中央アジア

2019年9月 2日 (月)

中国の少数民族の音楽 ウイグル族、モンゴル族、朝鮮族、苗族、チベット族

ゼアミdeワールド176回目の放送、日曜夜にありました。4日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。テュルク(トルコ)系のウイグル族の音楽の3回目です。Mijit Ibrahimの演奏は見当たらないので、6曲目のテーマと少しイメージが重なる?ウイグル美人のラワープ弾き語りを一本上げておきます。ラワープ、タンブール共にポピュラーな音楽でも用いられている例をかなり見ますが、これは折衷的な範囲です。他の民族の音楽は水木金に上げる予定です。

まずは、キングのワールドルーツミュージックライブラリーの一枚である、3枚組の「中国/シルクロードの音楽」から、ウイグルの音楽が入っている2枚目から、弦楽器レワーブ独奏の続き2曲からおかけします。

この盤の旧タイトルは「絲綢之路II~漢族とウイグル族の音楽」で、録音は小泉文夫氏が亡くなられた後の1985年のものでした。レワーブ演奏は弾き語りも巧みに聞かせるミジット・イブライム氏です。

5曲目の「春の喜び(カシュガル民謡)」は、「冬が去り、すべてのものが息を吹き返し、生命が大地に躍動する春の情景を描いた音楽。序の部分に古典音楽の12ムカームの中の間奏曲が使われている」と解説にあります。

<2-5 Mijit Ibrahim / レワーブ独奏「春の喜び(カシュガル民謡)」 3分58秒

6曲目「カシュガル民謡「アトシュ」」ではMijit Ibrahimのレワーブ弾き語りが聞けます。アトシュ地方の民謡をもとに編曲された叙情的な踊り曲で、ウイグルの美少女が恋人を訪ねて旅する心を表しているそうです。

<2-6 Mijit Ibrahim / カシュガル民謡「アトシュ」 3分4秒>

The Beautiful Uyghur singer paly uyghur musical instruments-Rawap


この「中国/シルクロードの音楽」には、漢族を中心に、中国の少数民族であるウイグル族、キルギス族、モンゴル族、朝鮮族、苗(ミャオ)族、チベット族の音楽が入っていますので、今回は残りの時間で一通りかいつまんでおかけしてみたいと思います。これまでに取り上げていない東アジアのそれぞれの音楽に回っていくのは、早くて5,6年後にはなると思います。

漢族の中国の伝統音楽は、二胡、高胡、笛子(ティズ)、筝、琵琶のそれぞれ独奏曲が入っています。レワーブとの比較で琵琶をかけたいところですが、時間オーバーしそうですので、広東省潮州の筝名曲「寒鴉戯水」をおかけします。刺繍で有名な汕頭(スワトウ)や隣の潮州の辺りは、海の幸を生かした潮州料理の本場で、その味はあっさりしていて、日本人の口に合うものが多いのですが、香港に旅行した際に食べて、どれも美味しい南中国の広東料理の中でも忘れられない料理の筆頭になっています。

音楽もあっさりしていて、筝は絹ではなくスチール弦の涼しげな響きがあり、水と戯れる寒鴉(カンア 冬のカラス)の姿を音で描く水墨画のようなこの曲には、スワトウの刺繍を連想させる繊細な趣きがあります。

<1-14 紅蓮 / 寒鴉戯水 3分3秒>

次はモンゴル族の音楽です。日本の追分のルーツとも言われるオルティンドー(「長い歌」の意味)の伴奏を、「草原のチェロ」の形容があった馬頭琴で伴奏している蒙古民謡の「広々とした草原」という曲をおかけします。

<2-7 Gao Wa / 広々とした草原 3分57秒>

次は中国東北部の吉林省に住む朝鮮族の音楽から、日本でも広く知られている朝鮮民謡トラジの編曲版です。トラジとは桔梗の花の意味で、純朴な山の花ではあるが、他の花よりずっと強い生命力を持ち、どんな悪条件にも負けず育つ姿は、朝鮮族の象徴とも考えられているそうです。擦弦のヘーグムと両面太鼓のチャンゴの演奏です。

