ユダヤ音楽

2024年2月 8日 (木)

カントールを伴奏するトランペット

このShir Hama'alos Pt. 2は、実際にシナゴーグでアドン・オラムなどを聞いた時の感動に近いものを覚える旋律です。旋律のバックを管楽器一本がなぞるように伴奏するというスタイルは、ジャズだけでなく、中東や日本でも見られます。イランのネイしかり、日本の尺八しかりで、東洋に多いように思います。旋律に沿うフランク・ロンドンの演奏が素晴らしく、思わず耳をそばだてました。(以下放送原稿を再度)

フランク・ロンドンが2005年にツァディクからリリースしたHazonosは、ジョン・ゾーンのレーベルですから、バックはアヴァンギャルドな装いになっていて、その上でオーソドックスなカントール(ハザン)の歌声にフランク・ロンドンのトランペットが伴奏で付いていくという斬新な試みが聞けました。特にカントールらしい旋律が美しいShir Hama'alos Pt. 2をおかけしておきます。

<7 Frank London / Hazonos ~Shir Hama'alos Pt. 2 5分22秒>

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2023年12月29日 (金)

カントールの芸術 ジャン・ピアース

ユダヤ教の会堂の合唱長、カントール(ヘブライ語ではハザン)の音源は、90年頃に聞いたジャン・ピアースが最初で、その次にリチャード・タッカーだったでしょうか。二人ともオペラの世界の名テノール歌手でもありますが、カントールの曲では、ユダヤ的なエキゾチックな細かい節回しに驚いたものです。やはりコル・ニドレイやアヴィーヌ・マルケイヌなど、アハヴォ・ラボ旋法の部分で顕著です。
この二人を聞いた後で、オペラコーナーの中でアリア集の棚にカントールの歴史的録音が紛れ込んでいることを発見しました。分類困難のためアリア集に入れられていたのでしょう、Pearlなどヒストリカル専門のレーベルでGershon SirotaやJoseph Rosenblattなどの往年の名カントール音源がありまして、見つけた時は一人小躍りするように喜んだものです(笑) ジャン・ピアースも生没年は1904年 - 1984年なので、既に相当昔の人ですが、ヒストリカル録音の方は更に20年ほど年長のカントールで、何人もホロコーストの犠牲になっています。
今日の一本は、私が90年頃最初に聞いたジャン・ピアースの「カントールの芸術」と言う米Vanguardの盤です。今週の番組でかけたハヌカーの歌、マーオーズ・ツール ma‘oz tzur (『砦の岩よ』)は、15曲目に出てきます。この曲はハヌカー向きの明るい歌なので、ユダヤ的コブシは控えめです。
東方教会の方は余りに謎が多いので、またの機会にしたいと思います。今年は今日のアップが最後です。皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

Jan Peerce - The art of the Cantor

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2023年12月25日 (月)

ベツレヘム生誕教会の鐘、もみの木、きよしこの夜

ゼアミdeワールド391回目の放送、日曜夜10時にありました。27日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。番組でかけたのと同じクリスマス音源はYouTubeにはなさそうですので、ベツレヘム生誕教会の鐘、もみの木、きよしこの夜のみ、見つかった音源で上げておきます。

東欧系ユダヤ音楽シリーズの途中ですが、本放送がちょうどクリスマスイヴですので、今回はクリスマス特集にしたいと思います。2年ほど前とほぼ同じ内容です。

これまでに何度かかけましたが、ドイツ・グラモフォンから出ていた「聖地のクリスマス音楽」から、「ベツレヘム生誕教会の鐘」をおかけします。キリスト生誕の地とされるベツレヘムのギリシア正教会での録音で、東方的な渋みや深みを感じさせる音です。

<22 聖地のクリスマス音楽 ~ ベツレヘム生誕教会の鐘 1分15秒>
イエスが生まれた聖地、生誕教会(3) in ベツレヘム

2~4曲目はローマ・カトリック教会の聖歌で、女声によって歌われるグレゴリオ聖歌の一種でラテン語で歌われています。この盤の中では唯一の西方教会の音楽で、異色の音源になっていると思います。その中から夜中のミサ:アレルヤ唱をどうぞ。

