中央アジア

2008年12月11日 (木)

カザフ・シリーズ最終回 ホーメイ他

今日で一応カザフ・シリーズを終わりにします。カザフもですが、7月末以来続いた中央アジア・シリーズの最終回になります。最後に倍音唱法と女性の民謡、カザフですがどこかキルギスっぽいドンブラ独奏の3本。明日からどこにするかまだ決めていませんが、テュルク系民族を順に回ってきたので、次は中央アジアに大きな足跡を残したモンゴルか、テュルク系のトゥヴァに行くのが順当ではありますが、少々息切れしてきましたので(笑)、またいつか巡るであろうシベリア(北アジア)・シリーズに回したいと思います。シベリアにはテュルク系のハカスやサハも残っています。

予想以上に長大になりました中央アジア・シリーズの長らくのご視聴、有難うございました。m(_ _)m

Kazakh Khoomei ----- Edil husayin— Jetikel

ストレートに「カザフのホーメイ」とタイトルされています。ここまで見事に倍音唱法だと、トゥヴァ系の歌手かも知れません。しかし、カザフとトゥヴァは直には接してないので、カザフスタン東部に接するアルタイの人かも。言うまでもなく、モンゴルのホーミー、トゥヴァのホーメイは、倍音唱法の代表格です。

A Kazakhstan Concert Scene sample

この民謡歌唱の中にも倍音気味になっている部分があるように思いますが、いかがでしょうか。あるいはテュルク語特有の発音のために、倍音歌唱風に聞こえるのでしょうか。映像は良くないですが、色々なタイプの歌が聞けて中々楽しめるビデオです。

Singing Kazakh

解説にはSinging Kazakh in a Yurt near Aidarkul Lake, Uzbekistan.とあります。ウズベクに近いということなので、南カザフになるのでしょう。近いからでしょうか、この弾き語りはキルギスのウルに似てますね。この名も知らぬ辻楽士の哀愁の弾き語りでカザフ・シリーズを締めくくりたいと思います。

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2008年12月10日 (水)

コブィズとケメンチェ

オラズバエヴァ以外にもコブィズの映像が見つかりました。しかし、こちらはシャーマン的な音楽と言うよりは、叙事詩語り的な内容かも知れません。ドンブラにもありましたが、カザフではEpic Singingになると、どうも倍音唱法が入ってくるようです。ビデオに白鳥が出てきますが、白鳥はカザフにおいては純粋を意味するそうで、オラズバエヴァが弾いていたAkkuという曲は、白鳥をハンティングしようとして失敗した若い男の曲(キュイ)だそうです。(ラフ・ガイド・トゥ・中央アジアの解説参照) 今日のコブィズ弾き語りも、白鳥と関係があるようです。
昨日か一昨日、ケメンチェに発音が似ているのではと書きましたので、2本目にはオスマン・トルコ古典音楽のケメンチェ独奏を上げておきます。こちらは素朴なコブィズとは対照的な、洗練されたオスマン文化の粋を感じさせる音色。

Kazakhstan Kobyz Qobyz Bekbolat

映像に出てくる湖は消滅の危機に瀕しているアラル海でしょうか?

klasik kemençe Hicaz Taksim

オスマン・トルコの古典音楽で用いられたケメンチェの独奏。ここで弾かれているのは、ヒジャーズ旋法によるタクシーム(即興)。演奏者は不明ですが、かなり素晴らしい演奏です。

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2008年12月 9日 (火)

シャーマン的コブィズと西洋的コブィズ

オラズバエヴァのビデオ、もう一本ありますのでアップしておきます。昨日と同じく「白鳥の歌」というタイトル。後半の白鳥の泣き声と思われる擬音を初めとしたシャーマニックな表現は圧巻。シャーマンの音楽ですと、テュルク的かつ仙人的風貌の演奏者を想像しますが、この人の容貌はロシア的に見えますね。その点も不思議と言えば不思議です。
一方、倍音成分、雑音成分たっぷりな彼女の演奏とは対照的なコブィズ演奏もカザフにはあります。そんな西洋的テクニックの影響(あるいは中国の胡弓?)を感じさせるような演奏を二本目に上げておきます。

shamanistic music Kazahstan 2

よく見てみると、この楽器、弦が棹から大分離れていて、棹に弦を押さえた指が付かない状態で発音しているようです。そのために倍音がかくも豊かなのだと思います。発音原理はトルコのケメンチェも同じですが、コブィズはもっと宙に浮いているようです。Swan song  Raushan Orazbaeva playing the Kobyz  The Ancient Viol of the Shamans

Trio Nazim - part1

真ん中がドンブラ、左はロシアのドムラでしょうか? 右のコブィズですが、オラズバエヴァの楽器と異なるのは、まず弓の材質と西洋的な弓使い。胴にもあの不思議な窪みが見当たりません。しかし素晴らしいボウイングですね^^ この弓はヴァイオリンのより長いように見えます。シャーマンの楽器と違って、指板に指が届いているのでは。そのために倍音成分もぐっと少ないです。Anara, Samal and Gulmira play Kazakh Traditional Music

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2008年12月 8日 (月)

Raushan Orazbaevaのコブィズ

今日のビデオのラウシャン・オラズバエヴァは、真にシャーマン的なコブィズを聞かせる女流名人として、唯一海外にまで知られている人ではないかと思います。何かが憑依したような鬼気迫る演奏の様子は、youtubeの粗い映像からでも、ひしひしと伝わります。淡々と弾いているので、もし生で見れたら余計に恐さのようなものを感じるのでは。イタリアのFelmayからCD、Akkuがありましたが、一本目はそのアルバムからでしょうか。彼女は73年カザフスタン南西部生まれの女性奏者。母方の祖母はバフシーだったとか。上記リンクのページではトルクメン音楽の影響があるのではと書きましたが、カザフ(南西部?)にもバフシーの伝統はあるのでしょう。自由なインプロヴィゼーションのようにも聞こえますが、これもキュイの一つのようです。

それから、昨日のビデオの曲にshayさんから貴重な情報を頂きました。(いつも有難うございます) 例によって前日のコメントだと見る方が少ないと思われますので、こちらに再度載せておきます。
カザフ語でしょうか、konilは「心」、tolqynは「波」とか「感情の沸き上がり」といったような意味で、konil tolqynyは「心の高ぶり」とでも訳せるそうです。この曲は、セケン・トゥルスベコフという人が1985年に作曲したものらしく、昨日の3本目のビデオに出てくるドンブラ奏者が作曲者本人だそうです。随分新しいキュイでしたが、その内省的な趣きは、伝統的なキュイに昔からある要素だと思います。

AKKU

Traditional Kazakh kuy performed by Raushan Orazbaeva on kyl-kobyz in Tropentheater, Amsterdam, November 2007. Filmed by BOOZ

shamanistic music Kazahstan

Swan song  Raushan Orazbaeva playing the Kobyz The Ancient Viol of the Shamans

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2008年12月 7日 (日)

ノスタルジックなキュイ

今日は素晴らしいキュイが見つかりましたので、オリジナルの演奏と、アレンジものをまとめて。タイトルはKonil tolkyny(コーニル・トルキニ?)で、英訳するとMy tryという意味になるのでしょうか。ロシア語のコーニ(馬の複数形)と何か関係があるのかと思いましたが、どうなのでしょうか。昨日の畳み掛けるように躍動的なアダイとは対照的な、ノスタルジックで内省的な佳曲。シンプルながら心に沁み入るような曲調は、ウルルン系と言えるかも^^  この曲の裏に秘められた物語を知りたいものです。

Konil tolkyny - My try :)

開放音の入れ方がドンブラらしく印象的。

Konil tolqyny

Konil tolkyny ||| Көңіл Толқыны

WORLD MUSIC {KONİL TOLKİNİ} BEST MUSIC

少年時代を回想するかのようなノスタルジックな映像によくマッチしています。

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2008年12月 6日 (土)

アダイでトゥラン・ロック

11月30日に一度上げましたが、今日の一本目に出てくるのはアダイという曲で、遊牧民カザフの誇りと熱さをストレートに感じさせる曲です。2,3本目のミュージック・ビデオの歴史物語の中には、トゥランの民(テュルク民族)の熱き心が躍動しているようです。最近人気のレッドクリフ(三国志に基づく映画)のように、血生臭いところがありますが。探してみると何本かカザフ・ロックにアレンジされたアダイのビデオがありました。これはカザフのメタルなのでしょうか? ロックのリズムにどんぴしゃはまって、なかなかカッコイイですね^^

Saz/ Baglama/ Dutar/ Kopuz/ Deyiş/ Shamanism/ Alevism "7"

アダイについてhasugeさんから情報を頂きました。(いつも有難うございます。m(_ _)m) このビデオの前半が「Aday 」で、このキュイ(カザフの伝統器楽曲)は19世紀のカザフ人の作曲家でドンブラ奏者でもあるクルマンガズ・サグルバイェフの作品とのこと。彼については、平凡社の『中央ユーラシアを知る事典』(初版より二刷の方が誤りが直されていて良いそうです)に、クルマンガズで項目があるそうです。クルマンガズのアダイの音源はOcora のTURKESTAN(キルギスのコムズとカザフのドンブラ) 、World Music NetworkのTHE ROUGH GUIDE TO THE MUSIC OF CENTRAL ASIAに収録されています。後者には、カザフのロックグループであるウリタウの演奏する「Adai 」(今日の3本目のビデオ)が入っています。クルマンガズは肖像が紙幣や切手にもなった人物で、現在まで60曲ほどのキュイが伝わっているそうです。

Asylbek Ensepov - Adai

Ulytau Toby - Adai

一本目の解説のウリタウの演奏。プロモーション・ビデオでしょうか。

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2008年12月 5日 (金)

女性歌手の歌うカザフ民謡

そろそろドンブラのテクニカルな演奏は見当たらなくなってきました。民謡的な歌の良いビデオが結構目立ちますので、それらを何本か上げておきます。

一昨日の「カザフの踊りはダッタンの踊り?」でちょっと触れました、「カザフはキプチャク遺民の末裔では?」という興味深い問題と、ボロディンの「ダッタン人の踊り」のルーツ問題について、hasugeさんとKarateginさんから詳細なコメントを頂きましたので、是非ご覧下さい。非常に興味深いお話だと思いますので。(hasugeさん、Karateginさん、いつも有難うございます。m(_ _)m)

hasugeさんから「カザフスタンの音楽遺産」というロシア語のサイトをご紹介頂きました。musicheritage.nlrk.kzです。 作曲家、演奏家、楽器、作品などの情報が満載ですが、表記はロシア語のみf^^;  このサイトについてshayさんからコメント頂きまして、カザフスタン国立図書館が1999年に作ったマルチメディアCD-ROMのデータをアップしたものらしいとのこと。同図書館に所蔵される3574点のカザフ音楽レコードから厳選した様々なジャンルの音楽の音声ファイルも聞けるようですが、mp3ではなくwavファイルのため重いらしいです。hasugeさん、shayさん、いつも本当に有難うございます。m(_ _)m

jalghan ay calgan ay yalghan ay yalan ay

歌声、ドンブラの音、共に大変美しい一曲。ウルに似て聞こえますので、またウイグルのカザフ民謡かも知れません。

KAZAK TIN SULU KIZDARI

こちらもコメントから察するに、(ウイグルの)アルタイ地方の民謡では。面白い振り付けの舞踊が付くようです。

Saz/ Baglama/ Dutar/ Kopuz/ Deyiş/ Shamanism/ Alevism "3"

前に同じタイトルの番号違いがありました。諸国の類縁楽器の演奏を見ていくシリーズのようです。カザフでも民謡の多くは主に女性によって歌い継がれているのでしょうか。youtubeにはそれほど女性のドンブラ弾き語りが多いです。

Halik Termesi

カザフ・シリーズの一番最初に名曲「マイラ」でアップした女性歌手。この人はカザフスタン側の人でしょう。広々と伸びのある歌声もドンブラも素晴らしいですね。

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2008年12月 4日 (木)

ドンブラの基本テクニック

カザフの国民的弦楽器ドンブラは、ここ数日ほとんど毎日登場していまして、名人の妙技には目を見張るばかり。今日の最初の3本はプロの演奏家ではなさそうに思いますが、左手のフィンガリングや右手の多彩なストロークが、よく確認できるビデオです。対比のためにバラライカ演奏も2本。2弦と3弦の違いがありますが、ドンブラの奏法を受け継いでいる部分、ロシアで独自に発達した奏法、その両方が見えると思います。

Korogly

Koroglyというのは曲名でしょうか。トルクメンの英雄叙事詩に名称が似ていますが、何か関係があるのでしょうか。バラライカも同じように左手親指を頻繁に使います。

Sekuntai Dombra

ウイグルの首都ウルムチでの録音のようです。映像が良くないので、はっきり分かりませんが、この楽器はフレットレスに見えます。曲調がキルギスのウル似。80年代にAfter DinnerのHacoが歌っていた歌を思い出します。Sekuntai plays a Kazak instrument called the dombra. Recorded in Urumqi January 2007.

sekuntai dombra 5

こちらはドンブラと歌。左の女性が歌の先生? sekuntai sings and plays a traditional kazak tune in urumqi china in may 2007

Balalaika - Aleksei Arkhipovsky - Manege - Moscow 2006

ロシアのバラライカの名手Aleksei Arkhipovskyの独奏。手元がはっきり見えるロシア伝統曲が意外に見当たらないので、コンテンポラリーな感じの演奏ではありますが。しかし、大変なテクニシャンでしばし唖然としましたf^^; Workshop for Russian Folk Instruments  Andreas Gerth - Luthier Balalaika and Guitar shows his Instruments to the incredible Balalaika Player - Aleksei Arkhipovsky - from Moscow - Алексей АРХИПОВСКИЙ (балалайка) presents by www.balalaika.name

Djmali - Noxcho wu su

バラライカ弾き語りですが、こちらはロシア音楽ではなく、チェチェンの演奏家によるチェチェンの伝統曲。グルジアなどのコーカサス系民族の舞踊、レズギンカ型のリズムがくっきりはっきり出てます。細かい技巧の確認できるチェチェンのバラライカ独奏は前にも色々上げましたので、よろしければご参照下さい。(カテゴリーは北コーカサス)

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2008年12月 3日 (水)

カザフの踊りはダッタンの踊り?

ロシアのカテゴリーで、1月17日と18日にロシアのバラライカやドムラと、カザフのドンブラの関係について触れました。また、カザフとコサックが同語源であることも、ロシアからウクライナにかけての記事で何度か取り上げました。ロシア史において13~16世紀頃までは「タタールのくびき」と言われ、タタール人の圧政に苦しめられた時期として記憶されていますが、こと音楽や文化に関しては、上記のように少なからずタタールの影響が見られるようです。ロシア音楽史では、上記の楽器を手にするのが漂泊の楽士だったことと無関係ではないと思います。余談ですが、キオスクというロシア語も、テュルク系の言葉から入った単語のようです。

タタール(タルタル・ソースの語源)またはダッタン(韃靼)と呼ばれる、キプチャク汗国時代のモンゴル~タタール系民族の末裔は、基本的にカザフになるようです。キプチャク汗国の頃はモンゴル人と言って良かったのかも知れませんが、言語的にテュルク(トルコ)化、宗教的にはイスラーム化して、現在のカザフ民族に至っています。

タタール人のイメージで切っても切り離せないクラシック音楽に、ボロディン作曲の歌劇「イーゴリ公」の中の「ダッタン人の踊り」がありますが、ボロディンがイメージしたものは、カザフの先祖の踊りだったのでしょうか。今日は現在のカザフの踊り2本と、ボロディンの「ダッタン人の踊り」を合わせてアップしてみました。

Yesevi Sanat Topluluğu "Kımız Dansı"

Yesevi Sanat Topluluğu nun 21 nisan 2006 daki Ankara Büyük Tüyatro daki gösterisi. Kımız Dansı

Казак эл бийи/The Kazakh national dance

Traditional Kazakh dance from "Manastyn Kyzdary"Ансамбль танца "Манастын кыздары"

Polovetsian Dances (「イーゴリ公」から「ダッタン人の踊りと合唱」)

The Polovetsian Dances (or Polovtsian Dances) are perhaps the best known selections from Alexander Borodin's opera Prince Igor.
「イーゴリ公」から「ダッタン人の踊りと合唱」
指揮:飯森範親
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部

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2008年12月 2日 (火)

アルタイのカザフ民謡

カザフ族はカザフスタンだけでなく、先日マイラの時に出てきたように東は中国の青海省、西はカスピ海北部までの広大な土地に住んでいますが、カザフスタン外のロシア連邦内にもいるのでしょう。今日の民謡歌手アセムハーンは、アルタイ自治共和国に住むカザフ族の歌手でしょうか。あるいはカザフ東部をアルタイ地方と呼ぶのかも知れませんが、不思議なことに彼女の歌っている歌は、キルギスのウルにも似た哀愁を帯びた節。何よりこのシンプルな3拍子はカザフ離れして聞こえます。ロシアの歌の影響なのか、キルギスのウルと何か繋がりがあるのか・・・。キルギスの歌に、何故7音の短音階が多いのかも、依然として謎のまま。何か情報をお持ちの方、是非お知らせ下さい。

ne oyladin - kazakh asemhan

a traditional kazakh song use dombra for music, asemkhan is singer from altay.

