ペルシア音楽

2020年2月17日 (月)

トラキアの伝統音楽(THRACE - Sunday Morning Sessions)

ゼアミdeワールド200回目の放送、日曜夜にありました。19日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日はとりあえずプロモーション映像(だと思います)だけ上げておきます。

トルコの17回目になります。記念すべき200回目と言うことで、今回はトルコ周辺の音楽で最近特に驚いた一枚をご紹介したいと思います。
世界的名チェリスト、ジャン=ギアン・ケラスがイランやギリシアの音楽家と共演した「トラキアの伝統音楽(THRACE - Sunday Morning Sessions)」と言う盤ですが、似たようなアプローチで思い出すのは、NHKの新シルクロードでお馴染みのヨーヨー・マとシルクロード・アンサンブルで、クラシックの音楽家で非西洋の音楽に目を向けるのは、今回もチェリストだったという印象を強く持ちました。

ジャン=ギアン・ケラス(Jean-Guihen Queyras)は、カナダのモントリオール出身でフランスのチェリストです。フランスの現代作曲家ピエール・ブーレーズが創設したアンサンブル・アンテルコンタンポランの首席チェロ奏者を1990年から2001年まで務め、バッハなどバロックの作品から現代作品までの名演を数多く残しています。

共演しているのは、ペルシア音楽だけでなく東地中海諸国の伝統音楽とコラボを重ねている、イランのトンバクとダフの奏者ケイヴァン・シェミラーニ、ビジャン・シェミラーニの兄弟と、偶然にも前回取り上げたギリシアのリラ奏者ソクラテス・シノプーロスも参加しています。

まずは、チェロとトンバクの重厚な音色がよくマッチしている2曲目のNihavent Semaiをおかけします。旋法名になっているニハーヴェントは、ササン朝ペルシアがアラブに敗れた古代イランの地名として名高く、それがオスマン古典音楽の楽曲形式サズ・セマーイと結びついた、悲しくも美しい旋律を聞かせる曲です。

<2 Nihavent Semai 7分9秒>

Thrace - Sunday Morning Sessions inaugura temporada musical 2016/17 na Gulbenkian


トラキアと言うのは、バルカン半島南東部の歴史的地域名で、現在は3か国に分断され、西トラキアがブルガリアの南東部とギリシア北東部の一部に、東トラキアがトルコのヨーロッパ部分になっています。いずれもオスマン帝国の版図に入っていましたから、今回取り上げるのはとてもタイムリーなように思います。

ユダヤのクレズマーに似ているギリシアの舞踊ハサピコは今回初登場ですが、ギリシアのカルシラマースと関係のあるトルコのカルシラーマの話は先週出たばかりです。こういう舞曲がトラキアの土地ととても関係が深いため、アルバムタイトルが「トラキア」になったようです。その2曲ハサピコとカルシラーマという曲がありますので、続けておかけします。

<10 Hasapiko 5分57秒>

<11 Karsilama 3分15秒>

トラキア周辺は古代においてはギリシアとペルシアが争っていた辺りで、現在もヨーロッパとアジアの接点に位置します。世界でも稀なほど複雑で洗練された奏法と重厚な音色が特徴のトンバクは、現代トンバク奏法の父、ホセイン・テヘラーニの意思を継ぐ一人、ジャムシド・シェミラーニとその息子ケイヴァン・シェミラーニ、ビジャン・シェミラーニの二人がメインストリームにいると言っていいと思います。少し和太鼓にも似て聞こえるこの片面太鼓の音は、東地中海諸国の様々な伝統音楽に上手く溶け込み、この盤以外にも注目作を連発してきました。

余談ですが、ゼアミdeワールドのテーマ曲として最初にかけているアブドルワハブ・シャヒーディーの曲の冒頭に出てくるのが、ホセイン・テヘラーニのトンバクです。実は95年にイラン人の先生から少し教わったことがあるので、トンバクの難しさと素晴らしさはよく知っているつもりです。