<3-9 崔勇(ツィ・イョン) / トラジ 1分45秒>

次は中国南部各地に住む少数民族、苗(ミャオ)族の音楽から、日本の雅楽に用いられる笙のルーツに当たる蘆笙(ろしょう)を吹きながら踊る曲「楽しい蘆笙舞」という曲です。苗(ミャオ)族と同系統のモン族などが、タイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどの山岳地帯に住んでいて、笙のルーツに当たる楽器は、ラオスなどインドシナの方にも見られるので、苗(ミャオ)族もタイ系などインドシナ系統の民族かと長年思っていましたが、どうも独立した語族のようです。

<3-13 金欧 / 楽しい蘆笙舞 2分>

では最後に3枚目のラストを飾っているチベット族の歌舞劇の音楽ウンパドンという曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。有名な超低音の仏教声明ではなく、独特なヴィブラートを伴った歌唱で、ウンパドンはチベット劇の最初に場を浄め、観客を集め、役者を紹介するために演じられるそうです。チベット自治区の首都ラサの唯一のプロ劇団であるテュムノ劇団の83年来日時の貴重な録音です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<3-17 ウンパドン 10分44秒>

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2019年8月10日 (土)

カラシュとフンザ

金曜に書けなかったので、土曜ですがアップしておきます。
フンザでは系統不明のブルシャスキー語の他に、ゴジャール地域ではイラン系のワヒー語も使われています。こちらは印欧語系です。(10年ほど前にワヒーの映像も色々探しました)
フンザのあるギルギット・バルティスタン州の西隣のカイバル・パクトゥンクワ州北部のチトラルの近くには、少数民族カラシュ族が住んでいて、カラシュ語はインド・イラン語派ダルド語群ですが、アレクサンダー大王の帝国以来の古代ギリシア人の末裔とも言われています。フンザのノンサッチ盤も入手困難だと思いますが、カラシュ族のフランスPLAYA SOUNDの音源も、レーベル自体が活動停止してしまったので、同じく難しそうです。カラシュの独特な地声合唱は、この番組(ナレーションはウルドゥー語でしょうか)からもかすかに聞こえています。アフガニスタン北東部のヌーリスターン人も、カラシュ族と同じく金髪、紺碧目で色白というヨーロッパ人のような風貌の人が多いそうですが、カラシュに比べるとマイナーで音源等は記憶にありません。

店は10~18日まで夏休みです。ブログも飛び勝ちになると思いますが、ビルの経理作業とZeAmiの作業は進みそうです。弦楽合奏の練習と収録はいつも通りあります。

chilam josh festival Dance in Kalash Valley chitral Report sherin zada

Burushaski: Mystical Music Colors of Karakoram

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2019年8月 8日 (木)

ブルシャスキー語の話

フンザと言えば、白い肌と青い目の人が多いけど印欧語族ではなく、ブルシャスキー語という系統不明の言語が話されている、というのが一番の関心の的です。一部でエニセイ語族との関係が議論されていたり、仮説段階の大語族であるデネ・コーカサス語族にも含まれているそうです。デネ・コーカサス大語族(Dené–Caucasian languages)とは仮説段階の大語族で、シナ・チベット語族、北コーカサス語族(北東コーカサス語族、北西コーカサス語族)、バスク語、シュメール語、ブルシャスキー語、デネ・エニセイ語族、(ナデネ語族、エニセイ語族)などが入るそうです。北コーカサス諸語とか、シュメール語とか、これまで引っかかってきた言葉が見えます。バスクもいずれヨーロッパで取り上げます。しかし、西シベリアのエニセイ語まで射程に入るとは驚き。音楽を聴いている分には、ルバーブやダフがあったり、メロディも印パの音楽にやはり近く感じるのですが。

Assay Takht | Burushaski (Hunza Valley) Spiritual poetry and Mystical Music of Northern Pakistan