KYRGYZ SONG 8

7月に一度アップしたビデオですが、キルギスの短調のウル(歌謡)の一例として。

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2008年12月 1日 (月)

カザフ・ウーマンのドンブラとコブィズ

昨日の2本目の女性ドンブラ奏者、凄かったですね。今日もカザフのウーマン・パワーを感じさせる数本をご紹介^^  3本目まではドンブラと擦弦のコブィズのデュエットです。コブィズと言えば、その複雑で浮遊感のある音色で、シャーマン音楽のイメージが強い楽器。カザフは今ではイスラームの国ですが、イスラーム以前から盛んだったシャーマニズムは文化の深い所にずっと存在し続けているようです。そしてコブィズは19世紀まではバフスィ(明らかに吟遊詩人バフシーと類縁の言葉でしょう)と呼ばれるシャーマン専用の楽器だったようです。作りには色々あるようで、胴の上の方が削り込まれたようになっている形のものが比較的よく知られているように思いますが、今日のビデオではヴァイオリンの下を細身にした(あるいは上下逆にした)ような形をしています。テクニックや音色も、シャーマン的なコブィズに比べると、ヴァイオリンに似ていると思います。JATA Travel Fair 2007 at Tokyo Big Sightと出てますので、生で見られた方がいらっしゃるかも。

Kazakh instruments duo #1

Kazakh instruments duo #2

Kazakh instruments duo #3

これは昨日の2本目と同じ曲でしょう。ドンブラの女性は別人だと思いますが、帽子でよく分かりません^^

Kazakh Beauty

カザフ美人が次々登場するビデオ^^  前半でかかっている曲は、昨日の2本目の女性が弾いていた曲と同じでは。やはり代表的キュイの一曲だったのでしょうか。

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2008年11月30日 (日)

カザフの叙事詩語り

カザフの器楽はキュイでしたが、歌の方は、歌謡はアン、叙事詩はジル、民族詩オレン、などに分類されます。(WRMLの「カザフの音楽」の森田稔氏の解説より) ジャンルの後ろにシを付けると、それぞれの演奏家を指す言葉になりますので、キュイシ、アンシ、ジルシ(またはジラウ)、オレンシとなります。「今日のドンブラ」の一本はジルシのドンブラ弾き語り。名前はジラウ・アルマス・アルマトフ。しっかり「ジラウ」が頭に付いています。この人の歌唱は、少し倍音唱法が入っていますが、これは倍音唱法の中心地モンゴルの叙事詩語りの影響なのでしょうか。ドンブラの技巧は、キュイ演奏の華やかさに比べると落ち着いたものですが、これは叙事詩語りに何よりも重きを置いているということでしょう。カザフスタンに入ると、中国(ウイグル)で聞けたようなペンタトニック(5音音階)は、ほとんど耳にしないように思います。

Almas Almatov sings zhir

Traditional Kazakh zhir performed by zhirau Almas Almatov from Kzyl-Orda acc. on dombra in Tropentheater, Amsterdam, November 2007. Filmed by BOOZ

Saz/ Baglama/ Dutar/ Kopuz/ Deyiş/ Shamanism/ Alevism "7"

これは特定のキュイなのか、即興なのか不明ですが、おまけで一本。華やかな技巧とドンブラ音楽特有の歌心をたっぷり聞かせてくれます。タイトルには(コプズまで)諸国のドンブラに似た楽器が列記されていますが、ここで弾かれているのはドンブラのみ。ドンブラは低音が豊かだし、コマは動かして音高を変えられるし、本当に素晴らしい楽器ですね^^  シャーマニズムは分かりますが、アレヴィズムというのが気になります。スーフィーのアレヴィー派と関係ありなのでしょうか?

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2008年11月29日 (土)

Listen to the Story about this Melody

昨日少し取り上げたカザフの器楽による物語、キュイですが、見事な例を見つけました。2006年のカザフ映画「KEK / Месть / Vengeance」の二コマ。セリフはロシア語ですが、英語字幕が入っています。訳は「復讐」で合っていると思いますが、どうでしょうか。

2本目の後半、主人公がドンブラを手に弾き始める辺りは、キュイの典型例でしょう。今日のブログタイトルは、向かい合っている古老(師匠?)の言葉ですが、洋の東西問わず音楽に心酔する人なら、沁みる言葉ではないでしょうか。物語がある音楽は幸せだと思います。キュイは西洋で言うなら、無言歌?  しかし、メロディによって物語のイメージを人々に喚起させるという、まずメロディありきのパターンは、やはり近代以降の西洋にはないのでは。
素朴な疑問ですが、ロシア五人組の一人、キュイはこの言葉と関係はありやなしや(笑)

Kek (Revenge) - dombra

KEK / Месть / Vengeance (2006)  埋め込み禁止
Kek

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2008年11月28日 (金)

冬不拉名人

「今日のドンブラ」は、同じ奏者の3本ですが、中国屈指(随一?)の名手のようです。おそらくウイグルのカザフ族だと思います。中国ではドンブラは冬不拉と表記されるようです。この人の技はとにかく凄い。フラメンコのラスゲアードのような奏法から、ウズベクのドゥタール、ロシアのバラライカなどに似た奏法が次々に登場。その超絶技巧と多彩な表現力には度肝を抜かれました。
器楽曲はカザフ語でキュイと呼ばれますが、キュイにはそれぞれ固有の物語があって、ドンブラ奏者はまずその物語を話してから、「では、私のドンブラが語る物語を聞いて下さい。」と言って弾き始めるそうです。愛や死はもちろん、人生の儚さや哲学的な思索まで、一本のドンブラで表現しています。先日の私の「草原の孤独」というイメージは、当たらずとも遠からずだったかも知れません^^ 
今日の演奏家の音ですが、中国のカザフ族だからでしょうか、カザフスタンの場合と比べて音階は中国的な5音音階が目立つように思います。しかしメロディは少し違っても、やはりキュイの伝統を保った曲なのでしょう。

参考文献:キングWorld Roots Music Libraryの「カザフの音楽」の森田稔氏の解説

Kazak Dombra Solo - The White Swan

Kazak Dombra Solo - Capriccio Junggar

ジュンガル奇想曲。ジュンガルは近世に中部以東のカザフを支配したモンゴル系民族。同じ頃、西部カザフはロシアの支配下に入りました。

Kazak Dombra Solo - In Memory of Father

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2008年11月27日 (木)

今日のドンブラ

「今日のドンブラ」と言うことで、数日見てみたいと思います。その位ビデオが多いです。カザフの国民的弦楽器ドンブラは2弦ですが、かの地の名手たちは、そんなシンプルな作りとは思えない名人芸もしばしば披露しています。この楽器、弦はスチールではないと思います。その柔らい音色で騎馬民族特有の心弾む響きを聞くと、何故か「草原の孤独」という言葉が浮かんで仕方ありません。個人的に非常に好きな音色の弦楽器です。
しかし、このドンブラ、地域差があるのか、共通した遊牧民族の騎馬的なリズムの中にも、少なからず違いが感じられるように思います。楽器の作り自体も少し違っているようです。

昨日の2本については、hasugeさんから詳細な情報を頂きました。(いつも有難うございます。m(_ _)m) 昨日のコメント欄をご覧下さい。

kazakh dombra

ドンブラで検索するとトップに出てくる演奏。若手の演奏らしい、テクニックの華やかさ。この人の、もう少しテンポのゆっくりした味わい深い演奏も聞いてみたいものです。最近のドンブラ独奏、もしテクニック偏重の傾向があるのだとすれば、日本の津軽三味線と似た状況にあるのかも知れません^^

Kazakhstan Dombra

この人は西洋人だと思いますが、かえって楽器の作りや特性が垣間見える一本。駒を自由に動かしてピッチ(音高)を変えて弾いていますが、こんなに自由に動かせるとは驚き。しかし、この音色と奏法だと、ギリシアのタンブーラに似て聞こえてしまいます^^

playing dombra in Urumqi

ウイグルの首都ウルムチのドンブラとありますが、ドンブラではなくドゥタールかも。弦もスチールのようですし、胴はタンブールのように細身。ウズベクのドゥタールかも知れません。これが本当にドンブラなら驚きです。

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2008年11月26日 (水)

こちらのマイラは・・

昨日2本目に上げた「マイラ」ですが、hasugeさんからコメント頂きまして、中国内陸の青海省で中国人によって採譜され編曲・発表されてから中国に広まったようです。青海省と言えば、チベット族が多く住む所のイメージが強かったのですが、チベットと四川省の間にある青海省までカザフ族が来ていたとは驚きでした。西はカスピ海北岸、東は青海省というのは、とんでもなく広大な領域です。今日の一本目は、マイラという女性歌手ですが、歌にはアルタイと読まれているようですので、アルタイに近いカザフスタン東部の歌でしょうか。モンゴル~タタール風な節と、ロシア~西洋の要素も感じさせる発声の両方が聞き取れるように思います

Ahgazhai-Altai

Kazakh folk song with Mayra Mukhamedkyzy

Kazak Dombra Solo - Mother

「今日のドンブラ」ということで、一日一本、芸風の違いを見て行きたいと思います。一本目ではロシア文字でしたが、こちらは漢字字幕が出てきますので、ウイグルにいるカザフ人の演奏者でしょうか。ロシア民謡の「満州の丘に立ちて」に似た雰囲気。あるいは田端義夫とか?(笑)  カザフの伝統的ドンブラ音楽ではありませんが、良い味出してますね。実は上記のどちらも結構好きなもので f^^;

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2008年11月25日 (火)

カザフ

中央アジア・シリーズも、いよいよ最後のカザフに来ました。7月にキルギスから始めて、もう4ヶ月になります。キルギスに4日、ウイグルに1ヶ月、ウズベクに1ヶ月、タジクに1ヶ月、フンザ周辺に半月、トルクメンに10日余り、そして最後にカザフ。トルコ系民族本来の遊牧的音楽の類似性から言って、本来はキルギスとカザフは並べて回るべきでした。それから、こんなに長大になるとは思ってなかったので、「中央アジア」で一括りにしてしまいましたが、国別にカテゴリーを分けても良かったほどに膨らみましたね(笑)  その位、中央アジアは驚きの連続でもありました。何はともあれ、今日からカザフの音楽へ。

Saz/ Baglama/ Dutar/ Kopuz/ Deyiş/ Shamanism/ Alevism "5"

カザフと言えば、何と言っても2弦のドンブラ。右の男性の繋がった眉毛に目が留まりまして、まずこちらから(笑) キルギスの短調のウルを思い出させる哀愁の歌声。眉毛は中央アジア的ですが、歌はロシアに近いなぁという印象を覚えます。

Mayra

20年余り前に北京放送でウイグル民謡と紹介されていた云々という話題で、去年一度アップしたクリップです。新疆ウイグルに住むカザフ族の民謡「マイラ」。いかにも遊牧民の歌というイメージの大らかな感じが良いですね。現在のKingワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリーに入っていたかどうか調べてみないと分かりませんが、LPの頃の小泉文夫音源には入っていました。そこには確かに「新疆のカザフ民謡」と書かれていました。前に頂いたコメントによると、あの広大なカザフ中で歌われている歌だとのことでした。遊牧世界の民謡は、地域差が余り生まれないのでしょうか。しかし、上のエレジー的な歌とはかなり印象が異なります。

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2008年11月24日 (月)

トルクメンのアザーン

トルクメン・シリーズ、一応今日で終わりにしようかと思いますが、最後にイスラームの礼拝への召喚の声、アザーン。タイトルでは「トルクメニスタンの古い歌」となっていますが、これは間違いなくアザーンです。イランに近いからでしょうか、タハリールのような細かい節回しが聞き取れます。アラブ圏のアザーンとは、同じヒジャーズ旋法的な大枠の節の中に、結構異なる音の動きが目立つように思います。
トルクメンのバフシー関係など、もっとあったら良かったのですが、意外に少なく、代わりに先日のようなアラブ~トルコ風の音楽のクリップが多く見つかりました。各楽器の独奏も大変珍しい映像でした。これらは本当に意外でした。
数日前のファスル(合奏組曲)や、シャルク(オスマンの歌曲)の類は、いいものがかなり見つかりましたので、明日からのカザフ・シリーズの次にでも回ってみようかと思います。

今日は念願のトップページ入れ替えを行いました。このページは有能な助っ人が現れなければ出来上がらなかったでしょう。Yさん有難う。ナハズブホ!^^

Turkmenistan - Old song

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2008年11月23日 (日)

イラクのトルクメン

トルクメンに戻りまして、ちょっと珍しい一本を。
イラクに住んでいるトルクメンのヒラルという女性グループの映像。同じトルコ系のトルクメン(トゥルクマーンとも)ですが、トルクメニスタンのトルクメン人とは民族的な関係が明らかでないようです。使っている弦楽器は、音色から判断するに、サズかバーラマでは。彼女らが歌っている歌は、どこかキリスト教の聖歌風でもありますが、このサズの音色が入るとトルコのハルク(民謡)などと見分けが付きにくいかも知れません。

grup hilal - altın hızma

Kerkük Türküsü...Kerküke uzanan kürt eli kırılsın...Turkmen (Turkish people in Iraq)folkloric song From Kerkuk city...the slogans from the audience saying "Kerkük Türktür Türk Kalacak" means "Kerkuk belongs to Turks and it will remain so"

Grup HİLAL - Çanakkale Türküsü

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2008年11月21日 (金)

オスマン風合奏

トルクメンの音楽で、オスマン・トルコの古典音楽の、ファスルなどに似た印象の合奏映像が見つかりました。これに混声合唱が入れば、ほとんどオスマンのファスルですね。こういう宮廷音楽的な古典音楽が現在でも演奏されているというのは、トルクメンの音楽は本当に一筋縄でいきません。

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 3

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 4

こちらはかなりライト・タッチの音楽。

Muzeyyen Senar-FASL-I SAHANE

こちらは現在のトルコで行われているファスルの一例。更に大ヴェテラン女性歌手ミュゼッイェン・セナルが中心になっている貴重映像だと思います。2+2+2+3の9拍子でしょうか。こういう複合拍子はトルコ音楽に多いです。

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2008年11月20日 (木)

トルクメンの楽器 管楽器編

昨日の弦楽器と打楽器に続いて、トルクメンの管楽器独奏を見てみます。楽器の作りと音色、奏法、名前まで、周辺諸国の楽器との共通点が見えて楽しいです。トルクメンの音楽と言えば、吟遊詩人バフシーのイメージが余りに強いですが、こういうバフシー以外の音楽も、もっと知られるようになると良いですね。

Turkmen Musical Instruments-Gargy Tuyduk

読みはガルギー・トゥイドゥク、でしょうか。吹き方はイランのネイと同じのようです。音色はもっと野性味を感じさせるもので、ウラル山脈南部のバシキールの縦笛(こちらは声が混じった明らかなダブルトーンでしたが)にも似た感じがあるのは、同じトルコ系だからでしょう。バシキールの方は昨年の11月にアップしました。

Turkmen Musical Instruments-Dilli Tuyduk

ディッリ・トゥイドゥク、でしょうか。この篳篥のような音と発音原理は、ウズベクの時に出てきたSibizga(9月29日)と同系でしょう。これは管楽器と言うより、半ば声楽と言った方が良いような表現力。

Turkmen Musical Instruments-Deprek

昨日アップ漏れしていた打楽器、デプレク。ダフとレクが合わさったようなネーミングです^^ 細かい技巧にはペルシア風だけでなく、トルクメンらしさも窺えます。

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2008年11月19日 (水)

ドゥタールとギジャク、打楽器

今日はトルクメンの楽器編。まずは弦楽器と打楽器から。バフシーが必ず手にしている2弦のドゥタールと擦弦のギジャク、更にまだ映像で登場していない珍しい打楽器の映像が続々と見つかりました。ドゥタールの奏法は、右手の動きが柔軟で、左手も細かく装飾が入りますが、その繊細な音さばきは目を見張るものがあります。ギジャクは作りも音色もイランのケマンチェを素朴にした感じ。どの楽器を見ても(乾燥南瓜のような打楽器は例外ですが)、トルクメンの東西南北に隣接する諸国の楽器を思い起こさせる要素がそこかしこに見えます^^

Turkmen Musical Instruments-Dutar

Turkmen Musical Instruments-Gyjak

Turkmen Musical Instruments-Dowul

先日のカフカス・ドラム似の太鼓は、このドウルだったのでは。作りだけはかなり似ていますが、ここでのリズムはトルクメンのものでしょう。

Turkmen Musical Instruments-Tebil

こちらのテビルは、アラブ~トルコのダラブッカ(エジプトではタブラと呼ばれますが、インドのタブラとは別)にそっくり。

Turkmen Musical Instruments-Kici dep

楽器名はキジ・デプでしょうか。これはアラブのリクにそっくりなタンバリンに似た枠太鼓。表面に黒い塗り物がある所が非常にユニーク。この点ではインドの太鼓(タブラやムリダンガム)に似ています。

Turkmen Musical Instruments-Kyadi

キヤディと読むのでしょうか。これは何か野菜か果物を乾燥させたものでは。私も今回初めて見る楽器です。

Turkmen Musical Instruments-Gopuz

これは前にウラル・アルタイの時に一度アップしたと思います。トルクメンの口琴ゴプズの演奏。倍音唱法がある所には、やはり口琴もありました。

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2008年11月18日 (火)

多様なトルクメン音楽 ②

ここ数日、伊予でも急激に冷えてきました。明日あたり山は雪化粧するかも知れません。本格的な暖房の登場が11月の半ば過ぎというのは、かなり早いように思います。トルクメンの従来のイメージからはみ出るような内容のビデオですが、昨日のようなクリップがまだまだありますので、もう少し追ってみます。

