ルーマニア

2021年12月 8日 (水)

アルーマニアの歴史

放送でかけたかけたシャン・デュ・モンド盤だけでなく、アルーマニアの音源はYouTube上にはほとんど見当たりませんが、彼らのポップスらしき映像がありました。ポップスでもポリフォニーの時と声と歌唱スタイルが似ているように思います。その前にアルーマニアの歴史に付いて、簡潔に日本語でまとめられた一本がありましたので、こちらを1本目に入れておきます。ギリシアのサラカツァニとの関係について調べていましたが、店が忙しくなって中断しましたので、また明日か明後日に。

アルーマニア人

Stelu Enache - Di-una eta him armanji

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2021年12月 6日 (月)

アルーマニアのポリフォニー

ゼアミdeワールド288回目の放送、日曜夜10時にありました。8日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。シャン・デュ・モンドのクリーム色のジャケットのシリーズは名盤が多かったのですが、いずれも廃盤でYouTubeにもほとんど上がってないようです。おそらく唯一で、バグパイプ弾き語りだけありました。

ルーマニアの2回目は、仏Chant du mondeから出ていた「アルーマニアのポリフォニー」(Vocal Polyphony of the Arumanians)と言う盤です。ルーマニアの前に「ア」が付きます。90年代の内には廃盤になっていて現在は入手不可の盤です。この盤はルーマニア南東部ドブロジャ地方での録音ですが、アルーマニア人はギリシア、アルバニア、マケドニア、ブルガリアなど、バルカン半島南部各地に点々と居住しています。ローマ帝国の公用語だったラテン語由来のルーマニア語では周囲のスラヴ語からの借用語も多いのに対して、アルーマニア語は南に寄っていたためギリシア語起源の語彙が多いそうです。ローマ帝国内で話されていた口語ラテン語から分化したヴラフの言葉とルーマニア語は方言程度の差だと思いますが、アルーマニア語とルーマニア語の相互理解は、なかなか難しいようです。

ヴラフ人の定義ですが、広義に取ればルーマニア人やアルーマニア人も入れるようです。現代のルーマニア人を古代のダキアのルーマニア人と言う意味でダコ=ルーマニア人と呼び、その他にアルーマニア人、モルラク人(Morlachs)、メグレノ=ルーマニア人(Megleno-Romanians)、クロアチア西部イストリア半島のイストロ=ルーマニア人(Istro-Romanians)などが含まれ、ヴラフ人とは自民族の国としてルーマニアを持つルーマニア人を除いた人々を指すことが多い、とされています。

まずはアルーマニアのポリフォニーを3曲続けておかけしますが、最初の2曲がアルバニア系、最後の曲がギリシア系のようで、よく聞くと歌唱が違っています。アルバニア系では独特なポルタメントが目立ち、ギリシア系は旋律と持続低音ドローンの組み合わせがギリシア正教の歌唱に近いように思います。

<1 Song. Female Duo And Mixed Drone 2分29秒>
<2 Song. Male Duo And Drone 4分4秒>
<3 Song. Alternate Male Trio And Drone 5分14秒>

この仏Chant du mondeの「アルーマニアのポリフォニー」に入っているのは、二つの大戦の際の住民交換でアルバニアとギリシアからルーマニア東部に移住してきた人々による演奏ですので、ポリフォニーはアルバニアやギリシアの歌唱に似ています。「地中海のポリフォニー」のシリーズ名通り、コルシカやサルディニアと近い部分もあると思います。
楽器で入っているのは唯一バグパイプで、これはブルガリア風にも聞こえます。因みにポリフォニーが盛んなこの地域のアルーマニア人の間ではロマの音楽家も出る幕がないそうです。

バグパイプ演奏を2曲おかけしますが、最初の曲は弾き語りで歌っていて、2曲目はドイナ・スタイルのフリーリズムから始まる独奏です。

<6 Bagpipe Solo 3分18秒>
Hristu Budina - Bagpipe Solo With Sung Parts ( Vocal Polyphony Of The Arumanians )

<7 Bagpipe Solo 6分15秒>

では最後に3曲入っている結婚式の歌から、「花嫁の出発」の部分を聞きながら今回はお別れです。日本の木遣り歌のようなアンティフォーナルな合唱は、アルーマニアならではです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<9 Wedding Song, for the departure of the bride 5分9秒>

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2021年12月 2日 (木)

