トルコ音楽

2020年11月12日 (木)

古代ギリシアの竪琴リラと、オスマン・トルコのヤイリ・タンブール

少し前に目に留まった動画ですが、古代ギリシアの竪琴リラの弾き語りを、主にオスマン・トルコの音楽で用いられる擦弦楽器ヤイリ・タンブールが伴奏する映像がありました。これは珍しい組み合わせで、音楽は少しインド音楽風にも聞こえます。ヘレニズムの時代には、インドまで視野に入っていたので、あり得る組み合わせかも知れません。この動画をアップしているのは、Seikilo Music and Moreとありますから、昨日のヘレニズム時代のセイキロスの曲との出会いから始まったのではと思われます。ヤイリ・タンブール奏者のTolis Preponisは、ヴァイオリンも弾くようです。見てみたいものですが、すぐには見つからずでした。

Aroma - Ancient Greek lyre and Yayli Tambur - Thanasis Kleopas

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2020年10月 1日 (木)

メリハット・ギュルセスの歌うレベティカ

メリハット・ギュルセスと言えば、トルコの古典歌謡、サナートのベテラン歌手として有名だと思います。最近では「アタ・テュルクのシャルク」、古くはTraditional Crossroadsから1996年に出たTatyos Efendiのトルコ古典声楽曲に名を連ねていました。サナートど真ん中の人かと思いきや、99年にレベティカ・ソングを含むアルバムを出していて、その中にBarba Yannakakisがありまして、「レベティコのディアスポラ」に収録されています。言うまでもなく、ハリス・アレクシーウの名盤タ・ツィリカの1枚目でオープニングを飾っていた曲です。タ・ツィリカからは、アマン・カテリーナ・ムーと、タイトルは少し変わっていますがTelgrafın Türküsü & İstanbul Türküsüもありました。Barba Yannakakisは、別名のように使われるKurbanと表記されています。他はウッシャーク・シルトと言う曲が、シルトスのリズムかと思うくらいで、17曲中の残りはサナートの範囲かなと思います。

Melihat Gülses - Barba Yannakakis


Melihat Gülses - Aman Katerina Mu

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2020年7月31日 (金)

ラウクとウズン・ハワ

「二人のアイヌール」で、クルドのラウクと、トルコのウズン・ハワを聞き比べたいと思います。同じフリーリズムの詠唱でも、クルドの方はぐっと突き刺さってくるようなインパクトの強い歌い方なのに対し、トルコの方はたゆたうような瞑想的な音の動きに特徴があるでしょうか。これは歌手の個性も大きいのだろうとは思いますが。アイヌール・ドーアンの方はLawikê Metînê / Heyderの前半がラウクですが、トルコのクルディスタンではラウィケと呼ぶのでしょうか? 別な動画では、この前半部分だけが「ウズン・ハワ」のタイトルで上がっていました。アイヌール・ハシュハシュはすっかり白髪になってからの歌唱のようです。最近の動画をいくつか見ましたが、リズミカルな曲よりも、ソフトなウズン・ハワ・タイプが増えているように思いました。

Aynur Doğan - Lawikê Metînê / Heyder


Aynur Haşhaş-Geçti Gönül Baharımız Yazımız(Uzun Hava)

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2020年7月29日 (水)

アイヌール・ハシュハシュ

今日はアイヌール・ハシュハシュの方を見てみます。放送ではかけられませんでしたが、YouTubeで話題になったと言う「Meyhaneci」も4本目に入れておきます。2012年のフランス映画「Mysterious Woman」で使用されたそうです。(以下放送原稿を再度)

もう一人のアイヌールとは、アイヌール・ハシュハシュという女性歌手で、2004年当時この人のGulistanという盤がリリースされていて、実はアイヌール・ドーアンより先に聞いていたものですから、たまたまその頃の問い合わせで「アイヌールのCDありますか?」と聞かれたことがありまして、間違えてこちらを紹介しそうになったことがありました。可憐なルックスに似合わず、先輩ハルク歌手のベルクス・アッカレばりのパンチの効いたハスキーで艶っぽい歌声は実に魅力的だと思います。同じ名前ですが、彼女はクルドではないようです。