Brushaski New Song 2018

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2019年8月 5日 (月)

フンザとギルギット

ゼアミdeワールド172回目の放送、日曜夜にありました。7日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。

アフガニスタンの次は、パキスタン北部に位置するカラコルム山脈のフンザとギルギットの音楽です。カラコルムのノンサッチ盤が、おそらく唯一の音源です。YouTubeには同じ音源はなさそうですので、参考動画を上げておきました。

PEOPLE OF HUNZA


「不老長寿の国」「地上の楽園」「桃源郷」として関心を集めてきたフンザは、パキスタン北西部ギルギット・バルティスタン州のフンザ=ナガル県に位置する地域ですが、1974年まではフンザ藩王国の版図でした。デヴィッド・ルイストンによるこの録音はその頃の記録です。

7000m級のパミール高原の山々が迫る辺境にあり、幅2キロ長さ160キロの「垂直の砂漠」と形容されるフンザ渓谷は絶景を誇り、「風の谷のナウシカ」のモデルになったとも一時言われていました。100歳を越えても心身ともに健康な男女が多く、90歳になっても子供を作れる男性、80歳になってもヨーロッパ人の40歳のように見える女性、癌や心臓病も少ないなどのエピソードが知られています。

中国世界とインド世界の境に位置するフンザでは、白い肌と青い目の人が多いけど印欧語族ではなく、ブルシャスキー語という系統不明の言語が話されています。宗教面は、仏教以前のチベットやネパールと共通するシャーマン的な土着のボン教の時期があって、紀元後数世紀は仏教を信仰、その後イスラム化し、シーア派が多いのがパキスタンの他地域と異なります。

まずは1曲目のバズムという曲ですが、男たちが集まりアラック酒を飲み、歌い踊る楽しい行事の音楽で、伴奏しているのは5弦の擦弦楽器チィケネネです。ハシム・シャーのチィケネネと友人たちの録音です。

<1 カラコルム 中央アジアの響き ~バズム 2分48秒>

2曲目はビレゴという「春の歌」ですが、ロロという悲恋の歌でもあるそうです。テュテックという横笛を吹くのはカブールという人です。

<2 ビレゴ(春の歌) 1分16秒>

3曲目はブルシャスキー語の歌で、ジェアイ・スルという曲名は「わが魂の糸」の意味です。「肉体と魂は生きている間は直接結びついているが、死期が迫るにつれて、たった1本の糸によってのみ支えられるようになり、死に及んでは、もはや耐え難い状態になる」と歌っています。ハシム・シャーのチィケネネ弾き語りです。

<3 ジェアイ・スル(わが魂の糸) 6分39秒>

7曲目の「ギルギットのポロの音楽」という曲は、ダブルリードのスルナイと打楽器のドールとナガラの勇壮な音楽ですが、ポロというのは騎馬の意味で、この地で発祥したと言われる騎馬の競技の風景が髣髴とされる録音と音楽です。

<7 ギルギットのポロの音楽 2分17秒>

Hunza Music | Ustad Ali Gohar Ensemble


10曲目もハシム・シャーのチィケネネ弾き語りによるブルシャスキー語の歌で、男女の会話形式による悲恋歌ロロで、曲名はハマレイ・ダシン(隣の娘さん)です。

<10 ハマレイ・ダシン(隣の娘さん) 4分2秒>

11曲目がシャーマニズムの歌で、曲名のビッタン・イブラヒームのビッタンというのが、フンザのシャーマンのことです。「イブラヒームはジャンプールの燃え殻の煙を吸うことによって、忘我の境地へと入った。間もなく彼はテュテックと太鼓の音楽に合わせて踊り始めた。次いで、彼は頭を太鼓の一つに近づけ、一心に聞き入る。それから預言者のような方法で、一連の詩を歌った。踊り聞き歌うという行為が、何回も繰り返された。儀礼全体は約15分間続けられた。その後シャーマンの介添えの人々が彼の顔に水をかけて、忘我の境地から引き戻す。 それから音楽家たちが、ビッタンの足跡を掃き去るために、掃除の踊りを演奏する。」という内容で、「我は行きたり、我は行きたり、桃源郷に至る道。~」と歌い出される歌詞の部分は、インド語派ダルド語群の一つ、ギルギットのシナー語で歌われます。