オルテニア組曲とコマネチ カクリカの歌声

今日のゲオルゲ・ザンフィルの1本には、昨日のブルウとは別のルーマニア南部ワラキアのオルテニア地方の舞曲が色々出てきます。7分30秒頃から出てくる曲は、1977年頃ナディア・コマネチが床運動に使っていた曲です。当時TVから録音したカセットが残っているので、間違いありません(笑) 1976年のモントリオール五輪で10点満点を連発した時は別な曲で、これは20年以上経ってクレズマーのレパートリーに見つかりました。この辺りはタラフ・ドゥ・ハイドゥークスで聞いた記憶が余りありませんが、また探してみます。オルテニアはタラフを聞く前からワラキア音楽の中心のイメージがあります。

Suita Oltenesca

カクリカのライブ映像がありました。この曲も来日の際に何度か聞いた覚えがあります。ステージが懐かしいです。(以下放送原稿を再度)

セルビア東部のヴラフ人の葬儀の音源に、Padura, Sora Paduraと言うバラードがありまして、2回前にかけましたが、この曲は「森、姉妹の森」のような意味でした。埋葬後に故人の家で歌われるということでしたが、そっくりなタイトルの曲がタラフ・ドゥ・ハイドゥークスにもありまして、こちらはラヴソングと言う解説になっています。曲名はPadure Verde, Padureで、やはり「緑の森、森」のような意味です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの2000年頃の来日の際は、長老の一人だったカクリカがツィンバロム弾き語りでエモーショナルな歌声を聞かせています。彼は88年にオコラから出ていた「ワラキアのジプシー音楽」でニコラエ・ネアクシュやイオン・マノレと一緒に名を連ねています。3人とも故人になってしまいました。

Taraf de Haidouks Clejani Roata - Cacurică( "Pădure verde,pădure")

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2021年12月 1日 (水)

タラフのBrîu(ブルウ)=オルテニア地方の踊り

タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのゲオルゲ・ファルカルが縦笛で吹いていたBrîu(ブルウ)と言う曲は、ゲオルゲ・ザンフィルのパンパイプ演奏では「オルテニア地方の踊り」となっていました。ザンフィルの演奏をLPで聞いたのは1977年、ゲオルゲ・ファルカルの演奏をライブで見たのは確か2000年でした。ザンフィルのLPのオープニングを飾っていた快活なこの曲は強く印象に残っていて、まさか同じ曲がタラフのステージで飛び出すとは思ってなかったので、驚きました。ファルカルは2016年に62歳の若さで亡くなっています。もう聞けないかと思うと寂しい限りです。タラフのCDでは、クラムドのHonourable Brigands, Magic Horsesに入っていました。彼の吹いている縦笛は、fluteとしか書かれていませんが、おそらくセルビアのフルーラと同系統なのではと思います。
1本目がタラフ・ドゥ・ハイドゥークスのBrîu(ブルウ)、2本目がゲオルゲ・ザンフィルの「オルテニア地方の踊り」、3本目は似た感じのセルビアの曲として番組でかけたFolk Dance Ensemble VilaのVisocko koloです。

TARAF DE HAIDOUKS Live at Union Chapel (Briu)

Gheorghe Zamfir - Briul Oltenesc.

Visocko kolo

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2021年11月29日 (月)

セルビアの9回目とルーマニアの1回目

ゼアミdeワールド287回目の放送、日曜夜10時にありました。12月1日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は2曲目まで動画を入れました。

今回はセルビアの9回目とルーマニアの1回目にしたいと思います。ヴラフ関連という事でアルーマニアの音源の話もしていましたが、この盤はルーマニア南東部ドブロジャ地方での録音ですので、次回取り上げる予定です。

セルビアの音楽のラスト9回目とルーマニアの1回目にしようと思ったのは、前回かけたSveti Savaの演奏は、曲によってタラフ・ドゥ・ハイドゥークスなどルーマニア南部ワラキア地方のジプシー音楽に似ていると思ったからです。と言う訳で、3月から続いていた旧ユーゴ諸国の音楽巡りは、今回で最後になります。

セルビアとルーマニアの伝統音楽で明確に違うのは、セルビアでは変拍子と合唱がある点だと思います。ルーマニアでは変拍子はない代わりに、東欧一と言われるほどの高速で演奏されることも多いです。タラフのライヴで「ひばり」を聞いた方は納得されると思います。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのようなワラキアのジプシー音楽は地理的な近さからか、似ている部分が色々見つかるように思います。