プロフィールに「1994年には、民謡を含むファーストアルバム「Yesterday and Day」をリリース。有名なトルコのアーティストArifSağの指導のもと、1999年にセカンドアルバム「Yolculuk」を発表。サードアルバム「Yar Sesi」は、同じくArifSağの指導の下で準備さ​​れ、2002年にリリースされました」とありましたから、ギュリスタンはその2年後のアルバムになります。最近の動画で見ましたが、まだ47歳なのにすっかり白髪になっていて、ちょっとショックを受けました。(放送では最後の曲が全く入らないので、後でこの部分を削除しましたが、編集が上手くいかず繋ぎが不自然になってしまいました。大変失礼いたしました。)

5曲目は他の歌い手で聞いたことがある曲で、アゼルバイジャンの歌だったように思います。タールの音色が特徴的な3拍子か8分の6拍子の大変に美しいメロディです。

<5 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Men Onu Sevmistim 3分36秒>

Men Onu Sevmiştim | Aynur Haşhaş


次にAynur Haşhaşでyoutube検索すると上位に上がってきているギュリスタンの1曲目をおかけします。5拍子か10拍子の特徴的なアップテンポの曲です。

<1 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Icmisim Serhosum Bugun 3分37秒>

Aynur Haşhaş - İçmişim Serhoşum Bugün


2曲目のKirpiklerim Ok Eyleという曲は、いかにもアリフ・サーがバーラマで伴奏していそうな感じの、アナトリアらしい曲調の美しい曲です。

<2 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Kirpiklerim Ok Eyle 4分46秒>

Aynur Haşhaş - Kirpiklerin Ok Eyle


Aynur Haşhaş - Meyhaneci (Official Video)

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2020年6月 1日 (月)

トルコのスペイン系ユダヤ人の音楽

ゼアミdeワールド210回目の放送、水曜夜8時半と日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。動画はA la una yo nasiだけ、また後日。

トルコの27回目、トルコ民謡の4回目になります。宅録の際に、マイクの音がほとんど出ないトラブルがありましたので、再開されたラヂバリスタジオで再度収録しております。位相の問題だったようです。
今回はトルコの民謡と言う訳ではないのですが、「トルコのスペイン系ユダヤ人の音楽」と言う盤が1989年にアメリカのTitanicから出ていましたので、この枠で入れておきたいと思います。昨年末に放送で取り上げましたVoice of the Turtleのスペイン系ユダヤ人音楽シリーズの第1集になります。

15世紀のレコンキスタで、スペインのユダヤ教徒はイスラム教徒と共に追放され、北アフリカやバルカン半島など多くは旧オスマン帝国内に離散しました。スペイン系ユダヤ人は、セファルディーとも呼ばれます。セファルディは、ヘブライ語に忠実に言えばスファラディ、複数形はスファラディームになります。

セファルディーの民謡を演奏するグループVoice of the Turtle(山鳩の声)のCDですが、第1集トルコ編の他には、第2集がモロッコ編、第3集はブルガリアと旧ユーゴスラヴィアのバルカン編と、第4集ロードス島とサロニカ編もありますが、第4集だけ入手出来ておりません。第5集が年末にクリスマス音楽と一緒にかけました「ハヌカー・コンサート」になります。いずれも旧オスマン帝国内になりますので、今回取り上げても良いのですが、長くなりますので、またそれぞれの時に入れようかと思います。

楽器編成は、ギター、ヴァイオリン、バーラマ、マンドリン、ウード、ダンベク、ナッカーラなどで、スペイン古楽や中東の楽器が多く見えます。セファルディーが暮らした頃のスペインは、後ウマイヤ朝以来800年近く続いたイスラーム諸王朝でしたから、音楽にもアラブ的な面は多分に入っています。
前置きはこれ位にしまして、第1集トルコ編から、1曲目のLa prima vez(初めて、あなたを見た時)という曲をどうぞ。

