ペルシア音楽

2019年5月10日 (金)

サトとヴァイオリンの対話

アブドゥヴァリ・アブドラシドフの演奏は、コラボ中心に他にも見れるようです。「Dialogue des Cordes(弦の対話)」と題する今日の一本は、正にサトとヴァイオリンの対話。素晴らしい演奏に耳が釘付けです。サトは、シタールや琵琶のようにフレットが高いので、深い音の揺れを表現できて、豊かな低音がたまに左手のピチカートで出てきます。解説によると、曲はペルシア音楽で、作曲はAbduvali AbdurashidovとShafaq Farrokhzad、楽器はサト(弓奏タンブール)とヴァイオリン、とあります。女性ヴァイオリニストは、Shafaq Farrokhzadという名ですから、イラン系の名前に見えますが、タジキスタンのウズベク人とタジク人のデュオでした。Shafaq Farrokhzad(Shafak Kasymovaが本名あるいは旧姓?)は首都ドゥシャンベ生まれで、タジキスタンで演奏活動と音楽大学での指導、その後フランスに留学し、教育の上級ディプロマと室内楽のディプロマを取得されたようです。

ツイッターではお知らせしましたが、水曜のゼアミdeワールド160回目収録の前に、番組紹介番組のインタビューを受けました。放送は来週月曜と土曜の朝7時25分からで、5分番組です。13日と18日の朝です。宜しければ是非お聞き下さい。

Dialogue des Cordes

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2019年4月25日 (木)

1977年シーラーズでのライブ

今日の映像についても何年か前に書いたように思いますが、若き日のパリサーとアリザーデの至芸を味わえる1977年のシーラーズのハーフェズ廟でのライブ映像です。おそらく同じ録音だと思いますが、80年代のキングの民族音楽シリーズ「エスニック・サウンド・コレクション」の中の一枚「ペルシャ追想~イランの古典音楽」に入っていたナヴァー旋法の演奏です。冒頭のアリザーデのタールからじっくり聞かせますが、何とナヴァーらしい詫び寂び感溢れる音でしょうか。パリサーの華麗なタハリール唱法に触発されるように、アリザーデのタールも繊細に煌めいています。
メンバーは、昨日のダシュティとサントゥール、ネイの奏者も重なっています。おそらく同じ頃の演奏でしょう。サントゥールはメシュカティアンで、ネイ奏者はムーサヴィーではなく、モハンマドアリー・キャーニーネジャードとCDにクレジットがありました。この録音は新旧のワールドミュージックライブラリーには入っていませんが、同じくキングの「イランの音楽~栄光のペルシア」に収録されていました。

Hossein Alizadeh Parisa Parviz Meshkatian Nava

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2019年4月24日 (水)

パリサーのデイラーマン

このモノクロの一本も随分前から見かけますが、ペルシアのダストガーの一つであるダシュティ旋法を演奏していて、短い導入の後、ファーテメ・パリサーが歌い出すのは、名高い「デイラーマンの歌」です。元は北イランの民謡のようですが、ダシュティのグーシェの一曲としてラディーフに入っています。パリサーの師匠のキャリーミーのラディーフの歌唱にももちろん入っていて、楽譜にも採譜されています。小泉文夫氏が称賛したこの曲を、最高の歌手で味わえる演奏です。バックも、若き日のホセイン・アリザーデ(タール)の姿が見え、リーダーは中央のサントゥール奏者パルヴィーズ・メシュカティアンと思われます。ネイ、ケマンチェ、トンバクの奏者は不明ですが、もしかしたらネイを吹いているのは、若い頃のモハンマド・ムーサヴィー・シューシタリーでしょうか?


کنسرت دشتی پریسا و علیزاده و مشکاتیان و

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2019年4月22日 (月)

パリサーのマーフール

ゼアミdeワールド157回目の放送、日曜夕方に終りました。24日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。日本のライブ録音と同じマーフールの曲はなさそうですので、他の曲でしかもタスニーフのみですが、パリサーのマーフールの歌唱を上げておきます。サントゥールのメシュカティアンとの2本目は、かなり前から見かける動画で、旋法はマーフールではないと思いますが(バヤーテ・トルク辺り?)、若い頃のパリサーの貴重な生映像の一つでしょう。



前回はパーソナリティ名にしているペルシアのホマーユン旋法の代表的な演奏として女性歌手パリサーの名唱と、往年の名歌手マフムード・キャリーミーの独唱、アリザーデとダリウーシュ・タライーのセタール独奏によるラディーフの該当箇所を聞き比べました。