<3 聖地のクリスマス音楽 ~ ローマ・カトリック教会の聖歌 夜中のミサ:アレルヤ唱 2分>

この盤からもう一曲、古シリア教会の聖歌で、アレルヤ、アレルヤをおかけします。最も早くからキリスト教化された地方ですから、ユダヤ教の流れも汲む古い典礼のスタイルが残っているようです。言葉はイエス・キリスト自身が話したと伝えられる古いシリア語の一種のアラム語が現在も主に使われています。

<18 聖地のクリスマス音楽 ~古シリア教会の聖歌 アレルヤ、アレルヤ 2分20秒>

このアルバムに収録されているのは、イスラエルのエルサレムやベツレヘムでの東方諸教会の音源で、この地で2000年前にキリスト教が生まれた頃に近い響きを持っていると思われる音楽が中心です。この後は一般にもよく知られているクリスマス・キャロルもおかけして、その後でユダヤで同じ時期に祝われるハヌカー関連の音源もご紹介します。

よく知られるクリスマス・ソング2曲をウィーン少年合唱団の歌唱でおかけしますが、最初がドイツ民謡「もみの木」で、2曲目は1818年にフランツ・グルーバーが作曲した「きよしこの夜」です。(ウィーン少年合唱団は80年代頃の音源です)

<22 ウィーン少年合唱団ベスト もみの木 1分38秒>
ウィーン少年合唱団 ドイツ民謡 もみの木

<23 ウィーン少年合唱団ベスト きよしこの夜 2分40秒>
Vienna Boys Choir - Stille Nacht (Silent Night)

次にユダヤのハヌカーですが、ユダヤの世界にはキリストの生誕を祝うクリスマスというのは無いのですが、まるで対抗するかのようにほぼ同時期にハヌカーという祭りがあります。ハヌカーはユダヤ教の年中行事の一つで、紀元前168年~紀元前141年のマカバイ戦争時のエルサレム神殿の奪還を記念する「宮清めの祭り」です。

9本の燭台ハヌキヤーに一日一つずつ点灯した後、マーオーズ・ツール ma‘oz tzur (『砦の岩よ』)という、13世紀ドイツに起源を持つ賛歌などが歌われます。そのマーオーズ・ツールを、往年の名テノール歌手ジャン・ピアースの歌唱と合唱団でおかけします。彼はユダヤ教の会堂、シナゴーグの合唱長カントールでもありました。

<15 Jan Peerce / The Art of the Cantor ~Mo Os Tzur 6分22秒>

15世紀のレコンキスタでスペインから追放され、北アフリカやバルカン半島など多くは旧オスマン帝国内に離散したスペイン系ユダヤ人はセファルディーと呼ばれますが、彼らの民謡を演奏するグループVoice of the Turtleは「ハヌカー・コンサート」という盤が最初に出ました。その中からハヌカーという曲をどうぞ。

<10 Voice of the Turtle / Circle of Fire ~Hanuka 3分10秒>

ハヌカーの歌には、東欧系ユダヤのイディッシュ語ではドレイドル、ヘブライ語でスヴィヴォンという木製の独楽(コマ)についての歌がよく知られていますが、有名な旋律の入った盤がすぐに見当たりませんでした。このコマには四面に反時計回りに、ヘブライ文字のヌン、ギメル、ヘー、シンの文字が描かれていて、イディッシュ語の「nisht(ドイツ語: nichts 何もない)、gants(ganz 全部)、halb(halb 半分)、shtel(einstellen 置く)」の頭文字ですが、しばしばヘブライ語で「ネス・ガドール・ハヤ・シャム、そこで偉大な奇跡が起こった」の頭文字と解釈されています。

このドレイドルについては、東欧系ユダヤの祝祭音楽の一種であるクレズマーでよく演奏されています。クレズマー・コンサーヴァトリー・バンドの87年に出たOy Chanukah!から、ドレイドル・ソングをおかけして、その後は時間までこの盤の冒頭から続けたいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<19 Klezmer Coservatory Band / Oy Chanukah! ~Dreydl Song 3分25秒>