<1 Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkey ~La prima vez 3分11秒>

La Prima Vez


セファルディーがスペインから追放されたのは、1492年が中心と言うことで、500年経った1992年に出たセファルディー音楽の盤には、一般によく知られる「コロンブスのアメリカ大陸発見から500年」ではなく、「スペインからのセファルディー追放から500年」と言うシニカルなコメントが付いていた盤がありました。

セファルディーが話すのは、中世までスペインにいた頃のユダヤ訛りのスペイン語で、ラディーノ語と呼ばれます。ユダヤの宗教語であるヘブライ語の語彙は入っていても、音としてはスペイン語としか聞こえない言葉が、イスタンブールやブルガリアなどで聞こえることの不思議を強く感じます。

「ドナ・ドナ」に代表される東欧系ユダヤのイディッシュ民謡も悲しい音楽が多いですが、セファルディー音楽の方もイディッシュやクレズマーとは異なる風合いの哀切さがあります。スペインらしい乾いた感じの美しいメロディが多く、古くは1980年代にエステル・ラマンディエがハープ弾き語りをしていたイメージと重なる人もいらっしゃるかと思います。

7曲目のDurme, durme mi linda donzeyaは、恋人の女性へのララバイで、これも哀切なメロディです。

<7 Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkey ~Durme, durme mi linda donzeya 3分40秒>

Voice of the Turtle - "Durme, durme mi linda donzeya" - (Sephardic Jewish Music from Turkey)


10曲目のDe edad de kinzay ányoz(15歳から)という曲は、キュルディ旋法のリズミカルな曲で、7曲目のようによく知られてないけど、私は最初から強く印象に残った曲です。

<10 Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkey ~De edad de kinzay ányoz 3分47秒>

Voice of the Turtle - "De Edad de Kinzay Anyoz" - (Sephardic Jewish Music from Turkey)


ラストの19曲目を飾っているA la una yo nasi(第一に、私は生まれた)という曲は、バルカン諸国のセファルディーの歌として広く知られている曲とのことですが、ハンガリーのSzól a kakas márという曲にかなり似ています。こちらは東欧系ユダヤの歌ですので、旋律がバルカンのセファルディーに流れたのか、単なる空似か、どちらでしょうか?

<19 Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkey ~A la una yo nasi 4分40秒>

では最後に5曲目のO madre mia(おお、私の母よ)を聞きながら今回はお別れです。トルコとブルガリアの戦争の悲劇を反映した歌で、スペインを離れてからバルカンで生まれた曲も多いことが分かります。とてもセファルディーらしい哀感の溢れた一曲です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkey ~O madre mia 5分>

Voice of the Turtle - "O madre mia" (Sephardic Jewish Music from Turkey)

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2020年5月25日 (月)

マイク音量が。。(*_*;

2週続けてマイクの音がほとんど出ていませんでした。聞いて頂いた方、本当に申し訳ございません。10日分のモノラルプラグの時にもスタジオでステレオへのマイク音声の加工が必要でしたが、問題は接続をステレオプラグに変えてからで、録音ソフト上ではちゃんと波形が出ているのに、人間の耳には聞こえないけど機材が反応するノイズがあるそうで、そのノイズが大きいことで、大きな音をある一定の音に制限をかける装置が働いているのでは、と言うことでした。17日分は明らかに大き過ぎたので、24日分では音量を控えて波形もちょうど良いと思っていただけに残念です。ノイズ除去とレベルアップの方法はあるようですが、そんなにスタッフの方にお手を煩わせられないので、スタジオ再開したことですし、次回からラヂバリスタジオで録ります。17日分については、かすかにマイクの音も聞こえましたし、既にブログにも色々書きましたので、24日分を今週の収録で再録音しようと思います。放送の原稿を上げるのも来週の月曜にします。足並みそろえて番組を休んでおけば良いのに、結局安物買いの銭失いでした(苦笑)
と言うことで、今週はブログもまばらになるかと思います。動画は、未アップのアシュク・ヴェイセルです。

Aşık Veysel-Hiçbir Türlü Bulamadım Ben Beni

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2020年5月22日 (金)