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 5

これまたアラブ~トルコ風な器楽合奏。アラベスクな魅力の合奏の中でクラリネットがソロを取っていますが、その快速な演奏はトルコのジプシー音楽と共通するような趣きもあります。トルキスタンらしさを感じる点はと言えば、横笛のナイが入っている所でしょうか。

Turkmen music

キーボードとすごく細身のギジャク(ケマンチェ?)の伴奏で歌われるトルクメン歌謡。3拍子にペルシア的な名残を感じます。

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2008年11月17日 (月)

多様なトルクメン音楽

ドゥタール弾き語りのバフシーの渋いイメージが強いトルクメンの音楽ですが、昨日の3本目(今日の1本目)はどうやらトルクメンの音楽のようですし(Karateginさんからコメント頂きました。いつも有難うございます。)、今日の3本目のウードやヴァイオリン、カーヌーン、ダラブッカ等の合奏は、明らかにアラブ~トルコ音楽系のもの。4本目はオスマンの古典音楽やメヴレヴィーなどのスーフィー系の音楽にも似ています。
しかし、海外にはほとんどバフシーのドゥタール弾き語りしか紹介されていないということでしょうか。イラン、アラブ、トルコ、中央アジア、カフカスの音楽が交錯する、音楽的に魅力的な所らしいことが見えてきました^^

Turkmen Music, Kerim Ilyasov at Chicago Turkish World Festiv

後半の太鼓は、リズムだけでなく、作り自体カフカス・ドラムにそっくり。真ん中あたりにレズギンカ風リズムが出てきます。後半はジャンベのような叩き方をしていますが(笑)

DAYMOHK ANSAMBLE (in Turkey)

上のビデオのドラムのリズムに似た例として、大分前にアップしたチェチェンのダイモク・アンサンブルの演奏から。レズギンカ型のリズム(タンタ、タタタのハチロク)を猛烈なスピードでリレー打奏しています。南北のカフカス(コーカサス)は去年の11~12月にかけてたっぷり回りましたので、ご参照下さい。チェチェンは昨日話題に上げたダゲスタンの西隣にある北カフカスの国。チェチェンは非印欧のコーカサス系ですが、ダゲスタンの中のトルコ系民族クムィクなどにもこのレズギンカ型のリズムが頻繁に聞かれます。カスピ海の対岸のトルクメンでこのリズムが聞こえるのはカスピ海南東岸だけなのか、内陸まで及んでいるのかが、知りたいところです。

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 2

Tümata- Ala yazım- Cemaleddin Dibai

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2008年11月16日 (日)

アフガンのトルクメン音楽とトルクメン人のカフカス太鼓?

バフシーの歌を探していたら、アフガニスタンのトルクメン系音楽家のビデオを何本か見つけました。トルクメニスタンの南東部がアフガニスタンに接していますし、国境は後から引かれたものでしょうから、イランだけでなくアフガニスタン側にもトルクメン人はかなりいるようです。当然音楽はアフガン風なところが強く感じられます。3本目はトルクメン人と思われる音楽家がトルコ?のカーヌーンや、カフカス・ドラム(ドールとかドリとも)を演奏している珍品。

Turkmen Folk Song: Enna

ドゥタールのフレージングもですが、太鼓の奏法や音はもう完全にアフガンです。解説にThe late and great Sarwar, a Turkmen singer in Afghanistan who was killed during the Taliban era. He will be missed. A lovely song about and for Mothers.とあります。タリバン政権時代に殺害されてしまったようです。ダリー的味わいのトルクメン・バフシーとでも言えましょうか。3拍子がペルシア~アフガン的です。この拍子はトルクメン本国ではほとんど出てこないのでは。

A TURKMEN SONG (CLASSIC)

このドゥタールを肩に載せたバフシー(アフメトさんでしょう)の写真は、Traditional Crossroadsから出ていたAfghanistan Untouchedの裏ジャケットに載っていたものと同じです。アフガニスタンがまだ比較的平和だった1968年の録音でした。解説にA Turkmen song by Ahmetとあります。

Turkmen Music, Kerim Ilyasov at Chicago Turkish World Festiv

これは不思議な一本。演奏しているのはケリム・イリヤソフという人のようです。トルクメンの方でしょうか? 前半はカーヌーンを、後半はカルパックを被ってカフカス・ドラムを演奏しています。トルコ世界の音楽というコンセプトのようですから、カーヌーンはトルコの、カフカス・ドラムはダゲスタンのクムィク辺りのイメージで演奏しているのではと思われます。トルクメンには、カーヌーンやカフカス・ドラムは、ないはずですが、もしかしたらカスピ海の対岸でもカフカス・ドラムが同じリズムで叩かれることがあるのでしょうか? カルパックは北カフカスとそっくりなので、もしやという気もします。

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2008年11月15日 (土)

往年のバフシー

昨日に続いてドゥタール弾き語りに、擦弦のギジャク伴奏が付くバフシーの古映像、結構あります。2,3本目は残念ながら埋め込み禁止。途中で出てくる映画のシーンのような映像が気になったりしますが、何しろ何も資料のない世界。ビデオの解説がありますが、全てトルコ語(あるいはトルクメン語?)で、詳細が不明のままです。喉を絞めてヒクヒクさせるような独特な発声は、バフシーの歌に特有だと思います。しかし昨日のような明らかな倍音唱法は見られないようです。

sahy jepbar (turkmen folk music)

Turkmenistan

Turkmenistan

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2008年11月14日 (金)

ドゥタール・デュオと倍音唱法

では、いよいよトルクメンのドゥタール弾き語りの吟遊詩人バフシーの芸を見てみたいと思います。今日のバフシーの掛け合い映像は、去年このブログを始めて間もない頃に一度アップしましたが(確か一本目だったと思います)、とてもエネルギッシュでエモーショナル、そして即興的な妙味に溢れるデュオで大変好評でした。バフシーの語源ですが、モンゴル語での仏教指導者という意味の「バグシュ」という言葉に由来するそうです。ウズベクやタジクに比べると(特にシャシュマカームのような宮廷音楽系とは対照的)いかにも遊牧民族的な大らかさと奔放さを感じます。カザフやキルギスも遊牧的と言う点では共通していますが、トルクメンの弾き語りは、何と言うかもっと熱いスピリットを直に感じますね。弦のテンションが低そうに聞こえるドゥタールを激しく掻き鳴らし、高らかに張り上げる歌声は、アゼルバイジャンのムガームの歌い方に似ている面もあるように思います。そして最も興味深い点は、ホーミーとまでは行かなくても、倍音唱法にかなり近寄る歌い方が見られるところです。今日の1本目と3本目には、それが出てきます。右の男性が一瞬ですがやっています。低音で唸る方の喉歌系ですね。
言語の話ですが、昨日の記事にKarateginさんからコメントを頂きまして、トルクメン語では古代のテュルク語にはあった長母音と短母音の区別がそのまま残っていたり、特有の子音があったりして、トルコ語やアゼルバイジャン語を知ってる人でも聞いたり話したりするのは難しいそうです。また、標準ウズベク語はテュルク系言語の中でもチャガタイ語群というグループに属し、ウイグル語と近い関係にあるのに対し、ヒヴァとかホラズム近辺の(ウズベク西部の)ウズベク語はオグズ語群(トルクメン、トルコ、アゼリーはこちらに属す)ベースなのでトルクメン語により近いと言われているそうです。カラカルパクは、やはりカザフ語の方に近いようです。(Karateginさん、いつも貴重な情報を有難うございます。m(_ _)m)
倍音唱法ですが、モンゴルだけでなく以下のテュルク諸語の民族の中にも見られます。トゥヴァ、アルタイ、ハカス、バシキールと、カザフより北の民族が多い訳ですが、その中でトルクメンにあるのは異色なように思えます。

turkmen dutar

Yoloten

Dutar

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2008年11月13日 (木)

トルクメニスタン巡り+トルクメンのジプキン?

昨日は女性のポップスを見ましたが、今日は男性の歌とトルクメン概観的映像を。吟遊詩人のバフシー以外、この国のことは日本ではほとんど知られていないのではないでしょうか。ウズベク西部のカラカルパクスタン関係を数日見た時に、すぐ西隣のトルクメンらしさを感じました。カラカルパクの場合は文化的にカザフやトルクメンに近く、ウズベクとむしろ距離感があるのが意外でした。トルクメンが今の領土になったのは19世紀末に帝政ロシアに併合されてからのようで、それまではヒヴァ・ハン国、ブハラ・ハン国、カージャール朝などに服属していたようです。面積も日本より広いようですし、カスピ海東岸に面し、まだまだ知られざる秘境が眠っていそうな国です。今の所、イランとの国境に近い首都のアシハバード(あるいはアシガバート)くらいしか知られてないように思います。

Dovran Saparov

トルクメンのジプキン?(笑)  こういうスパニッシュ風な音楽などが演奏されるようになったのは、91年のソ連崩壊後ではと思いますが。しかし、もの凄い美女がいますね^^

Turkmenistan

映像と歌で巡るトルクメン。美しい自然、油田・・。  男性の被っているフワフワの暖かそうなカルパックですが、ダゲスタンやチェルケスなど、カスピ海対岸の北コーカサスのカルパックとほとんど同じなのが、前から面白いなぁと思って見ていました。

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2008年11月12日 (水)

トルクメン・ポップス

ウズベク~タジクの素晴らしい悠久の調べは、いつまでも聞いていたい程ですが、今日から西隣のトルクメンの音楽を見て行きたいと思います。ウズベク~タジクの音楽の要であるシャシュマカームについては、昨日簡単に要約しておきましたので、ご参照下さい。
トルクメン・シリーズ、まずはとっつきやすいポップスから。トルクメンの音楽と言えば、まず何よりも吟遊詩人バフシーの歌とドタールですが、それはまた明日以降にします^^  トルクメンの言葉は、その名の通りトルコ系で、トルコ語やアゼルバイジャン語とかなり近いようです。ではウズベク語とはどうなのでしょうか。人種的には先住民のイラン系との混血がかなり進んだようです。まずはトルクメン美人歌手の歌唱2本をどうぞ。

Turkmen Music

Rep of Turkmenistan. Music, Gulayym jorayewa.

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2008年11月11日 (火)

シャシュマカーム概説

大分前に予告しておりましたウズベク~タジクのシャシュマカーム(シャシュマコーム)の概略ですが、そろそろウズベク~タジク・シリーズを終わるに当たって、今回アップしておきます。マカーム名のみ、9月4日に以下の通り旋法名を上げました。
ペルシア音楽からの影響がはっきり見て取れる名前ばかりでした。
①ブズルク(buzruk)、 ②ロースト(rost)、 ③ナヴォー(navo)、
④ドゥゴーホ(dugokh)、 ⑤セゴーホ(segokh)、 ⑥イローク(iroq)

以下は、同じく柘植元一氏の「イラン音楽への招待 第49回 ~ マカームをめぐって その四」(日本イラン協会機関紙チャシュム2002年6月号)の記事からの引用を中心に構成しました。

上記各マカームは大きく二つの部分から成り立っています。
「ムシュキロート Mushkilot」と呼ばれる器楽の部分と、「ナスル Nasr」と呼ばれる声楽の部分です。
前者はタスニーフ Tasnif、タルジェ Tarje、ギャルドゥン Gardun、ムハンマス Mukhammas、サキール Saqilの五楽章からなります。
後者は更にいくつかのシュウバ Shuba(歌曲のグループ)に細分されますが、第一のシュウバは、サラハバル Sarakhbar、タルキン Talqin、ナスル Nasr、ウファル Ufarを含み、これらの楽章の間には、タローナ Taronaと呼ばれる民謡詩を伴う軽快な小唄が挿入されます。タローナの語源は、言うまでもなくペルシア語のタラネー(レーベル名にもなっています)です。
第二のシュウバは、ソウト Sawt、タルキンチャ Talqincha、カシュカルチャ Qashqarcha、サーキーナーマ Saqinama、ウファル Ufarから成ります。ここではタローナはもはや挿入されないようです。
各楽章はそれぞれ固有のリズム周期によって特徴付けられていて、例えばソウトは十五拍子(4+4+4+3)、タルキンチャは十四拍子(7+7)、カシュカルチャは二十拍子(5+5+5+5)、サーキーナーマは十拍子(5+5)、ウファルは十三拍子(5+5+3)といった具合です。
つまり、変拍子や複合拍子も多いようですね。各マカームの音階や音の動きは上記記事では触れられていませんでしたが、取りあえずは上記のような複雑な複合拍子を念頭に、youtubeを見るとまた興趣が沸いてくるかと思います。
昨日の記事にhasugeさんからまた秀逸なサイト情報を頂きました。shashmakom.com (いつも有難うございます。m(_ _)m)  以下の3本は、いずれもシュウバのどれかになるのでしょうか。曲名でしか表記されてないので、拍子から形式を当てるのも一興?^^

"Duhog - Husayniy" Zamira Suyunova

"Duhog - Husayniy" - from Fergana-Tashkent maqoms. People singer of Uzbekistan Zamira Suyunova.

"Ona" Nasiba Sattorova

"Ona" Nasiba Sattorova. Gazal by Mashrab, music by Ahmadjon Dadayev

"Mehmondur" Ochilbek Matchonov

"Mehmondur" Ochilbek Matchonov. Poem by Mahtumquli. Record TV program "JONLI IJRO".

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2008年11月10日 (月)

Uzbek Musicの新作とバダフシャン音楽を並べてみると

ウズベクの古典音楽は言葉だけでなく、かなりペルシア(タジク)文化の影響の強いものだということが分かってきましたが、ではタジクの中でも最も古めかしい文化を残しているのではと思われる東部のバダフシャンの音楽を並列させてみるとどうでしょうか。ドゥガーの神秘的な調子をバダフシャンの音楽と並べてみたくなりました。2本目は典型的なバダフシャン調の音楽。ウズベクの古典音楽との直接、間接の共通性というのはあるのでしょうか?

"Mo`g`ulchai Dugoh" Alisher Bobojonov

この歌唱の旋法ドゥゴー(ドゥガー)は、セガー、チャハールガーの一つ前のガーということになります。直訳すれば「2番目」の「場所」のような意味だったでしょうか。13年ほど前にトンバクの師匠から聞きましたが、うろ覚えで・・f^^;  1,2,3,4,5は、ペルシア語でイェク、ドゥ、セ、チャハール、パンジ、ですが、イェク以外のそれぞれの後ろにガーが付いた旋法名があるのは、ペルシア音楽に多少でも馴染みのある方にはお馴染みでしょう。しかし、この合奏は素晴らしいです。"Mo`g`ulchai Dugoh" From maqom Dugoh, gazal by Mashfiqiy. Alisher Bobojonov & Ensemble "Shashmaqom" Bukhara.