今回は、春らしく明朗で美しいマーフール旋法の聞き比べです。まずはファーテメ・パリサーの「ペルシャ絶唱~イスラム神秘主義の歌声」の1978年東京でのライブ録音ですが、この盤はパリサーのマーフールに始まり、名男性歌手ラザヴィ・サルヴェスターニのセガーとマーフールが続き、前回おかけしたパリサーのホマーユンで終わります。ペルシア古典声楽の素晴らしさを知らしめた伝説のライブ録音です。伴奏は、タールがジャラール・ゾルフォヌーン、ネイがモハンマド・ムーサヴィー・シューシタリー、トンバクがモルタザー・ハージェアリー・アーヤンです。



<1 ペルシア絶唱~イスラム神秘主義の歌声 マーフール旋法 10分41秒>

Parissa : Tasnif "Tabeh Banafseh"_Dastgah eh Mahour





parisa & meshkatian





この曲は、導入のダルアーマドに始まり、グーシェはゴシャーイェシュとデルキャシュが続き、リズムがある明るく晴れやかなタスニーフ(歌曲の一種)で終わります。詩はハーフェズが中心で、タスニーフの部分はサファヴィー朝の詩人シェイーヒ・バハーイーです。ハーフェズは、彼の影響を受けてドイツの詩人ゲーテが西東詩集を書いたことでも知られるペルシアの大詩人です。マーフールについては、ビクター盤にグーシェ名の記載がありますので、その部分を中心に聞き比べたいと思います。



まずはパリサーの師匠のマフムード・キャリーミーのラディーフ5枚組の独唱ですが、ダルアーマドの後にセタール版にはないゴシャーイェシュが入っております。その後4つグーシェが続きますが、飛ばして7曲目のデルキャシュをおかけします。デルキャシュというライトクラシカルの女性歌手もいましたが、本来の意味は「魅惑的な」になります。明るいマーフール旋法の中では、少し曇った感じの転調の妙が聞ける重要なグーシェです。



<1 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.4 Homayun / Daramad 2分46秒>

<2 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.4 Homayun / Goshayesh 1分24秒>

<7 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.4 Homayun / Delkash 3分30秒>



続いて、ホセイン・アリザーデのセタールによるラディーフ5枚組からマーフールのダルアーマドとデルキャシュの部分をおかけします。この盤では1曲目と8曲目になります。



<1 Hossein Alizadeh / Radif Vol.4 Mahur / Daramad 41秒>

<8 Hossein Alizadeh / Radif Vol.4 Mahur / Delkash 3分33秒>



セタール独奏の比較で、ダリウーシュ・タライーのラディーフ5枚組から、同じくマーフール旋法のダルアーマドとデルキャシュを時間までおかけします。



ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週



<2 Dariush Talai / Radif Vol.4 Mahur / Daramad 58秒>

<9 Dariush Talai / Radif Vol.4 Mahur / Delkash 1分45秒>

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2019年4月19日 (金)

モルタザー・マハジュビーの伴奏によるホマーユン

ホマーユンと言えば、パリサーの名唱と並んで1980年の柘植元一先生のNHKFM「世界の民族音楽」で聴いた中に、ペルシアン・ピアノのモルタザー・マハジュビーの独奏もありました。このLP録音を探すこと25年。確か2005年にイランのMahoor Institutから、件のホマーユンの独奏の入った盤が登場した時は、正に狂喜乱舞したものです。今回の放送分に対応するyoutubeが少ないので、マハジュビー(あるいはマフジュビー)が、名歌手バナーンやアディブ・ハンサリを伴奏している映像を上げておきます。マハジュビーのペルシアン・ピアノは、明らかに微分音調律していて、通常のピアノでは出せない驚異の音響を響かせています。正にサントゥールの代わりに演奏しています。多分自分で旋法ごとに調律を変えながら弾いていたのでは、と思いますが、どうなのでしょうか。ダシュティ旋法の名歌「デイラーマン」の名唱と、黒メガネで知られるバナーンは、若い頃はタイロン・パワー似の超二枚目です。アディブ・ハンサリも1901年生まれですから、マハジュビーとは同世代。Mahoor Institutの彼の3枚組は、タールだけの伴奏でしっとり聞かせる逸品でした。
3本目は、パリサーの同じ1978年の歌唱ですが、歌の師匠のマフムード・キャリーミーがセタールで伴奏するシーンが出てきて、このワンカットはとても貴重だと思います。