<11 ビッタン・イブラヒームの音楽(抜粋) 4分26秒>

では最後に終曲の「ウヌィ・アサタイ(あなたの記憶の中に)」という曲を聞きながら今回はお別れです。やはりハシム・シャーのチィケネネ弾き語りによるブルシャスキー語の歌です。

「夜明けの明るき星よ、我が運命をいずこに定める気かは知らねど、大切なものよ、かくも愛しきものよ、汝を我が胸に呑み下すには、我が喉あまりに狭し、恋して我は汝を獲得せり、我が恋人シタールを。おお神よ、なにゆえ貧しくなりたる我より彼女を奪いしか。」このような内容の歌です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<12 ウヌィ・アサタイ(あなたの記憶の中に) 4分27秒>

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2019年7月19日 (金)

ホマーユン・サキのライブ映像 モハンマド・オマル&ザキール・フセイン1974 Vagabunden Karawane

現代のルバーブ名人だけあって、ホマーユン・サキの映像は選びきれない程ありました。どれも凄い演奏ばかりです。出来ればゼルバガリの伴奏で弾いているのが見てみたいものですが、大体がタブラ伴奏です。この演奏は、共鳴弦をハープのように弾いている部分がかなり長くあります。

それと、モハンマド・オマルのプロフィールが分かりました。1905年生まれで1980年没と言うことで、思った以上に昔の人でした。1974年にアメリカのワシントン大学で教える機会が出来て、その年の11月18日に初めて西洋人の前で演奏。若き日の名タブラ奏者ザキール・フセインと共演しているのがその時の演奏で、その録音が例のSmithonian Folkways盤でした。今日の2本目は、その時のフィナーレの曲です。(もしかしたら、ホマーユン・サキの1本目と同じ曲でしょうか? 曲のデータはKeliwali In the Melodic Mode of Kastoriとあります)1978年には、何とドイツのロックグループ、エンブリヨにカブールのゲーテ・インスティトゥートで出会い、その演奏がWerner Penzelによって映画「Vagabundenkarawane」に残されているそうです。丸々上がっていますので、3本目に上げておきました。週末にでも見てみます。

Rubab -e Homayouni

Ustad Mohammad Omar & Zakir Hussain 1 - Rabab & Tabla - Kliwali

Vagabunden Karawane: A musical trip through Iran, Afghanistan and India in 1979

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2019年7月17日 (水)

モハンマド・オマルのルバーブ

「死後30年以上経過した現在でもアフガン・ルバーブの歴代最高の演奏者とされているウスタード・モハンマド・オマール」(Smithonian Folkwaysの「アフガン音楽の神髄」の解説帯)ということでしたが、アフガン・ルバーブの紹介で今日の2本目を大分前にアップした時には、映像とそのCDの情報が一致しておりませんでした。1本目はゼルバガリのマラン・ネジラビと両面太鼓ドーラク奏者との演奏ですが、ネジラビが1942年生まれでしたから、モハンマド・オマルはご存命なら90歳前後以上でしょうか。若手打楽器奏者二人も巨匠からインスパイアされたプレイを見せています。入手し損なったコロムビアのアフガニスタン音楽5枚組LPには、彼の演奏も入っていたのでしょうか。

Gul Alam on Dohlak, Malang Nejrabi on Zerbaghali, Ustad Mohammad Omar on Rubab

Ustad Mohammad Omar - Raag Bihag

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2019年7月16日 (火)

Homayun SakhiとMohammad Omar

ゼアミdeワールド169回目の放送、日曜夜にありました。17日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。

