スペイン

2022年11月16日 (水)

もう一つの「鳥の歌」

カザルスのもう一つの「鳥の歌」もYouTubeにありました。2008年頃出た現物が手元に残ってなかったので、伴奏の形態がよく分かりませんが、弦がフラジオを多く入れて弾くとこんな風に聞こえるのでしょうか。2本目はDVDの映像からの抜粋、3本目は有名な国連コンサートの音源です。(以下放送原稿を再度)

先ほどの「鳥の歌」に戻りますが、元はカタロニアのクリスマス・キャロルだったこの曲を一躍有名にしたのが、スペインの大チェリスト、パブロ・カザルスです。彼のアレンジが最もよく知られ、チェロの定番曲になっています。余りにも有名なカザルスの国連コンサートでの演奏は、平和を希求するものでしたが、追悼曲としてもよく弾かれるようです。私も昨日一昨日と、父の祭壇の前でチェロとヴァイオリンでそれぞれ弾きました。今回おかけするのは、国連ライブとは別のカザルスの音源です。

<パブロ・カザルス El Cant del Ocells 3分16秒>

El cant dels ocells - Pau Casals

Traditional Catalan Christmas song: El Cant dels Ocells, Casals & Horszowski (1961) 鳥の歌 カザルス

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2022年11月14日 (月)

鳥の歌

ゼアミdeワールド334回目の放送、日曜夜10時にありました。16日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。まずはナターシャさんの「鳥の歌」から。このライブの弾き語りと、コブザーリでの演奏はかなり違いますが。

実は2日に私の父が亡くなりまして、7年間で初めて収録を飛ばしてしまいました。今回は追悼特集にしたいと思います。まずはスペイン北東部カタロニア地方の民謡を元にした「鳥の歌」からおかけします。演奏はウクライナのバンドゥーラ弾き語りの歌姫、ナターシャ・グジーです。10/13のしこちゅ~ホールでのコンサートも聞きに行って来ました。

<旅歌人(コブザーリ)/ ナタリア3 ~鳥の歌 7分12秒>
Song of the Birds ( El Cant dels Ocells ) by Nataliya Gudziy / 鳥の歌 ・ ナターシャ・グジー

次はベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番の第5楽章カヴァティーナで、演奏はブダペスト弦楽四重奏団です。大変に美しい曲で、追悼曲としてもよく弾かれる曲です。大変お世話になった音楽プロデューサーの星川京児さんの追悼で6年前にもかけました。

<String Quartet No. 13 in B-Flat Major, Op. 130: V. Cavatina. Adagio molto espressivo (Live) 7分15秒>

先ほどの「鳥の歌」に戻りますが、元はカタロニアのクリスマス・キャロルだったこの曲を一躍有名にしたのが、スペインの大チェリスト、パブロ・カザルスです。彼のアレンジが最もよく知られ、チェロの定番曲になっています。余りにも有名なカザルスの国連コンサートでの演奏は、平和を希求するものでしたが、追悼曲としてもよく弾かれるようです。私も昨日一昨日と、父の祭壇の前でチェロとヴァイオリンでそれぞれ弾きました。今回おかけするのは、国連ライブとは別のカザルスの音源です。

<パブロ・カザルス El Cant del Ocells 3分16秒>

次は父が好きだった近江俊郎の「湯の町エレジー」です。父は若い頃演歌ギターを弾いていたことがあり、この曲などを歌い手と二人で演奏しながら、酒場を流したことがあったそうです。私もさわりをクラシック・ギターで練習したことがあります。

<近江俊郎全曲集 湯の町エレジー 4分14秒>

最後に黄檗宗の大本山、萬福寺の朝課(朝のお勤め)の音源を聞きながら今回はお別れです。うちは旧・周桑郡にある黄檗宗の寺、正法寺の檀家で、祖父や祖母の葬儀でも類似の音楽を耳にしたように思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<萬福寺の梵唄 黄檗宗の朝課 36分23秒>

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2020年11月 4日 (水)