バルカン・ブラスの影に隠れて日本では知られてないように思いますが、ブラス以外のセルビアの民族音楽グループの演奏力も相当なものだと思います。まずはスヴェティ・サヴァの演奏から、Vesele Sopske Igreという曲をおかけします。

<Sveti Sava / Vesele Sopske Igre 4分45秒>

次にタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの「魔法の馬の帰還」と言う曲をおかけしますが、私がタラフを聞いていて特にワクワクする曲の一つです。

<Taraf De Haidouks / Band of Gypsies  ~The Return Of Magic Horse 5分2秒>

もう一枚のARC盤のFolk Dance Ensemble Vilaの演奏にはVisocko koloと言う曲がありまして、これもルーマニアの音楽に似た一面が聞こえました。

<Folk Dance Ensemble Vila / Visocko kolo 2分43秒>

縦笛フルーラと思われる笛の諧謔味を帯びた演奏でしたが、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの演奏ならゲオルゲ・ファルカルが縦笛を吹いているBrîu(ブルウ)と言う曲がそっくりで、この曲はゲオルゲ・ザンフィルのパンパイプ演奏では「オルテニアの踊り」と紹介されていました。

<Taraf de Haïdouks / Honourable Brigands, Magic Horses & The Evil Eye ~Brîu 2分4秒>

セルビア東部のヴラフ人の葬儀の音源に、Padura, Sora Paduraと言うバラードがありまして、2回前にかけましたが、この曲は「森、姉妹の森」のような意味でした。埋葬後に故人の家で歌われるということでしたが、そっくりなタイトルの曲がタラフ・ドゥ・ハイドゥークスにもありまして、こちらはラヴソングと言う解説になっています。曲名はPadure Verde, Padureで、やはり「緑の森、森」のような意味です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの2000年頃の来日の際は、長老の一人だったカクリカがツィンバロム弾き語りでエモーショナルな歌声を聞かせています。彼は88年にオコラから出ていた「ワラキアのジプシー音楽」でニコラエ・ネアクシュやイオン・マノレと一緒に名を連ねています。3人とも故人になってしまいました。長いので、途中までおかけします。

<Taraf de Haïdouks / Dumbala Dumba ~Padure Verde, Padure 7分1秒>

では最後にセルビアの民族音楽グループ、スヴェティ・サヴァの演奏でSplet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbijeという曲を時間まで聞きながらお別れです。セルビアの中部と西部の音楽のようですが、この曲もルーマニア音楽に似て聞こえる部分があるように思いました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Sveti Sava / Splet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbije 6分27秒>

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2021年11月19日 (金)

ポマナとパドゥラ・ソラ・パドゥラ

「楽園の蝋燭」の「死」の部分で、その他にYouTube検索可能なのは、ポマナとパドゥラ・ソラ・パドゥラです。ポマナとは、1週間、1か月、7か月、1年、そして没後7年ごとに行われる行事で、日本の~回忌やお盆にそっくりです。パドゥラ・ソラ・パドゥラは「森、姉妹の森」の意味で、太陽、月、森に関するバラードであり、埋葬後に故人の家で歌われるそうですから、故人を偲ぶ歌の一種と見ていいのでは、と解説していました。オコラの「楽園の蝋燭」の死のパートは、色々な場所での葬儀の音源を集めていましたが、亡くなってからの時系列の曲順ではありませんでした。順番で言えば、ゾリレ、ナ・ドラムル、Melodie Funeraire、吸血鬼を追い払う曲(これはいつも演奏されるのではないように思いますが)、パドゥラ・ソラ・パドゥラ、ポマナではないかと思いました。女性の嘆き歌がどこに入るかは不明です。
今日の動画として、パドゥラ・ソラ・パドゥラで検索すると、92年リリースで手元に残ってなかったAuvidis Ethnicの音源が出てきましたので、こちらを一本目に入れました。この盤の解説は土着の吸血鬼伝説にも言及していたそうで、返す返すも手元に残らなかったのが残念です。この演奏のフルーラは「吸血鬼を追い払う曲」のように聞こえますから、本当にパドゥラ・ソラ・パドゥラの部分か疑問は残りますが。2本目はオコラ盤と同じ音源をポマナの食事風景の画像に被せているようです。後半のリズミカルになる部分「鏡を付けた歓びのラウンド」は、お盆ではないですが死者が参加するダンスに当たるようです。3、4本目は「ポマナのホラ」とありますが、これはセルビアのヴラフではなくルーマニア側のようです。