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2023年11月 3日 (金)

98年以降のアンディ・スタットマン

アンディ・スタットマンの98年ヒドゥン・ライト以降のリリース作をウィキペディアで見てみました。16作ある中で、タイトルからすぐにユダヤ関係と分かるのは、1998 Holiday Tradition、1998 The Soul of Klezmer、2000 Klezmer: From Old World To Our World、2004 Wisdom, Understanding, Knowledge、2006 New Shabbos Waltz - with David Grisman、2005 Avodas Halevi、2014 Hallel V'zimrah — Ben Zion Shenker, vocals、2014 Songs of the Breslever Chassidim位でしょうか、8作品もありました。ツァディク・レーベルのAvodas Haleviは、千葉から愛媛にUターン移転した2005年のリリースという事で、DIWからサンプルを頂いてなかったようです。音楽はやはりフリージャズの入ったクレズマーで、オーネット・コールマンと言うより、曲によってはアルバート・アイラーを思い出しました。
他にストリーミングで聞ける中では、 Songs of Our Fathersの流れを汲む2006年のNew Shabbos Waltzが特に素晴らしく思いました。有名なピユートなどを実に上手くアレンジして聞かせます。2004年のWisdom, Understanding, Knowledgeも、ほとんどユダヤ宗教歌のニグン特集のような内容です。2014年のSongs of the Breslever Chassidim(ブラツラフのハシディームの歌)が、ラビ・ナフマン関係かと思わせるタイトルから一番気になりますが、ストリーミングには出ていないし、CD-Rでは手に入るらしいという事以外分かりません。昨日話題に出したBetween Heaven & Earthは、ヒドゥン・ライトの直前の97年リリースでしたから、やはりSongs of Our Fathersの後でした。幾つか聞いてみて、やはり舞踊音楽系のクレズマーと言うより、深くユダヤ教の中に降りていくような内容で、ダンス音楽系のクレズマーからジューイッシュ・ソウルフルの方向に舵を切ったと言う推測は、間違いなかったように思います。
Andy Statmanと検索して上位に上がっていた今日の動画は、「ヤコブの梯子」のジャケットのBetween Heaven & Earthから、旧約聖書のユダヤ人の預言者の一人ヨナを曲にしたと思われるYonahと、Wisdom, Understanding, KnowledgeからNiggun Simchah / Song of Joyです。

Yonah

Niggun Simchah / Song of Joy

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2023年10月27日 (金)

ヴェゾヘル V'zocher

2曲のカルリバッハ作と思われるシャローム・アレイヘムも気になりますが、今回のカルリバッハ特集はV'zocher (Live)で締めたいと思います。CDでは聞いたことのなかったというのは間違いで、YouTubeを見ていて、この曲はヴァンガードのAt The Village Gateに入っていたことを思い出しました。大分前に入れた盤ですので、資料を後で見てみます。今週の放送では、ラストにかけて尻切れになって非常に残念なので、10/29分の最初にノーカットでかけました。
これは絶唱と呼ぶにふさわしい歌唱のライブ音源です。裏声にまで上がって行くカントール的な細かい装飾技巧も入ったハシディック・ソングと言うのは、他にそうないかも知れません。ヴェゾヘルの部分のそのままの訳は「そして覚えている」ですが、「祖先の忠実な行為を覚えている」と言う辺りのシャバトの祈りの文句が歌詞になっているようです。以下のサイトに出ていた英訳を添えておきます。歌詞の該当箇所の英訳はwho remembers the loyal acts of the ancestors and will send a redeemer to their children’s children in love, for such is his way.の部分です。ヘブライ語歌詞のローマ字表記はv-zocher chas-dei avot, u-mei-vee go’eyl liv-nei v’nei-hem l’ma’an shemo b’ahavah.の部分で、ヘブライ原文もこのサイトにあります。2本目はSojourn Recordsと言うレーベルから出ていたこの曲の別音源です。

https://www.betheldurham.org/docs/First_Berachah_Shabbat_Amidah.pdf

Blessed are You, Adonai, our God and God of our ancestors—God of Abraham, God of Isaac, and God of Jacob [God of Sarah, Rebecca, Rachel and Leah].
The God who is great, mighty and awesome, most high God, who bestows loving kindness, Creator of all, who remembers the loyal acts of the ancestors and will send a redeemer to their children’s children in love, for such is his way.
Sovereign, Support, Redeemer and Shield! Blessed are you, Adonai, shield of Abraham [and provider to Sarah].