4曲目のZarbi é Shustariではトンバクが華々しく古典的フレーズで伴奏しますが、サントゥールとセタールの名人のモハマド・レザ・ロトフィが書いたと思しきこの曲は、往年のセタールとヴァイオリンの名人アボルハサン・サバーの音楽を思わせるものがあり、ヴァイオリン(ここではリラですが)の演奏は、イランと言うよりトラキア風に聞こえる、と解説にはあります。

<4 Zarbi é Shustari 6分14秒>

では最後にトンバク(あるいはザルブとも)の妙技をじっくり聞ける8曲目のDast é Kyanを時間まで聞きながら、今回はお別れです。「トンバクの神様」ホセイン・テヘラーニの意思を受け継ぐシェミラーニ兄弟による超絶のトンバク・デュオです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<8 Dast é Kyan 7分7秒>

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2020年1月16日 (木)

ムーサヴィーとキャサイー

今日の1本目もハッサン・キャサイーで検索して出てきましたが、この人は彼の弟子のモハンマド・ムーサヴィー・シューシタリーだと思います。年老いたキャサイーは心配そうに?客席で見守っています。4分過ぎにムーサヴィーがトンバク奏者に一瞬見せる厳しい表情が気になります。トンバク落とせ、のサインでしょうか? ムーサヴィーも素晴らしいネイ奏者で、パリサーなど現代の名人との共演もたくさんあります。2本目はキャサイーのネイ独奏。何でこんな音が出せるのか、本当にいつまでも見ていたい位、素晴らしいです。

1384.wmv


Ney: Hassan Kassai

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2020年1月15日 (水)

ハッサン・キャサイーのダストガー・シュール

無いと思っていたハッサン・キャサイーのダストガー・シュールのyoutubeがありました! この演奏を初めて聞いたのは、1980年の柘植元一氏のNHKFM「世界の民族音楽」でした。確かイランから帰られてすぐの放送だったように記憶しています。まだ当時の録音カセットを持っていて、ペルシア古典音楽2回に加えて、イランの地方の民謡、流行歌までありました。各番組のトップにキャサイーのシュールとマーフールが当てられていました。何度も書いていますが、この放送と70年代のユネスココレクションのLPでアスガール・バハーリーのケマンチェとホセイン・テヘラーニのトンバクを聞いたことが、民族音楽に向かわせる大きなきっかけになりました。当時は小泉文夫さんも盛んにTVやラジオに出ていました。

Hassan Kassai ~ Dastgah-e Shour (1973) [Iran]

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2020年1月13日 (月)

ネイの聞き比べ イランとトルコ

ゼアミdeワールド195回目の放送、日曜夜にありました。15日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。キャサイーのプラヤと同じ音源はなさそうですので、今日は彼の生映像を上げておきます。旋法は同じシュールだと思います。アカ・ギュンデュズはまた後日。

正月の定番曲「春の海」に続いてとなると、どうしても詫び寂び感が欲しい気がしますので、最近回っているトルコ音楽なら、やはり尺八に似た音色のネイだと思います。トルコの12回目は、トルコとイランのネイの聞き比べをしたいと思います。トルコの初回に言いました通り、ネイとは、葦で出来た長い縦笛で、ペルシアの大詩人ジャラールッディン・ルーミーが神秘主義詩の中で読み、メヴレヴィー教団を興して以来、スーフィーの音楽で最も重要な楽器とされています。

まずは、イランのネイの名人ハッサン・キャサイーのプラヤ盤について、音楽之友社から2002年に出た「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いた拙稿を読み上げます。

ネイは葦で出来ていて、吹き口は切ったままの状態に真鍮の筒をはめた、極めてシンプルな縦笛。構えは大概髭で見えにくいが、歯の隙間と舌を有効に利用している模様。トルコのネイと似ているが吹き口が違う。丸い筒のままなので、音を出すだけでも至難の技。そしてこのシンプルさが手伝って、イランではとてつもない名人芸が生まれた。この盤はイスファハーンの往年の巨匠の唯一のまとまった録音。苦悩のパッションを描き出すシュールと、雨後の虹のように美しく晴れやかなマーフールの対照的な組み合わせがまた良い。拍節のある部分では一部トンバク(ザルブ)伴奏が入る。現代のネイの名手にはこの人の影響を受けた奏者が非常に多い。余りに凄演!
 

