中央アジア

2016年6月28日 (火)

ハザラのgulli sad barg

22日にアップしましたナーゼリーのアルバム名のGole Sad Bargとは、そのまま訳せば「百の花(の葉)」となると思いますが、このタイトルで検索していると、アフガニスタンハザラ人のドゥタール弾き語りが出てきました。ハザラ人はアフガニスタン中部のバーミヤン辺りに住む人々ですが、13世紀のモンゴル帝国時代から残っていたモンゴル人に、元々この辺りにいるイラン系民族が混血したそうで、アジア的な風貌の人が多いです。ダリー語(アフガン・ペルシア語)を用い、宗教的にはイランと同じシーア派だからでしょうか、文化的にも共通の部分があるようです。この詩句Gole Sad Bargが入ってくるのも、その証しでしょうか。この言葉は、ルーミーの詩に出てくるのか、他にも共通してあるのか、その辺りは不明ですが。
そう言えば、ナーゼリーのGole Sad Bargには、Iranian Gnostici(s)m Music(イランのグノーシス主義の音楽)と、興味深い副題が付いていましたが、これはグノーシス主義がスーフィズムのルーツの一つだからでしょう。20年前のリリースの際には無かったのですが、10年ほど前の再発?盤にはこの副題があったのも、興味深く意味深です。しかし、ドゥタールは2弦とは思えない表現力があり、腹にも響きそうな低音が魅力の楽器です。厳かで爽やかな黎明を思わせるような始まりがとても印象的だったナーゼリーのGole Sad Bargとは対照的な音楽です。演奏者のShawkat Ali Saboorは、ハザラ人がほとんど全てのマリスタン出身のようです。

Shawkat Ali Saboor Malistani - gulli sad barg tabistan am a

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2015年12月21日 (月)

トルクメニスタンの女性歌手

今日はトルコなりクリスマスなりのyoutubeを選んでいる余裕がないので、、先日あるお客様からお問い合わせ頂いたトルクメニスタンの女性歌手の情報want!を持って今日のブログと致します。この歌手について何かお分かりになる方がいらっしゃいましたら、是非教えて下さい。CDが出ているかとか、プロフィールなどです。「ライラとマジュヌーン」以来、イスラーム圏にレイリという名前の女性は、星の数ほどいると思いますので。

Leyli - Untitled

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2015年3月11日 (水)

馬頭琴による南部牛追唄

忘れられない、忘れてはならない3.11も後少しになりました。毎年恒例になっていますが、今年も南部牛追唄を上げておきます。この曲はレクイエムのように聞こえて仕方ないと、2011年以来書いてきましたが、何年経っても同じ思いです。
1本目は変り種で、モンゴルの馬頭琴(モリンホール)での演奏ですが、元々この楽器は日本の追分や馬子唄に似た、こぶしたっぷりのモンゴルの伝統歌オルティンドーなどの伴奏をしているだけあって、実にぴったりはまっています。「草原のチェロ」とも形容された高過ぎない音域で朗々と歌う節の美しさに聞き惚れました。
若手民謡歌手の福田こうへいさんが、南部民謡の大家・福田岩月のご子息で、南部民謡界のサラブレッドであることは去年も書きました。2本目では、彼のヒット曲の間に餡子のように南部牛追い唄が挿入されています。やっぱり素晴らしいという他ないです。

南部牛追い唄 NAGISA/馬頭琴

福田こうへい 南部牛追い唄を歌う

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2013年6月14日 (金)

ゼルバガリの名手 Malang

イランのトンバクについては、これまでに色々集中的に取り上げましたが、ゼルバガリについては確かやってなかったと思います。昨日の3本目のMalangというウスタッドが特に素晴らしい演奏を聞かせていました。他にも沢山ありましたので、タイプの違う演奏を2本上げておきます。
イランの古典音楽ではトンバクは拍節のある部分に使われますが、その部分が割と少なかったりするので、意外に出番は少ないものです。一方アフガンの音楽ではおそらく逆でしょうか。かなりの部分でゼルバガリが旋律楽器にからんできます。洗練の極みのようなペルシア音楽に比べると、野性味溢れるとまで言うと言い過ぎでしょうが、中央アジア音楽の匂いのするアフガニスタンの伝統音楽に生き生きとした輝きを添える楽器だと思います。腹に響くような低音も素晴らしいです。
昨日の3本目のように中央アジア的な曲調の一本目に対し、2本目はインド系のターラに則った演奏でしょうか。タブラの代わりにゼルバガリを叩いているように聞こえます。こういう両面性がアフガン音楽の面白いところです。

Ustad Malang Negrabi, ghechak Zerbaghali Afghanista.avi

Ustad Malang _ Zer baghali & sarang

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2012年3月 5日 (月)