Gregorio Paniaguaのその後

古代ギリシアの音楽や、アラブ・アンダルシア音楽など注目の音楽をいち早く手掛け、古楽アンサンブルのアトリウム・ムジケーは1980年代前半で解散してしまいました。グレゴリオ・パニアグヮの弟のエドゥアルド・パニアグァを筆頭に、ソロ活動に向かっていきました。エドゥアルドは一連のPneumaの盤で、古楽~民族音楽界に名を残し、ウィキペディアも彼のものはありましたが、奇才と謳われた兄のグレゴリオ・パニアグヮはウィキペディアも本国スペインですら見当たらないというのは、どういうことでしょうか。今日の動画のような奇抜な方向に向かったという話は、もう30年ほど前に聞いたように思います。エドゥアルド・パニアグァが今年で68歳ですから、兄は70は越えているはず。因みに、私が80年代前半に初めて聞いたアトリウム・ムジケーの演奏は、2本目の臀上の音楽でした。

Gregorio Paniagua - Batiscafo (Full Album / Álbum completo)


Atrium Musicae Dir Gregorio Paniagua 01 Introitus, Obstinato I Organa, Codex Gluteo

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2019年7月22日 (月)

Gypsy Music from HungaryとZingariから

ゼアミdeワールド170回目の放送、日曜夜にありました。24日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。

アフガニスタンの次は、パキスタン北部に位置するカラコルム山脈のフンザとギルギットの予定でしたが、6日~9日まで宮古島と那覇に行っていたので準備の時間が十分に取れなかったのと、カラコルムのノンサッチ盤のライナーノーツが行方不明で調べるのに少し時間をかけたいので、今回はデベン・バッタチャリアのフィールド・レコーディングから、エリアを先回りしてご紹介したいと思います。世界的な民族音楽学者のデベン・バッタチャリアが、1955年と70年にカブールで録音してきたアフガニスタンの音源を、166回目と167回目で取り上げておりました。今日ご紹介するのはイギリスARCの2枚ですが、現在のカタログからは消えているようですので、アップルミュージックからの音出しになります。そのため演奏者情報は不明です。

彼の録音の数々を見ると、自身のルーツであるインド東部とその周辺の音楽に強く目が向いているように思います。それと、ジプシー(ロマ)のルーツの地と言われる、西インドのラジャスタン州からヨーロッパまでのジプシー音楽の軌跡にも熱い視線が注がれているように思います。
日本の民族音楽学者の小泉文夫氏が日本と西洋の音楽の関係性を考える際に、間に位置するシルクロード(東洋から中洋)の音楽に着目したのと、方法的に少し似ているようにも思いますし、対極と言えるかも知れません。バッタチャリアが西洋のクラシックをどう見ていたかが気になるところです。

今回はハンガリーのジプシー音楽の音源を取り上げますが、私自身が1977年頃にハンガリーやルーマニアの音楽から民族音楽の広大な世界に入ってきたので、とても馴染みのある音楽です。ハンガリーの音楽には、今回おかけする都会ブダペスト中心に演奏されてきたチャールダッシュ(あるいはチャルダッシュ、正確にはチャールダーシュ)やヴェルブンコシュなどの洗練された舞曲と、そのルーツの一つである泥臭い農村ジプシーの音楽、そのどちらとも異なる、かなりアジア寄りとも言えるマジャール民族本来の音楽があります。カラコルムの後は、ウイグルからトルコ系繋がりでトルコに飛んで、ギリシアから北上してヨーロッパを回りますので、ハンガリー音楽を取り上げるのは、1,2年は先になるかと思います。

19世紀にチャールダッシュがヨーロッパで大流行した経緯があって、ジプシーではない作曲家のサラサーテのツィゴイネルワイゼンやモンティのチャールダッシュ、ブラームスのハンガリー舞曲、リストのハンガリー狂詩曲などが生まれました。よく誤解されているようですが、チャールダッシュはモンティの曲の固有名詞ではありません。

レストランか酒場でのチャールダッシュの臨場感溢れる演奏がバッタチャリアの音源にも入っておりますので、ツィンバロムなどの伴奏でヴァイオリンやクラリネットが名人芸と妙音を聞かせるGypsy Primasと、Czardas and Gypsy Tentsを続けて17分ほどどうぞ。

