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2026年10月

2026年10月 8日 (木)

オネゲルとフランス近代音楽

フランス6人組とは、ルイ・デュレ、アルテュール・オネゲル、ダリウス・ミヨー、ジェルメーヌ・タイユフェール、フランシス・プーランク、ジョルジュ・オーリックの6人ですが、私の知る限り、日本での人気は80年代くらいから、プーランク、ミヨー、オネゲル、オーリックの順で、デュレーとタイユフェールについては、作品も余り知られてないように思います。私が80年代に「フランス音楽のエスプリ」シリーズのLPなどで夢中になって聞いたのも、サティとプーランク、ミヨーがほとんどです。出身地がスイスのオネゲルよりも、父がスイス出身のラヴェルの方が、ストラヴィンスキーがラヴェルの管弦楽の精緻な作曲書法について「スイスの時計職人」と形容した有名なエピソードもあって、「スイスらしさ」をイメージしやすいかも知れません。
ジャン・コクトーと縁の深いフランス6人組は、先輩作曲家のドビュッシー、ラヴェルよりも、エリック・サティの影響を強く受けていて、機関車マニアだったオネゲルのパシフィック231も、その流れを感じさせます。この曲は今週の番組でかけた指揮者のエルネスト・アンセルメに献呈されていますが、1924年の初演はセルゲイ・クーセヴィツキー指揮だったとのこと。同じくスイスのフランス語圏出身のアンセルメは、ローザンヌで3歳年上の新進作曲家であったエルネスト・ブロッホについて音楽の勉強をはじめたそうです。この二つの事実は初めて知りました。
アンセルメと言えば、ファリャの『三角帽子』やサティの『パラード』も極めつけの名演で、80年代に頻繁にターンテーブルに乗りました。オネゲルはワーグナーの音楽に心酔していたそうで、いかにもフランス近代らしくなさそうな彼のそちらの作品は聞いた記憶がないので、かえって興味を覚え、これから当たってみたいと思い始めています。
調べていて面白いエピソードを見かけました。後年は若手作曲家のための国際マスタークラスを開講し、多くの人材を輩出したものの、「この男には才能などない」と一言で切って捨てられたのが若き日のヤニス・クセナキスだったそうです。現代音楽の大御所だったクセナキスは、1984年の草月ホールでの来日公演を聞きに行きましたが、オネゲルの前でも時代を先取りし過ぎていたのではと思いました(笑)
今日の映像は、1949年にフランスの映画作家ジャン・ミトリが、この曲に基づいて作った短編映画『パシフィック231』です。

"Pacific 231" 1949 movie: Jean Mitry-music: Arthur Honegger original !

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2026年10月 7日 (水)

シェロモとベンハー

ブロッホのシェロモについては、ロストロポーヴィチとバーンスタインのLPが決定盤ということだったので、1980年頃以来他の演奏は聞いたことがありません。このLPでカップリングされていたシューマンのチェロ協奏曲に関しては、ジャクリーヌ・デュプレやレナード・ローズ他色々聞いて来たのとは対照的です。おそらくユダヤ系以外の人が弾いても様にならないだろうと思ったからだったと思います。80年当時聞いていたユダヤの音楽と言えば、名フォークデュオのドゥダイームと、マイム・マイムやハヴァナギラなどのイスラエルのフォークダンスくらいですが、何か他とは全く違う匂いを感知していました。1978年にテレビで放映された連続ドラマ「ホロコースト」の影響も多分にあったと思います。
何とロストロポーヴィチとバーンスタインのライブ映像がありました。タイトルの作曲者がBlochではなく、ブロック(Block- Schelomo)になっています(笑) 英語圏の人が上げたに違いないと思います。
番組の解説の繰り返しになりますが、シェロモとは、旧約聖書に出て来るダヴィデ王の息子ソロモン王のヘブライ語読みです。私はこの曲を聞くと、古代ローマ帝国時代の国を失った民族であるユダヤ人の主人公ベンハーと、キリストの生誕、受難、復活までを描いた映画「ベン・ハー」を思い出します。久々に見たくなってアップルとアマゾンプライムで探したら、有名なチャールストン・ヘストン主演の1959年版以外に2回、合計3回映画化されていることを知りました。

Block- Schelomo

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2026年10月 5日 (月)

ブロッホの祈り(チェロ)

ゼアミdeワールド533回目の放送、日曜夜22時にありました。7日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。ソル・ガベッタの演奏は、2014年に見たYouTubeに上がっているライブです。大分前から楽譜は持っていたので、2014年早速この曲をレッスンに持って行った時、R先生が「おお、ブロック!」と英語発音で言われたのが忘れられません。