<V'zocher (Live) 7分42秒>

V'zocher

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2023年10月26日 (木)

カルリバッハ晩年のライブ オッド・イシャマー

カルリバッハの生演奏を見たいと思いますが、思ったより少なく、1本目の長いものは大変貴重だと思います。解説にShlomo Carlebach, live at Temple Chai in Phoenix, Arizona February 5th, 1994とあります。彼は1925年1月14日ベルリン生まれで、1994年10月20日に亡くなっているので、2月のこの映像は、飛行機でカナダに移動する直前に心臓発作で急逝する8か月前です。レマアン・アハイ・ヴェレアイで始まりますが、途中まで見た限りでは、ニグン的な歌唱が多く曲名が不明の曲がほとんどでした。
今週の番組でかけたオッド・イシャマーは、静止画像ですが、ライブ演奏のものを貼っておきます。30年ほど前のヘブライ語授業に中年のユダヤ人女性が来られたことがあって(お名前は忘れてしまいましたが)、オッド・イシャマーなどカルリバッハの曲が好きだと言ったら、とても喜んで下さったようです。(以下放送原稿を再度)

Shlomo Carlebach, live at Temple Chai in Phoenix, Arizona

イスラエルのHed Arziから出ている彼のベスト盤から、もう一曲「オッド・イシャマー」は、聖書のエレミア書33章10~11節のヘブライ原文が歌詞になっていて結婚式でよく歌われる歌です。曲の後半は歌詞が消えてメロディだけをアイ・ディ・ディなどと歌っていますが、これはハシディック・ソングのニグンという「ことばのない歌」に当ります。ニグンは昔は記譜されることなく口伝で伝わったそうです。同じ文句を繰り返して段々早くなることも有り、ユダヤ神秘主義カバラーの流れを汲むハシディック・ソングの法悦感を醸し出しています。

Od Yishama (Live)

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2023年10月25日 (水)

ヴェハエル・エイネイヌ

カルリバッハでどの曲が一番印象に残っているかと言うと、92年頃に聞いたヘッド・アルツィのベスト盤のトップに入っていたヴェハエル・エイネイヌです。オッド・イシャマーとかエッサー・エイナイ(詩篇121編)とか、ヘブライ語の授業で当時色々彼の歌を歌いましたが、この曲は歌わなかったような気がするのに、一番印象が強いのは何故だろうと思います。バックの音楽の印象もこの音源では少しクールファイブっぽいなとも思いますが(笑)、何より「歌うラビ」のイメージと同一化したかのような、この曲の静かなインパクトは絶大です。
この曲は和訳すると「我らの瞳を照らせ」となります。歌詞は聖書ではなく、以下のような内容になります。「我らの瞳を汝の律法に照らせ。そして汝の戒律に我らの心を密着せよ。そして我らの心を愛と汝の名を畏れることにおいて一つとせよ。恥じることも、うろたえることもない。そして永遠につまづくことはない。」こういう熱い信仰の歌です。
1本目が番組でかけたベスト盤の音源、2本目はイスラエル兵とのライブ映像、3本目はギオラ・ファイドマンの演奏です。

Veha'er Eineinu - Rabbi Shlomo Carlebach

Shlomo Carlebach - Veha'er Eineinu (live in Israel, 1973)

Giora Feidman - Vehaeir Eineinu

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2023年10月23日 (月)

