トルコ音楽

2018年5月 2日 (水)

カシモフ父娘の歌うオスマン古典音楽

今日の一本では、とても興味深い音楽が聞けます。名高い中東の悲恋物語「ライラとマジュヌーン」がテーマになっていたり、それを歌うのはアリム・カシモフ父娘というだけで話題性が大きい訳ですが、音楽がオスマン・トルコ古典音楽になっている所が最大の特徴だと思います。このゆったりと雅びで大らかな流れは、紛れもないオスマン音楽。Segah旋法の微妙な陰影も素晴らしいです。アゼルバイジャンがオスマン帝国に入っていた時代にはこういう歌が歌われていたのでしょうか。明らかにムガームとは別物に聞こえますし、カシモフ父娘の歌唱では、このタイプは初めて聞くような気がしますが、どうでしょうか? もしかしたら、一般の日本人が江戸時代の長唄を歌うような感覚でしょうか?
解説にFrom the Album "Spirit Of the East - Vocal music by Piris Elyahu"  A Collaboration between the Israeli composer Piris Elyahu and the Azeri Vocalists Alim Qasimov & Ferqane Qasimova.とあります。この盤は未確認でした。イスラエルのPiris Elyahuが関わっているということで、オスマン的なのかも知れません。イスラエルも昔はオスマン領。ユダヤ系の作曲家もかなりいたようですから。

Duet Of Leili and Majnunzabol Segah Piris Elyahu Alim & Fergane Qasimov

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2018年1月25日 (木)

篳篥の魅力

雅楽における旋律楽器の篳篥は、西域のドゥドゥクやメイと兄弟のような楽器で、一方西洋のオーボエの祖先の古楽器ショーム(:Shawm)のルーツを辿ると、中東のズルナになるようです。柔かい音色のドゥドゥクやメイと、けたたましいズルナも、親戚と言っていいダブルリード管楽器だと思いますが、柔かいグループのはずの篳篥が、結構けたたましかったりするのも面白いです。篳篥の話を、篳篥奏者の中村さんの映像で聞けました。メイなどの話も出てきました。中村さんには20年余り前に東京で勤務していた店で一度お会いしたことがありますが、西域のルーツも視野に入れた活動もされているのは、この映像で初めて知りました。楽器のルーツから雅楽を聴きなおす必要性を改めて感じました。メイを吹かれているところも、是非見てみたいものです。

「クラシック・ニュース」 篳篥奏者:中村仁美リサイタル!篳篥の魅力は!

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2018年1月24日 (水)

ドゥドゥク、バラバン、メイの聞き比べ

雅楽の篳篥のルーツは、中央アジアの亀茲国にあるそうです。亀茲は現在のウイグルのクチャ辺りで、2000年前の当時はアーリア人(インド系?)が住んでいたようです。このダブルリードの笛が東に亘って日本の篳篥になり、西に行った方はアルメニアのドゥドゥクやクルドのバラバン、トルコのメイになったと考えられます。アルメニアは亀茲国時代とアーリア繋がりでもあります。トルコも元はビザンツのギリシア人やクルド人、アルメニア人が住んでいたので、同じと言えば同じでしょうか。
音色の類似は明らかですが、それぞれの個性が、それぞれの民謡を引き立てます。実はメイだけ20年余り前から持っておりまして、久々に吹いてみましたが、大体1オクターブほどしか音域はないようです。狭い音域ですが、細かいメリスマを哀感を込めて表現できる楽器としては傑出していると思います。1本目はドゥドゥク、バラバンの順に吹いているようですが、メイは演奏寸前で終わっているようです。しかし、循環呼吸を上手く取り入れて、息継ぎ無しで演奏しています。2本目はメイの独奏ですが、なるほどこういうメリスマ(コブシ)を付けるのかと、大変参考になります。トルコのウズン・ハワに合うのは、やっぱりこの音色です。今週は後は、篳篥やオーボエとの聞き比べ、そして何よりもガスパリアン御大の動画があれば是非アップしたいと思っております。

Mey - Duduk - Balaban - Traditional Music of Turkey with Wooden Instruments

Mey İle Ne ağlarsın benim zülfü siyahım

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2015年12月18日 (金)