HI Tajikistan Visit

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2008年11月 9日 (日)

タジクの舞踊 7拍子とロシア風

タジクに戻ります。古典的なクリップは大体目立つのはアップしたと思いますので、舞踊の方で探してみました。1本目は例の女性歌手Shabnami Sorayyoの故郷のクリャブ地方辺りに特徴的な7拍子の踊り。お聞きの通りタタタ、タンタンというサイクルですが、後半をタタタタと取れば、はっきり3+4の7拍子と分かります。このつんのめるような独特なリズムは耳に残ります。女性のカラフルな衣裳も素晴らしいですね。2本目はタジキスタンの独立15周年記念の映像のようです。1991年9月9日から数えてですから、2006年の9月9日でしょうか。音楽はロシア(と言うよりソ連)のマーチかレジスタンス・ソング風に感じますが、いかがでしょうか。このミックスもなかなかに興味深く思います。出ているのはタジクの代表的なポップ歌手たちでしょうか。

Tajiki=Farsi=Dari malika tajik

Farsi=Tajiki=Dari(15 year of the independence of Tajikistan)

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2008年11月 7日 (金)

ドイラとトンバクの聞き比べ

昨日の記事にshayさんからコメントを頂きまして(いつも有難うございます。m(_ _)m)、アッバース・カースィモフAbbos Kosimov(ウズベク語の正書法ではAbbos Qosimov)のAbbosは、「アッバース朝」の「アッバース」、また苗字のQosimovは例のアゼルバイジャンの歌手と同じ、とのことでした。ウズベクでは、マコーム、セトールなどのように、アラブやイランでは「ア」となる所が「オ」に近い音(アクセントの来る位置でしょうか)になることも多いようです。昨日書いたように「宇宙(コスモス)」が原義だと、ルーツはギリシア語系列になりますから、それは間違いでしょうということが判明しました。では、カシモフというのはアラブの原義では本来どういう意味なのでしょうか?
昨日のコシモフ氏のビデオでは、リーズのような奏法での蝶々の羽のように高速かつ軽やかに動く左手に感動しました。そこで、今日はドイラとトンバクの聞き比べ(見比べ?)編ということで・・^^

yasha barayev vs abbos kosimov

この一本のように、アッボス・コシモフ(とりあえずこの表記にしておきますf^^;)が参加したビデオは9月23日にもアップしましたが、その時書いたように、こちらもブハラ系ユダヤ人が集うパーティー?での演奏風景ではと思います。ヤッシャ・バラーイェフという人は見るからにユダヤ系。会場にはユダヤ教の祈祷帽キパを被った男性もいます。

M.R. Mortazavi - Solo Tombak in Tshehelsutun-Isfahan

聞いたことのないトンバク奏者ですが、17歳の時の演奏だそうで。素晴らしいテクニックです。私は昔トンバクを教わったE.ラリさんの演奏を思い出しました^^ ちょっと方向性が似ている気がします。

Teil 1 I Tombak Solo Mahyar Baraminasab, Aref Ebrahimpour

ペルシアン・ヴァイオリンの伴奏ですが、リーズ奏法の一番基本的なパターンがよく分かる一本。

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2008年11月 6日 (木)

アボス・コシモフのドイラ

今日はウズベキスタンのドイラ名手アボス・コシモフさんの演奏を見てみます。先日東京でコンサートがあって、かなり話題になったようです。タブラのザキール・フセイン率いるマスターズ・オブ・パーカッションのメンバーとして来日したようですが、彼のセミナーが後日催され、間近で妙技を見る機会があったそうです。東京にいれば、こんな良い思いも沢山ですが、何しろ今は果てしなく遠いもので、ちょいちょい出る訳には行きません・・・f^^;  私も関東にいた3年前までは色々行ったものですが、当時はmixiとかもまだ本格化してなかったので、横の繋がりは今ほど濃厚かつ迅速ではなかったです。(ToT) 思わず愚痴ってしまいました(笑)
さて、アボス・コシモフさんですが、Abbos Kosimovですから、アッバース朝のアッバースと関係ありの名前ではと思ったりしました。なのでアッボスの方がより原音に近いのでは。苗字の方の原義は「宇宙」あるいは「調和」でしょうか。その意味自体もですが、SF作家のアシモフとアゼリ名歌手のカシモフ(ガスモフ?)を足して2で割ったような名前も、インパクト大かも知れません。そしてご覧の通り演奏はyoutubeで見ても実に凄まじいものです。両手の指をばらして叩く奏法は、トンバクのリーズを彷彿とさせます。サマルカンドやブハラではウズベク語ではなくタジク語(ペルシア語)が話されていると言うウズベクは、ペルシア文化の影響が濃厚な地ですから、やはり太鼓の場合もトンバク奏法から豊富にヒントを得ているのでは。彼のオフィシャル・サイトはこちら

Performance by Tara & Ustad Abbos Kosimov

タジキスタンの首都ドゥシャンベのPadida TheaterのSharofat Rashidovaによる振り付けの舞踊。ウズベクのアッボス・コシモフがドイラ・ソロで伴奏。踊り手はTaraという人のようです。ドイラの超絶技巧とは対照的な柔らかい音色が印象的。抽象的でモダンな味わいの中にも胡旋舞的なカラーを強く感じる踊りです。 This dance was choreographed by Sharofat Rashidova of Padida Theater in Dushambe, Tajikistan. Tara performs dances of Tajikistan, Uzbekistan, Afghanistan (loghari, attan, kabuli), Iran, Azerbijan & India. Ustad Abbos Kosimov is a world renowned doira musician from Uzbekistan. For more information please contact us at:taradance@gmail.com.

ABBOS KOSIMOV

上記サイトのサンプル・ビデオ。Improvisation on Uzbek frame drum (DOYRA)

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2008年11月 5日 (水)

タジクの歌姫シャブナミ・スラッヨ

タジクに戻って、現代のポップ・クイーン、シャブナミ・スラッヨさんのビデオを数本見てみます。前にタジクに入ってから1,2本、更に今日の一本目は4月頃にイランから足を伸ばして確か一度アップしたように思います。その時は名前は不明でした。ディスコ?調の曲ばかりでなく、色々なタジクの伝統的な要素を感じさせる歌も歌っている人ですね。それに妖艶でエキゾチックなタジク美人^^ タジキスタン南西部のクリャブ(7拍子が多い所)の出身と、前にshayさんからお聞きしたように思います。1981年生まれの27歳。一本目はなぜか名前が入っていませんが、この歌が一番本来の民謡的な曲に聞こえます。曲調から推察するに、アフガニスタンに程近い山がちな南西部の歌かも。彼女の故郷クリャブはその辺りです。

Farsi = Tajiki = Dari

この一本をアップしたいがために今日シャブナミ・スッラヨ特集にしました。このメロディは非常に山岳タジク的というかバダフシャン風にも聞こえます。シャシュマコームとは対照的だと思いますが。しかし、日本にも都節と田舎節などがあるように、かけ離れた音階が同居しているのは、不思議なことではないのかも知れませんね。

Digar har giz namekhoham - Shabnami Surayyo

Azizi man kujoi - Shabnami Surayo

Tojikbacha - Shabnami Surayyo

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2008年11月 4日 (火)

久々のUzbek Music

タジクのシャシュマコームで探してみましたが、未アップのタイトルは見つかりませんでした。なので前にご紹介しましたUzbek Musicのその後の新しいビデオから3本。ウズベクのシャシュマコームの若手を中心に紹介しているチャンネルです。

Gulzoda Khudoynazarova "Ey sabo"

International music Festival "Sharq taronalari-2007". Samarqand. サマルカンドのレギスタン広場でのライヴ。ウードですが、ここでも使われています。レギスタンの素晴らしい夜景の中での贅沢なライヴ。前にちょっと書きましたが、私が93年頃にTVのスペシャル番組で見たというのは、このフェスティヴァルだったのだろうと思います。

Gulzoda Khudoynazarova "Ul kim janon"

同じグルゾダ・フドイナザロヴァの歌唱。観客にヴェテラン歌手M.ユルチエヴァさんらしき人が見えます。若手を見つめる厳しい目?

Surayyo Qosimova "Hofiza qizlar"

女性歌手スラッヨ・コシモヴァの独唱にタンブール、ギジャク(ヴァイオリン)、ナイ、ドイラ、ベース他の伴奏。ウズベクのドイラの奏法には、イランのトンバク風の奏法(リーズのような)が入っています。

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2008年11月 3日 (月)

フィルザ・アリフォヴァ

タジクの女性歌手フィルザ・アリフォヴァの古典曲歌唱のクリップを見つけました。これは嬉しい一本。他のクリップで見る限り(2本目など)、本来はポップス系の歌手のようですが。しかも目の覚めるようなシルクロード・ビューティー! 歌われているのは、ウズベクの古典音楽と共通のシャシュマコーム系の曲でしょう。ウード?が使われていますが、これはウズベクでは余り記憶がありません。タジクのシャシュマコーム音楽の主な舞台は北西部(フェルガナ地方)になるのでしょうか。ドゥシャンベから南(タジク南西部)と、東部のパミールは、大なり小なりバダフシャン音楽的になってくるように思います。山間部の音楽の神秘的で荒削りなイメージに対して、シャシュマコームはいかにもサマルカンドのレギスタン広場の青のイメージを思い出させるような悠揚たる感じ。 明日も、もう少しタジクのシャシュマコームを探してみます。

Firuza Alifova

Firuza Alifova Hudo erat bod

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2008年11月 1日 (土)

ソグドの末裔 ヤグノブ

ソグド人の直系の末裔と言われるヤグノブについて、初代のNHK「シルクロード」の頃はまだそれ程分かってなかったのではと思いますが、その後どんどん調査が進んでいるようで、検索でもかなりページがみつかりました。 →Yaghnob (Yagnob)のGoogle検索人々言葉 (Wikipedia 日本語ページなし)
場所は上記サイトの地図の通り、首都ドゥシャンベとフェルガナ地方の間のようです。この辺りでも近くに5000m級の山もあり、パミールほどではないにしても、相当辺鄙な所のようです。そのヤグノブで何かyoutubeはないかと探してみました。パシュトゥー語とのからみで周辺のイラン系言語について語っているビデオが5本ありましたが、直接は関係がないので1本目だけをリンクで上げておきます。どこかでヤグノブについても言及しているのかも。歌や音楽のビデオは残念ながら見当たりませんでした。

代わりに、パミールのバダフシャン音楽の未アップビデオを一本上げておきます。このサングラスの老人、オランダのPanから出ていたバダフシャンのCDの人では? 楽器はパミール・ルバーブでしょう。(楽器についてはこちら参照) この不協和音の多い音楽は、いつ聞いても不思議でインパクトの大きいものですが、ソグドの古えの音楽とは関係はないのかも知れません。しかしイスラーム化(イスマイル派のようです)しても、彼らパミールの民はソグドの血を濃厚に受け継いでいるのではと思います。

Ruzadorov

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2008年10月15日 (水)

Davlatmandとファラク

フランスの名門レーベルIneditからアルバムが出ていたダヴラトマンドのビデオが見つかりましたので、今日はそれらを一挙に。イネディではデュオでしたが、youtubeでは様々なアンサンブルで披露されています。首都ドゥシャンベ(「月曜日」の意味)の歌手ですが、高く張り上げる歌い方(ファラク的!)と音階はバダフシャン風に聞こえます。Inedit盤は以下のジャケットのもの。下記の解説は、音楽之友社から2002年に出た「世界の民族音楽ディスクガイド」掲載の拙稿。     

 
何ともパワフルで魅力的な語りを聞かせてくれる、首都ドゥシャンベの音楽院出身の男性2人組。歌とセタール(またはギジャク)のダヴラトマンド・ホロヴと打楽器タブラクのA.アブドゥッラーエフのデュオ。セタールはイランのものをもっと棹を長くした感じで、インドのシタールとのちょうど中間のような楽器。擦弦楽器ギジャクの共鳴胴は長方形。歌は3拍子が支配的で、この辺もペルシア系を連想させる。詩はペルシアの大詩人ルーミー、ハーフェズの他に、今世紀タジク詩人らしき人も。その他は民間の詩。音楽的にはアフガンのパシュトゥーン等のものにも近いように思われる。そういえば、故マスードもタジク族だった。

Davlatmand Holov

Davlatmand SUFI

Davlatmand SUFI

Davlatmand SUFI

Charkh-O-Falak a Fragment by Mahdi Jami 2007

冒頭近くタブラ伴奏で歌っているのは、イネディ盤の一曲目。これは実に興味深い内容のビデオで、英語字幕付が有難いです。Falak music and whirling dancers of Tajikistan,dawlatmand chark-o-falakと 解説にありますので、彼が歌っているのはやはりファラクの一種(あるいはそのもの)ということでしょうか。

Tajik folk music

こちらは幾分ポップなアレンジで歌っているクリップ。

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2008年10月14日 (火)

グルビタと鷲の踊り

今日のビデオ後半3分の1の映像は3度目の登場f^^; 
これは新疆ウイグル西部のタジク民謡『グルビタ』という曲です。この歌の前の「鷲の踊り」は同じステージからのようです。未見のこの映像が入っていたため、今日アップすることにしました。前半のカザフも新疆側の映像のようです。

タジク民謡の『グルビタ』は、グルビタという娘に対する若者の愛を歌ったものだそうです。『グルビタ』の音源は、Unescoから93年に出たTAJIK MUSIC OF BADAKHSHAN の最後のトラックで、Gulbate となっているのがそのようです。新疆のタシュクルガンで録音された、歌のないセタールだけの素朴な演奏で、ビデオの歌唱とは全く別物という感じのようです。しかし新疆側の分かり易い短音階の甘美な民謡に比べると、同じバダフシャンですが、タジキスタン側のバダフシャン音楽は、別世界のような印象を受けます。その孤高で峻厳な趣きは、イスマイル派の影響が濃厚だからでしょうか。イスマイル派についての秀逸なサイト情報もhasugeさんから頂きました。こちら

この民謡が使われた例の中国映画について、hasugeさんから頂いたコメントを中心に要約しておきます。このタジク民謡は映画の中と同じで、花儿为什么这样红(『花よなぜこんなに赤い』という意味)として中国でも知られるようになったようですが、元は『氷山からの客』(趙心水監督、長春映画製作所、1963)という映画の挿入曲とのこと。元歌の『グルビタ』に、戦前の日本への留学経験もある映画音楽作曲家として有名な雷振邦が手を加えて映画に使われたようです。youtubeの映画のシーンは、人民解放軍の兵士になっていたタジク青年アミールと、8年前に別れたきり音信普通になっていたタジク娘グランダムが再会する場面で、その別れの際に彼女に渡した花と同じものを見たアミールが歌い、それで彼女も彼に気づきます。結局、2人は結ばれ、アミールが属する駐屯地の部隊が敵スパイも殲滅するというストーリー。特に悲恋ものではありませんでしたf^^;

Kazak & Tajik folksongs

1. Kazak Folksong and dance
2. Tajik eagle dance
3. Tajik folksong

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2008年10月13日 (月)

Boymuhammad Niyozov

フェルガナ盆地西部のタジキスタン側の町、ホジェンド(Khojend)の名歌手のクリップが見つかりました。Boymuhammad Niyozovという年配の男性歌手ですが、Ocoraから出ていたAsie centrale - Traditions classiques(2CD)に収録されていたBay Mohammad Niyaziと同一人物ではないかと思います。CDの解説にもKhojendの有名な歌手で、ハーフェズ(コーランを全て暗唱する者の称号)だとの表記がありました。彼はシャシュマコームの完全な知識を持ち、なおかつ200曲を越える自作曲を作曲している人。今日のyoutubeで聞けるのも、そういった小唄風な歌曲ではないかと思います。ソテツやシュロ?の木が見えるように、バダフシャンなどの高地と違って温暖な(あるいは暑い位かも)気候の土地のように見受けられます。3曲とも、そんな町に流れていて実に似つかわしい小粋な佳曲だと思います。

Boymuhammad Niyozov Tajik Folk Music

Tajik - Farsi music: Boymohammad Niyozov - Dohtari mahpora

Tajik Folk Music Boymuhammad Niyozov - Ey Joni Man Asirat

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2008年10月12日 (日)

ジュラベク・ムロードフ

昨日は8月の今治西高に続き今治市立日吉中学の同窓会のためブログ更新はお休みしました。日吉小学校以来の同級生が何人も来ていて、余りの懐かしさに思わずテンション・アップ。二次会までの出席と相成りましたf^^;  中でも今時モヒカン頭のFやん(小学校時代の音楽友達)、4●歳で既にお爺ちゃんになっていましたが、●十年一日のように語り合い、昨日で一番のサプライズでした。しかし鬼籍に入った同級生が増えたのは悲しいことです。さぁ5年後はどうなっているでしょうか。

さてタジク・シリーズですが、一昨日の4本目のジュラベク・ムラードフ(ムロドフ)は、1987年に来日経験があり(民音シルクロード・シリーズ)、その時の録音がキング盤にも収録されています。タジキスタン北部のフェルガナ地方に位置するフジャンドで長く活動した経験を持つ人で、タジクとウズベクに共通する音楽的素養を身につけた第一人者的な歌手、とshayさんからコメント頂きました。キング盤の中にはルーミーやタジクの詩人ルーダキーなどの詩に作曲した自作曲もあります。テーマはやるせない恋愛ものが多く、歌声や風情が何処か演歌的に聞こえる(見える)ことがあるのも、そのせいでしょうか。これらを見る限りでは、タジクではシャシュマコーム系の音楽を聞くのはオールド世代が多いように見受けられます。youtubeには彼のビデオが16ほどありまして、中にはポピュラー音楽を若手グループと歌っているようなものもありましたが、今回はその中から5本選んでみました。「タジク・ファールスィー」としか書かれていなくて曲目などは全く分かりませんが。録音レベルがまちまちなので、再生の際はお気をつけ下さい。

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

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2008年10月10日 (金)

変拍子(アクサク)の舞踊も

昨日はタジクではハチロク・リズムがとにかく多いと書きましたが、早速例外的なクリップが見つかりましたf^^;  昨日のビデオについてはshayさんから詳細な情報を頂きましたので、昨日のコメントをどうぞご覧下さい。(shayさん、いつも有難うございますm(_ _)m) その中でも4本目のジュラベク・ムラードフ(ムロドフ)は、来日経験もあり、King盤にも収録されていました。灯台下暗しとはこのことでしょうf^^;  ジュラベクという名の楽士は、他にも何人か見かけます。ジュラベク・ムラードフについては明日か明後日、改めて取り上げる予定です。

タジキスタンでは、70年代以降特にイランやアフガニスタンの歌謡曲の影響でハチロクが増えたようですが、今日のビデオのように地方によっては奇数拍子(変拍子)も見られるようです。クーラーブのビデオはshayさんからご紹介いただきました。トルコでもびっこを引く様なアクサクと言われる変拍子が多く見られますが(余談ですがAksak Maboulはこのアクサクから)、この辺りの踊りではトルコの影響が強いということなのでしょうか? クーラーブ(クリャブ)を中心とする南西部の音楽は7拍子(3+4)ばかりだそうです。2本目の中国のタジク舞踊も、同じタタタ、タンタンと聞こえるサイクルでも、後ろのタンタンが詰まり気味で、幾分5拍子のようにも聞こえますが、これも7拍子なのでしょう。

Kulobian dance

Tajik dance from China

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2008年10月 9日 (木)

タジクの舞踊と歌

今日はタジキスタンの踊りを中心に。1,2本目はポピュラーな民謡風の歌唱でしょうか。シンセ入りで歌も音楽も軽いですが、旋回の多い踊りと衣裳の美しさには注目でしょう。3本目はノウルーズの歌と踊り、4本目はシャシュマコーム音楽に付随する舞踊のようです。こうして見ると本当にイランと共通する3拍子系(その多くは8分の6拍子。俗称ハチロク(笑))が多いことに驚きます。3本目までは例外なくハチロクですが、4本目のシャシュマコームになると、いきなりあの典雅な律動が出てきます。こちらは間違いなく偶数拍子。