シンギング・ラバイ(歌うラビ) ラビ・シュロモ・カルリバッハ

ゼアミdeワールド382回目の放送、日曜夜10時にありました。25日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。レマアン・アハイ・ヴェレアイのらいぶ映像がありましたので、今日はこれだけ貼っておきます。

東欧系ユダヤ音楽の22回目になります。最近度々ラビ・シュロモ・カルリバッハの曲をかけていますので、今回は7年前に放送されたカルリバッハの自作自演の内容にプラスしてお送りしたいと思います。2016年11月27日のゼアミdeワールド34回目の放送分がベースになっています。
ハシディック・ソングはユダヤ音楽の「本丸」の一つと言っても過言ではない、重要な音楽です。特に90年代から日本でも一部で人気を集めたクレズマー音楽においては、そのスピリット的な部分にハシディック・ソングがあります。ロックやジャズのルーツにブルースがあるように、クレズマーのルーツにはハシディック・ソングがあると思います。またジャズの曲名に「スイングしなけりゃ意味がない」というのがありますが、これになぞらえれば、ハシディックのグルーヴ感がなければクレズマーじゃないとなるでしょうか。クレズマーにはルーマニアを始めとする東欧各地の伝統音楽が豊富に入っていますが、ハシディックの芯が一本通ってないと、ジプシー音楽や東欧音楽とユダヤ音楽の差がなくなってしまいます。ブルースの根幹にある黒人霊歌(ゴスペル)=ニグロ・スピリチュアルになぞらえれば、ジューイシュ・スピリチュアルと言えましょうか。

シンギング・ラバイ(歌うラビ)と呼ばれたラビ・シュロモ・カルリバッハは、聖書の文句などに作曲した、哀愁のある親しみやすいハシディック・ソングの名曲を沢山残しました。最近のイスラエルとパレスチナの戦争について、草葉の陰から悲しまれていると思います。一日も早く平和が戻ることを願って、まず前回アンディ・スタットマンの演奏でかけた詩篇122編によるレマアン・アハイ・ヴェレアイと、過ぎ越しの祭りの歌アディール・フーの2曲を続けます。レマアン・アハイ・ヴェレアイは詩篇122編の8から9節が歌詞の該当箇所で、その部分の新共同訳を読み上げます。

私は言おう、私の兄弟、友のために。
「あなたのうちに平和があるように。」
私は願おう。私達の神、主の家のために。
「あなたに幸いがあるように。」

<2 Lema' an Achi Vereai (Live) 4分55秒>
Rabbi Shlomo Carlebach - Le'ma'an Achay Ve're'ay - live in France 1970 - video 2 -

<11 Adir Hu 3分11秒>

イスラエルのHed Arziから出ている彼のベスト盤の1曲目のヴェハエル・エイネイヌを次におかけしますが、この曲は和訳すると「我らの瞳を照らせ」となります。歌詞は聖書ではなく、以下のような内容になります。「我らの瞳を汝の律法に照らせ。そして汝の戒律に我らの心を密着せよ。そして我らの心を愛と汝の名を畏れることにおいて一つとせよ。恥じることも、うろたえることもない。そして永遠につまづくことはない。」こういう熱い信仰の歌です。

<1 ラビ・シュロモ・カルリバッハ / ヴェハエル・エイネイヌ 3分37秒>

イスラエルのHed Arziから出ている彼のベスト盤から、もう一曲「オッド・イシャマー」をおかけしますが、この曲は聖書のエレミア書33章10~11節のヘブライ原文が歌詞になっている結婚式の歌です。
曲の後半は歌詞が消えてメロディだけをアイ・ディ・ディなどと歌っていますが、これはハシディック・ソングのニグンという「ことばのない歌」に当ります。ニグンは昔は記譜されることなく口伝で伝わったそうです。同じ文句を繰り返して段々早くなることも有り、ユダヤ神秘主義カバラーの流れを汲むハシディック・ソングの法悦感を醸し出しています。