それでは、シュール旋法のピシュダルアーマドと、チャハールメズラブ、ケレシュメを続けておかけします。片面太鼓トンバクの伴奏は、ジャハンギール・ベヘシュティです。

<1 Hassan Kassa'i / Le Ney Pishdaramad-shahnaz tshahamezrab 3分3秒>

<2 Hassan Kassa'i / Le Ney Kereshme,kutsh-bagh, hosseini, hazin 6分12秒>

Ostad Hasan Kasaie


ハッサン・キャサイーのマーフール旋法の一部も少しだけおかけしておきます。

<6 Hassan Kassa'i / Le Ney Safi-name,saghi-name,beste-negar,tasalsol 2分余り抜粋>

次にトルコのネイですが、前に一曲かけました往年の名人アカ・ギュンデュズ・クトバイの、プラヤサウンドから90年代に出ていた独奏盤から、前にNihaventをかけましたので、13分のラスト旋法のタクシームを時間まで聞きながら今回はお別れです。明るいイメージのあるラスト旋法ですが、年末にかけたミュニール・ヌーレッティン・セルチュクの大曲のように、いかようにも変容する奥深い旋法のように思います。変調する旋法として、Segah, Mustear, Beyati, Saba, Ussakが上がっています。因みに、今日の2枚はプラヤサウンドの活動停止のため、いずれも現在は入手不可の盤です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 AKA Gunduz Kutbay / Le Ney - Rast 13分10秒>

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2019年10月30日 (水)

Abdulkadir MeragiのRast Nakis Beste トルコとイラン

Abdulkadir Meragi作曲のRast Nakis Besteとしてのオーソドックスな器楽名演はこちらです。トルコのKalanから2001年に出ました。編成は、ネイと枠太鼓ベンディールのSenol Filiz(シェノル・フィリス)、タンブールがBirol Yayla(ビロル・ヤイラ)、ウードがSamim Karaca(サミーム・カラジャ 名歌手キャーニ・カラジャと関係あり?)、カーヌーンがTaner Sayacioglu(タネル・サヤジュロウル)、ケメンチェはLutfiye Ozer(リュトフィイェ・オゼル)です。オスマン音楽らしい、すっきりと美しいユニゾンです。

Rast Nakış Beste [ Miras © 2001 Kalan Müzik ]

ペルシア音楽では、この曲をホマーユン・シャジャリアン以外にもセピデー・ライッサダト(Sepideh Raissadat)が歌っていました。フランスBudaのアンサンブル・モシュタークでの2枚以降、大注目のセタール弾き語りの女性歌手です。ネイはトルコのネイですが、ウードはどちらでしょうか?

Ensemble Maraghi: Amed Nesim-e Subh Dem (Rast Naks Beste)

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2019年5月10日 (金)

サトとヴァイオリンの対話

アブドゥヴァリ・アブドラシドフの演奏は、コラボ中心に他にも見れるようです。「Dialogue des Cordes(弦の対話)」と題する今日の一本は、正にサトとヴァイオリンの対話。素晴らしい演奏に耳が釘付けです。サトは、シタールや琵琶のようにフレットが高いので、深い音の揺れを表現できて、豊かな低音がたまに左手のピチカートで出てきます。解説によると、曲はペルシア音楽で、作曲はAbduvali AbdurashidovとShafaq Farrokhzad、楽器はサト(弓奏タンブール)とヴァイオリン、とあります。女性ヴァイオリニストは、Shafaq Farrokhzadという名ですから、イラン系の名前に見えますが、タジキスタンのウズベク人とタジク人のデュオでした。Shafaq Farrokhzad(Shafak Kasymovaが本名あるいは旧姓?)は首都ドゥシャンベ生まれで、タジキスタンで演奏活動と音楽大学での指導、その後フランスに留学し、教育の上級ディプロマと室内楽のディプロマを取得されたようです。