荒削りながら神秘的なバダフシャン音楽、ペルシア的なハチロク・リズムと陽気な歌、ウズベク的な典雅な音楽と舞踊と、これだけ異なる音楽が日本よりも小さい一つの国に共存していることは、とても興味深いことだと思います。

Farsi Tajik Buzurgdasht az A Zahir Dar dushanbe

Tajik

Tajik folk music

ちょうど春分の日に来るイラン暦の正月、ノウルーズの歌と踊り。山国タジクではまだ雪に包まれている頃でしょうか。

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

こちらはウズベクのシャシュマコームと共通の、タジク西部の古典音楽だと思います。いかにタジクのハチロク・リズムのノリと異なるかはっきり分かると思います。タジク側の演奏が意外に見つからないので、これは貴重なビデオかも。

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2008年10月 8日 (水)

タジクの女性歌謡

バダフシャンの緊迫感溢れる音楽が続きましたので、この辺でタジキスタンの女性の歌で一息^^
一本目は首都ドゥシャンベでの収録でしょうか。Nigina Amonkulovaとロシア名なので、間違いなくタジキスタン側の歌手でしょう。曲目はDar labi obiのようです。後ろの楽器編成はウズベクとほとんど共通しているように見えますが、演奏とタジク語の歌は、レング風のリズムと言い、メロディと言い、イランの大衆歌謡にそっくり。イランとタジクは同じイラン系民族ですから、ウズベク的なアンサンブルとは別に、こういったペルシア風の歌も好まれているのでしょう。しかし、眉毛の繋がりそうなメーク?が、いかにも中央アジア的^^

Tajik music

Tajik-Persian music: Shabnami Soraya - Az Kudumi Safar

こちらはタジキスタンの女性歌手Shabnami Sorayyoのビデオ。タジクで検索すると上位にヒットします。伝統色も辛うじて感じられます。

Farsi Tajik irani Shahla sarshar

タジクで検索して出てきましたが、こちらはイラン革命以前のイラン、または現在のアメリカ西海岸(こちらの可能性が大)の歌手でしょう。久々にトンバクの音を聞いて懐かしい思いで一杯です^^

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2008年10月 7日 (火)

パミール音楽の粋 ファラク

バダフシャン(パミール)の音楽様式にFalak(ファラク)というのがあります。キングの「タジクの音楽」の浦本先生の解説によると、1000年以上前に遡るものだそうで、パミール音楽のパミールらしさを表現する中核的な様式ではないかと思います。その非拍節的で緊迫感溢れる節は、一聴すると忘れられない強烈な印象を残すものだと思います。聞く人によっては、何か底知れぬ畏怖の念のような印象を持たれるかも。「世界の屋根」パミールの山並みをそのまま音楽にしたような、その峻厳な曲調は、ちょっと近寄り難い印象を持たれるかも知れませんが、山岳タジクの心を知るには必聴の音楽だと思います。

音源としては、キング盤の他に、VDE-Galloのドタールの名人、TopicのFalak: the Voice of Destiny - Traditional Popular and Symphonic Music of Tajikstanなど、探せば結構あると思います。(音源情報) 特にTopicの2枚組みでは現代的で秀逸なアレンジを施された、現代曲かと思わせるような鋭く聞き手に訴えかけてくる絶唱も聴かれます。これは形容し難い感動に襲われる演奏です。

今日の3本のビデオは、いずれもファラクそのものかファラク的に聞こえた曲です。2,3本目はアフガニスタン側の映像。

Shoi Nozir

これは久々にタジキスタン側の映像。ルボップにしてはフレットレスで弦が多いようですが。dedicated to the Great Pir of Kuhistan

Shughnani Falak

a beautiful shughnani falak by Munawar Shughnani

Afghan Song Dambura and ghajek

ファラクはアフガン音楽を通じて北インドのラーガに流れ込んでいるかも、と思わせる部分がありますが・・。そんな神秘的なラーガ、確かにあります。例えばPilooとかどうでしょうか? Afghani music dambura and Ghajek Najmodin Farkhari great singer of Samte shamal

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2008年10月 6日 (月)

吟遊詩人Mir Maftoon

今日のMir Maftoonは、おそらくアフガニスタン側のタジク(バダフシャン?)系音楽家のようです。ドタール弾き語りの若手吟遊詩人の一人と思われます。一本目では故マスード将軍が出てきますが、彼の偉大な業績を讃えている内容では。荒削りながら直に訴えかけてくる弾き語りと、「世界の屋根」の美しくも神秘的な風景がマッチしていて実に素晴らしいです。伴奏が付く場合は、ハルモニウム、両面太鼓のドーラク、アフガン・ラバーブなど。アフガニスタンに入ると、同じタジクの音楽でも、音的にも楽器面でも急速にインド色が出てきます。

A song by Mir Maftoon for Badakhshan

数曲ある中で、この曲が一番タジキスタン側のバダフシャン音楽に似て聞こえます。

Mir maftoon

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2008年10月 5日 (日)

バダフシャンの弦楽器と歌

バダフシャン地方の山岳タジク人はパミール人と言われることもあるようですが、同じイラン系民族でイスラム教徒だけどスンナ派が多いタジク西部に対して、東部のバダフシャンではシーア派が中心。それもイスマイル派が多いそうです。バダフシャン音楽が、とても神秘的でフリーキー(時には現代音楽かと思う程)にも聞こえる秘密はそこにあるのかも知れません。昨日のビデオのように舞踊に旋回が出てくるのも、関係があるように思います。バダフシャンは、タジキスタン東部だけでなく、アフガニスタン北東部(故マスード将軍もタジク人でしたがバダフシャン系ではなかったように思います)、中国西部のウイグル西部にまたがっている地方ですが、音楽面でもそれらの地方ではかなり似ています。ルバーブやドイラなど、楽器面では大きくは違いませんが(作りは少々荒々しいように見えます)、あの大らかで穏やかなウズベク音楽の影響の強い西部の音楽といかに雰囲気が違うかは、今日のビデオを見ていただければ明瞭に分かると思います。(西部にはまた後日回りますが)

Badakhshan Music

中央はパミール・セタール。左はルボップ。右後ろのサウスポーの人のはドタールか?

Badakhshan Music

Badakhshi Song

こちらはアフガニスタン側バダフシャンの音楽。少しカッワーリとか北インドの音楽に近い印象が出てきます。

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2008年10月 4日 (土)

バダフシャンの踊り

タジク・シリーズ、まずタジキスタン東部のBadakhshanから見てみたいと思います。どこから入ろうか迷う程ありますが、バダフシャンだけでもかなり見つかりまして、新鮮な驚きの映像(一本目)からまず行きたいと思います。
昨日の1本目(ウイグル側のタシコルガン)はバダフシャンのすぐ近くで、同じパミール高原山中の音楽と言って良いと思います。昨日の2,3本目のタジク民謡については、hasugeさんから詳細な情報を頂きました。(いつも有難うございますm(_ _)m) 昨日のコメントに載っていますが、こちらにも転載しておきます。中国兵とタジク娘の悲恋物語かと思っていましたが、大体当たっていたということでしょうか?^^  グルビタの音源、探してみたいと思います。
Why are the Flowers So Red (花儿为什么这样红)=『花よなぜこんなに赤い』は、『氷山からの客』(趙心水監督、長春映画製作1963)という映画の挿入曲です。この映画は、1951年に新疆の駐屯地で部隊がスパイを殲滅するというストーリーです。元歌であるタジク民謡の『グルビタ』は、グルビタという娘に対する若者の愛を歌ったもので、これに、戦前の日本への留学経験もある映画音楽作曲家として有名な雷振邦が手を加えたというわけです。

**Dance of Afsana** - Tajik dance in Badakhshan

唯一これだけCDで聞いたバダフシャンの伝統音楽と全く同じでした。(探せばもっとあるかも知れませんが) こういう踊りが付くことを確認できて感激です^^

Tajik Dance 1 - Silk Road Dance Company

こちらはステージ仕立てになっていて、かなりライトタッチな音楽になっています。
以下ビデオの解説 Silk Road Dance Company: Tulips of Badakhshan
This dance features traditional Tajik gestures seen in Badakhshan, a region comprising parts of northeastern Afghanistan and of Tajikistan.
Dancers: Keylan Qazzaz, Parastoo Ghodsi, Aybike Aker, Jennifer Gelston, Joanne Giaquinta, Cindy Connelly-Ryan, Courtney Smothers, Sarah Solomon, Adriane Whalen, and Demet Cabbar.
Choreography and Costume design: Laurel Victoria Gray
Music: Oleg Fesov
More information available at www.silkroaddance.com!

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2008年10月 3日 (金)

新疆のタジク

予定通り今日からタジクの音楽巡りを始めたいと思いますが、まずこれまで取り上げた何本かをおさらいしたいと思います^^  これらは全てウイグル側の映像でした。そのため言葉は中国語が多くなっています。
ウズベクの古典音楽ですが、まだ触れてない大事な部分が残っていますので、またタジク西部とあわせてシャシュマコームについて取り上げるかも知れません。

Taxkorgan Tajik folk music

ウイグル最西部タシコルガンのタジク音楽。そのワイルドな魅力は、タジキスタン東部の山間部バダフシャン(Badakhshan)の音楽に似ています。一方タジキスタン西部のウズベクと入り組んだ地方の音楽にはシャシュマコームの流れを汲む宮廷音楽ルーツの洗練美がありますが、それとは全く異なります。

Tajik / Chinese Song - Why are the Flowers So Red (花儿为什么这样红)

中国で昔かなり流行ったのではと思われるタジク民謡。この歌(花儿为什么这样红)がモティーフに使われたと思しき映画2本、演劇版、オリジナルのタジク民謡の歌唱、と続きます。最後のタジク民謡の歌唱が特に素晴らしいと思います。これはやはりウイグル側の民謡になるのでしょうか? 花儿为什么这样红についての情報もお待ちしておりますm(_ _)m

tajiki of china

こちらだけ初アップ・ビデオ。最後に花儿为什么这样红が出てきます。投稿者のサイトは攻撃サイトと出てきましたので、アクセスされない方が良いと思います。お気をつけ下さいm(_ _)m

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2008年10月 2日 (木)

ユルドゥズsingsタジク・ナンバー

そろそろタジキスタンの方へ移ろうかと思いますが、ウズベクの誇るポップ・クイーン、ユルドゥズ・ウスマノヴァの歌うタジク語ポップ・チューンで華々しく、そして賑々しくウズベク・シリーズを締めたいと思います。
この激しい踊りはタジク側のフェルガナ辺りの踊りなのでしょうか。ステップは軽やかに跳ねる動きが多く、独特です。ウズベクやウイグルの胡旋舞系とは明らかに違うように思いますが。ギター?の早いフレーズは、ギリシアのブズーキに似て聞こえるのが不思議。ノスタルジックなメロディ・ラインが耳に残る良い歌です^^

Yulduz Tajik From Murghilan Farghona فرغانه фаргона

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2008年10月 1日 (水)

フェルガナのシルク (タンブール伴奏)+la ilahe illallah

ウズベクがシルクロードの地たる所以である、絹織物製造過程のビデオ。こういう虫が苦手な私は、最初の辺りでは画面を直視できませんが(笑)、フェルガナのシルクということなので、フェルガナでもシルク生産が盛んなようです。冒頭以外は本場の絹織物の類稀な美しさを確かめられる内容かと思いますf^^;  前半のバックに流れているタンブールの流麗なソロが素晴らしいです。
2本目はフェルガナの女性アンサンブルによるイスラーム宗教歌。ラー・イラーハ・イッラッラー(アッラーの他に神は無し)と歌われています。アラブの同様の歌と比べると独特な幽玄美が感じられます。しかし、いずれにしても女性が歌っていることは珍しいと思います。

Silk in Ferghana

From silkworm to finished fabric: a tour of a silk factory in the Ferghana Valley in Uzbekistan in 2003.

women's ensemble of fergana-"la ilahe illallah"

from the album "a musical journey through uzbekistan: from samarkand to buhara" - women's ensemble of fergana singing "la ilahe illallah". the same track is in the collection albums "voices from long distance" and "sufi soul".

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2008年9月30日 (火)

フェルガナの方も・・

ウズベクの音楽巡りも1ヶ月近くになってきましたが、東部のフェルガナ地方の方は探索がまだでしたので、そちらに移動します。フェルガナはタジキスタンやキルギスタンと複雑に入り組んだ盆地で(ウズベク側の都市の名でもありますが)、パミール高原の北西に位置します。19世紀までコーカンド・ハン国の中心だった地方で、西部のヒヴァ・ハン国、中部のブハラ・ハン国と並んで、ウズベクの3ハン国の一つ。起伏に富んだ地勢柄でしょうか、現在は場所によってはゲリラ活動が盛んになっている危険な地域でもあるようです。
一方ウズベクの古典音楽では、トゥルグン・アリマトフやムナージャト・ユルチエヴァなど、現代の古典音楽の名手は、この辺りの出身者が多いように見受けられます。19世紀にロシア帝国に征服されるまでは、中部のブハラ~サマルカンドとは別な国だった訳ですから、シャシュマコームの音楽も多少違う面があるのではと思いますが、その辺りまでつきとめようとすると更に日数がかかりそうなので、そろそろ数日後にはタジキスタンの方に移動したいと思います^^
余談ですが、hasugeさんからの情報によれば、ユルチエヴァの最初のユルは「路」の意味の「ヨル」のようなので(昔のトルコ映画に「路(ヨル)」という名画がありました)、ヨルチエヴァとする方が発音的には近いようです。「正しい道に導く者」という意味になるのではとのことでした。

Ferghana Tanavar

無名のドタール奏者の演奏のようですが、この曲はTurgun Alimatov作曲とのこと。Tanavarというのはシャシュマコームの用語だと思いますが・・。どなたか詳細情報をお待ちしておりますm(_ _)m。

Uzbek Dance 2 - Silk Road Dance Company

これはフェルガナ風のウズベク・ダンスということになるようです。 
以下ビデオの解説 Silk Road Dance Company: Darya Toshkin  "The river is flooding," says the singer, referring to his overflowing emotions. He praises the beauty of his beloved and imagines her in a colorful silk dress. The style of the piece is in the lyrical Ferghana Uzbek genre.
Dancers: Parastoo Ghodsi, Adriane Whalen, Demet Cabbar, Sema Muslu, and Anne Apynys
Choreography and costume design: Laurel Victoria Gray
More information available at www.silkroaddance.com!

Life in Ferghana valley

フェルガナ盆地の市民生活。前から葡萄で有名なところのイメージがありました。しかし綿花栽培も、アム・シル両河川間に負けず盛んなのでしょうか。

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2008年9月29日 (月)

Sibizga

例のUzbek musicのページ、次々に面白い映像がアップされていますが、今日のビデオもアップされたてのホヤホヤ。スィビズガと読むのでしょうか、小さい笛の一種の吹奏のようですが、最後まで楽器の全体が確認できません。シャシュマコームなどとは別の民謡的音楽を吹いているものと思われます。とても古く素朴な楽器のようですが、手の開き具合で音程を調節し、微妙なコブシや揺りのような音を上手く表現しています。これも驚きの一本^^
以下ビデオの解説。Sibizga is some ancient folk music instruments of Qashqadarya and Surkhandarya regions of Uzbekistan. This video by Husniddin Ato (Uzbekistan) and Sylvain Roy (France). 18th august 2008, Bandikhon/Surkhandarya.

Melodys of Sibizga. Soyqon Khidiraliyev.

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2008年9月28日 (日)

これもカッタ・アシュラ?

