由は、何よりもこの辺りがヨーデルの故郷(ふるさと)だからというのがあります。ここから西のチロルやスイスのドイツ語圏に広まっていったとされています。いずれもサブスク音源で現物が手元にある訳ではありませんので、選曲の際に参考にしたのは、アマゾンドイツでの曲ごとの評価で、おそらく評価が高い曲がドイツ語圏で人気があると判断したためです。
それでは早速シュタイアーマルクの方からおかけします。この州は前に解説を入れました通りヨーデルの名曲「ヨハン大公のヨーデル」が生まれた所です。1、3、9、19曲目の4曲を続けておかけします。9曲目はヨーデルのデュエットのようです。3曲目も少しヨーデル風です。

So Klingt's Bei Uns - Echte Volksmusik Aus Der Steiermark
<1 D'Ausseer Bradlmusi / Steirischer mit Strassner Pascher 3分13秒>

<3 Mörderbrugger Dreigesang / Wenn I au d' Alma geh' アルプスの牧草地へ行くとき 3分10秒>

<9 Ausseer Stub'nmusi Dreigesang / Langenwanger 1分4秒>

<19 Ebenseer Viergesang / Mags denn nit Fruahjahr wern 春は来ないのだろうか? 2分8秒>

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2026年6月 1日 (月)

インスブルックよ、さらば

ゼアミdeワールド516回目の放送、日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。まず「インスブルックよ、さらば」からです。いつも後ろ髪を引かれる思いで次に行きますが、今回も同じで、曲名共々ラストに相応しい曲になりました。レーゲンスブルク大聖堂少年合唱団の歌唱、同じ音源がありました。収録していて気が付きましたが、おそらくモノラル録音の頃のいい感じの演奏でした。

オーストリアの音楽の20回目です。予告通り今回をオーストリアシリーズの締めにしたいと思います。最後に再度民謡音源を探してみました。

選んだのはシュタイアーマルク州とケルンテン州の民謡集で、どちらもSo Klingt's Bei Uns(これが私たちの奏でる音)、Echte Volksmusik(本格的なフォークミュージック=民謡)というタイトルが入っています。オーストリア南東部に位置するこの2つの州を選んだ理由は、何よりもこの辺りがヨーデルの故郷(ふるさと)だからというのがあります。ここから西のチロルやスイスのドイツ語圏に広まっていったとされています。いずれもサブスク音源で現物が手元にある訳ではありませんので、選曲の際に参考にしたのは、アマゾンドイツでの曲ごとの評価で、おそらく評価が高い曲がドイツ語圏で人気があると判断したためです。

それでは早速シュタイアーマルクの方からおかけします。この州は前に解説を入れました通りヨーデルの名曲「ヨハン大公のヨーデル」が生まれた所です。1、3、9、19曲目の4曲を続けておかけします。9曲目はヨーデルのデュエットのようです。3曲目も少しヨーデル風です。

So Klingt's Bei Uns - Echte Volksmusik Aus Der Steiermark
<1 D'Ausseer Bradlmusi / Steirischer mit Strassner Pascher 3分13秒>
<3 Mörderbrugger Dreigesang / Wenn I au d' Alma geh' アルプスの牧草地へ行くとき 3分10秒>
<9 Ausseer Stub'nmusi Dreigesang / Langenwanger 1分4秒>
<19 Ebenseer Viergesang / Mags denn nit Fruahjahr wern 春は来ないのだろうか? 2分8秒>

アルプスが近く風光明媚な所なのが窺えるジャケットのケルンテンの音源からは、3、7、15曲目の3曲を続けておかけしますが、時間が少し余りそうなので、「Chrysanthemenwalzer 菊のワルツ」という曲をその後に入れておきます。菊というのが気になりました。Gradtaktiger Landlerは、ストレートペース・レントラーと訳文が出てきましたが、それがどういう意味なのかは解説がないので不明でした。何よりもケルンテンのレントラーというのが一番のポイントです。

So Klingt's Bei Uns - Echte Volksmusik Aus Kärnten, Folge 1
<3 Zitherquartett Manfred Schuler / Hüttenberger Reiftanz ヒュッテンベルガー・ライフタンツ 2分50秒>
<7 Zitherquartett Manfred Schuler / Drum Leich I's Neama Her だから私はここに魂を捧げる 2分16秒>
<15 Zitherquartett Manfred Schuler / Gradtaktiger Landler ストレートペース・レントラー 1分28秒>
<19 Klagenfurter Volksmusik / Chrysanthemenwalzer 菊のワルツ 2分49秒>

その他にチェックしていた音源にWaakirchner Sänger、Greilinger Sänger、Die HessenspatzenなどのGlocken klingen, Sonntag istsというコンピレーション、SimoniのSo wias uns gfreid (Ziach Harfen Duo)、Die ZwanzgerのTondokumente zur Volksmusik in Österreich, Vol 3, Steiermarkなどがありましたが、南ドイツのバイエルン側の演奏家もいるようですし、長くなりますので、いずれも外しました。

では最後にルネサンス期のフランドル楽派の巨匠ハインリヒ・イザークが15世紀末に作曲した有名な歌「インスブルックよ、さらば Innsbruck, ich muss Dich lassen」をレーゲンスブルク大聖堂少年合唱団の歌唱で入れておきます。神聖ローマ帝国のマクシミリアン1世に仕えたイザークが、愛する都インスブルックを離れなければならない自身の寂しさと深い愛情を美しいポリフォニー(多声音楽)で表現していますが、旋律そのものはイザークの創作ではなく、民謡の編曲かもしれないそうです。この旋律は後にルター派のコラール《おお世よ、われ汝より離れざるを得ず O Welt, ich muß dich lassen 》に流用され、バッハやブラームスのオルガン曲の基礎になっています。J.S.バッハのカンタータ第97番『わがなす、すべての業に』、カンタータ第135番『ああ主よ、いかほどにわが心は』などのコラールに引用されています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Innsbruck, ich muss Dich lassen 3分5秒>

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