出店のお知らせ~ゼキ・ミュレンも

まず催しへの出店のお知らせです。明後日20日のバリパサールに出店します。28番でエントリーします。お近くの方はぜひ! どんどび芝っち広場(今治大丸跡地)で11〜20時です。宜しければ是非お越し下さい。
10月に初めて出ましたが、一部で大好評だったそうで、再びお声掛け頂きました。(11月は行きたいコンサートがあって欠席しました)
寒いのは苦手ですが(笑)、頑張ります。

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オスマン・トルコの大作曲家イスマイル・デデ・エフェンディ(1778-1846)の名歌、Yine Bir Gul Nihalですが、20~30年位前の一部リスナー間でのトルコ歌謡ブームの頃から日本でも人気のあった男性歌手ゼキ・ミュレン(1931-96)も、この曲を歌っていました。トルコ古典音楽の流れを継ぐ歌謡、サナートの名歌手で、1951年にラジオでデビュー後、国営ラジオの専属歌手として15年歌い、全盛期は1955年から63年の間と言われています。今日の歌唱はおそらくその頃の録音でしょうか、まだ女装されてないようです。

Zeki Müren | Yine Bir Gülnihal

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2015年12月17日 (木)

タンブール弾き語りの Yine Bir Gul Nihal

デデ・エフェンディのYine Bir Gul Nihalを、タンブール弾き語りで歌っている映像がありました。女性歌手Ayca Yesim(アイジャ・イェスィム)の歌唱です。この楽器は棹がとても長く、トルコ音楽の微細な音程(9分の1音)を表現できるように、フレットが沢山ついています。タンブールは専門ではないようですので、タンブール奏者オゼル・オゼルの独奏も一緒に上げておきます。ヴェリ・デデ作曲のヒジャーズ・ヒュマーユン旋法のサズ・セマーイ(10拍子が特徴的な楽曲形式)を弾いています。右手のメズラブさばきや、独特な装飾技巧もよく分ります。

Yine bir gulnihal - Soyleyen: Ayca Yesim

Özer Özel - Hicaz Hümayun Saz Semaisi

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2015年12月16日 (水)

Yine Bir Gul Nihal 再び

オスマン・トルコの大作曲家イスマイル・デデ・エフェンディ(1778-1846)の名歌、Yine Bir Gul Nihalについては、8年前に当ブログを始めて以来、何度も触れたように思います。「再び」というか、4,5回目かも知れません(笑) Mutlu Torunのウード教本で、移調して何度も登場することや、キルギス在住だったFさんに歌詞を訳して頂いて、その大意を載せたこともありました。この曲について語り尽くした感はありますが、久々に昨日のリンクの中にネスリン・スィパヒの歌唱をみかけましたので、今日また取り上げておきます。youtubeの高評価111に対し、低評価が0です! 彼女の歌唱は、ドイツのCMPから昔出ていたシャルク(トルコ古典歌曲のような形式)の名盤が強く印象に残っています。典雅で艶っぽい歌声が素晴らしく、オスマン時代を髣髴とさせる名歌手の一人だと思います。

Nesrin SİPAHİ-Yine Bir Gül Nihâl Aldı Bu Gönlümü (RAST)R.G.

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2015年12月15日 (火)

Dede Efendi の名曲

もう少しトルコの音楽を続けます。先週木曜の放送でガジ・ギレイ・ハーンと並んでかけた中に、大作曲家イスマイル・デデ・エフェンディ(1778-1846)の曲がありました。Yine Bir Gul Nihalなどでしたが、トルコSonyのトルコ古典音楽作曲家シリーズのデデ・エフェンディ編の収録曲がyoutubeにありました。これまた3拍子の魅力的な一曲です。この艶美な歌声、ウムット・アキュレクのような気もしますが、CDが手元にないため確認が出来ておりません。

Dede Efendi - Ey büt-i nev edâ olmuşum müptelâ

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2015年12月11日 (金)