昨日の記事にshayさんからコメントいただきまして、Katta Ashulaとは「大きい歌」の意味で、シーア派宗教儀礼のアーシュラーとは全く関係ないそうです。shayさん、情報を有難うございます。m(_ _)m   ashulaは、ウズベク語の普通名詞で「歌」、kattaは「大きい」の意味とのこと。歌が「アシュラ」とは日本人にとってインパクトがあって(あり過ぎて)、一度覚えたら忘れられないのでは(笑)  同じトルコ系でも、トルコ語では「歌」はシャルク(sarki)ですから、語彙は異なることも多いようです。
カッタ・アシュラは、音量調節の効果をねらって皿を口にかざしつつ無伴奏で歌う歌のジャンルで、宗教歌とは関係ないそうですが、別な情報によるとウズベクの結婚式でよく歌われるようです。古風な趣きや所作から考えると、日本に当てはめるなら謡曲や浄瑠璃に似た位置にある歌のジャンルにも思えます。謡曲のように、演劇には関係ないとは思いますが。どういう内容が歌われているのか、興味が沸いてきます^^

今日の一本目は、タグにkatta ashulaとありますが、これも入るのでしょうか? この歌はシャシュマコームのように聞こえますが、シャシュマコームとの関係は? とか、イランのチャハールガーのように複雑なメロディ・ラインに聞こえるけど、マカームは? とか、疑問が疑問を呼びます。一昨日のクリップと同じ若手女性歌手ですが、実にしっとりと深い歌声を聞かせてくれます。二本目はKatta Ashulaのポップ・ヴァージョンのようですが、この女性歌手の場合はモンゴルのオルティン・ドー(こちらは「大きい歌」ではなく「長い歌」の意味)に似た感じにも聞こえます。

"Fig`on" (Adashganman)_Gulzoda Khudoynazarova

Katta Ashula - Z.Boyxonova, O.Nazarbekov, G.Mamazoitova, D.Musaev

Katta Ashula usually sings in Uzbek weddings, this version was recently sang at ex-Tashkent city mayor's daughter wedding. Performed by: Zulayxo Boyxonova, Ozodbek Nazarbekov, Gulsanam Mamazoitova, Dilmurod Musaev

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2008年9月27日 (土)

アシュラの二重唱

若手ウズベク古典音楽の宝庫Uzbek musicから、3日目はKatta Ashulaの二重唱。ウズベクの古典音楽の一種のようですが、詳細が今の所不明です。
アーシュラーと言えば、イスラーム暦の1月(モハッラム月)第10日に、シーア派第3代イマーム・ホセインのカルバラー(現在はイラクの都市。シーア派の聖地)での殉教を悼んで行われる宗教的行事、というのがありました。アーシュラーという言葉はアラビア語の数字10に相当する単語、「アシュラ」(兄弟言語のヘブライ語だと「エセル」と、そっくり)に由来。(以上の「アーシュラー」についてはEthnomaniaのellyさんからの情報)
Large Songという訳語が当てられている記事もありましたが、上記のアーシュラーとは全く関係のないジャンルなのかどうか、どなたか情報をお待ちしております。m(_ _)m 

皿のようなものを口の前にかざしたり扇いだりしながら二人で歌う様は、非常にユニークで、古典音楽と言いながらも、宗教歌的な感じがあります。これまで聞いてきたウズベク古典声楽とはかなり雰囲気が異なります。Smithsonian Folkwaysから出ていたブハラのCDには、イスラームとユダヤの宗教歌がそれぞれ収録されていましたが、Katta Ashulaは、どこかユダヤの方にも似て聞こえます。今日のところは、大変に興味深い無伴奏二重唱ということで、詳細不明のままアップしておきますf^^;  Uzbekistan classic music called Katta Ashula performed by O`ktam Ahmedov and Shavkat Matyakubov.

Katta Ashula 1 "Topmadim"

Katta Ashula "Derlar"

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2008年9月26日 (金)

ペルシア様式でアラブの旋律をトルコの奏法で・・・

昨日と同じUzbekmusicのクリップから、若い女性歌手の映像。表記はグルゾダ・フドイナザロヴァとでもするのが近いでしょうか。
ウズベクの古典音楽を形容する時、「金の舌の歌手、甘い響きの音楽家たちは、ペルシア様式でアラブの旋律をトルコの奏法で、中国の方法に従い、モンゴルの声で、アルタイの拍子をもって奏した」というサマルカンドの黄金時代の表現がよく引用されますが、シルクロード以来の東西だけでなく、南北の音楽文化さえもがクロスするウズベクの歌や音楽の特徴をよく言い当てていると思います。
今日の若手歌手は、まだ蕾が開き始めた位かなという印象ですが、連綿とこうして若手が台頭してきていることは実に素晴らしいことだと思います。特にソ連崩壊~独立後は、その傾向が顕著なようです。

2本目は昨日と同じEnsemble "Moziy" の合奏。Abror Zufarovのサトの弓奏が中心。hasugeさんからコメントいただきまして、こちら(Uzbek classic music)で彼のプロフィールやmp3も聞けます。何とあの巨匠トゥルグン・アリマトフの弟子筋でした。共に東部のフェルガナの方の人なので、中部のサマルカンドやブハラとは伝承が少し違うのかも知れません。このサイトには、他にも若手のウズベク古典音楽家の情報が満載。ウズベク式英語でしょうか、表現が少し一風変っていますが^^  それから、昨日はタンブールの「メズラブ」と書きましたが、ウズベクではナーフン(ウズベク語で爪の意味)と言うそうです。(hasugeさん、いつも有難うございます m(_ _)m)

Gulzoda Khudoynazarova "Guluzorim"

Music by Hoji Abdulaziz Rasulov.

Adolat tanavori

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2008年9月25日 (木)

若手のウズベク古典アンサンブル

若手と思われるウズベクの古典音楽家たちによる演奏がかなり見つかりました。オコラなどで聞ける往年の大御所の演奏と少し感じが違うのが興味深いところ。

一本目はEnsemble "Moziy". Head of Ensemble Abror Zufarovと解説にあります。ドイラの刻むリズムは紛れも無いシャシュマコームの音楽なのですが、何かがオスマンの古典音楽にも似て聞こえます。青を基調にしたセットも、何か不思議な印象。全体に独特な感性を感じさせます。楽器はタンブール、ドタール、サト、ナイ、チャング、ドイラと、後一つチェロのような楽器は何でしょうか? 下が細くなっていますが(笑)

二本目は一本目で弓奏のサトを弾いていたAbror Zufarovのタンブール弾き語り。アンサンブルMoziyのリーダーのようです。若手らしくちょっと硬い感じもありますが、これだけの演奏を聞かせる人が出てきているのは頼もしい限り。右手にはシタールのように金属のメズラブをはめるようですが、その細かい音使いの装飾音形は本当に素晴らしいです。

Navro`zi ajam

Abror Zufarov "Tanbur"

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2008年9月24日 (水)

ウズベクの結婚式のブラス

昨日は打楽器だったので、今日は笛に行ってみます。ウズベクの結婚式で華々しく吹かれるカルナイの映像。この長~い管楽器を見るとチベット・ホルン(ドゥンチェン)を思い出してしまいますが、あれほど重量はないようで、軽々と上に掲げて吹いていますが、その様はとてもユニーク^^  伴奏のスネアが刻むのは、やはりハチロク・リズムが目立つように思います。 

1本目はサマルカンドでの収録。花嫁の姿も見えます。2本目はタシケントの楽器店での(オーナーの)デモ演奏のようです。カルナイは最後に出てきます。この人ダイラ(ドイラ)も上手いし、特にドタールの腕前はかなりのものでは。

Karnay

Uzbekistan Instruments & Music @ GlobalCAFE

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2008年9月23日 (火)

ダイラとホラズムのレズギンカ?

昨日と同じshashmaqomさんのページに紹介されていた映像から、ウズベクの枠太鼓=フレームドラム、ダイラ(ドイラとも)の独奏。周辺諸国 でダフやダプなどと呼ばれる太鼓と同類の太鼓ですが、ウズベクのソロはなかなかに技巧的で細かい技が色々盛り込まれているのが分かります。あのゆったりし た歌と弦楽器中心の合奏とは対照的かも知れません。イランやクルドのダフよりも細かい音形が聞き取れるように思いますが、いかがでしょうか。1,2本目は ブハラの楽士(両方ユダヤ系かも)のものですが、2本目はブハラ系ユダヤの結婚式の映像ではと思われます。(会場にキパを被った人が見えます) ヤシャと いう名前は、ロシア出身のユダヤ系ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツの名前と酷似しているのも興味深いところ。

3本目はそのダイラが伴奏で活躍する女性の踊りで、ホラズムのLazgisiとタイトルされています。ラズギというのはこの辺りの踊りの名称のようですが、これはコーカサスの伝統舞踊レズギンカと何か関連があるのでしょうか? かなり似て聞こえる名前ですが。ホラズムはアラル海の南岸辺りの歴史的地方名で、先日回ったヒヴァが中心都市。古来イラン系文化が花開き、その後テュルク化した土地です。

2,3本目に共通しているのは8分の6拍子だということでしょう。イランやコーカサスにこのリズムが多いのは有名ですが、中央アジアのイラン文化の色濃い地方でも同様のようです。この特徴のあるリズム、一体どこがルーツなのでしょうか^^

Solo Doyra

Doira Battle part 2

yasha barayev vs tariel karshigiyev and abbos kossimov!!!

Xorazm Lazgisi

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2008年9月22日 (月)

アリ・ババハーノフのタンブールとレバブ

ウズベクに戻って、タンブール名人のアリ・ババハーノフの映像。5本目のみレバブ(ラバーブまたはルボップとも)独奏。この人はシャシュマコーム(あるいはシャシュマカーム)演奏の重鎮で、彼の演奏はオコラからの2枚組「中央アジアの伝統」(↓廃盤)に収録されていました。youtubeには5本アップされていて、練習中かデモ演奏のようなものですが、このような名人の映像が見られるだけで私は大喜びしまして、正に欣喜雀躍状態 f^^;

2007年8月の収録と言うことで、全盛期は過ぎているかも知れませんが、泉のように湧き出るシャシュマコームの旋律の味わい深い音色に感激。中国の弦楽器とインドのシタールやサロッドなど、周辺諸国の音楽のちょうど中間のような印象を改めて覚えます。サマルカンドの映像のバックに流れていたあの名演も、もしかしたらこの人のものでしょうか?

Husayni Dugâh

Samoi Dugâh

Nawrozi Ajam

Aman Yar tanbur

Aman Yar

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2008年9月21日 (日)

テュルク系諸族の伝統音楽 Ⅰ、Ⅱ

17日にアップした映像の前篇2本が見つかりましたので、ウズベクから離れますが、今日アップしておきます。この3本は本当に素晴らしい内容です。この映像についてshayさんからコメント頂きまして、1994年頃にNHKで放送されたTV番組の一部だそうです。当時、カザフスタンの首都アルマトゥィでテュルク系諸民族の伝統音楽フェスティバルが開催され、それを特集した番組だったとのこと。(shayさん、有難うございます。m(_ _)m) NHKでこんな番組が作られていたとは驚き。日本口琴協会(略してNKK)代表の直川礼緒(ただがわれお)さんも出演されています(Ⅰの2分30秒位)。93年にサハの口琴名人イウ゛ァン・アレクセイエフとスピリドン・シシーギンが来日(確かNKK主催)しましたが、その翌年辺りかと、思い返しました。遊牧民族としてのトルコ族の揺籃の地(ルーツの地はモンゴル高原のようですが)、カザフを中心に、これまで当ブログで巡ってきた国や民族、これからのカザフなど、嬉しい映像の連続です。中でも個人的にはカザフの女流コビュズ奏者ラウシャン・オラズバエヴァの映像に驚きました。

turuk halektare muzikase(Ⅰ)

turuk halektare muzikase(Ⅱ)

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2008年9月20日 (土)

もう一シリーズ ジュライェフ

ちょっと続きすぎの感がありますが、今日もシェラリ・ジュライェフのビデオ。この人の映像何だか沢山ありまして、その中から12本アップされているBirinchi Muhabbatimのシリーズを抜粋で。モスクワでのライヴのようです。全部で12ですので、2時間くらいのステージが全てアップされているのかも知れません(まだ未確認のため)。ご覧の通り、少しポピュラーなアレンジも施された古典音楽演奏が中心ですが、この人の芸の幅の中にウズベク古典音楽の現在が見えてきそうな気もします。純邦楽が一般大衆の心の内にまだ生きていた、古きよき時代の日本(1960年代まででしょうか)を思い出させます^^

SHERALI JURAEV - Birinchi Muhabbatim 1

冒頭のビデオなので、解説が長いです。終わりから3分の1くらいから演奏。

SHERALI JURAEV - Birinchi Muhabbatim 2

SHERALI JURAEV - Birinchi Muhabbatim 3

ここで歌っているのは、2日のウズベク・シリーズの初日にアップした曲だと思います。とても良い曲です。踊り子は違うかも。

SHERALI JURAEV - Birinchi Muhabbatim 4

これは大衆歌謡的な歌唱。

SHERALI JURAEV - Birinchi Muhabbatim 11

3番がマイナーチェンジしたようにも聞こえる曲。終わりから2番目のクリップですが、花がステージにあるので、既にアンコールピースか?

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2008年9月19日 (金)

胡旋舞の伴奏やルーミーの詩も

昨日もアップしたシェラリ・ジュラエヴ氏、実に芸域が広い名歌手のようで、様々なyoutube映像がアップされています。大衆歌謡的な曲も歌う人のようですが、今日はその中から、若干ロック的な伴奏のウズベクの舞踊と、ルーミーの詩に捧げられたコンサートの映像から。とりわけペルシアの詩聖ルーミーのシリーズは感動的です。全部で7つありますが、とりあえず最初の3つだけ上げておきます。続きをご希望の方は、再生後のリンクからご覧下さい。

ウズベキスタンは日本人のような顔立ちの人も多い国ですが、そんなおじさんたちが、みんなルーミーの詩を理解し堪能しているんですね。それが手に取るように分かります^^ (タジク語ではなくウズベク語で歌っているからかも知れませんが)
トルキスタンに入ってから度々コメント頂いているhasugeさんからの情報によると、ジュライェフのジュラは、ペルシア語起源だそうですが、この人自身がユダヤ系かどうかははっきりしませんので、この件は保留にしておきます^^

hasugeさんから、同時にウイグル音楽の素晴らしいサイトをご紹介いただきました。昨日のコメントだと皆さん見られずに終わるかも知れませんので、もう一度こちらに転載しておきます。ウズベクとウイグルの音楽は、両方見ていくと分かってくることも多いと思いますので。
uyghurmuqam.com
以下hasugeさんのコメント=
ウイグル語なのが難ですが、ウイグルの民族楽器33種類の写真がすべて載っていますし、12ムカーム全曲も聴けるようです。ページを開くと中央に写真がありますが、その上の青い文字の右端をクリックすると楽器が出てきます。写真の右側に縦に並んでいるのがムカームの演奏です。お時間があったら、試してみてください。

Sherali Jurayev - qani

Sherali Juraev - Rumi Part 1

Introduction of the concert dedicated to the poetry of Maulana Jalaliddin Rumi.  In original language - Uzbek.

Sherali Juraev- Rumi Part 2

Song - "You don't know" (Bilmassan) performed by Sherali Juraev in the concert dedicated to the poetry of Maulana Jalaliddin Rumi. In original language - Uzbek.

Sherali Juraev - Rumi Part 3

Song - "Those, who are closer to the Love" (Muhabbatga yaqinlar) performed by Sherali Juraev in the concert dedicated to the poetry of Maulana Jalaliddin Rumi. In original language - Uzbek.

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2008年9月18日 (木)

最初のウズベクの音楽家

ウズベクに戻ります^^
ウズベクシリーズの最初の2日にアップした音楽家シェラリ・ジュライェフの別なビデオに行ってみます。今回はタールを弾き語っています。前も思いましたが、この人の声と歌い方、ちょっと故・鶴田浩二に似ていると思いますが・・・(笑) それから、シャンソン歌手のシャルル・アズナヴール(こちらはアルメニア系ですが)にも似て見えて仕方ないです。ジュライェフという名前、イスラム的な要素が感じられないように思えますので、おそらくユダヤ系では。どこか歌い方に特徴があるようにも思います。

Sherali Jurayev - Shitob Aylab

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2008年9月17日 (水)

テュルク系諸族の伝統音楽 (日本語字幕&解説付き)

今日のビデオは中央アジアからシベリアにかけて広範囲に住んでいるテュルク(トルコ)系諸民族の伝統音楽を特集した内容ですが、これは世界民族音楽体系のビデオ映像でしょうか。日本でこんな内容のTV番組があったとは思えませんので。多彩なトルコ系民族の音楽を日本語解説付きで紹介していて、これは大変に素晴らしい内容です。Ⅲだけしか見当たらないのが残念。ジラウは浪曲に、クライは追分に似ているように思いますが、いかがでしょうか。歌詞がどれも良いですね^^
内容は以下の通り。

カラカルパクの吟遊詩人ジラウ (弓奏楽器はカザフのKobyzにそっくり)
サハのホムス(口琴)名手スピリドン・シシーギン  *この人は来日歴あり
ハカスのチャトハーン(琴の一種)弾き語りの喉歌 
バシキールのクライ(ダブルトーンの縦笛)

turuk halektare muzikase(Ⅲ)

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2008年9月16日 (火)

カラカルパクのハルク合奏 + トゥランの地

昨日のカラカルパクの民謡(ハルク)の弾き語りですが、合奏もありましたので、そちらも上げておきます。彼らの日本人に似た風貌もあるからでしょうが、昔の日本の三味線合奏にも似た懐かしげな雰囲気があり、でも奏でている音楽はウズベク風な所も感じさせながらもカザフ寄りという、何とも不思議な映像です。コード進行は北コーカサスに似た面もあるように思います。なお、カラカルパクは、現在はカラカルパクスタン共和国というのが正式名称のようです。しかし、ウズベキスタン内の共和国という、入れ子状態のようになっているようです。何から何まで不思議づくしです^^

2、3本目は汎トルコ主義を髣髴とさせるビデオ内容。3本目のように、トゥラン(トルコ族)の地の団結を呼びかけるようなビデオは多いですが、2本目は何かノホホンとしています。口琴や倍音唱法(トゥヴァか?)の音色のお蔭でしょうか^^ カラカルパクを含む、これまで巡ってきたトルコ系民族に所縁の映像が次々出てきます。後半に多く見られるのは民族固有の紋章でしょうか?

karakalpak halq kosiqlari

Turan'ı Oluşturan Devletler-Tarihteki Türk Devletleri

Turan cCc Türkgücü

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2008年9月15日 (月)

カラカルパクの民謡

昨日のヒヴァ・ハン国で名が出てきましたので、ウズベク西部のカラカルパク自治共和国(または自治州どちら?)のクリップを見てみたいと思います。これが結構あります。消滅が危惧されるアラル海の南部に面するこの国とウズベクを合わせれば大体日本と同じくらいの面積でしょうか。カラカルパクは、今の所ウズベキスタン内の自治共和国のようです。
カラカルパク語はウズベク語と同じテュルク系の言葉ですが、カザフ語やノガイ語(カスピ海の西側のダゲスタン中心)に近いそうです。この謎めいて聞こえる国名ですが、「カラ」は黒、「カルパク」はコーカサス・シリーズで出てきたように帽子のことですから、「黒い帽子」の意味になるようです。確かに北コーカサス~トルクメン~カラカルパクにかけて、黒いカルパックをよく見かけますが、関係があるのでしょうね^^。ダゲスタンは何ヶ月か前に回りましたので、ご興味のわいた方は遡ってご参照下さい。

karakalpak halq kosiqlari

カラカルパクの女性歌手のドンブラ?弾き語り。擦弦のケマンチェ伴奏。これは素晴らしい! 音的にかなりカザフ寄りという印象です。 karakalpak halq kosiqlari   atqaradi - Bekzoda Asqarova

karakalpak halq kosiqlari

こちらは別な女性歌手。 karakalpak halq kosiqlari   atqaradi - Gulbaxar Rametova.

karakalpak halq kosiqlari

男性の弾き語り。この辺もトルクメンのようにバフシー(吟遊詩人)と言うのでしょうか?  karakalpak halq kosiqlari   aqaradi - Juzimbai Qozimbetov

karakalpak halq kosiqlari

こちらはぐっと年齢が上そうな男性歌手。karakalpak halq kosiqlari.   atqaradi - Uzaqbai Shamuratov.