アフガニスタンの音楽も9回目になりました。手元に資料がありますのは、そろそろ後数枚ですので、今回でアフガニスタンはラストにしたいと思います。

最後はやはりアフガニスタンの国民楽器のルバーブです。その最高峰とも言える人だと思われる、ホマーユン・サキの演奏からおかけします。パーソナリティ名と同じだから選んだのではなく(笑)、イラン語派の民族では男性によくある名前です。

アメリカの民族音楽レーベルの雄、スミソニアン・フォークウェイズから出ている中央アジア音楽シリーズの3作目「ホマユン・サキ/アフガン・ルバーブの芸術(DVD付)」では、長大な30分を越えるラーガ演奏の2曲の後、3曲目に入っている小曲Kataghaniは「往年のアフガニスタン(Afghanistan Untouched)」の1枚目のタジク族の音楽でドンブラとギチャクの二重奏で入っていたのと同じ曲です。Kataghan地方では最もポピュラーな曲とのことでした。まずこの曲からどうぞ。

<3 Homayun Sakhi / Kataghani 4分1秒>


長大な30分を越えるラーガは、Raga Madhuvantiと、北インドのラーガ演奏でもよく聞くRaga Yamanの2曲です。インド音楽色の中にアフガンらしさが感じられるRaga Madhuvantiから冒頭の10分ほどをおかけします。

<1 Homayun Sakhi / Raga Madhuvanti 34分32秒から10分ほど抜粋>


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ここでライブ情報を入れます。

一昨年、去年と加藤吉樹さんのウード・ソロ・ライブを2年連続で催しましたが、今年も加藤さんがいらっしゃってライブを行うことになりました。関西から熊本までのソロ・ライブ・ツアーの一環です。宜しければ是非お越し下さい。

アラブ音楽ライブ ~ウードソロ~

7月31日(水)

開場 18時00分   開演 19時00分

 
会場 Cafeトーク・トーク 今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階

*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。

定員:25名限定      珈琲か紅茶のワンドリンク付き 2000円

演奏:加藤吉樹(ウード)


ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp

バックでかけているのは、Bint El Baladという3分余りの曲です。時間までお楽しみ下さい。

以上、ライブ情報でした。

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北インドの古典音楽で使用されるサロードの先祖と言われているアフガン・ルバーブですが、死後30年以上経過した現在でもその歴代最高の演奏者とされているウスタード・モハンマド・オマールの演奏を聴きながら今回はお別れです。シタールのルーツと言われるタンブールとのデュオで、アフガンの民謡旋律なのでインド色は比較的薄い曲です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<7 Ustad Mohammad Omar / Robab - The Sound of Soul ~Robab and Tambur (Folk) 11分45秒>

Rag Ahir Bairow



Robab and Tambur (Folk)は見当たらないので、朝のラーガ、アヒル・バイラヴですが。

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2019年7月12日 (金)

マフワシュの古い録音

女性歌手マフワシュは、60年代にラジオでデビューして、たちまち人気を博すも、ソ連のアフガーン侵攻で活動をストップ。91年にアメリカに移住して、音楽活動を再開したという人です。なるべくインド色が控えめで、アフガン色が出た演奏を探してみました。どちらもおそらく1979年のアフガン侵攻以前では。アフガン・ルバーブが入って、リズムはザルサンガの歌唱でも聞いた8分の6拍子のような、おそらくパシュトゥーンに特徴的なノリ。やはりこういう歌唱を聞きたいです。女性歌手でイスラム圏の敬称であるウスタッドが付いている人は、インドでは見たことがないように思います。

ustad Mahwash gule sab

Farida Mahwash - Come to Me in the Morning [ Pashto Folk Music ]

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2019年7月11日 (木)