Sora Padura

Timocul sârbesc - Pomană de viaţă din Plamna

Hora de pomană

Petrica Mitu Stoian Hora de pomana

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2021年11月18日 (木)

ゾリレ Romanian traditionall funeral song from Transylvania

Zorileで検索すると残念ながらセルビアのヴラフ人の音源は見当たりませんが、ルーマニアのトランシルヴァニアのものと思われる葬送の歌が色々出てきました。1本目は1937年ブラショフでの録音、老婦人の独唱も貴重な記録だろうと思います。「朝の歌」と言う点でも「楽園の蝋燭」のバグパイプ演奏と共通しているようです。Zorile (bocet)のように括弧してボチェッツと書いてあるのもあって、ルーマニアではボチェッツとも呼ばれるということでしょうか。この曲名ではゲオルゲ・ザンフィルのパンパイプの名演をすぐさま思い出します。生々しく慟哭も描写したような演奏でした。4本目はRomanian traditional folk lament ("bocet") とあって、こちらは1940年の録音。西部のバナートなので、トランシルヴァニアよりもセルビアの近くです。
Na Drumulも探して、ありましたが、残念ながら「楽園の蝋燭」とは別の曲が出てきました。

Zorile / The dawn song

Domnica Trop - Zorile (bocet)

Domnica Trop - Zorile (bocet de priveghi)

Zorile de la amiază / Lament song

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2021年10月14日 (木)

ホラ・スタッカートとワン・ボウ・スタッカート

ルーマニア・ロマのパンフルート名人アンゲルシュ・ディニクが19世紀に作ったとされる「ひばり」の話が出たので、彼の孫グリゴラシュ・ディニクが作ったホラ・スタッカートについて少し見ておきます。ひばりが出たらホラ・スタッカートも取り上げないと片手落ちでしょう。(前にも何度か書いたかも知れません)
ひばり(Ciocârlia)はロマなどのラウタルの演奏以外に、ルーマニアの大作曲家エネスコ(ジョルジェ・エネスク)がルーマニア狂詩曲第1番に引用されて広く知られるようになったと思いますが、ホラ・スタッカートは往年の名ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツの編曲でヴァイオリンのピースとしてよく知られています。ハイフェッツの編曲で特筆されるのは、一弓で多くは32個ほどの音をスタッカートで鳴らすワン・ボウ・スタッカートの指定があることで、アップ(上げ弓)でもダウン(下げ弓)でも出てくるので、ヴァイオリン奏者を悩ませるところかと思います。かくいう私も80年代から楽譜は持っていますが、ワン・ボウでうまく飛んだことはありません。この曲をチェロで弾いたのがアメリカの名手、故リン・ハーレルで、1984年頃TVで見て度肝を抜かれたものです。アップでもダウンでもニコニコしながら弾いていました。 
ホラ・スタッカートは現在のラウタル(ルーマニアの職業楽師)もよく弾いているようで、持っているルーマニアElectrecordのLPに入っていますが、ワン・ボウで弾いているかどうかは、音だけですので確認できていません。合奏の場合、ワン・ボウでは合わないのではと推測します。一方、ひばりですが、エネスコの曲以外ではクラシックの演奏家が弾いているのは、ほとんど聞いた記憶がありません。即興性が重視される曲なので、困難なのでしょうか。
1本目がハイフェッツの有名な動画。2本目は何とディニクの演奏ですが、ワン・ボウではなく1つずつ切って弾いています。3本目は往年の名女流ジネット・ヌヴーで、これもおそらくワン・ボウでしょう。4本目は現代の名手ジェームス・エーネス。さすが完璧なワン・ボウ・スタッカートを披露しています。リン・ハーレルもありました! 5本目です。

Jascha Heifetz plays Hora Staccato

Grigoras Dinicu - Recital

Ginette Neveu / Dinicu:Hora Staccato

Hora staccato Antonio Stradivari, 1713 'Baron d'Assgnies'

Hora Staccato: Lynn Harrell & Brooks Smith

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2021年10月13日 (水)

カラシニコフ ひばり(Ciocarlia)

