映画・テレビ

2025年12月11日 (木)

「アンダルシアの犬」とブレンデル

「トリスタンとイゾルデ」で思い出すのが、スペインの映画監督ルイス・ブニュエルが画家サルバドール・ダリと組んだ1929年のシュルレアリスムの映画「アンダルシアの犬」と、アルフレッド・ブレンデルのピアノ編曲版の演奏です。
「アンダルシアの犬」を見たのは、1984年頃のアートシアター新宿の黙壺子(もっこす)フィルムアーカイヴでした。アングラ文化のメッカとして有名だった場所です。フリークスとかピンク・フラミンゴなど変な映画ばかりかかっていました(笑) この余りに衝撃的な短編映画のバックで鳴っていたのが、トリスタンとイゾルデと軽快なタンゴでした。後年再度見た時は音楽がついてなかったので、あれはアートシアター新宿の計らいかもと思っていましたが、YouTubeで見るとやはりトリスタンとタンゴのようです。2本目のようにトリスタンだけになっている映像もあります。ワーグナーの大傑作と何とも不思議なマッチの仕方です。飴屋法水率いる東京グランギニョルによる、一般に有名になる前の「帝都物語」演劇版を見たのもここでした。
もう一つのアルフレッド・ブレンデルのリスト編曲トリスタンは、80年代にTVでも放映されていたと思います。シューベルトなどで流麗な名演を聞かせたあのブレンデルが、脳震とうを起こさないか心配になるほど頭を振って熱演していて目が釘付けになりました。名手も取り乱すほどの、それ程の壮絶な曲だと思います。グールドでも聞いてみたかったです。ブレンデルも今年90代で亡くなりました。動画は見当たらないので、3本目に音源で上げておきます。

Un Chien Andalou (1929) A Short Film by Luis Buñuel, Salvador Dalí

"Un Chien Andalou" (1929) - Full Movie

Liszt: Isoldes Liebestod, S.447 - Piano Transcription After Wagner's "Tristan und Isolde"

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2025年7月31日 (木)

モロッコとジョニーとピート・シーガー

「モロッコ」のフランス語の歌とジョニーは、どちらも番組では時間切れで尻切れになりましたので、2曲とも今日上げておきます。Quand L'amour Meurtでは映画のシーンが次々出て来ます。ジョニーは60年代の映像でしょうか、タンゴ風な伴奏の歌唱。3曲目はピート・シーガー作詞作曲のWhere Have All the Flowers Gone?のドイツ語歌唱(英語字幕付き)です。(以下放送原稿を再度)

『嘆きの天使』と同じ1930年に撮られた代表作の一つの『モロッコ』でも、外人部隊の駐屯地を舞台にキャバレーの旅芸人を演じています。明日をも知れぬ状況下で恋仲になる兵士役のゲイリー・クーパーと共演したこの映画では、英語の歌もありますが、フランス領だったモロッコらしく、フランス語の歌も披露しています。そのQuand L'amour Meurt(愛が死ぬとき)をおかけします。戦後になってフランスのシャンソン歌手エディット・ピアフと知り合い、深い親交を結んだそうですが、戦前のこの歌もどこかピアフの歌に似て聞こえました。

<Quand L'amour Meurt 愛が死ぬとき 3分13秒>
Marlene Dietrich in Marocco 1930 (Quand L’amour Meurt)

最初にかけた5曲と同じフリードリヒ・ホレンダー作のジョニーと言う曲は、クルト・ヴァイルの曲(具体的に言えば、スラバヤ・ジョニー)と聞き紛うような曲調で、大変印象的です。この歌は映画の挿入歌ではないようです。余談ですが、アメリカンフォークの父と言われるピート・シーガー作詞作曲のWhere Have All the Flowers Gone?(花はどこへ行った?)を60年代頃にディートリヒはよく歌っていて、YouTubeも色々出て来ます。世界で一番有名な反戦歌とも言われる曲で、戦前のリリー・マルレーンの頃から終始一貫したものを感じました。

