チェロ

2024年10月17日 (木)

ハイフェッツとピアティゴルスキーのパッサカリアも

番組でかけたハイフェッツとプリムローズのパッサカリアは2本目ですが、ハイフェッツとピアティゴルスキーの演奏もありましたので、1本目に入れておきます。この録音、もしかしたらYouTubeで聞いただけかも知れません。ピアティゴルスキーと言えば、ローゼン師匠の師匠で、ハイフェッツのエピソード含め色々お聞きしました。ローゼンさんもデルモニとこの曲を入れていて、これはCDで持っています。やはり最近の演奏よりはテンポゆったり目だと思います。(以下放送原稿を再度)

前回「死ぬまでに弾きたい曲」として2曲取り上げました。ヴァイオリンとヴィオラまたはチェロの技巧を凝らした唯一無二の二重奏曲になっているヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアを最初にかけました。「古くはハイフェッツとピアティゴルスキーの二重奏もありました。」と言っていたので、その音源もと思い探しましたが、チェロのピアティゴルスキーとの演奏が見つからず、代わりにヴィオラのプリムローズとの二重奏はありましたので、その音源をおかけしたいと思います。

Handel-Halvorsen - Passacaglia - Jascha Heifetz, Gregor Piatigorsky

<ヤッシャ・ハイフェッツ & ウィリアム・プリムローズ / Passacaglia in G Minor (After Handel's HWV 432) 6分41秒>

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2024年10月 9日 (水)

ユリア・フィッシャーとダニエル・ミュラー・ショットのパッサカリア

ヘンデル / ハルヴォルセンのパッサカリアを誰の演奏で最初に見た(聞いた)か、思い出しました。2009年にアップされているユリア・フィッシャーとダニエル・ミュラー・ショットの二重奏の映像でした。当時26歳くらいのユリア・フィッシャーは、今では中堅の大ヴェテランで、現代ヴァイオリニストの最高峰の一人と言って良いと思います。ダニエル・ミュラー・ショットも中堅のヴェテランで、数年前にBSのクラシック倶楽部で来日公演の映像を見かけました。
この曲は視覚的なインパクトが大きく、特にヴァイオリンやチェロを弾く者にとっては、これほどワクワクする映像も少ないと思います。2009年と言えば、YouTubeが本格化して数年だったと思いますが、この映像の影響もあってでしょうか、爆発的に音源や映像が増えたように思います。私のiPhoneにはストリーミングから拾った音源中心に20種類位入っていて、先日番組でかけた2つ(宮本笑里とツケメン)は、その中から選びました。楽譜も2010年頃に手に入れました。90年前後にハイフェッツとプリムローズで聞いたようにも思いますが、ハイフェッツにしては意外に大人しく当時は映像もなかったので、ほとんど記憶に残っていませんでした。

Julia Fischer & Daniel Muller-Schott - Handel-Halvorsen Passacaglia (HQ)

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2024年10月 7日 (月)

ヘンデル / ハルヴォルセンのパッサカリア

ゼアミdeワールド431回目の放送、日曜夜10時にありました。9日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はパッサカリアの方ですが、番組でかけた宮本さんの音源はYouTubeには見当たらないので、高松あいさんの映像で。若手の素晴らしいヴァイオリニストです。

いきなり超絶技巧アンサンブル!【パッサカリア:ヘンデル-ハルヴォルセン(HANDEL・HALVORSEN:Passacaglia)】

クラシックをまとめて取り上げるのは今回までにして、次回からは東欧の西スラヴから地域別のシリーズに戻る予定です。その中でもスメタナやショパンの曲などクラシックもかけますが。

今回は「死ぬまでに弾きたい曲」として2曲選んでみました。所属している弦楽合奏団では70歳位で引退するメンバーが多いので、そう考えるとあと8年ですから、その間に弾けるかどうかの難曲です。

まずはヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアです。ヘンデルの原曲を作曲家でヴァイオリニストのハルヴォルセンが編曲していますが、ヴァイオリンとヴィオラまたはチェロの技巧を凝らした素晴らしいアレンジの唯一無二の二重奏曲になっています。ヨハン・ハルヴォルセン(Johan Halvorsen, 1864 - 1935)は、ノルウェーの19世紀の作曲家で、ほとんどこの曲の編曲だけがよく知られているようです。元々ヴァイオリンとヴィオラのために書かれていますが、どちらかと言えばヴァイオリンとチェロの編曲の方で広く弾かれていると思います。最初に誰で聞いたか覚えていませんが、これほど美しくかっこいい曲があるのかと衝撃を受けました。古くはハイフェッツとピアティゴルスキーの二重奏もありました。

まずは宮本笑里の音源でおかけしますが、CDは持ってないので、チェロが誰なのか不明でした。艶っぽいヴァイオリンの音色がこの曲にぴったりで、とても気に入っています。

<宮本笑里 / birth ~パッサカリア 6分29秒>

パッサカリアは木曜のチェロメンバーと出来る部分だけ少し合わせてみましたし、簡略版の弦楽四重奏編曲なら何とかなりそうです。難関は後半の速い4オクターブ近いスケールの部分と、フラジオの部分、激烈なエンディング辺りです。パッサカリアはチェロパートも少しさらっています。パッサカリアと言えば、バッハもオルガン曲に名曲「パッサカリアとフーガ ハ短調」を書いていますが、ルーツを辿るとシャコンヌと類似のスペインあるいは南米起源の遅い3拍子の舞曲で、バロック時代に純器楽曲として様式化されています。ウィキペディアには「パッサカリアとチャッコーナ(シャコンヌ)は芸術音楽の領域に取り込まれるようになって、共にオスティナート・バスに基づく3拍子の変奏曲となり、関係が深くなっていった。主にパッサカリアは短調、チャッコーナは長調の定型が用いられた。」とありますから、バッハやヴィタリのシャコンヌは例外と言う事になります。現代音楽ではシェーンベルクの浄夜などと並んで後期ロマン派音楽の最後を飾る、ウェーベルンが書いた名曲パッサカリアがあります。因みに、南米のパサカージェについては、大分前に南米の音楽をゼアミブログで探っている時に取り上げたことがあります。

次に同じパッサカリアを今治でもコンサートがあった男性のデュオ、ツケメンの演奏でおかけします。ヴァイオリンとヴィオラの二重奏です。

<TAIRIKU(TSUKEMEN) / MIZUTANI×TAIRIKU ~パッサカリア (ハルヴォルセン編曲) 6分41秒>

もう一曲はポーランドの名ヴァイオリニスト兼作曲家だったヴィエニャフスキ(1835-1880)が書いたスケルツォ・タランテラと言うピアノ伴奏のヴァイオリン独奏曲です。70年代頃からパールマンがよく弾いていたイメージがありまして、華やかなヴァイオリン技巧を披露する類似のヴィルトゥオーゾ・ピースには前から余り興味はないのですが、この曲については名人芸の中に高い音楽性と歌心が感じられまして、数年前から猛烈に弾きたい曲になりました。D線で朗々と歌うように弾く旋律が最高に美しく、これを弾きたいからと言うのもあります。後半ではその旋律がタランテラの速い部分と絡んでますます面白い展開になります。先で触れる予定の南イタリアの舞曲タランテラもそうですが、この数回で出てきた色々な舞曲が、現代のヨーロッパで継承されているか否かも、今後探ってみようと思っているポイントです。
それではスケルツォ・タランテラを一番有名にしたのではと思われる往年の名手ヤッシャ・ハイフェッツの古い録音でおかけしてから、クラシックに留まらず東欧やアイルランド等の民族音楽の領域にも越境している現代のヴァイオリンの鬼才ジル・アパップの演奏を続けます。ジル・アパップの伴奏は、ピアノではなくアコーディオンです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ヤッシャ・ハイフェッツ & Arpád Sándor / The Heifetz Collection (1925 - 1934) - The First Electrical Recordings ~Scherzo - Tarantelle, Op. 16 4分20秒>
<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Scherzo-Tarantelle 4分52秒>

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2024年10月 4日 (金)

無伴奏チェロ組曲2番のプレリュード

バッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードは、長谷川陽子さんの音源で上がっていました。この盤は廃盤だと思いますから。と言う事は、「シャコンヌ」の方はまだカタログ上生きているのかも知れません。メヌエットとジーグは、番組でかけたロストロポーヴィチの1955年プラハ録音では上がってないと思いますので、長谷川さんの演奏で入れておきます。(以下放送原稿を再度)

