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2026年8月31日 (月)

江差追分のルーツ 信濃追分

ゼアミdeワールド528回目の放送、日曜夜22時にありました。2日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。江差追分のルーツとされている信濃追分と越後追分、共に結構地元の歌い手中心にまだまだ歌われているようで、YouTubeが結構ありました。今日の歌唱は2021年キングからのリリースがあったそうですが、おそらくご当地中心の販売で、全国にはあまり知られてないのではと思います。民謡に関しては地元の販売ルートがあるので、まだまだ点数は出ているようです。この2曲に限らず、日本民謡大観の古い音源はYouTubeには上がってないように思いました。簾田じょうと千代菊の歌唱は最高でしたが。

今回はお盆の民謡特集の3回目です。
前回は「民謡の王者」と称される北海道民謡の江差追分を、初代浜田喜一の極めつけの名唱などでおかけしました。

江差追分は、江戸時代中期以降に北海道の江差町で生まれた民謡です。信州の馬子唄が北前船の船頭らによって越後経由で蝦夷地に伝えられ、ニシン漁などで栄えた江差の遊興や生活の中で独自の哀愁を帯びた「民謡の王様」へと磨き上げられました。

江差追分の源流は、信州(長野県)の馬子唄や追分節が起源という説が有力で、北前船で船乗りや商人によって越後から北海道の江差へ運ばれたとされますが、盲目の女旅芸人の瞽女さんも一役買っていたのではと思います。

民俗学者、芸能研究者の三隅治雄さん他共著の日本民謡辞典によると、
信州浅間山麓の追分宿3つ(追分、沓掛、軽井沢)で、飯盛女が酒席の座興に歌い出したお座敷唄の信濃追分が越後に伝わって越後追分になり、さらに日本海を北上する途中、酒田追分や本庄追分を生んで、幕末の天保年間に北海道に入って松前追分(江差追分)になったというのが、他にも諸説ありますが、最有力とされています。

既に余り歌われなくなったのでしょうか、現在の民謡の音源には信州と越後の追分はほとんど見かけませんが、日本民謡大観の古い音源には何曲もありましたので、いくつかおかけします。信濃追分を歌っている1901年生まれの簾田(みすだ)じょうは、長野県を中心に活躍した昭和の芸妓で民謡歌手です。信濃追分は、碓氷峠の馬子唄を三味線に乗せた曲です。越後追分を歌う千代菊は、昭和期などに活躍した民謡歌手・三味線奏者ではないかと思います。小唄勝太郎らと共にレコードの録音(「東京音頭」の三味線など)や、数多くの民謡のレコード・CD音源(「米山甚句」「南蛮音頭」など)を残しています。

<信濃追分 簾田じょう 3分54秒>
<越後追分 千代菊 3分30秒>

信濃追分 小杉真貴子

 
日本海側を越後から北海道に北上する途中の山形や秋田の追分もありますので、2曲続けます。本庄追分の三味線は、秋田三味線や津軽三味線に少し似ているように思います。秋田追分は「SP盤復刻 日本民謡の名人をたずねて(上)」に入っている鳥井森鈴の歌唱です。

<本庄追分 加納初代 3分>
<秋田追分<前唄・本唄>(秋田県) 鳥井森鈴 5分44秒>

興味深いことに信州から越後のルートとは少し離れる群馬にも上州馬子唄という曲が残っています。日本民謡大観 関東篇 3にありますので、おかけしておきます。
尺八修理工房「幻海」のサイトに以下の解説がありました。
上総(かずさ)の高崎(上州、現 群馬県)から越後の長岡(越州、現 新潟県)まで続く三国街道で、馬を引いて人や荷物を運ぶ馬子(馬方、馬追)をしていた樺沢芳勝が博労(馬や牛を売買する仲買人。馬喰、伯楽とも)から習った唄を独自にかえて唄い始めたという。すぐれた節回しを残した面白みのある良曲。もとは信濃辺りの馬追い唄が同地に流れてきたのだと考えられる。

<上州馬子唄 樺沢芳勝 1分59秒>

「SP盤復刻 日本民謡の名人をたずねて(上)」という盤には、1917年生まれの初代浜田喜一さんより40歳くらい年上の往年の名人、越中谷四三郎(えっちゅうや しさぶろう)の江差追分が入っていますので、次におかけします。この人は1875年生まれ1961年没で、「江差追分」の三派の一つである「詰木石派」の立役者であり、その曲調の確立や普及に生涯を捧げた名人と称される人物とのことです。この頃は伴奏が三味線中心だったようです。音が低いので太棹かも知れません。

<江差追分(北海道) 越中谷四三郎 3分23秒>

前回予告していた市丸さんや、他に選曲していた民謡が洩れましたので、もう一回純邦楽シリーズを続けます。
では最後に、初代浜田喜一さんの江差追分を、前回とは別音源の「SP盤復刻 日本民謡の名人をたずねて(上)」に入っている方でおかけします。この曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<江差追分(北海道) 初代浜田喜一 6分14秒>

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