ブズーキとバーラマ

今日はギリシアとトルコの代表的な弦楽器、ブズーキとバーラマの映像を上げておきます。ブズーキは、ギリシアではあってもブルガリア系少数民族ポマクの演奏家の映像です。(ギリシア人の演奏は、ギリシアに回った時に取り上げます)タイトルのギリシア文字、ΣΜΙΝΘΗ ΜΟΥΣΤΑΦΑ ΑΧΜΕΤΣΙΚ ΠΟΜΑΚΟΙは、スミンティ・ムスタファ・アフメツィク・ポマコイと読めると思います。ムスタファとあるので、ムスリムと分かります。
ブズーキの原型はトルコのサズにあり、サズの中型のバーラマは、ギリシアの小型ブズーキのバグラマに名前が残っています。
2本目はバーラマ弾き語りのアシュクの名人中の名人、アーシュク・ヴェイセルの生映像。まだ何本か巨匠を生で拝める古い映像がありました。しかも28分を越えるモノクロ映像。是非「語り部」の弾き語りをじっくりご堪能下さい。解説に曲目を書いている人がいました。

05:17 - 08:28 uzun ince bir yoldayım
09:42 - 13:36 hiçbir türlü bulamadım ben beni
16:42 - 20:14 Kafidir
22:36 - 26:42 Kara toprak

ΣΜΙΝΘΗ ΜΟΥΣΤΑΦΑ ΑΧΜΕΤΣΙΚ ΠΟΜΑΚΟΙ.wmv


Aşık Veysel

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2020年5月20日 (水)

記事数3000はポマク

遂にゼアミブログの記事数が3000になりました。3000回目は何が来るかと思ったら、ポマクでした。番組を持つ前の何年か前にも取り上げたように思いますが、やはりトルコにスラヴ系のブルガリア人が住んでいたとは驚きです。バルカンのギリシア、ブルガリア、マケドニアにもポマクはいて、ブルガリア側でムスリムはポマクと呼ばれるようですので、pomak türküleriで検索してみました。少しでもトルコ側率が上がるように思いまして。
1本目は衣装もそれらしいので、ブルガリア側の映像では。放送でかけたタンブールは、この弦楽器だと思います。2本目の男性のヘテロフォニックな合唱は、おそらくトルコ側ではないかと思います。耳に手をかざして朗詠のように歌われる節は、日本の木遣りにちょっと似た感じです。

Pomak Yöresel Türküleri


Pomakça Türkü-Biga Pomaklar Derneği

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2020年5月18日 (月)

Aşık Veyselの歌声

ゼアミdeワールド209回目の放送、日曜夜10時にありました。20日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。前回CDのノイズがあったのと、マイクがモノラルだったので、ステレオのプラグを入手しましたが、抵抗が入っているのかレベルが上がらないので、ボリュームバランスを上げたら割れていたようです。調整されて放送されるとマイク音量は逆に小さくなっていました。次回はこの問題を何とか克服したいと思います。今日の動画はアシュク・ヴェイセルのみにしておきます。何とカラ・トプラクの生映像がありました。

トルコの26回目、トルコ民謡の3回目になります。
トルコのサズ弾き語りの吟遊詩人をアシュクと言いますが、アシュク・ヴェイセルは、その代表的な名歌手です。この番組をずっと聞いて頂いている方には、中央アジアの吟遊詩人と繋がる何かを感じて頂けるのではと思います。1894年生まれ1973年没の、このアナトリアの盲目の吟遊詩人が視力を失ったのは、オスマン時代末期に流行った天然痘によってだそうです。どこの国でも盲人が音楽の才能を花開かせる例をよく聞きますが、ヴェイセルもアシュクの伝統を現代に繋いだ名人中の名人として讃えられている人です。

トルコのKalan Muzikのベスト盤から、淡々としながらも味わい深い1曲目の「黒い大地」と訳せる8分を越える大曲と、対照的にリズミカルな16曲目を続けておかけします。16曲目は「至高の山に雪が降る」と訳せるのではと思います。

<1 Kara Toprak 8分37秒>

Aşık Veysel-Kara Toprak


<16 Yüce Dağ Başında Kar Var 2分44秒>

Aşık Veysel - Yüce Dağ Başında Kar Var [ Toprağa Çalan Türküler © 2008 Kalan Müzik ]