シルクロード・アンサンブルの最近

ヨーヨー・マ&シルクロード・アンサンブルと言えば、05年のNHKの新シルクロードの音楽を担当し、度々TV放映もされたので、見られた方も多いと思います。しかし、あの番組が終わってからは日本で取り上げられることはほとんどなかったのでは。その後もOff The Mapのような実験的な作品をリリースしていて、金曜にアップしたルステムのような東欧音楽をやっていたかと思えば、オズヴァルド・ゴリジョフ(あるいはゴリホフ)のユダヤ的な作品やアラブ音楽を取り上げたり、その他にもユーラシアの様々な要素をちりばめた音楽がyoutubeでも確認できます。各国の楽器の妙技はもちろんですが、色々なメロディが聞こえてきて、それだけでもとても興味深いものがあります。日本での情報不足とは対照的に、youtubeはしっかり上がっていました。しかし、かなり音楽的にマニアックな領域に入ってきているようですので、ここまで来ると日本のTVでは取り上げ難いでしょうね。
ほぼ書き終わったところでブラウザがクラッシュしたので、日付を跨いでしまいました(^^; スカイプがらみでしょうか、最近動画を見ているとクロームが固まる現象が頻繁にあって困っていまして・・。今日はブラウザが突然終了してしまったので、全て消えてしまって完全に書き直しになってしまいました(^^; ですので、明日また補足を書くかも知れません。

Silk Road Project: Air to Air (Live From Lincoln Center)

Silk Road Project: Arabian Waltz

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2011年5月19日 (木)

満州語とシボ

満州語とシボ族のポップスらしき映像を上げておきます。満州語の映像は語学レッスン風景です。満州文字はアラム系の文字にルーツはあっても、右から左に横書きするのではなく、モンゴル文字と同じで縦書きするのが特徴。シボの踊り子らしき女性が出てくる映像は、表向きはウイグル・ポップスだと思いますが、この女性がウイグルの少数民族である満州系のシボ族(錫伯族)だとしたら、かなり興味深い映像です。オリエンタルな動きが見られます。
今日はすっかり時間がなくなりましたので、また明日m(_ _)m

Conversational Manchurian Lesson 1

Manchu language lecture (demo) 满文讲义录像

歌舞《巴郎仔》佟丽娅 艾尔肯乐队 Tong LiYa(Xibo girl), Uigur, Uighur, Uygur Music

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2010年2月28日 (日)

ファイドマンの絶品ニグン+フィギュアのタジク曲

今日はどうしても異なるジャンルを2つ上げたいので、ややこしいタイトルになっております(笑)
まずは、先日アップしたギオラ・ファイドマンのクレズマー・クラリネットが好評でしたので、もう一曲名演を上げておきます。この曲は典型的なハシディック・ニグンで、例のヤリボンの入ったアルバム「Jewish Soul Music」(Hed Arzi)の冒頭を飾っていました。この曲は、1994年に東京FMのトランスワールドミュージックウェイズに私が出演した際に番組オープニングにかけた曲です。HPのプロフィールに日付を書いております。このyoutubeは上記CDとは違ったフレージングで吹いていますが、最近の演奏なのでしょう。相変わらず肺腑を抉るようなソウルフルな演奏です。

2本目は、バンクーバーオリンピックの女子フィギュア(フリー)を見ていて偶然耳にしましたが、大分前(08年夏前後の中央アジアを廻っていた頃)に当ブログで取り上げたタジク族の曲でした。滑っていたのは中国の劉艶で、「中国の伝統曲」と紹介されていたと思います。しかし、この曲はウイグル自治区西部のタジク族が多く住むタシュクルガンなど、パミール東麓で歌われていた民謡だったと思います。漢民族以外の歌が中国の民謡のように紹介されていたのには少々違和感を覚えましたが、そのエキゾチックなメロディを久々に聞いて懐かしくなりました。この西方の民謡が中国で歌謡化したという経緯だったように思います。オリンピックで使われるくらいですから、相当ポピュラーなのでしょう。
そして末筆ながら、真央ちゃんは惜しかったですね。あの点で銀とは、レベルが上がったものです。ソチ五輪に期待しましょう。(ソチは07年末頃に特集した北カフカスのアディゲの近く。この辺には興味大有りですから、また後日特集したいと思います(笑))

Giora Feidman - The Happy Nigun

Tajik / Han Chinese Song - Why are the Flowers So Red

最後に出てくるのが元のタジク民謡版。この女性の伸びやかな歌声は何度聞いても最高です。

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2008年12月11日 (木)