Banan & Mahjoobi: Saz o Avaz - Homayoon

Adib Khansari & Morteza Mahjubi - - Avaz Homayun

Fatemeh Vaezi Parisa sings Hamayun: Poem of Hafez

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2019年4月15日 (月)

パリサーのホマーユンと各ラディーフ盤の聞き比べ

ゼアミdeワールド156回目の放送、日曜夜に終りました。17日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。以下の理由で今週はブログアップもほとんど出来ないと思いますm(. .)m アリザーデではかけたことになっている短いBidad-e Kotも、時間が足りずカットしました。タライーの演奏は「ライラとマジュヌーン」までは入らず、ちょうどネイダーヴードで終わりました。



前回カシミールのラバーブ、北インドのサロッド、イランのセタールで、ラーガ・キルワーニとホマーユン旋法の聞き比べをしましたが、最後のホセイン・アリザーデのセタール演奏がビーダードの途中で終わってしまいました。せっかくですので、もう少しお聞かせしたいと思いますし、ちょうど家の工事が始まる前後で、更には18日にはトークトークでの9回目の終活カフェでの弦楽合奏、20日には西条の樹木葬朗読会でのチェロ伴奏とありまして、14日と21日放送分の準備には余り時間がかけられないと思います。年度初めですし自己紹介を兼ねて、パーソナリティ名にしているホマーユンの代表的な演奏として女性歌手パリサーの名唱と、往年の名歌手マフムード・キャリーミーの独唱、アリザーデとダリウーシュ・タライーのセタール独奏によるラディーフの該当箇所を並べてご紹介したいと思います。実はペルシア音楽は枚数的には手持ち資料が民族音楽では最も多く500枚前後はありますので、ペルシア音楽だけで1、2年はゆうに出来ますが、15分枠の最初に10回ほどごく一部をかいつまんでかけただけですので、折に触れて戻って取り上げたいと思います。



まずはファーテメ・パリサーの1978年の日本公演の歌唱から、ホマーユン旋法です。私がこの録音を初めて聞いたのは1980年の柘植元一氏のNHKFM「世界の民族音楽」の番組で、これが民族音楽に本格的に目が向くきっかけになった録音です。柘植氏の師匠で世界的民族音楽学者だった故・小泉文夫氏が、ペルシアの古典声楽を「世界で最も美しい歌」とか「死ぬ前に聞きたい歌を二つ選ぶとすれば、一番にペルシアの歌、二番目に日本の新内節」と語ったことに大きく影響を受け、その後両方に近づくきっかけになりました。



15分枠の時は抜粋でしたが、今回は10分余りのハーフェズの詩「恋人の巻毛から結び目を解け」によるこのホマーユンの演奏をノーカットでおかけします。裏声を絶妙に操るタハリール唱法を駆使した蠱惑的な絶美のアーヴァーズ(歌唱)です。



<4 ペルシア絶唱~イスラム神秘主義の歌声 ホマーユン旋法 10分12秒>

Parissa : Classical Vocal Art of Persia (Dastgah eh homayoun)





このビクターJVC盤には、パリサーの歌唱はマーフール旋法もありますので、次回おかけします。因みにゼアミdeワールドのオープニングにかけているのも、シャヒーディーとパイヴァール他のマーフールの演奏です。



では、ホマーユンの聞き比べとして、セタールの前にパリサーの師匠のマフムード・キャリーミーのラディーフも5枚組で出ておりますので、彼の独唱で、ネイダーヴードとビーダードの2曲をおかけします。パリサーが日本のライブで歌った中には確かにこの2曲があったと思います。12の各旋法の規範となる楽曲集成のようなラディーフは、沢山の小楽曲あるいは伝統的旋律形のグーシェで出来ております。各グーシェを雛形として、それを即興的にパラフレーズして演奏されます。ホマーユンには通常10~20余りのグーシェがありまして、ネイダーヴードとビーダードはその内の2つです。キャリーミーのラディーフ集成は、併せて楽譜も出ております。



<24 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.2 Homayun / Neydavud 1分39秒>

<25 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.2 Homayun / Bidad 1分10秒>



ホセイン・アリザーデのセタールによるラディーフ5枚組からホマーユンの部分をおかけします。前回途中になったビーダードからどうぞ。その後Bidad-e Kotを挟んでネイダーヴードが出てきます。