<3 Gypsy Music from Hungary / Gypsy Primas 8分57秒>


<4 Gypsy Music from Hungary / Czardas and Gypsy Tents 8分4秒>


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ここでライブ情報を入れます。

一昨年、去年と加藤吉樹さんのウード・ソロ・ライブを2年連続で催しましたが、今年も加藤さんがいらっしゃってライブを行うことになりました。関西から熊本までのソロ・ライブ・ツアーの一環です。宜しければ是非お越し下さい。

アラブ音楽ライブ ~ウードソロ~

7月31日(水)

開場 18時00分   開演 19時00分

 
会場 Cafeトーク・トーク 今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階

*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。

定員:25名限定      珈琲か紅茶のワンドリンク付き 2000円

演奏:加藤吉樹(ウード)


ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp   または 携帯090-8044-8535

携帯に出られないことも多いので、出来るだけメールでのご予約をお願い致します。

バックでかけているのは、Bint El Baladという3分余りの曲です。時間までお楽しみ下さい。

以上、ライブ情報でした。

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では最後にバッタチャリアの別のジプシー音楽コンピレーション盤「ツィンガリ」から、スペインのフラメンコを聞きながら今回はお別れです。曲名はセギリージャ・ヒターノで、ジプシーのセギリージャの意味です。セギリージャ(あるいはシギリージャ)はフラメンコの代表的なレパートリーの一つです。このARC盤ではヨーロッパの東西のジプシー音楽を収めていますから、フラメンコも入ってきます。

ゼアミdeワールドでは、ギリシアから入ってクラシックも交えながらヨーロッパ中を巡りスペインに辿り着くのは、ハンガリーが1、2年後だとしたら、それから更に2年前後経っているのではと思います。その後は北アフリカに渡りモロッコから東に進み、アラビア半島、インド、東南アジア、日本を含む東アジアと回る予定です。その後は北アジア、ブラック・アフリカ、南北アメリカ、オセアニアも控えています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<9 Zingari / Seguiriya Gitana 5分23秒>

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2017年5月 4日 (木)

ツィゴイネルワイゼンとチャールダッシュ

ツィゴイネルワイゼンについて書くと言いながら、まだでした。スペインの作曲家サラサーテが、何故ハンガリーの民族舞曲チャールダッシュに則った曲を書いたのか、長らく謎だったのですが、19世紀にヨーロッパでチャールダッシュが大流行し、ウィーン宮廷から禁止令まで出る程だったというのを知って、納得しました。ブラームスやシューマンなどが、ハンガリーのジプシー音楽を取り入れながら、それぞれの特色を生かした曲を書いていましたが、サラサーテはヴァイオリンのヴィルトゥオーソらしい非常に技巧的な難曲を書きました。彼の他の作品では、サパテアードのようなスペイン音楽に則った曲がほとんどで、その中でツィゴイネルワイゼンは、突然ハンガリー風ですから、やはり異色です。ハンガリーのジプシー音楽では、猛烈な速弾きはあっても、左手のピチカートまで入れては弾いてなかったと思いますから、その超絶技巧はサラサーテの創作と見て良いように思いますが、どうでしょうか。
サラサーテの楽譜に忠実にジプシーの演奏家が弾いている映像があれば是非見てみたいですが、まずはハンガリーに近いルーマニアの女流ヴァイオリニストRusanda Panfiliの妙技でアップしておきます。タイトルにMelodii Lautarestiとありますが、ルーマニアの職能音楽家ラウタルのことだと思います。

Pablo de Sarasate - Zigeunerweisen Gypsy Airs Melodii Lautaresti

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2016年1月27日 (水)

Historia de los Cataros

一昨日はうっかり日付を跨いでしまいまして、昨日もアップすると1日2件になるためお休みしました。カタリ派関連の動画は余りに多くて困るほどですが、今日のスペイン語版「カタリ派の歴史」は、南フランスだけでなくスペイン北東部やイタリア北西部にも広まった歴史を紹介しているようです。中世音楽の華であるトゥルバドゥール(吟遊詩人)の音楽も、カタリ派抜きには語れないようです。