Karakalpak Song - Tan Samly Elpip
カラカルパクのフォークソングでしょうか。コード進行が少しコーカサス音楽に似ているのが興味深いです。

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2008年9月14日 (日)

ヒヴァ・ハン国

今日は歴史ものビデオを一本。激シブかも知れませんが^^
現在のトルクメニスタンからアラル海に接するカラカルパクスタン(ウズベキスタン西部の自治州)にかけて17~19世紀に存在した国、ヒヴァ・ハン国の旧跡を巡る内容です。東部のフェルガナとも中部のブハラ~サマルカンドとも一味違う文化が今も息づいているようです。音楽はペルシア風、ウズベク風が入り混じって構成されているように聞こえます。服装はかなりトルクメン寄り、というかほとんどトルクメンの印象。
ではちょっと短いですが、また日付線を踏みそうなので f^^;

Xiva

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2008年9月13日 (土)

Monajat Yulchieva

クリッタさんから昨日の記事に、また今日マイミクのみしえるさんからはDVDが出ていたのではとの情報を頂きましたので、今日はモナージャト・ユルチエヴァのビデオを上げない訳には行きません。クリッタさん、みしえるさん、有難うございます m(_ _)m
ウズベク古典音楽界での重要さを考えれば、真っ先に取り上げるべき名歌手ですが、youtubeには彼女の映像がなかったので、これまでアップしていませんでした。何とyoutubeよりもっと映像の良いビデオがデイリーモーションにありました。これは上記フランス版DVDからの映像のようです。この人、フェルガナ-タシケント派とあるように、ウズベキスタン中部のブハラ~サマルカンドより東に位置する、タジキスタンにほど近いフェルガナ地方が拠点のようです。(紹介される国によってMonaajat Yultchievaという綴りも見られます。)
ユルチエヴァのCDは仏Ocoraと独Network Medienから出ていました。(音源情報はこちら)彼女の歌唱は、仏Ocoraの「中央アジア~古典音楽の伝統」にも含まれています。これは先日来名前の上がっている名手が揃っていますが、残念ながら廃盤。

ユルチエヴァについて、2002年に出た音楽之友社「世界の民族音楽ディスクガイド」掲載の拙稿を下記に転載しておきます。下のオコラ盤に付けたものです。近々再発されて入荷する予定です。

      
再発盤      旧ジャケット

ウズベキスタンの歌姫(1960年生まれ)の記念すべきオコラ盤。これぞウズベクというべき悠々たるテンポでしっとり歌われる彼女の愛称と同じ名のMonajat(「祈り」の意)は特に絶品。元々器楽演奏されていたスーフィーの祈りの旋律だそうだが、ウズベクのモスクの青が眼前に浮かぶような、ティムール時代にトリップしてしまいそうな香り高い感動的な名曲。ナイーヴで清々しく、既に風格と上品さを備えたフェルガナ-タシケント派のスター歌手として知られ、世紀に一人の逸材とまで言われている。

   

monâjât yultchieva

dailymotionを上げるのは初なので、一応リンクも載せておきます。
http://www.dailymotion.com/video/x1d45w_monajat-yultchieva_music

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2008年9月12日 (金)

「青の都」紹介 もう2本

ブハラとサマルカンド、何度か続きましたが、またまた良いビデオが見つかりまして^^
両「青の都」のモスクの細部の素晴らしさもさることながら、バックに古典音楽の良い演奏が入っていて、それがかなり素晴らしいものです。映像がキネマの最初のように縦長になっているのが玉に瑕ですがf^^;
サマルカンドの方はタンブールのソロ。これはぞぞっとする程良いです。特筆すべきは、聞こえるか聞こえないか位に入る微妙な装飾音の美しさと音の揺らぎ、でしょうか。アフガン・ラバーブを経由して北インドのサロッド演奏にも受け継がれている部分は、確かにあるかなと思います。ブハラの方はシャシュマカーム関連の合奏でしょうか。ユダヤ系かなという感じもあります。どちらも間に結婚式のブラス?演奏や、ケマンチェ(ギジャク?)でボッケリーニのメヌエットを弾いていたり(これみよがしの長いトリルに笑ってしまいました)、なかなかに楽しめます。スペインで製作されたビデオでしょうか、スペイン語の解説文になっています。スペインも中世のイスラム王朝時代(後ウマイヤ朝)にはユダヤ系の詩人や音楽家が大活躍しましたが、ウズベクの音楽や文化に通じる部分を感じての取材だったのではと思いました。

Samarkand, UZBEKISTAN

Bukhara, UZBEKISTAN

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2008年9月11日 (木)

オリエントの真珠

昨日は書きかけのままま少時放置していたら、消えてしまいまして、書き直していたら日付が変りましたf^^;  昨日に続いてサマルカンド、今日はドキュメンタリーを。
現在のウズベキスタンの首都はタシケントですが、1930年まではサマルカンドが首都でした。疎開による流入や軍事工場が集中した第2次大戦中から人口が増えて、ソ連時代にはソ連第4の都市になっていたタシケントとは対照的に、サマルカンドやブハラはいかにもシルクロードの古都のイメージ。日本で言えば京都、奈良といったところでしょうか。
92年頃だったか、14世紀のティムールの頃に建設されたレギスタン広場で、ウズベク古典音楽の楽士たちがシャシュマカームを演じるシーンをTVのドキュメンタリーで見た覚えがあります。あの美しいターキッシュ・ブルーのモスクの前で演じられる悠久の調べはとても印象的で、15年余り経ってもはっきり覚えています。今日のビデオ、最初の2本に出てくる歌は、ナスィバ・アブドゥラーエヴァのようです。4本目はブハラの写真も出てきます。こちらはシャシュマカームのライト版のような音楽。

Uzbekistan Samarqand Samarkand Islamic Empire History (埋め込み禁止)

Samarkand - My Home! (Part II)

Registan, Samarkand - The most ancient and beautiful city

Bukhara & Samarkand pearls of the Orient

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サマルカンドの歌姫 (追加3本)

世界遺産の町サマルカンドは、ティムール朝の都だった町。モスクのターキッシュ・ブルーの美しさは、日本でも段々と知られてきているのでは。先日ウズベクの古典音楽は個人的に世界で最も愛好する音楽の一つと書きましたが、サマルカンドも訪れたい町のベスト5に入るように思います。

ウズベクの歌姫(ディーヴァ)の一人、ナスィバ・アブドゥラーエヴァについて、昨日はよくプロフィールが分かりませんでしたが、hasugeさんからのコメントで少し見えてきました。hasugeさん、いつも有難うございます。ナスィバ・アブドゥラーエヴァは1961年サマルカンド生まれ、ユルドゥズ・ウスマノヴァは1963年マルギラン生まれだそうです。(何とЯと同世代f^^;) ナシバは、多くの芸術家を出したアブドゥッラー・カーディリー記念タシュケント国立文化大学の出身とのこと。ナシバのCD『Samarkand』の中のある曲の作詞者にロシェル・ルビーノフの名があったそうで、この作詞者は先日のユダヤ系タンブール奏者と同じ名前。同姓同名かも知れませんが、あの古典演奏家だとすると、なかなか興味深いコネクションです。  

彼女の歌はペルシア語(タジク語)圏のサマルカンドらしく、ペルシア語(タジク語)が多いように思います。曲調もイランのグーグーシュやハイェーデなどが歌っていたようなリズムとメロディが目立つように思います。そしてロシア語の歌詞も結構あるようですが(MCはロシア語が多いようです)、チャガタイ・トルコ語系の現代語であるウズベク語の歌詞は少ないようですが、ありました。ウズベクなのにウズベク語が目立たないというのも、サマルカンドらしいエピソードでしょう。しかし、その入り混じった言語状況は興味深い限りです。今日の1,2本目はタジク語、3本目はウズベク語だと思います。2本目のMCはロシア語です。   

余談ですが、サマルカンドと言えば、プッチーニやブゾーニのオペラ「トゥーランドット」に北京と並んで頻出する町。私のイメージでは完全にこの話とダブってしまっています f^^;  二つの町はとんでもなく離れている訳ですが、トゥーランドットの中では、まるで隣町のように扱われています。まるで魔法の絨毯に乗ったかのような、コメディア・デラルテの滑稽奇譚的側面をオリエンタリズムとして片付けるのは簡単ですが、あえてその「魔法の絨毯」のロマンに拘ってみたいところ。プッチーニだけでなく、ブゾーニ版もお薦めです。

また、北インド古典音楽はムガール帝国の頃からの伝承が中心になっていると思いますが、ムガール朝はティムール朝の流れを汲む王朝で、音楽家も北インドに流れ込んだようですので、ヒンドゥスターニー音楽を見ていく上でも、ウズベクやタジクの音楽は無視できないように思います。今日の2本目はインド的な伴奏になっています。

Farsi Tajiki Nasiba Abdullayeva Jonn Dodarakam

Nasiba Abdulloeva Man ba Dunboli Dilam

Nesibe Abdullayeva Nigaranam

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2008年9月 9日 (火)

2人のシルクロード・ディーヴァ

ウズベクを回っているからには、ポップスの方も取り上げない訳には行きません。youtubeを見ていても、上位に上がっているのは大体ウズベク・ポップスで、シャシュマカームのような渋くてかつ良質な古典音楽演奏の映像を見つけるには、根気の要る発掘作業が必要ですf^^;

ゴルバチョフのペレストロイカ後からソ連邦解体と続くダイナミックな政治状況の変化の波の中、ウズベクのポップスも段々盛り上がってきて、徐々に海外にまで知られるようになって来ましたが、まず今日の1,2本目に上げるナスィバ・アブドゥラーエヴァが登場し、続いてユルドゥズ・ウスマノヴァ(ロシア語式にアクセント場所を伸ばして書くならウスマノーヴァか?)がポップス・シーンを賑わし、今では両者とも20年以上のキャリアを誇るヴェテラン歌手ということになるのだと思います。

特にウスマノヴァは2007年にキング・レコードから発売された「世界のディーヴァ」シリーズの一枚に加えられ、「シルクロードのディーヴァ」では初めて日本盤として登場しました。アブドゥラーエヴァのプロフィールはよく知りませんが、ウスマノヴァはタシケント音楽院の伝統音楽専攻科を卒業しているそうで、なる程の歌唱力です。キング盤では古典的な香りの強い歌がありまして、じっくり聞くとゾクゾクっとくるようなコブシを聞かせてくれていましたが、youtubeにはなかなかそういうのが見当たりません。西洋風なポップでダンサブルな曲がほとんど。ですので、とりあえずアザーンとCGで始まる曲などを上げておきます。アブドゥラーエヴァも、その歌唱の巧みさ、味わい深さから察するに、ウズベク古典音楽の素養のある人だろうと思います。因みに、ユルドゥズとは星(スター)の意味で、ウスマノヴァはオスマン(ウスマン)をロシア式に女性名化したという、芸能人らしい非常にインパクトの強い名前と言えるように思います^^

Nasiba Abdullaeva

Nasiba Abdullaeva

Yulduz Usmonova_-_Rasululloh

Yulduz Usmanova

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2008年9月 8日 (月)

ウズベキスタンの楽器とファッションショー

今日はウズベクの楽器をデモ演奏したビデオを上げてみました。この叔父さんウズベクの方だと思いますが、観光客向けでしょうか、フランス語で喋っています。ルバーブ、タンブール、タール、サントゥール、横笛(楽器名不明)、口琴、ダイラと次々に出てきます。タンブールの次の3つ目は不明ですが、音色はサズやブズクに似た深い音が魅力。ルバーブはルボップとかラワプとか国によって色々に言われるようです。後半カチューシャを弾いています^∀^ 
タンブールは、フレットが意外に高いなとか(中国楽器風にも思えますが)、サントゥールはイランのより揚琴(ヤンチン)に近い印象だとか、色々細部も確認できました。で、二本目はそれらの楽器を使って伴奏した、ウズベクの伝統衣装のファッションショー、でしょうか^^

OUZBEKISTAN les instruments de musique

LA MODE EN OUZBEKISTAN

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2008年9月 7日 (日)

イェンギ・ヨル

今日はイェンギ・ヨルというグループの演奏。このトルコ語を直訳すれば「勝利の路」の意味でしょうか。トルコとウズベクなどの混成グループのようです。ネイ、ヴァイオリン(立てて弓奏)、ウード、トンバクと、ウズベクでは普通余り使われない楽器が目立ちますが、女性歌手、ドタール、ヴァイオリン、ダイラの各奏者は、名前の最後にロシア的な-v(女性は-va)が付いているところを見ると、ウズベク人と思われます。
タシケントの方はトルコ色が勝っていますが、ブハラでのライブの方は完全にウズベク調です。ブハラでのライヴですから、土地の音楽をやったのかと思っていたら、最初の方に作曲がスレイマン・エルグネル(あの有名なネイ奏者Kudsi Ergunerの弟)と出ていますので、トルコの音楽家S.エルグネルが書いた曲のようです。イェンギ・ヨルは、仏PLAYA SOUNDからアルバムがありますが、ウズベクの曲だけではなく、スパニッシュ、タンゴなど色々やっているようです。ウズベクとバイエルン音楽の混合グループという変り種もありましたが、そのかなり無理がある組み合わせより、よく馴染んでいますし、方向性として面白いと思います。

Delfouza Ibrahimova : vocals ; Adrien Espinouze : ney ;
Jamaleddine Avezov : violin ; Emmanuel Hoseyn During : ud ;
Otabek Yusupov : dotar ; Spyros Halaris : kânun ;
Rostam Tagaykulov : dayra ; Antoine Morineau : zarb tombak

"Yengi Yol" (Live in Bukhara) # 1

"Yengi Yol" (Live in Tashkent)

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2008年9月 6日 (土)

ブハラ系ユダヤとカライム、ハザール

今日もゆったりと雅びなウズベク古典シャシュマカームの歌。昨日もコメントいただきましたhasugeさんからの情報では、ロシェルというのはユダヤ人としては珍しい名前のようですが、ブハラ・ユダヤ人の間には見られるそうです。今日の歌手も昨日と同じロシェルという名の人。キパらしき被り物もメンバーに見られます。おそらくユダヤ人音楽家ではと思われます。
更にこれは非常に重要なポイントですが、ブハラとサマルカンドは、トルコ系のウズベク語ではなく、イラン系言語のタジク語圏で、ブハラ・ユダヤ人の使用言語も、伝統的にタジク語だったとのこと。確かにルーミーの詩(あの有名な「葦笛の詩」)なども歌詞に聞こえることがありました。ただイラン本国の場合とは少し発音が違うように聞こえました。
New Standard Jewish Encyclopediaによると、ブハラにユダヤ人が初めて足跡を残したのは13世紀とのこと。おそらく彼らはペルシアから移住してきたユダヤ人のグループと考えられているようです。下記のカライムのルーツと同じペルシアというのが、また大変に興味深い点です。17、18世紀には彼らの独立した文化圏を形成し、Judeo-Persianの詩人も多数登場したそうです。ユダヤ系音楽家が多いウズベクの古典音楽は、現在でもその流れを少なからず汲んでいるのではないでしょうか。

Sar'akhbori Rost by RoshelAmin

Tanbur: Roshel Amin
Doira: Emanuel Amin
Vocal: Roshel, Emanuel, and Rano Amin - Aminov

関係記事として、1月9日の記事を一部転載しておきます。
リトアニアの古都トラカイに多くが住むというカライム人は、その名の通りカライ派のユダヤ教を奉じるチュルク系少数民族でしたが、彼らの起源は、8世紀頃ペルシアに生まれた、タルムードを捨て、旧約聖書のみを取った、特別なユダヤ教団に発しているようです。彼らが話す言葉は、バシキール語、タタール語、チュヴァシ語などと同じキプチャク系チュルク語で、中世のハザールの言語にも近いそうです。ユダヤ教徒、トルコ系というキーワードが揃っていますので、彼らこそ謎のハザール帝国の生き残りなのかも知れませんが、ペルシア出身なのに何でペルシア系の言葉じゃないのだろうとか謎が謎を呼びます。ハザールには西突厥の末裔(彼らもおそらくトルコ系)も流れ込んだだろうと考えられるので、もしかしたらカライムが彼ら(ハザールの王族)を教化し、多数派のチュルク系の言葉を採用した、ということなのでしょうか。

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2008年9月 5日 (金)

ロシェル・ルビーノフもユダヤ系?