<8 ラビ・シュロモ・カルリバッハ / オッド・イシャマー 4分27秒>

最近ストリーミングの中に見つけたカルリバッハの歌唱に、シャバトの歌シャローム・アレイヘムが2種類ありましたが、これは最近何種類かかけたシャローム・アレイヘムの旋律とは別のもので、カルリバッハが作ったメロディと思われます。「あなたの上に平安を」と言うタイトルは、今正に痛切に感じます。2曲続けます。

<Shalom Aleichem 1 2分3秒>
<Shalom Aleichem 11 3分27秒>

では最後に、最近ストリーミングで見つけた歌、V'zocher (Live)を時間まで聞きながら今回はお別れです。これは絶唱と呼ぶにふさわしい歌唱で、CDでは聞いたことのなかった曲のライブ音源です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<V'zocher (Live) 7分42秒>

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2023年10月20日 (金)

For The Sake Of My Brothers And Friends

曲名が英語でFor The Sake Of My Brothers And Friends(兄弟と友達のために)と出て来ると、最初何のことか分からなかったのですが、ラビ・シュロモ・カルリバッハのレマアン・アハイ・ヴェレアイのことでした。この歌も30年前にヘブライ語教室で歌って親しんだ一曲です。彼の曲はこの盤、Songs Of Our Fathersに4曲ありますが、過ぎ越しの祭りの歌アディール・フーと、詩篇122編によるレマアン・アハイ・ヴェレアイを番組でかけました。Moshe Emes(おそらく「モーセの真実」の意味)がどの部分かよく分かりませんが、これはアディール・フーに巧みに組み込まれているように思います。今日は曲順を番組とは逆にしました。なお、来週は7年前の34回目の放送分に足してカルリバッハ特集にしました。(以下放送原稿を再度)

Songs of Our Fathersについても、99年に音楽之友社から出たユーロルーツポップサーフィンに拙稿を書いていますので、抜粋して少し読み上げます。

クレズマー・リヴァイヴァルの立役者の一人スタットマンがマンドリン奏者グリスマンと共演。普通クレズマーでは余り採り上げないアシュケナジーム系のシャバトで実際に歌われている哀切なヘブライ語の祈祷歌などが選ばれている。カルリバッハのアディール・フーの高揚感も素晴らしい。近年は黒いキパを被り、ジャズのスタイルを取りながらも東欧舞踏音楽系中心ではなく、ソウルフルなユダヤ宗教歌を好んで演奏し、孤高のクラリネット奏者と言う風情。

<8 Andy Statman & David Grisman / Songs Of Our Fathers ~L'Ma'an Achai V'Re'ei 5分56秒>
For The Sake Of My Brothers And Friends

<2 Andy Statman & David Grisman / Songs Of Our Fathers ~Chassidic Medley: Adir Hu / Moshe Emes 4分12秒>
Chassidic Medley: Adir Hu/ Moshe Emes

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2023年10月19日 (木)

マンドリン・デュオのシャローム・アレイヘム

Songs of Our Fathersの頃のライブ映像を見てみたいと思いましたが、今の所見つかったのは、アンディ・スタットマンとデヴィッド・グリスマンのマンドリン・デュオによるシャローム・アレイヘムのみでした。2012年のようですから、95年のCDリリースからは17年経っています。2本目もSongs of Our Fathersとタイトルに入っていますが、ヴァイオリンも入った、このマヌーシュ・スイングのような曲は、あの盤にはなかった曲だと思います。3分半過ぎて、アンディ・スタットマンがクラリネットで登場します。
アンディ・スタットマンとデヴィッド・グリスマンが弾いているマンドリンは、イタリアのリュートの小型のような形の方ではなく、南インド古典音楽のU.シュリーニヴァースも弾いているエレキ・マンドリンとほとんど同じだと思います。マンドリンと言う楽器は、ヴァイオリンと調弦が一緒で、フレットがあるだけと聞いた事があります。4コース復弦のようなので、ペグは8本見えます。撥弦楽器ですからギターのような速弾きだけでなく、ヴァイオリンのような超絶技巧も可能な楽器と言うことになるのでしょうか。

Andy Statman and David Grisman: Shalom Aleichem

David Grisman and Andy Statman Songs Of Our Fathers

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