次に同じく長谷川陽子さんの演奏でバッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードをおかけしたいと思います。この曲について15日の放送で、「ある番組を見たことから、今治にUターンした2005年の43歳の年に、ヴァイオリン編曲版ではなく、チェロで無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードを弾いてみたい、と言う動機でチェロを始めた」と言っておりましたので、今回シャコンヌの次に入れてみました。
この曲をチェロで弾いてみたいという強い動機がなければ、43歳でチェロを始めてクラシックに戻り、再びヴァイオリンを弾くこともなく、そのまま新内の三味線を弾いていたのではと思います。現在一緒に活動している弦楽合奏団のメンバーとお会いすることもなかったでしょう。更に2014年のまかな瑠音さんのライブにゲストで呼ばれてチェロを弾いたことで、ちろりんさんと知り合いまして、彼の番組に呼ばれて「番組を持ってみたら」と言って頂いたことで、私のこの番組が始まりました。このように大きな転機の際にバッハの曲があるという気がしています。
バッハの無伴奏チェロ組曲と言えば、ヨーヨー・マのCMで使われたことから1番のプレリュードばかり有名になってしまって、他の35曲がほとんど一般には知られてないのが大変に残念に思っています。6曲の各組曲はそれぞれ6曲から成っていますので、全部で36曲ありますが、他に比較的知られているのは、3番のブーレ位でしょうか。
実は、私が弾いてみたいと思った2番のプレリュードを見たのも、実はヨーヨー・マの2004年のBSのチェロ・レッスン番組でした。80年代にロストロポーヴィチの2番と5番のLPで聞いて以来好きな曲でした。ローゼン師匠の発表会で弾いたこともありますし、ずっと暗譜はしていますが、短調の内省的な音楽なので、ほとんどの催しの場に合わないように思いまして、なかなか弾く機会はないままです。

<2-1 長谷川陽子 J.S.Bach - The Complete Cello Suites [Disc 2] No.2 i. Prelude 4分38秒>

無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008 メヌエット

無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008 ジーグ

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2024年10月 3日 (木)

Tanya Anisimovaのスーフィー・ソウル

昨日バッハのシャコンヌとロカテッリのチェロ・ソナタを上げたTanya Anisimovaの音源を調べてみましたら、Sufi Soulと言う2006年の盤がありました。ジャケットにもイスラム教徒らしい衣装で写っていて、これを見てまた驚きました。超絶技巧で驚き、チェチェン生まれで驚き、イスラム教徒かも知れないという事で、3度驚きました。チェチェンでスーフィズム(イスラム神秘主義)が盛んなのは有名ですが、この人はクラシックのチェリストなので、チェチェンでは少数派のロシア人かと思ったら、チェチェン人だったのかも知れません。ロシア人だから、94年にチェチェン紛争が始まった時に亡命したのだと思っていましたが、違ったのでしょうか。この3度の驚きで、ますます関心が強まりました。
彼女のその他の音源には、ストリーミングで表示されている年があっていればですが、2003年にチェロでの無伴奏ヴァイオリンのソナタとパルティータ、2004年に無伴奏チェロ組曲が、それぞれ全曲で出ています。無伴奏ヴァイオリンの編曲の方では、原調で弾いているようですが、一部音をオクターブ下げて弾いている箇所がありました。当時はクラシックからすっかり離れていたので、聞き逃してしまっていました。今日は取り合えずスーフィー・ソウルから2曲上げておきます。2曲目は「アドナイ」と言うヘブライ語かも知れないタイトルで、これで4度目の驚きです(笑)

Sufi Suite For Cello Solo, After Rumi

Adonai For Cello and String Orchestra

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2024年10月 2日 (水)

チェロによるシャコンヌ Tanya Anisimova

Tanya Anisimovaは、何年か前に2本目の難曲として有名なロカテッリのチェロ・ソナタを見て、大変驚いたチェリストでした。バッハのシャコンヌもありました。月曜にアップした後で、YouTubeのページを更新したら出て来ました。この人もロシア系ですが、月曜のAlexei Romanenkoと同じくアメリカで活動しています。1994年にアメリカ国籍を取得していますが、生まれた場所は何とチェチェンの首都グローズヌィでした。チェチェン紛争が始まったのと同時に移住したようです。テクニックの凄さも、生まれた場所も、驚きの連続です。このシャコンヌの壮絶なフィンガリングには、またもやびっくり仰天しました。