スイスの10回目になります。今回は予告通りスイスのクラシックの作曲家特集にして、今回でスイスシリーズの締めにします。
スイスの有名な作曲家には、アルテュール・オネゲル、フランク・マルタン、オトマール・シェック、ヨアヒム・ラフ、エルネスト・ブロッホなどがいますが、音楽大国のドイツやオーストリアと比べると、随分と少ない感じです。この5人についても、相当クラシックを聴きこんでいる人でなければ知らないと思います。

私が一番馴染みがあるのは、ユダヤ系の作曲家ですが、エルネスト・ブロッホです。1880年スイス生まれで、1916年に渡米するまでヨーロッパ各地を転々とし、1924年に合衆国市民権を取得、1959年にアメリカで亡くなっています。
ユダヤ教の典礼音楽や、ユダヤの民族音楽を依り拠としている、チェロと管弦楽のための《シェロモSchelomo 》や、「祈り(Prayer)」など、チェロやヴァイオリンの名曲を残していて、私自身「祈り」は何度か催しでも弾いたので、特に馴染みがあります。
一番最初は2015年2月の今治総合芸能祭で、青野さんのジャズピアノとの共演でチェロを暗譜で弾きました。このステージはコンテンポラリーダンスとお能の舞との共演という、珍しい組み合わせで、その伴奏音楽としてチェロとピアノを合わせました。600人くらい来客がある大き目の催しですので、もしかしたら今治にはステージを見られた方もいらっしゃるかと思います。
この時弾いたのは、「祈り」の他にバッハの無伴奏チェロ組曲5番プレリュードの冒頭、ロンドンデリーの歌でした。「ロンドンデリーの歌」あるいはダニーボーイは、ジャズでも弾くことがあるだろうと思いますから、青野さんもパラフレーズして合わせやすいようでした。ブロッホの「祈り」は、独特なユダヤ旋法が出て来る曲ですが、ステージが「星の祈り」というタイトルだったので、なかなか馴染んだのではと思いました。

では「祈り」をアルゼンチンの女流チェリスト、ソル・ガベッタの演奏でおかけします。この曲は、1924年に作曲されたチェロとピアノのための組曲『ユダヤ人の生活から(From Jewish Life)』の第1曲です。「ユダヤ系スイス人の作曲家ブロッホが、自身の民族的ルーツや信仰心、深い精神性を音楽で表現した、静けさと切なさに満ちた名曲です」とAI回答に出て来ましたが、本当にそう思います。ソル・ガベッタの動画を見たのが2014年頃で、この人が弾いてから急にこの曲の音源が増えた気がします。

<ソル・ガベッタ & アムステルダム・シンフォニエッタ From Jewish Life: I. Prayer 4分38秒>

Sol Gabetta feat. Andreas Kern - 'Prayer' (Ernest Bloch) [live]

同じくブロッホの、チェロと管弦楽のための《シェロモSchelomo 》は23分近い曲ですから、ユダヤ旋法のはっきり分かる辺りまでおかけします。シェロモとは、旧約聖書に出て来るダヴィデ王の息子ソロモン王のヘブライ語読みです。私はこの曲を聞くと、古代ローマ帝国時代の国を失った民族であるユダヤ人のベンハーと、キリストの生誕、受難、復活までを描いた映画「ベン・ハー」を思い出します。ロストロポーヴィチとバーンスタインの名演です。

<ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ, フランス国立管弦楽団 & レナード・バーンスタイン Schelomo 22分52秒~8分位>

スイスの他の作曲家ですが、フランク・マルタンは現代の作曲家ですし、シェックとラフはかなりマイナーなので、オネゲルだけにしておきます。
アルテュール・オネゲル(1892–1955)は、機関車を音楽で表現したパシフィック231が特に有名で、中学頃音楽の授業で聞いた人も多いかと思います。オネゲルはフランス近代のいわゆる「フランス6人組」の一人として有名ですが、出身がスイスでした。スイスとフランスの二重国籍を持ち、主にフランスで活躍しています。
フランス6人組とは、ルイ・デュレ、アルテュール・オネゲル、ダリウス・ミヨー、ジェルメーヌ・タイユフェール、フランシス・プーランク、ジョルジュ・オーリックの6人です。彼らの先輩にドビュッシー、ラヴェルがいますが、特にエリック・サティの影響を強く受けています。この辺り、フランスに回ってきたら、また色々かけることがあるかと思います。
ではオネゲルのパシフィック231を、エルネスト・アンセルメ指揮パリ音楽院管弦楽団でおかけします。