<36 Hossein Alizadeh / Radif Vol.2 Homayun / Bidad 2分11秒>

<37 Hossein Alizadeh / Radif Vol.2 Homayun / Bidad-e Kot 27秒>

<38 Hossein Alizadeh / Radif Vol.2 Homayun / Neydavud 1分52秒>



セタール独奏の比較で、ダリウーシュ・タライーのラディーフ5枚組から、同じくホマーユン旋法のビーダードと、Bidad-e Kotを挟んでネイダーヴードをおかけします。キャリーミーでは逆でしたが、タライーはアリザーデとこの部分の曲順が同じです。雛形ではあっても、二人の個性の違いがよく表れているように思います。ダイナミックで一瞬の閃きが光る天才肌のアリザーデと、緻密で職人技的なタライーと言えるでしょうか。



<29 Dariush Talai / Radif Vol.2 Homayun / Bidad 2分10秒>

<30 Dariush Talai / Radif Vol.2 Homayun / Bidad-e Kot 29秒>

<31 Dariush Talai / Radif Vol.2 Homayun / Neydavud 1分51秒>



ダリウーシュ・タライーの演奏では、ネイダーヴードの後も20曲近くホマーユン旋法のグーシェが続きますので、時間までおかけします。この中には「レイリー・マジュヌーン」(ライラとマジュヌーン)もあります。



ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

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2018年5月21日 (月)

トルクメンとトルカマン

ゼアミdeワールド109回目の放送、日曜夕方に終りました。23日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。女性バフシーの二人とも残念ながらyoutubeは見当たりませんので、Tawus Perizatという人の弾き語りを入れておきます。Tawus Perizatの左で弾いている擦弦楽器が、ギジャクです。

Tawus Perizat Turkmen bagşy


トルクメニスタンの2回目は、トルクメンの吟遊詩人バフシーの歌を中心に聞いて行きたいと思います。まずはフランスIneditの「女性バフシーの歌」から、有名なトルクメンの歌姫ジャマラ・サパロヴァの歌でQashliyarと言う「別れの曲」からどうぞ。ドタール伴奏は、前回ロシアのMelodiya音源でご紹介しましたアク・モラード・チャーリエフと同一人物と思われるアクムラド・シャリエフです。

<1 Songs of Bakhshi Women~Qashliyar  5分4秒>

ジャマラ・サパロヴァは、キングのワールドミュージックライブラリーにも録音が入っていた歌手で、私も執筆で参加した音楽之友社の「世界の民族音楽ディスクガイド」の星川京児さんのコラムによると、「アルジェのライとパンジャブのバングラを掛け合わせ、イランのタハリールを強烈にしたようなヴォーカル」と形容された世にも希なポップスで、この盤ではドタール伴奏で歌っていますが、星川さんが首都アシガバードで彼女の歌を聞かれた時はプログラム・シンセ伴奏のポップなスタイルだったようです。国土の7割が砂漠というトルクメニスタンの風土を強く感じさせるドタールの鮮烈な音と、遊牧民ならではの強靭な喉を聞かせる典型的な歌手です。
このイネディの「女性バフシーの歌」には、もう一人Shemshat Hodjaevaという、サパロヴァよりは高い可憐な声で歌う歌手も入っておりますので、Gelsynという曲をおかけしたいと思います。

<4 Songs of Bakhshi Women~Gelsyn  3分20秒>

ジャマラ・サパロヴァで、もう一曲Kone Guzerと言う曲もおかけしておきたいと思います。完売で手元にないため今回アップルミュージックからかけていて、解説を参照出来ておりませんので、曲の詳細は不明です。