<Jonny 3分>
Marlene Dietrich - Johnny

Marlene Dietrich - Sag Mir Wo Die Blumen Sind - with English Subtitles

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2025年7月30日 (水)

嘆きの天使(Der blaue Engel 青い天使)

映画『嘆きの天使』については、映画全編が上がっていました。同じ1930年に撮られた『モロッコ』はDVDを持っていましたが、『嘆きの天使』は見当たらなかったので、買おうかと思ったらYouTubeがありました(笑) この頃の映画は、字幕がなくても何となく分かるかと思います。(以下放送原稿を再度)

手持ち盤と言うのはオーストリアのPreiser Recordsから出ていたDie frühen Aufnahmen(初期の録音)と言う盤で、ディートリヒの出世作になった1930年の映画『嘆きの天使』(独: Der blaue Engel 青い天使)に出てきた4曲から始まります。キャバレーに巡業に来ている舞踊団の踊り子ローラ・ローラを演じるディートリヒの明るく艶美な歌声が記録されています。
ストーリーをごくかいつまんで言いますと、堅物の教授は、学生達が酒と女の誘惑に負ける事を心配してキャバレーに潜入しますが、あまりに謹厳実直で生真面目な教授は団員達から驚かれながらもローラからは歓待され、教授もローラに不思議な魅力を感じるという話です。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の1969年の映画『地獄に堕ちた勇者ども』で、ヘルムート・バーガーにマレーネ・ディートリヒに扮した女装をさせ、『嘆きの天使』と同じく「Falling In Love Again」を歌わせています。『嘆きの天使』はヴィスコンティがもっとも愛した映画の一つだったそうです。3曲目のIch bin von Kopf bis Fuss auf Liebe eingestelltがドイツ語歌詞の方で、直訳では「私は頭からつま先まで愛のために準備されています」と出て来ましたが(笑)、この曲がFalling In Love Againです。

<Ich bin die fesche Lola 私は可愛いローラ 2分39秒>
<Kinder, heut abend such ich mir was aus みんな、今夜は何か選ぶよ 2分43秒>
<Ich bin von Kopf bis Fuss auf Liebe eingestellt 3分5秒>
<Nimm dich in acht vor blonden Frauen 金髪の女性には注意 3分16秒>

Marlene Dietrich in "Der blaue Engel" - The Blue Angel

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2012年11月 8日 (木)

「アラン・ドロンのゾロ」 アサド兄弟

早速ラテン・アメリカのギターのデュオやトリオを探してみました。まず思い出したのは、ブラジルのアサド兄弟でした。ヨーヨー・マのピアソラ・アルバムのバックでの演奏などが記憶にある方も多いかと思います。映画「アラン・ドロンのゾロ」のデュオ?もありましたが、スパニッシュかメキシカンかと思ったら、音楽はGuido & Maurizio De Angelis グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス、とありましたので、名前から察するにイタリア系のようです。しかし、この音楽は明らかにメキシコかアメリカのイスパニックをイメージしているものでしょう。私は一本目のラテン的なギター曲が大好きで大昔に真似をした記憶があります(笑) そして、偶然ですが、本日11月8日は、何とアラン・ドロンの誕生日でした。「太陽がいっぱい」やゾロ、ボルサリーノ・シリーズ、ヴィスコンティ監督の山猫など、私の世代では広く親しまれていました。
いくつか聞いてみて、やはりフォルクローレ・ギターの弾き方は独特だなと改めて思います。アサド兄弟は、クラシック~同国の巨匠ヴィラ=ロボスの影響が、やはり感じられます。しかし3本目冒頭のD.スカルラッティ、素晴らしいです。

ALAIN DELON in ZORRO(1974) - To You Mi Chica

「アラン・ドロンのゾロ」 から 《ゾロのテーマ》

WCIU Channel 26 - "Assad Brothers - Classical Guitar" (1980)

Menino - Assad Brothers with Yo-Yo Ma

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