鶴の巣籠
ゼアミdeワールド476回目の放送、日曜夜10時にありました。27日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。弱音と「間」の多いこの素晴らしい2曲が無事かかってホッとしています(笑) 不思議なのは虚無僧尺八で、何故ジャケットがウイグル?と言うことでした。そう言えばリリースは98年でゼアミは2年目、善養寺さんもまだ若手でした。
盆と正月は日本に帰ろうという事で、大体いつも日本の音楽を取り上げております。一回増やして今回は4回目です。前回の最後に先日人間国宝に認定された善養寺恵介さんの虚無僧尺八をかけましたが、ラジオを通して聞いてみて、改めてその素晴らしさに感銘を受けました。根笹派錦風流「松風」をかけましたが、7分の曲が何とか全曲入りました。
更に弱音と「間」が多い曲ですが、今回は有名な「鶴の巣籠」を思い切って入れてみたいと思います。間は10秒以内に収まっているようですが、弱音部分が多いので多少心配ではあります。鶴の鳴き声、羽ばたき、舞い、巣作り、出産、子別れ、回想までを、様々な技巧を駆使して表現しています。自分でいじってみてよく分かりましたが、この容易に鳴らせない難しい笛で、ここまでの表現が可能なのだろうかと言う信じられない気持ちです。更には微細で生々しい鶴の描写を通して表現するものは何か、そこが気になります。
<善養寺恵介 / 鶴の巣籠 ―虚無僧尺八ー ~蓮芳軒・喜染軒「鶴の巣籠」 17分31秒>
善養寺さんのプロフィールをウィキペディアから少し引用しておきます。
根笹派錦風流の神如道(じんにょどう 1891-1966、絶滅の危機に瀕していた数々の虚無僧尺八曲を、積極的に収集し伝承した古典尺八界の草分け的存在と言われる)のもとで尺八を学んでいた父昭三と岡崎自修より虚無僧尺八の手ほどきを受け、神如道の息子の神如正(じんにょしょう)に師事。東京芸術大学に進み学部、大学院を通して山口五郎(人間国宝)に師事。
尺八の音楽は、ゼアミでは海童道祖が飛び抜けて人気がありました。その大きな理由に、タルコフスキーの遺作になった映画「サクリファイス」に使われたことと、武満徹の代表作を初演した横山勝也氏の師匠であったことがあるように思いました。色々な尺八奏者の同名曲の聞き比べもしてみたいものですが、またの機会にします。
では最後に最も古い伝承曲の一つ「虚空」を時間まで聞きながら今回はお別れです。善養寺さんの端正な音に耳が吸い寄せられました。音数は少ないのですが、深淵な表現には絶大な魅力があります。その表現するものは何か、次回尺八を取り上げるまでに少しでも近づけたらと思っています。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<善養寺恵介 / 虚空 ―虚無僧尺八ー ~「虚空」12分30秒>


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