今回の後半は「トルコのブルガリア系少数民族、ポマック族の伝統音楽と歌」という盤をご紹介したいと思います。注目作を連発するトルコのKalan Muzik Yapimから98年に出た盤で、トルコにスラヴ系のブルガリア人がいたという点に何よりも強い関心を覚えました。ロシア語で歌のことを「ペスニャ」と言いますが、この盤では「ペスナ」という表記になっていて、正にスラヴ系の証しのような言葉の類似に驚きました。ブルガリアや旧ユーゴの南スラヴ語派に関心のある人は要チェックだと思いますが、これらバルカン諸国は長らくオスマン帝国に入っていたので、やはり音の印象はかなりトルコ風です。

2009年のゼアミブログには次のように書いていました。
ポマクとは、バルカン半島全域がオスマン帝国支配下だった頃に、キリスト教からイスラム教に改宗したブルガリア人の子孫のことで、広く知られているのはブルガリアに住むムスリムのポマクのようです。ウィキペディアによると、ポマクの名前はポムチェーン помъчен(拷問された) あるいは ポマガーチ помагач(占領者への協力者)に由来しているとのこと。ポマガーチという単語はロシア語と同じですから聞き覚えがありました。ロシア語なら「ガ」にアクセントが来るので、パマガーチとした方が近そうですが。

この録音には、タンブール(サズ系の素朴な方)の弾き語りと、女性と男性の独唱が入っています。
2曲目の「イスタンブールのシュクリュ・パシャ」は、あるいはエンヴェル・ホッジャとなっていて、年代的には合わないのでアルバニアの独裁者と関係ありかどうかは不明です。1912年にブルガリア軍に彼らの土地が支配された時に、ポマックの人々がいかに苦しんだかを歌っているとのことです。

<2 Şükrü Paşa İstanbul'da 6分14秒>

7曲目から女性の独唱に変わります。やはり哀歌の一種のようですが、「家を出て結婚したい人に伝えて」と訳せるでしょうか。

<7 Sus Hafifçe Çekiştir Anacığım 4分17秒>

ラストの16曲目は「あなたは黒い服で喪に服している」と言うトルコ語の歌で、フリーリズムの節回しの自在さがジプシー風にも聞こえます。短いですが、独唱の中では一番驚いた曲でした。「非イスラム教徒の孤児の少女をイスラム教に改宗するよう説得する」という内容のようです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<16 Kareler De Geymiş Yastadır Başı 1分20秒>

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2020年5月14日 (木)

トルコのSarı Gelin +イボ・ショー

哀切なメロディが忘れられない名歌Sarı Gelin(サル・ゲリン)については、長らくアルメニアの歌だと思っていました。ベルクス・アッカレのセヘル・ユルドゥズの2曲目では、アルメニアらしいドゥドゥクの柔らかい音から始まりますが、アリフ・サーの渋い男性独唱で入っていて、これまでのイメージが少し変わったものです。この旋律は、南コーカサスのアルメニアやアゼルバイジャン、イラン、東トルコで共通して歌われていて、ルーツがどこにあるのかは諸説あるようです。マカームはバヤーティと言うことで、この旋法には改めて名旋律が多いと思いました。
おまけで2本目はイブラヒム・タトルセス司会の100分近いショー映像。ベルクス・アッカレとアリフ・サーのデュエットも出てきますが、曲によってトルガ・サー(アリフ・サーの息子?)とエルダール・エルジンジャンもバーラマで加わります。1997年ですから、アラベスクの帝王イブラヒム・タトルセスもまだ40代、他の人達も50代までで、脂の乗り切っていた時期です。イボというのはイブラヒム・タトルセスの綽名でしょうか。イボ・ショーというタイトルになっています(笑) 当たり前ですが、タトルセスの歌の上手いこと! この映像を見て、ベルクス・アッカレは小柄な女性だと分かりました。

Sarı Gelin


Arif Sağ,Tolga Sağ, Belkıs Akkale ve Erdal Erzincanlı - İbo Show (1997) 21. Bölüm

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