ザルサンガ

パシュトゥーンの名女性歌手ザルサンガは、有名な人だけに沢山youtubeがありました。スタジオで録音をバックに歌っているものよりも、やっぱり生楽器の演奏をバックに歌っている一本目が素晴らしいです。音が小さいですが、砂漠に絨毯を敷いて座っている図だけで、絵になります。伴奏楽器にはアフガン・ルバーブと両面太鼓ドーラク、枠太鼓、口琴などが見えます。解説にZarsanga,Pashto folk singer's Pashto song in documentary "The Music of Baluchistan"by Director :Yves Billon,1989とある通り、バルチスタンの名が見えるので、地域的にはアフガニスタン南部に当たるのでしょう。2本目も生演奏を従えての歌唱ですが、カッワーリを想起させるノリで、リズムは8分の6拍子に聞こえますが、どうなのでしょうか。バックのセットは何となく浪曲も思い出させます。3本目も同じリズムですが、パンジャーブ地方のスィクの歌姫グルミート・バワにも少し似た感じに聞こえます。

Zarsanga Pashto waravi lasoona

Zarsanga Pashto Old is Gold Song

Zarsanga Best Tape

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2019年7月10日 (水)

ZarsangaとMahwash

ゼアミdeワールド168回目の放送、日曜夜にありました。10日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。

アフガニスタンの音楽も8回目になりました。手元に資料がありますのは、そろそろ後数枚ですので、それらを組み合わせてご紹介し、今回と次回でアフガニスタンはラストにしたいと思います。

まずは「ザルサンガ/パシュトゥーン人の歌」という盤です。アフガニスタンの最大の人口を誇る民族であり、国名の由来となったパシュトゥーン人の民謡を歌う女性歌手です。伴奏は弦楽器のルバーブと打楽器はタブラまたはドーラクです。1曲目のRo Ro Kedaと言う曲ですが、どこか遠く東インドはベンガルの放浪吟遊詩人バウルの歌に似て聞こえるのは私だけでしょうか。

<1 Zarsanga / Ro Ro Keda 7分44秒>


もう一曲Naghma Giitをおかけします。日本の民謡を聞いているような錯覚も覚えるラバーブのみの器楽曲です。

<3 Zarsanga / Naghma Giit 3分3秒>


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ここでライブ情報を入れます。

一昨年、去年と加藤吉樹さんのウード・ソロ・ライブを2年連続で催しましたが、今年も加藤さんがいらっしゃってライブを行うことになりました。関西から熊本までのソロ・ライブ・ツアーの一環です。宜しければ是非お越し下さい。



アラブ音楽ライブ ~ウードソロ~

7月31日(水)

開場 18時00分   開演 19時00分

 
会場 Cafeトーク・トーク 今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階

*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。

定員:25名限定      珈琲か紅茶のワンドリンク付き 2000円

演奏:加藤吉樹(ウード)


ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp   または 携帯090-8044-8535

携帯に出られないことも多いので、出来るだけメールでのご予約をお願い致します。

バックでかけているのは、Bint El Baladという3分余りの曲です。時間までお楽しみ下さい。

以上、ライブ情報でした。

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今日ご紹介するもう一人の女性歌手マフワシュは、60年代にラジオでデビューして、たちまち人気を博すも、ソ連のアフガーン侵攻で活動をストップ。91年にアメリカに移住して、音楽活動を再開したという人です。伊Accords Croisesから出た「ラジオ・カブール」に続く2007年の「アフガンのガザル」では、更にインド色が強く出ていて、愛の歌〈ガザル〉で歌われるのは、故郷への変わらぬ愛と郷愁のようです。伴奏は、Ghalil Gudaz(Sitar, Harmonium), Daud Khan(Sarod, Rubab), Gholam Nejrawi(Zirbaghali), Henri Tournier(Bansuri), Prabhu Edouard(Tabla)です。1曲目のDokhtar E Baghという曲をどうぞ。

<1 Mahwash / Dokhtar E Bagh 7分51秒>


1曲目はインド色濃厚でしたが、2曲目のKhuye Atashinはゼルバガリのソロに始まり、アフガンらしい音色のラバーブが目立っています。この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2 Mahwash / Khuye Atashin 4分22秒>

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