ツイッターではお知らせしましたが、水曜のゼアミdeワールド160回目収録の前に、番組紹介番組のインタビューを受けました。放送は来週月曜と土曜の朝7時25分からで、5分番組です。13日と18日の朝です。宜しければ是非お聞き下さい。

Dialogue des Cordes

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2019年4月25日 (木)

1977年シーラーズでのライブ

今日の映像についても何年か前に書いたように思いますが、若き日のパリサーとアリザーデの至芸を味わえる1977年のシーラーズのハーフェズ廟でのライブ映像です。おそらく同じ録音だと思いますが、80年代のキングの民族音楽シリーズ「エスニック・サウンド・コレクション」の中の一枚「ペルシャ追想~イランの古典音楽」に入っていたナヴァー旋法の演奏です。冒頭のアリザーデのタールからじっくり聞かせますが、何とナヴァーらしい詫び寂び感溢れる音でしょうか。パリサーの華麗なタハリール唱法に触発されるように、アリザーデのタールも繊細に煌めいています。
メンバーは、昨日のダシュティとサントゥール、ネイの奏者も重なっています。おそらく同じ頃の演奏でしょう。サントゥールはメシュカティアンで、ネイ奏者はムーサヴィーではなく、モハンマドアリー・キャーニーネジャードとCDにクレジットがありました。この録音は新旧のワールドミュージックライブラリーには入っていませんが、同じくキングの「イランの音楽~栄光のペルシア」に収録されていました。

Hossein Alizadeh Parisa Parviz Meshkatian Nava

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2019年4月24日 (水)

パリサーのデイラーマン

このモノクロの一本も随分前から見かけますが、ペルシアのダストガーの一つであるダシュティ旋法を演奏していて、短い導入の後、ファーテメ・パリサーが歌い出すのは、名高い「デイラーマンの歌」です。元は北イランの民謡のようですが、ダシュティのグーシェの一曲としてラディーフに入っています。パリサーの師匠のキャリーミーのラディーフの歌唱にももちろん入っていて、楽譜にも採譜されています。小泉文夫氏が称賛したこの曲を、最高の歌手で味わえる演奏です。バックも、若き日のホセイン・アリザーデ(タール)の姿が見え、リーダーは中央のサントゥール奏者パルヴィーズ・メシュカティアンと思われます。ネイ、ケマンチェ、トンバクの奏者は不明ですが、もしかしたらネイを吹いているのは、若い頃のモハンマド・ムーサヴィー・シューシタリーでしょうか?


کنسرت دشتی پریسا و علیزاده و مشکاتیان و

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2019年4月22日 (月)

パリサーのマーフール

ゼアミdeワールド157回目の放送、日曜夕方に終りました。24日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。日本のライブ録音と同じマーフールの曲はなさそうですので、他の曲でしかもタスニーフのみですが、パリサーのマーフールの歌唱を上げておきます。サントゥールのメシュカティアンとの2本目は、かなり前から見かける動画で、旋法はマーフールではないと思いますが(バヤーテ・トルク辺り?)、若い頃のパリサーの貴重な生映像の一つでしょう。



前回はパーソナリティ名にしているペルシアのホマーユン旋法の代表的な演奏として女性歌手パリサーの名唱と、往年の名歌手マフムード・キャリーミーの独唱、アリザーデとダリウーシュ・タライーのセタール独奏によるラディーフの該当箇所を聞き比べました。



今回は、春らしく明朗で美しいマーフール旋法の聞き比べです。まずはファーテメ・パリサーの「ペルシャ絶唱~イスラム神秘主義の歌声」の1978年東京でのライブ録音ですが、この盤はパリサーのマーフールに始まり、名男性歌手ラザヴィ・サルヴェスターニのセガーとマーフールが続き、前回おかけしたパリサーのホマーユンで終わります。ペルシア古典声楽の素晴らしさを知らしめた伝説のライブ録音です。伴奏は、タールがジャラール・ゾルフォヌーン、ネイがモハンマド・ムーサヴィー・シューシタリー、トンバクがモルタザー・ハージェアリー・アーヤンです。