Gazi Giray Hanのペシュレヴ

昨日10日は、予定通りFMラヂオバリバリのポレポレチロリンゴールドで、Al Surのウルヴィ・エルグネルの盤もかけました。冒頭を飾っているGazi Giray Han作曲とされているマーフール旋法のペシュレヴが非常に印象的で、オスマン古典音楽の典型のようにも聞こえるこの曲を中心に進めました。この盤のクドゥシ・エルグネルの解説によると、Gazi Giray Han(ガジ・ギレイ・ハーン 1554-1607)は、チンギス・ハーンの末裔で、クリミア汗国の13代目。トルコの支持によりハンになったという経緯からでしょうか、オスマン古典音楽の曲も残している軍人音楽家でした。勇猛な軍人でありながら、偉大な作曲家でもあり、様々な楽器も演奏できたそうです。youtubeで始めて肖像画らしき絵を見ましたが、ここまでアジア的な風貌の人だったとは、ちょっと驚きでした。youtubeにはマーフール以外の旋法のペシュレヴ(器楽による前奏曲のような楽曲)も上がっていました。

Nihavend Peşrev (Gazi Giray Han)

Mahur Peşrev - Bestekârı: Gazi Giray Han #GönülMakamı

上記ウルヴィ・エルグネルの盤に入っていたマーフールのペシュレヴですが、タンブールとベンディールだけの演奏で、曲の前にタンブールのタクシーム(即興)付です。微分音を弾き分ける微細なフレットの付いた超長棹のタンブールの演奏がよく確認できます。

Tatar Han Gazi Giray - Mahur pesrevi

オーケストラ伴奏つき

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2015年12月 8日 (火)

ウルヴィ・エルグネルのネイ

年末と言うことで、忘年会やら即売やらラジオ出演やらその他色々ありまして、その準備等でアップが不規則になっていますが、まだ続くと思いますm(_ _)m  即売は20日の今治どんどび芝っち広場での催し、バリパサールに出店(11時~20時)します。10月に続いて2回目です。ご都合宜しければ是非お越し下さい。
明後日10日20時からは2時間、ラヂオバリバリのポレポレチロリンゴールドに出ます。今回で4回目です。前と同じでサイマルラジオかスマホのアプリのTuneinを使えば、世界中どこでも聞けます。次の番組の方がお休みと言うことで、2時間ぶっ通しになりました。前回少しの紹介で終わった新内や謡曲から始めて、後半は色々かけようかと思いますが、このウルヴィ・エルグネルの名盤も予定しています。リリースは23年前で、今は無きAl Surから出ていました。80年代ワールドミュージック・ブームの立役者の一人、クドスィ・エルグネルの父上ウルヴィ中心のオスマン・トルコ古典音楽の名演です。向田邦子のTVドラマ「阿修羅のごとく」に使われたトルコ軍楽にも近い音楽です。後は何かリクエストがあって音源を持っていたら、それもかけるようにします。リクエストもお待ちしております。(クリスマスに近いのでチェロを持ち込んで弾いたりもありでしょうか)
今日のyoutubeは、父のネイ独奏によるウッシャーク旋法のタクシーム(即興)と、息子クドゥシ・エルグネルが父を思って演奏していると思われるUlviの2本です。クドゥシ・エルグネルは、昔は大体クツィ・エルグネルと表記されていました。本当はアルスール盤のような合奏が良かったのですが、youtubeは見当たりませんでした。1974年に50歳の若さで亡くなっているので、映像もほとんどないのかも知れません。息子の演奏、とても心に沁みる演奏です。

Ulvi

Uşşak Taksim - Ulvi Erguner

"Ulvi" -- Kudsi Erguner

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2015年4月 8日 (水)

Cecen kizi

加藤吉樹さんの今治でのコンサート、いよいよ明日になりましたので、一本上げておきます。オスマン帝国末期の大作曲家タンブーリ・ジェミル・ベイの名曲チェチェン・キュズ(チェチェンの娘)です。オスマン時代からサーカシアやチェチェンなど、北コーカサスからの移民もオスマン内には多くいて、この曲は可憐なチェチェンの娘を描写した曲でしょうか? この曲の解説を見かけた記憶が余りないのもので。加藤さんの師匠の常味さんもよく演奏されていました。この映像はつい数日前の演奏のようです。太鼓はダラブッカではなく北インドのタブラです。
明日はコンサート当日のため、ブログはお休みしますm(_ _)m

Cecen kizi

加藤吉樹(ウード)、ジャミーラ(Cemile Yildiz)(ウード)、四郎丸 喜代(フレーム・ドラム)、藤澤ばやん(タブラ):@永運院 2015年3月28日

3月20日のブログ
http://zeami-cd.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-8ea7.html

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