<エルネスト・アンセルメ & パリ音楽院管弦楽団 Pacific 231, H. 53 5分53秒>

では最後にモーリス・ラヴェルのボレロを聞きながら今回はお別れです。ラヴェルは、母がスペインのバスク人、父はスイス出身でした。ストラヴィンスキーがラヴェルの管弦楽の精緻な作曲書法について「スイスの時計職人」と形容したエピソードは有名です。ボレロについては解説は不要かと思います。演奏はラヴェル自身の指揮、コンセール・ラムルー管弦楽団です。もっと上手い演奏は沢山あると思いますが、私は1980年頃からこの雰囲気のある演奏が大好きで、LPでよく聞いていました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<モーリス・ラヴェル & コンセール・ラムルー管弦楽団 Bolero, M. 81 16分14秒>

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2026年10月 2日 (金)

スイスヨーデルのラストは

今日はアルレッテ・ウィスマーの独唱では一番耳に残ったHütt bini z'friede und frohと、2008年のスイス連邦ヨーデルフェストで北川桜さんが最高級クラス1級の判定を受けたというE Bitt(神様)の歌唱と、グロッケン(カウベル)でエーデルワイスを演奏している映像も断片ですがありましたので、3本上げておきます。鮮やかなヨーデルを聞けるHütt bini z'friede und frohは、スイスドイツ語のタイトルの意味が分からないのが残念です。今回Marie Theres von Gunten繋がりで出てきたこのお二人の動画を見て、お年は大分違いますが、面識はあるのだろうかと気になりました。
ドイツに入ったのが去年の7月で、その後オーストリアとスイスの音楽を巡ってきましたが、来週のスイスのクラシック編で、いよいよドイツ語圏を離れることになります。作曲家の国籍だけ、あるいは両親のどちらかがスイス系というだけで、ヨーデルの聞こえる環境からは離れることになります。いつもながら後ろ髪を引かれる思いですが(笑)、次の次に予定しているリヒテンシュタインとその後はルクセンブルクなので、まだもう少しはドイツ語圏だろうとも言えます。
スイスのフランス語圏、イタリア語圏、ロマンシュ語圏に触れられなかったのが心残りですので、一回だけ予定しているリヒテンシュタインの後で、クラシックやジャズ以外の何か独自の音楽が見つかれば、その3つのエリアもスイスの番外編で上げると思います。フランス語圏のジュネーヴ、ローザンヌ、モントルー、イタリア語圏のロカルノなどは国際的に有名な都市ですが、それぞれクラシック、ジャズ、映画などに偏る傾向があるように思います。

Hütt bini z'friede und froh

ヨーデル スイス 連邦フェスト 2008 最高級クラス受賞 北川桜

ヨーデル歌手 北川桜 カウベル 演奏

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2026年10月 1日 (木)

アルプホルン、ハックブレット、スイスアコーディオン、クラリネット、コントラバスに挑戦

ヨーデル歌手アルレッテ・ウィスマーが、アルプホルン、スイスアコーディオン、ハックブレット、クラリネット、コントラバスに挑戦する映像がありました。それぞれ短い曲を仕上げるところまでのドキュメンタリーになっています。最後の一本は幼いころから弾いているヴァイオリンの姉妹デュエット。私はアルプホルンが一番興味深いです。アルプホルンやバリトンとかの柔らかい音色の金管は憧れの楽器です。マウスピースがある以外はディジュリドゥと発音は似ているのでしょうか? オシュス・ディー・ドリッテンのお父さんも弾いていたボタン・アコーディオンのSchwyzerörgeli(スイスアコーディオン)が一番難しそうです。スイスのレントラーには欠かせない楽器です。

Jodlerin Arlette Wismer wagt sich ans Alphorn | Wismer gfallt Staffel 5 Folge 1 | SRF

Arlette Wismer lernt Hackbrett | Wismer gfallt Staffel 5 Folge 3 | SRF

Neue Challenge: Arlette Wismer lernt Schwyzerörgeli | Wismer gfallt Staffel 5 Folge 2 | SRF

Arlette Wismer lernt Klarinette l Staffel 5 Folge 5 | SRF

Arlette Wismer lernt vom Kontrabassisten Carlo Gwerder Bassgeige | Staffel 5 Folge 4 | SRF

Formation Wismer-Erdin: Heya Marianne | Potzmusig Familiensommer | SRF

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