カザフ・シリーズ最終回 ホーメイ他

今日で一応カザフ・シリーズを終わりにします。カザフもですが、7月末以来続いた中央アジア・シリーズの最終回になります。最後に倍音唱法と女性の民謡、カザフですがどこかキルギスっぽいドンブラ独奏の3本。明日からどこにするかまだ決めていませんが、テュルク系民族を順に回ってきたので、次は中央アジアに大きな足跡を残したモンゴルか、テュルク系のトゥヴァに行くのが順当ではありますが、少々息切れしてきましたので(笑)、またいつか巡るであろうシベリア(北アジア)・シリーズに回したいと思います。シベリアにはテュルク系のハカスやサハも残っています。

予想以上に長大になりました中央アジア・シリーズの長らくのご視聴、有難うございました。m(_ _)m

Kazakh Khoomei ----- Edil husayin— Jetikel

ストレートに「カザフのホーメイ」とタイトルされています。ここまで見事に倍音唱法だと、トゥヴァ系の歌手かも知れません。しかし、カザフとトゥヴァは直には接してないので、カザフスタン東部に接するアルタイの人かも。言うまでもなく、モンゴルのホーミー、トゥヴァのホーメイは、倍音唱法の代表格です。

A Kazakhstan Concert Scene sample

この民謡歌唱の中にも倍音気味になっている部分があるように思いますが、いかがでしょうか。あるいはテュルク語特有の発音のために、倍音歌唱風に聞こえるのでしょうか。映像は良くないですが、色々なタイプの歌が聞けて中々楽しめるビデオです。

Singing Kazakh

解説にはSinging Kazakh in a Yurt near Aidarkul Lake, Uzbekistan.とあります。ウズベクに近いということなので、南カザフになるのでしょう。近いからでしょうか、この弾き語りはキルギスのウルに似てますね。この名も知らぬ辻楽士の哀愁の弾き語りでカザフ・シリーズを締めくくりたいと思います。

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2008年12月10日 (水)

コブィズとケメンチェ

オラズバエヴァ以外にもコブィズの映像が見つかりました。しかし、こちらはシャーマン的な音楽と言うよりは、叙事詩語り的な内容かも知れません。ドンブラにもありましたが、カザフではEpic Singingになると、どうも倍音唱法が入ってくるようです。ビデオに白鳥が出てきますが、白鳥はカザフにおいては純粋を意味するそうで、オラズバエヴァが弾いていたAkkuという曲は、白鳥をハンティングしようとして失敗した若い男の曲(キュイ)だそうです。(ラフ・ガイド・トゥ・中央アジアの解説参照) 今日のコブィズ弾き語りも、白鳥と関係があるようです。
昨日か一昨日、ケメンチェに発音が似ているのではと書きましたので、2本目にはオスマン・トルコ古典音楽のケメンチェ独奏を上げておきます。こちらは素朴なコブィズとは対照的な、洗練されたオスマン文化の粋を感じさせる音色。

Kazakhstan Kobyz Qobyz Bekbolat

映像に出てくる湖は消滅の危機に瀕しているアラル海でしょうか?

klasik kemençe Hicaz Taksim

オスマン・トルコの古典音楽で用いられたケメンチェの独奏。ここで弾かれているのは、ヒジャーズ旋法によるタクシーム(即興)。演奏者は不明ですが、かなり素晴らしい演奏です。

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2008年12月 9日 (火)

シャーマン的コブィズと西洋的コブィズ

オラズバエヴァのビデオ、もう一本ありますのでアップしておきます。昨日と同じく「白鳥の歌」というタイトル。後半の白鳥の泣き声と思われる擬音を初めとしたシャーマニックな表現は圧巻。シャーマンの音楽ですと、テュルク的かつ仙人的風貌の演奏者を想像しますが、この人の容貌はロシア的に見えますね。その点も不思議と言えば不思議です。
一方、倍音成分、雑音成分たっぷりな彼女の演奏とは対照的なコブィズ演奏もカザフにはあります。そんな西洋的テクニックの影響(あるいは中国の胡弓?)を感じさせるような演奏を二本目に上げておきます。

shamanistic music Kazahstan 2

よく見てみると、この楽器、弦が棹から大分離れていて、棹に弦を押さえた指が付かない状態で発音しているようです。そのために倍音がかくも豊かなのだと思います。発音原理はトルコのケメンチェも同じですが、コブィズはもっと宙に浮いているようです。Swan song  Raushan Orazbaeva playing the Kobyz  The Ancient Viol of the Shamans

Trio Nazim - part1

真ん中がドンブラ、左はロシアのドムラでしょうか? 右のコブィズですが、オラズバエヴァの楽器と異なるのは、まず弓の材質と西洋的な弓使い。胴にもあの不思議な窪みが見当たりません。しかし素晴らしいボウイングですね^^ この弓はヴァイオリンのより長いように見えます。シャーマンの楽器と違って、指板に指が届いているのでは。そのために倍音成分もぐっと少ないです。Anara, Samal and Gulmira play Kazakh Traditional Music

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