<1 ペルシア絶唱~イスラム神秘主義の歌声 マーフール旋法 10分41秒>

Parissa : Tasnif "Tabeh Banafseh"_Dastgah eh Mahour





parisa & meshkatian





この曲は、導入のダルアーマドに始まり、グーシェはゴシャーイェシュとデルキャシュが続き、リズムがある明るく晴れやかなタスニーフ(歌曲の一種)で終わります。詩はハーフェズが中心で、タスニーフの部分はサファヴィー朝の詩人シェイーヒ・バハーイーです。ハーフェズは、彼の影響を受けてドイツの詩人ゲーテが西東詩集を書いたことでも知られるペルシアの大詩人です。マーフールについては、ビクター盤にグーシェ名の記載がありますので、その部分を中心に聞き比べたいと思います。



まずはパリサーの師匠のマフムード・キャリーミーのラディーフ5枚組の独唱ですが、ダルアーマドの後にセタール版にはないゴシャーイェシュが入っております。その後4つグーシェが続きますが、飛ばして7曲目のデルキャシュをおかけします。デルキャシュというライトクラシカルの女性歌手もいましたが、本来の意味は「魅惑的な」になります。明るいマーフール旋法の中では、少し曇った感じの転調の妙が聞ける重要なグーシェです。



<1 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.4 Homayun / Daramad 2分46秒>

<2 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.4 Homayun / Goshayesh 1分24秒>

<7 Mahmud Karimi / Vocal Radif of Persian Classical Music Vol.4 Homayun / Delkash 3分30秒>



続いて、ホセイン・アリザーデのセタールによるラディーフ5枚組からマーフールのダルアーマドとデルキャシュの部分をおかけします。この盤では1曲目と8曲目になります。



<1 Hossein Alizadeh / Radif Vol.4 Mahur / Daramad 41秒>

<8 Hossein Alizadeh / Radif Vol.4 Mahur / Delkash 3分33秒>



セタール独奏の比較で、ダリウーシュ・タライーのラディーフ5枚組から、同じくマーフール旋法のダルアーマドとデルキャシュを時間までおかけします。



ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週



<2 Dariush Talai / Radif Vol.4 Mahur / Daramad 58秒>

<9 Dariush Talai / Radif Vol.4 Mahur / Delkash 1分45秒>

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2019年4月19日 (金)

モルタザー・マハジュビーの伴奏によるホマーユン

ホマーユンと言えば、パリサーの名唱と並んで1980年の柘植元一先生のNHKFM「世界の民族音楽」で聴いた中に、ペルシアン・ピアノのモルタザー・マハジュビーの独奏もありました。このLP録音を探すこと25年。確か2005年にイランのMahoor Institutから、件のホマーユンの独奏の入った盤が登場した時は、正に狂喜乱舞したものです。今回の放送分に対応するyoutubeが少ないので、マハジュビー(あるいはマフジュビー)が、名歌手バナーンやアディブ・ハンサリを伴奏している映像を上げておきます。マハジュビーのペルシアン・ピアノは、明らかに微分音調律していて、通常のピアノでは出せない驚異の音響を響かせています。正にサントゥールの代わりに演奏しています。多分自分で旋法ごとに調律を変えながら弾いていたのでは、と思いますが、どうなのでしょうか。ダシュティ旋法の名歌「デイラーマン」の名唱と、黒メガネで知られるバナーンは、若い頃はタイロン・パワー似の超二枚目です。アディブ・ハンサリも1901年生まれですから、マハジュビーとは同世代。Mahoor Institutの彼の3枚組は、タールだけの伴奏でしっとり聞かせる逸品でした。
3本目は、パリサーの同じ1978年の歌唱ですが、歌の師匠のマフムード・キャリーミーがセタールで伴奏するシーンが出てきて、このワンカットはとても貴重だと思います。

Banan & Mahjoobi: Saz o Avaz - Homayoon

Adib Khansari & Morteza Mahjubi - - Avaz Homayun

Fatemeh Vaezi Parisa sings Hamayun: Poem of Hafez

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