<14 Songs of Bakhshi Women~Kone Guzer  2分53秒>

トルクメンの音楽と言うと、いずれも個性的な中央アジア諸国の音楽の中では比較的印象が薄いのは否めませんが、カスピ海の東岸に面し、日本の1.5倍ほどの国土の7割が砂漠という、地理的な魅惑も感じさせる、謎を秘めた国という風に常々感じております。
トルクメンで思い出すのが、イランのタールとセタールの巨匠ホセイン・アリザーデのトルカマン(正確にはトルキャマン)という曲で、元はセタールとオーケストラのために書かれたようですが、KereshmehとMahoorの盤ではセタール独奏で演奏されています。彼の弾くセタールの強靭な音は、明らかにトルクメンのドタールを思わせるもので、彼自身「この曲はトルカマンの人々と彼らの土地にインスパイアされた」と解説に書いています。イランは北西部にアゼルバイジャン系、北東部にトルカマンという、いずれもトルコ系民族が住んでいる国で、アリザーデ自身アゼルバイジャンの血を引くので、彼らの音楽には強く惹かれる部分があるのだろうと思います。この曲はラストパンジガーという旋法で即興演奏されますが、ペルシアの旋法の中で最も複雑かつ流動的で、遊牧民の哀しみと激情を映し出すのに適した旋法のように思います。
全曲は57分余りありますので、最初のちょうど3分のダルアーマド・ラストと、終曲の11分を越える壮絶なトルカマンの途中までになると思いますが続けてお聞き下さい。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Hossein Alizadeh / Torkaman ~Daramad-e Rast 3分>

<14 Hossein Alizadeh / Torkaman ~Torkaman 11分38秒>
Hossein Alizadeh - Torkaman

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2018年4月27日 (金)

器楽版のモルゲ・サハル

器楽版のモルゲ・サハルは、サフバ・モタッレビのタール独奏がありました。何年か前にも上げたと思いますが、もう一度上げておきます。数年前に華やかなテクニックでyoutubeで話題だった女流タール奏者で、若手のタール名手たちを特集したMahoor Institutの「Tar navazi」に彼女の録音がありました。ホセイン・アリザーデ、ダリウーシュ・タライなど、現代の巨匠たちに学んだ人です。作曲者とされるモルタザー・ネイダーヴードの演奏は聞いた記憶がないように思いますので、またMahoor Institutの名演集やコンピレーションの「タールの一世紀」を聞き直してみます。
2本目は前に上げたように思いますが、この曲が出てきたところでもう一度上げておきます。シャジャリアンの伴奏を務めるのは、アゼルバイジャンのケマンチェ名人ハビル・アリエフ。二人の年齢から考えて、まだソ連時代の共演では。

Sahba Motallebi Morghe Sahar

Morghe Sahar By Top Masters: Kamancheh - Habil Aliyev (Azerbaijan) & Shajarian (Iran) Morghe Sahar.

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2018年4月23日 (月)

モルゲ・サハルの聞き比べ シャジャリアンとカシモフ

ゼアミdeワールド105回目の放送、日曜夕方に終りました。25日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日はシャジャリアンの歌唱を目立たせたいので、彼のモルゲ・サハルだけ上げておきます。

アゼルバイジャンの音楽の6回目になります。今回はペルシア音楽の名曲モルゲ・サハルの聞き比べを中心に予定しております。まずアゼルバイジャンの大歌手アリム・カシモフがこの曲を取り上げた2枚組とDVDのセットからおかけします。モルゲ・サハルとは、シャジャリアンがバムの地震の追悼ライブのラストに歌っていた感動的なマーフール旋法のタスニーフです。元の歌詞はペルシア語ですが、カシモフはアゼルバイジャン語でアゼルバイジャン風な迸る激情型で歌っております。曲名の英訳はDawn Birdですから、直訳すれば「夜明けの鳥」です。

<2-1 Alim Qasimov / Morqe Sahar - Tabriz Concert   ~Morqe Sahar 7分38秒>

続きまして、原曲のシャジャリアンの歌うモルゲ・サハルを比較で聞いてみたいと思います。2003年末にイラン南東部のバムで起きた大地震の犠牲者を追悼するコンサートのライヴDVDに収録されている演奏です。被災者の救援と、バムの町を再建するためのチャリティー・コンサートでもあったようです。シャジャリアンの提案で、救援物資だけでなく、失われた文化遺産の保存にも尽くすべきとの思いから、コンサートの全ての利益は「バム庭園」というカルチャーセンターを構築するために、バムの都市に捧げられたとのことでした。シャジャリアンの次世代の名歌手と言われる人もこの地震で亡くなったらしく、後継の歌手の一人を失ったシャジャリアン自身の悲しみも歌唱から感じられます。
演奏は、ペルシア古典声楽界の大物歌手シャジャリアンと、2度来日歴もあるタール&セタールの巨匠ホセイン・アリザーデ、数年前に来日した弓奏楽器キャマンチェのカイハン・キャルホール、シャジャリアンの息子のトンバク奏者(随所で歌も担当)ホマーユン・シャジャリアンの4人です。
アンコールで演奏される名高いタスニーフの「モルゲ・サハル」ですが、大分前からyoutubeにアップされています。このタスニーフはダストガー・マーフールの晴れやかで威厳に満ちたメロディがとても素晴らしい曲で、アリザーデ一行の2004年の来日の際、玉川上水のロバ・ハウスでデモ演奏されていました。このマーフール旋法の一曲は、特にイラン人の琴線に触れるタスニーフの一つのようで、犠牲者への思いとオーヴァーラップするのか、涙を流す聴衆が何人も見えます。