映画「アンダーグラウンド」は、最初に見てから25年ほど経ちますが、今もってメイン曲のカラシニコフに、何故ルーマニアの名曲「ひばり」が引用されていたのか謎のままです。そのことについて、どこにも解説を見かけた記憶がありません。あるいはカラシニコフは「ひばり」をヒントに書かれた曲なのでしょうか? 
「ひばり」を私が最初に聞いたのは、1977年頃。1本目のゲオルゲ・ザンフィルのパンパイプの演奏で、エレクトレコード原盤のキングレコードのLPでした。当時、芥川也寸志さんと黒柳徹子さんがやっていた音楽番組で、イオン・カリストラッケと言う人(確かパンパイプ)の実演でも見ました。あの頃はTVで「ひばり」をやってても反応は静かなものだったと思います。それが、ロックコンサートと見紛うような2000年のタラフ・ドゥ・ハイドゥークスのステージでは、一番盛り上がったのが「ひばり」でした(笑)(以下放送原稿を再度)

Gheorghe Zamfir, Ciocarlia

ベオグラードを舞台に、第二次世界大戦からユーゴ内戦まで、ユーゴスラビアの激動の歴史を描いた映画「アンダーグラウンド」も、同じく監督エミール・クストリツァ、音楽ゴラン・ブレゴヴィチの黄金コンビでユーゴ内戦の最中の1995年に制作され、欧米中心に大ヒットしましたが、日本でもバルカン・ブラス・ブームに火を付けました。当時はタラフ・ドゥ・ハイドゥークスも初来日するし、2000年前後の東欧ジプシー音楽界隈の盛り上がりは凄いものがありました。

自動小銃カラシニコフがサントラの一曲目を飾っていますが、ルーマニアの有名な曲「ひばり」の旋律が途中で出てくるのが、最初聞いた時から不思議に思いました。すさまじいブラス・サウンドを聞かせるのは、スロボタン・サリイェヴィッチのオルケスタルです。

<1 Underground (Motion Picture Soundtrack) ~Kalasnjikov 3分22秒>

スロボタン・サリイェヴィッチと並ぶほどのグループに、ボバン・マルコヴィチのオルケスタルがいます。彼らだけの演奏がこの盤の最後にShevaと言うタイトルで入っていますが、これは明らかにルーマニアの有名曲「ひばり」そのものです。泥沼の戦争を描いた映画ですが、この曲で始まる映画の冒頭から、やぶれかぶれのコメディーの側面も持っていることを表現しているように思います。

<11 Underground (Motion Picture Soundtrack) ~Sheva 1分23秒>

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2021年9月30日 (木)

ゲオルゲ・ザンフィルのパンフルート

パンフルート(あるいはナイ)と言えば、何といってもルーマニアの名人ゲオルゲ・ザンフィルのイメージが強い世代です。ジェームス・ラスト作曲の The Lonely Shepherd(邦題:ロマーナの祈り)が大ヒットして後の1980年頃でしょうか、ジョルジュ・ザンフィルとフランス式に呼ばれるようになってからは、ほとんどルーマニアの伝統音楽から離れ、耳当たりの良い西欧的なイージーリスニングやフォルクローレを演奏するようになりましたが、それからはほとんど全く興味なしで(笑)。YouTubeもジョルジュと呼ばれるようになってからの映像がほとんどのようです。
ゲオルゲ時代の映像を探しに探して見つけました。その頃の70年代の音源では、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスもやっているレパートリーもありました。2本目の葬儀歌のボチェッツなどは、ほんとうに会葬者の慟哭に聞こえます。このアリオン盤は、76年にビクターからLPで出たルーマニアElectrecord原盤の演奏とは別録音のようで、やはりエレクトの方が良かったと思いますが。3,4本目はビクター盤には入ってなかった曲です。5本目は割と最近の演奏でしょうか、おそらくルーマニアで一番有名な曲「ひばり」です。1本目は若き日のザンフィルによるホラ・スタッカート。ディニク作曲ハイフェッツ編曲のヴァイオリン版で有名な曲です。
以上、スロヴェニアのパンフルートでは見つからないので、ザンフィルの演奏を上げておきました。

GHEORGHE ZAMFIR - Hora Staccatto

Bocet

Gheorghe Zamfir, Simion Stanciu - Briul si joc de doi din banat

Au plecat olten la coasa

Gheorghe Zamfir - Ciocârlia -Tel Aviv.

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