Historia de los Cátaros.wmv

Historia delos Cátaros2.wmv

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2014年2月27日 (木)

パコのモノクロ映像

パコの名演が耳について離れませんので、もう一日パコ・デ・ルシアのモノクロ映像を。モノクロだから必ず古いという訳ではなさそうですが、オーソドックスなフラメンコ演奏が多いように見受けられます。昨日の一本目に関しては、まず間違いなく10代後半の演奏だと思います。10代にして、あの完璧なテクニック! 凄いという他ないです。
フラメンコの代表的な曲種のブレリアスとソレアの独奏と、シギリージャス(カンテと踊り付き)、サパテアードを上げておきます。

Paco De Lucia - Bulerias,( La Plazuela

Paco de Lucia -Solea

Paco de Lucía - Siguiriyas

Paco de Lucia - Zapateado

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2014年2月26日 (水)

追悼パコ・デ・ルシア

フラメンコ・ギターの鬼才と言われたパコ・デ・ルシアの訃報が飛び込んできました。今日、2月26日滞在先のメキシコで亡くなったそうです。
彼の演奏を初めて聞いたのは、80年頃話題になったスーパー・ギター・トリオだったでしょうか。その後カンテのカマロン・デ・ラ・イスラとの共演や、ファリャの「恋は魔術師」など何枚か耳にして、この辺りが民族音楽へ耳が向く大きなきっかけの一つだったように思います。大分前にスペイン枠で彼の演奏も取り上げましたので、できるだけ重複しないようにしたいと思いますが。
一本目は若い頃の端整でオーソドックスなフラメンコ・ギターのソロ。既に彼の切れ味鋭いテクニックが顔を覗かせています。二本目はスーパー・ギター・トリオに大分近づいた感じが出ています。 しかし、66歳とは早過ぎます。 合掌

Paco de Lucia "Impetu"

Paco de Lucia - Entre dos aguas (1976) full video

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2012年12月25日 (火)

Ravi Shankar with Paco de Lucia

さすがに師走で何かとバタバタしていて、しばらくブログを書けませんでしたが、更に年末年始はアップが飛び飛びになりそうですm(_ _)m
11日に亡くなったシタールの巨匠ラヴィ・シャンカル関係を見ていましたが、今日はあのパコ・デ・ルシアとの映像。共演はさすがになかったのですが、フラメンコでよく聞かれるメロディは、北インドのラーガ・シンディ・バイラヴィに似ているとの興味深いコメント。シタールとタブラ、タンプーラで演奏されているのは、そのシンディ・バイラヴィでは。
バイラヴィ系は代表的な「朝のラーガ」で、多分インド音楽の音源の中で最も多い方ではないかと思います。私も大好きなラーガの一つです。短調系だからかも知れません(笑) 南インド古典(カルナティック)の大歌手M.S.スブラクシュミの歌にも、確かこのラーガの名唱がありました。そして、その同じ曲を、鬼才マハリンガムも吹いていました。
後日少しカルナティックとの比較も出来ればと思います。

Pt. Ravi Shankar with Paco de Lucia

Raga Sindhi Bhairavi - Ravi Shankar

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2012年12月10日 (月)

牛を見張れの主題と変奏

一人有名なビウエラ曲の作曲家を忘れていました。それはルイス・デ・ナルバエスですが、特に「牛を見張れの主題と変奏」はプホールによってギターにも編曲されて有名です。例のナルシソ・イエペスのLPにも入っていました。スペイン・ルネサンス音楽らしく古雅でありながら、スペインの赤茶けた大地と乾いた空気感がイメージされるような曲です。ビウエラ、リュート、ギター、それぞれの独奏でどうぞ。
スペインと中南米の古今の音楽を行きつ戻りつ、と言っても少々飛躍しすぎかも知れませんが、共通する「スペインらしさ」のようなものが見えてくると良いなと思っています。

Diferencias sobre "Guardame las Vacas" de Luys de Narvaez-Jean-Jacques

Luys de Narvaez - Guardame las Vacas - Lute

牛を見張れによる変奏曲 ナルバエス Narvaez 石田 忠 Tadashi Ishida

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