<Shajarian / Hamnava ba Bam ~Morghe Sahar 5分15秒>
Shajarian Morgh-e Sahar


アゼルバイジャン版とイランの原曲でモルゲ・サハルを聞いて頂きました。この曲は20世紀前半のイランのタール名人モルタザー・ネイダーヴード(Morteza Neydavoud)が書いた曲ですが、両国に共通のレパートリーになっていたのか、アリム・カシモフが何かのきっかけで取り上げたのかは、不明です。ソ連時代には交流は難しかったと思うので、おそらく後者だと思いますが、どういうきっかけがあったのかが気になります。アゼルバイジャンは中世のアル・ファーラービーに次ぐようなペルシア・アラブ・トルコ共通の中東音楽の哲学者兼音楽理論家のサフィー・ウッディーン・アル・ウルマウィを排出した国で、元々繋がりが深い訳ですから、モルゲ・サハルも現代の交流の一つのサンプルと考えていいのでしょう。

古い時期の録音には、ペルシアとの繋がりの強さがよりはっきり現われていますので、Mahoor Institutの「アゼルバイジャン共和国の偉大な歌手達」Great Singers of The Republic of Azerbaijanから3曲おかけしたいと思います。この2枚組の録音は1915-1960で、最高のムガーム名人と言われたジャッバール・カリャークディ=オグル(1861-1944)初め10人の歌手による35曲が収録されています。05年にアゼルバイジャンで非営利目的で出版された16枚組CDブックをもとに、マーフールが2枚組に再編集したという盤です。
おかけするのは、日本なら江戸時代生まれのジャッバール・カリャークディ=オグルの歌唱です。彼の時代には実際にペルシアの宮廷で歌っていた歌手もいたようです。歴史的録音のためノイズがありますが、タハリール唱法の凄さはよく聞き取れると思います。曲名は順に、ダシュティ、オルタ・マーフール、バヤート・カージャールです。ペルシアのダシュティと共通するノスタルジックなダシュティ、やはりモルゲ・サハルと似た明るい雰囲気のマーフール、ペルシアのカージャール朝時代の詩の吟唱を彷彿とさせるバヤート・カージャールと続きます。

<1 Jabbar Qaryaghdi-oghlu / Dashti 3分2秒>
<5 Jabbar Qaryaghdi-oghlu / Orta Mahur 3分8秒>
<7 Jabbar Qaryaghdi-oghlu / Bayat Qajar 3分23秒>

では最後に再度シャジャリアンの歌唱でボテ・チンというエキゾチックで親しみやすいタスニーフを聞きながら今回はお別れです。訳は「中国の美女」となるようです。シルクロードによる東西の交流を連想させる曲名です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 シャジャリアン ボテ・チン 8分7秒 抜粋>

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2018年4月20日 (金)

ハイェーデ1981

結局アリ・サリミの動画は先日の2本だけかも知れません。最近のテーマ(アゼルバイジャン)とはずれますが、色々見ている内に思わず見入ってしまった一本がありました。シャジャリアンのボテ・チンが出た25年ほど前に、同じアメリカ西海岸系ペルシア音楽のレーベルから、女性歌手ハイェーデの盤も沢山出ました。今日の映像では、その頃の名唱が1時間近くに亘って見られます。当時なら考えられなかったことです。男性歌手ゴルパとのデュオなどもありました。伴奏のヴァイオリンは、パルヴィーズ・ヤハギでしょうか? 素晴らしい妙技に目も釘付けです。おそらくシュール旋法系のライト・クラシカル曲だと思います。
昨日のタイトルは「アイリリクとアゼルバイジャン現代史」の方が良かったかもと思いました。来週ヴァイオリンとチェロ両方での本番を二つ控えていて、何かとバタバタでブログになかなか時間が割けません。その後はGWですので、またアップが飛び飛びになるかと思います m( . . )m

Haydeh 1981.mp4

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