昨日アップしたタンブール弾き語りのロシェル・ルビーノフ、大変素晴らしいので、残りも上げておきます。エコーとバックの静かなシンセ音が気になる方がいらっしゃるかも知れませんが。 hasugeさんから昨日の記事にコメント頂きまして、彼の師匠のユダヤ系女性歌手Barno Ishakova は首都のタシュケント出身ですが、イスラエルへ移住したそうです。仏IneditのHazanoutにもブハラ系ユダヤ人の宗教歌が入っていましたが、ブハラには昔かなりのユダヤ人人口があったようです。東方系ユダヤ人(ミズラヒーム)として、イラク系、イエメン系などと一括りにされることが多かったように思いますが、黒海北部~コーカサスを回っていた時に度々取り上げた改宗ユダヤのハザールとは全く関係のない集団なのかどうか。やはり古代パレスティナからの離散後、直でブハラに移住した人たちなのか。ハザールとブハラ系ユダヤは、言葉が同じトルコ系ですので、もしや?という思いも頭をかすめます。地図で見るとカスピ海(中世には「ハザールの海」とも呼ばれていた)とブハラは意外に近いです。この辺は興味深い探りどころです。今日のロシェル・ルビーノフはブハラに残った数少ないユダヤ系音楽家の一人なのでしょうか。もう少しこのテーマは探ってみて、何か分かりましたらまたアップします。

Roshel Rubinov - Nim Chuponi

Roshel Rubinov sings Nim Chuponi; ghazal by Bedil とあるように、ベディルという人の恋愛叙事詩=ガザルを歌っているようです。サイクルの後半がテンポダウン(あるいは、これは変拍子の5拍子か10拍子?)する感じが、何ともウズベクっぽくて良いですね。

Roshel Rubinov - Aylay Desam

解説にRoshel Rubinov sings Aylay Desam (Oh Kim), music by Rasul Qori Mammadaliev とあります。これはもっと歌謡性に溢れる曲調。哀愁味が堪りません。

YUHAN - ЭТИ РОЗЫ

ユハン・ベンヤミンという歌手のニューヨークでのライヴ(結婚式?)。これはブハラ系の歌謡曲でしょうか。ロシア語で「これらの薔薇」と歌っていますが、彼らもブハラ系ユダヤ人のようで、バック・メンバーにユダヤ教の小さな祈祷帽キパが見えます。因みにベンヤミン(ベンジャミン)とは、ヘブライ語で分解するとベン・ヤミンは「右の男(の子)」の意。ジョナサン(元はイェホ・ナタンで「神、与え給う」の意)、ダヴィッド、アブラハム、イツハーク、ヨセフ等と並んで、コミュニティーを問わずユダヤ人に多い名前です。YUHAN BENJAMIN, FROM TALK SHOW "DZOT"  WWW.YUHANNY.COM

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2008年9月 4日 (木)

タンブールによるシャシュマカーム

昨日はドタールでしたが、今日はウズベクのタンブール。ウイグルのとは少し形が違って、肩の辺りが山切りカット(古!f(^^;)みたいになっています。スチール弦の清涼感溢れる繊細な音色と、ウズベクのコブシの組み合わせが最高です。左手の1,2をほとんど指板に付けた、一風変った運指です。(1,2中心で動くところは三味線の運指に似ているかも)ちょっとエコーが入った録音で好みが分かれるかも知れませんが、シャシュマカームの深い味わいが感じられる演奏です。
歌とタンブールはロシェル・ルビーノフ。仏Ocoraの2枚組み「中央アジア 古典音楽の伝統」に収録されていたユダヤ系のベテラン女性歌手Barno Ishakovaは、彼の師匠の一人とのこと。ウズベクには他にもユダヤ系音楽家が多く、西洋やアラブ、トルコなどだけでなく、ウズベクでもユダヤ系音楽家は重要な役割を果たしたようです。この人、タグから判断するに、古都ブハラの楽士のようです。
往年の名手トゥルグン・アリマトフ(仏OcoraからCD有り)とか見つかると良いですが・・。

シャシュマカームの6つの旋法名は以下の通り。(先日の柘植先生の記事より引用)
ペルシア音楽からの影響がはっきり見て取れる名前ばかり。
①ブズルク(buzruk)、 ②ロースト(rost)、 ③ナヴォー(navo)、
④ドゥゴーホ(dugokh)、 ⑤セゴーホ(segokh)、 ⑥イローク(iroq)

Roshel Rubinov - Mugulchai Dugoh

Dugoh系の二つのマカーム演奏のようです。KashkarchaiとかMugulchaiというのが気になります。First of two parts: Mugulchai Dugoh and Kashkarchai Mugulchai Dugoh

Roshel Rubinov - Barno

タンブールを弓奏する楽器、サトの弾き語り。Roshel Rubinov sings a tribute to one of his teachers, Barno Ishakova. First of two parts: Barno and Ufari Tulkun.

Roshel Rubinov - Ufari Tulkun

Part two of two: Barno and Ufari Tulkun.

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2008年9月 3日 (水)

ウズベクのドタール名人

ドタールは中央アジア一帯に見られる楽器ですが、たった2弦しかないとは思えないその超絶技巧が、今日のビデオに収録されています。中央アジアで最も有名だと言われるウズベクのドターリスト、アブドゥラヒム・ハミードフ氏の録音は、仏Ocoraからの「ドタールの芸術」(下のジャケット)に収録されていましたが、この人の演奏がyoutubeで見れるようになっていました。これは凄いです!

最初の左手の打弦の部分から聞かせます。後半はイランのタンブールの右手のストローク、ウイグルのドゥタール奏法、レバノンのブズクの妙技、フラメンコのラスゲアードなどが、全てオーバーラップして見えます。 (残念ながら埋め込み禁止のためリンクでのアップ)
 Abdurahim Hamidov interprétant Qoshtari

ウイグルのドゥタール名手Abdurehim Heyitの未アップビデオを一本上げておきます。参考までに。

Abdurehim Heyit: Ketmaydu

テクニックはウイグルですが、哀愁のあるメロディはキルギスの短調系メロディに似ています。

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2008年9月 2日 (火)

ウズベキスタンのシャシュマカームと舞踊

今日からウズベキスタンの音楽を巡ってみようと思います。ウイグルと並んで、シルクロードの中心地のイメージが強いウズベク。ウイグルが東トルキスタンと呼ばれるのに対し、西トルキスタンはウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギスタン、カザフスタン、タジキスタンを指します。イラン系のタジキスタン以外は文字通りトルコ系民族の国々ですが、ウズベキスタンは古来トランスオクシアナとも呼ばれ、その頃はウイグルの時にも出てきたイラン系のソグド商人が活躍した土地でした。その後アラブ人、トルコ人、モンゴル人が順に進出後、14世紀にはティムール朝が興り、音楽で言えばその頃にイランのマカームの伝統が伝播したようです。シャシュマカームは18世紀頃から基礎が固まってきたようですが、直接的にはティムール朝の後に興ったブハラ・ハーン国の宮廷音楽の流れを汲むものです。(参考文献:イラン協会機関紙「チャシュム」2002年6月号 柘植元一氏の「イラン音楽への招待」第49回)

まずはウズベクの古典音楽から。ウイグルの旋法体系は12ムカムでしたが、ウズベクはシャシュマカーム(あるいはシャシュマコーム。ペルシア語でシャシュは6つの意味)で、6つになっています。それぞれが包含する異なる旋法の複合体を意味しているようですから、どちらのマカーム体系が豊かだとか複雑だとか、一概には言えないようです。それぞれのマカームが、旋法だけでなくレパートリー自体をも指すというのも共通しています。
私は昔から典雅で悠揚迫らぬウズベク音楽の大らかな表情が大好きで、多分世界中のFavorite音楽の5本指に入ると思います^^  音源情報 youtubeにも良い物があると良いですね。

Ozbekce Video - Uzbek Music (7)

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2008年7月31日 (木)

キルギスはやっぱりコムズ

昨日のアップ後、確認していて気が付きましたが、どれも再生が2秒ほどで止まってしまいました。皆さんのPCでは無事見られましたでしょうか? 何が原因かよく分かりませんでした。もしかしたらアップし過ぎでしょうか?w  埋め込みでアップしたトータルのビデオ数は、おそらく900ほどにはなっていると思いますので。もし見られないようでしたら、是非お知らせ下さい。対策を考えたいと思います。

キルギスは一応今日で終えることにしますが、昨日は哀愁のメロディーでちょっとしんみりしましたので、最後はこれまたキルギスらしい騎馬民族の陽気なリズムから。

Komuz Master Shows Off

コムズ名人の余裕のひょうきんプレイ^^ 

Aizada - Kyrgyzstan

父祖から教わったコムズの曲を弾く古老たち。プロではないかも知れませんが、彼らの指から生まれる音には、深い味わいがあります。

Kyrgyzstan 4

コムズ工房への取材番組。若手名手の演奏風景も豊富。英語なのが有難い。

Kyrgyz nature

キルギス・ポップス?に乗せて巡るキルギスの大自然。時々出てくる大きな湖はイシククル湖でしょう。the divine nature of our Kyrgyzstan. the music of Shantel group "Kosh jyldyz"

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2008年7月30日 (水)

キルギスの短音階の歌

例の短音階のキルギス民謡のクリップがかなり見つかりましたので、それらをアップしておきます。アフターディナーの歌っていたキルギス民謡は見つからずですが、雰囲気は似ています。他の中央アジアにはほとんど全く見当たらない、懐かしい感じに聞こえる哀愁のメロデーが、何故キルギスだけに生まれたのか不思議です。単純に音楽のロシア化によるものなのでしょうか。アフターディナーのレパートリーの元歌は、きっと昔のMelodyaのアナログ音源を探すと見つかるのかも知れません。

KYRGYZ SONG KYRGYZ JERI very famous

昨日も出てきたSalamat Sadykovaの歌唱。良い歌、そして素晴らしい歌手です。

KYRGYZ SONG 8

コムズの弾き語り。この番号の付いた「キルギスの歌」シリーズは、ほとんどが短音階のキルギスの歌。(9だけ違うようです) しみじみとした良い歌が揃っています。 南の島の海岸のように見える景色は、もしかしてキルギス一大きいイシククル湖でしょうか? だとすると北国(あるいは山国)のイメージが壊れるかも^^

KYRGYZ SONG 5

しかし、最初は誰がどう見てもブラジルのリオ・デ・ジャネイロですが?w 

KYRGYZ SONG 4

このシリーズをアップしているのは、トルコ在住のキルギス人男性のようです。こういう短音階のメロディーは、彼らにとってもやはりノスタルジックに聞こえるのでしょうか。きっとそうなのでしょうね。望郷の歌なのかも。

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2008年7月29日 (火)

キルギスの合奏、口琴

今日今治では最高気温が37.7度で、日本で一番暑かったそうです。どうりで・・・。外出ているとクラクラしましたf(^^;  8月の末までこの猛烈な暑さが続くかと思うと、ちょっと恐い位ですね。皆さんもどうぞ熱中症と急な雨風にはお気をつけ下さい。
さてキルギスの2日目、キルギスはそれほどクリップはないようですが、特徴的な演奏をいくつかピックアップしてみました。後日廻りますが、キルギスの南のウイグルは古代にはタリム盆地(タクラマカン砂漠)にイラン系民族がいたからでしょう、彫りの深い顔立ちの人も多いですが、キルギス辺りは割りと皆似ています。勿論この国にはソ連時代以来ロシア人もかなりいるようですが。北モンゴル~トゥヴァの辺りが、トルコ族(テュルク)が元いた場所のようですから、中央アジア方面にトルコ族が出て行った経路にあるキルギスの人々の顔立ちは、本来のテュルクのイメージに近いのかも。日本人に似た顔立ちの人が多くてびっくりします^^  音楽もどこか日本人にとって親しみやすい一面があるように感じますが。

Kirghiz Song - A Coy Guy

撥弦のコムズ2本と、擦弦はコプズ? それにオカリナ? 例の短音階旋律に近い感じもあります。

Kirghiz Song and Music

野辺でのコムズと歌の合奏。短いストロークと長いストローク、その他曲芸的なかき鳴らしで目も楽しませます。 最後も決まっています^^

Alymkan

女性歌手Salamat Sadikovaによるコムズ弾き語り。息の長い歌が素晴らしいです。Alymkanというのはキルギスで最も人気のある伝統歌のジャンルの一つだそうです。

Temir Komuz (Kyrgyz Jaw Harp)

キルギスの口琴テミル・コムズの独奏。テミルというのは鉄、コムズはこれまで何度も出てきたリュート系の弦楽器のことですが、テミル・コムズで口琴を指します。キルギスらしさをどこかに感じさせる柔らかく繊細な音色。キルギスはとても口琴が盛んな国です。

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2008年7月28日 (月)

キルギスのコムズ

さて、今日からイラン・シリーズを離れて、中央アジアのトルコ系民族のクリップを見ていくことにしたいと思います。
まずは昨日、「曲芸的な演奏」というコメントを入れましたので、キルギスの代表的な弦楽器コムズの演奏から。フレットレスの3弦で弦はナイロンでしょうか、基本的には柔らかい音色ですが、騎馬民族的な跳ねるようなリズムを聞かせます。興が乗ってくると、ビデオのようにありとあらゆる曲芸的な演奏が始まります^^  3弦とは思えない超絶技巧ですが、基本は同じ作りですから三味線でも出来るのでは。南九州のゴッタンのような板三味線なら皮の割れる心配もないので可能かも知れません。コムズが音程を限定しないフレットレスという点について、とても魅力と可能性を感じるのは私だけでしょうか^^
キルギスでは、中央アジア的な音階が多いかと思うと、ロシア民謡風な7音音階の短音階もかなり見られるのが興味深いところ。中央アジア広しと言えども、多分キルギスだけだと思います。先日Phewの時に触れたアフターディナーのレパートリーと言うのは、そのロシア的にも聞こえるような哀愁の節でした。前々回のキングのワールドミュージックライブラリーに、キルギスの器楽(キュ)と歌(ウル)が分売でありましたが(新シリーズでは2枚組みで再登場)、そのウルには残念ながら含まれていませんでした。

komuz

ワールドミュージックの動画サイト、モンドミックスから。フランス語の字幕が貴重。

[Calgi Atölyesi] Komuz

コムズの製作風景と女流演奏家の演奏と解説。

Komuz khomus

若手名手、でしょうか? 素晴らしい独奏。

komuz et chant

アマチュアの演奏家のようですが、ここで歌われているのは上記の短音階の歌。少しアフターディナーの歌った歌にも感じが似ています。

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2007年10月 6日 (土)

トルクメン・バフシー

Turkmen milli aydym-sazynyn jadylayan, joshduryan, alyp gacyan... owazyndan ganmak isleyanlere

先日マイミクのウィリアムさんの日記でちょいと話題になった、トルクメニスタンの吟遊詩人バフシーのドゥタール弾き語り。この情熱的なかけあい、実にすさまじいものがありますが、驚いたことに低音で倍音が入る部分があります。倍音唱法と言えば、ホーミーやホーメイが有名ですが、どちらかといえばトゥヴァの低い声のホーメイに似ています。
やはりマイミクのりーずさん(セタール、タンブールの研鑽のためイランに留学中)の日記でバフシーが話題に上ったことがありまして、その時私が例に上げたのが以下のユネスコの一枚。女性バフシーのInedit盤などと違って、ほぼ廃盤状態(おそらくレーベル自体での在庫限り)ですが、倍音唱法になっている部分が確かにありました。耳を疑いましたが、このユーチューブでトルクメンに確かにあることが証明されましたw  トゥヴァもトルクメンも同じトルコ系民族ですから、驚くことはないのかも知れませんが。

Turkmen_epic_singing Turkmen Epic Singing / Koroglu
Ayismammet Geldimammedov etc.
UNESCO  D 8213

トルクメンの語り部として知られるバフシー。この録音はタシャウズ地方の語りのようで、伴奏にはドタールと擦弦のギジャクが用いられる。この地域の英雄叙事詩の朗唱(ダスタン)で最も好まれる古いトルコの英雄叙事詩ケロウルが語られている。感じとしてはトルコのアシュク、ホラサーンのバード(吟遊詩人)、アフガニスタンの語りにも近いものがあるが、声がホーミーの寸前まで行っている凄い語り手もいる。ドタールの響きは遠くカザフやキルギスも連想させるが、ここでは旋律のラインでギジャクが出てくるので、ドタールはどちらかと言えば、リズム担当の要素が強く聞こえる。 
※音楽之友社刊 「世界の民族音楽ディスク・ガイド」の拙稿から

収録曲
1. Kheiran Eiledi (3:39)
2. Ovazy Geldi (4:14)
3. Airylymadymy? (4:41)
4. Ovezdzhan (4:36)
5. Gummur-Gummulendi (4:41)
6. Getirgin (3:15)
7. Chapar Arlaya-Arlaya (3:57)
8. Soltanym (4:47)
9. Mama Seni (3:13)
10. Bar-Da, Mama Dzhan, Khabaryng Ber (3:08)
11. Uchup Geldim (3:59)
12. Bezirgen (4:18)
13. Agam Seni (6:11)
14. Geldingmi? (4:51)

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