J.S. Bach, Chaconne (arr. Tanya Anisimova)

The Best Ever Locatelli Cello Sonata in D - Tanya Anisimova - Cello, Pi Hsun Shih - Piano

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2024年9月30日 (月)

チェロによるシャコンヌ Alexei Romanenko

ゼアミdeワールド430回目の放送、日曜夜10時にありました。2日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。チェロによるシャコンヌは長谷川陽子さんの演奏ではYouTubeにもなかったので、Alexei Romanenkoの演奏で上げておきます。ニ短調で弾いています。2008年のゼアミブログにはKalman Imreの演奏で上げていました。16年も前になっていて驚きました。当時は非常に驚いたものですが、その後続々とチェロで弾く人が出て来ています。

J.S. Bach. Chaconne from violin partita 2 in d minor bwv 1004 (arr. for solo cello A. Romanenko).

前回はJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのパルティータ2番のシャコンヌをヘンリック・シェリングの名演奏でおかけしました。この曲にはブゾーニのピアノ版などの編曲が色々ありますが、チェロで弾かれることもありますので、長谷川陽子さんのチェロ独奏でおかけしておきます。オリジナルのニ短調と5度下げたト短調の二通りで弾かれることがありますが、ヴァイオリンと同じニ短調ですと、E線(英語音名ではイーセン、ドイツ音名ではエーセン)のないチェロではハイポジションを多用しないと弾けないので、難度は上がりますが、音に張りがあって原曲に近い響きになると思います。更にはヴァイオリンとチェロでは指の幅が倍になりますので(ヴァイオリンの全音の幅はチェロでは半音)、ただでさえ難しい曲がチェロだと輪をかけて難しくなってきます。ヴァイオリンのように4つの重音が一度には押さえられず、下のポジションで2本弾いてから即座に上のポジションに移って2本鳴らすという方法が取られます。ヴァイオリンにはない低音があるので迫力はあると思いますが、動画以外で実演を見たことはないです。
長谷川陽子さんは、日本を代表する女性チェリストで、2012年に出たアルバム「シャコンヌ」でこの曲を入れています。ストリーミングではこの盤の他の曲は聞けてもシャコンヌだけは聞けないようです。好きなチェリストで、私は大体のリリース作を持っていました。

<17 長谷川陽子/仲道祐子 無伴奏Vnのための組曲第2番BWV1004〜シャコンヌ 15分47秒>

次に同じく長谷川陽子さんの演奏でバッハの無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードをおかけしたいと思います。この曲について15日の放送で、「ある番組を見たことから、今治にUターンした2005年の43歳の年に、ヴァイオリン編曲版ではなく、チェロで無伴奏チェロ組曲2番のプレリュードを弾いてみたい、と言う動機でチェロを始めた」と言っておりましたので、今回シャコンヌの次に入れてみました。
この曲をチェロで弾いてみたいという強い動機がなければ、43歳でチェロを始めてクラシックに戻り、再びヴァイオリンを弾くこともなく、そのまま新内の三味線を弾いていたのではと思います。現在一緒に活動している弦楽合奏団のメンバーとお会いすることもなかったでしょう。更に2014年のまかな瑠音さんのライブにゲストで呼ばれてチェロを弾いたことで、ちろりんさんと知り合いまして、彼の番組に呼ばれて「番組を持ってみたら」と言って頂いたことで、私のこの番組が始まりました。このように大きな転機の際にバッハの曲があるという気がしています。
バッハの無伴奏チェロ組曲と言えば、ヨーヨー・マのCMで使われたことから1番のプレリュードばかり有名になってしまって、他の35曲がほとんど一般には知られてないのが大変に残念に思っています。6曲の各組曲はそれぞれ6曲から成っていますので、全部で36曲ありますが、他に比較的知られているのは、3番のブーレ位でしょうか。
実は、私が弾いてみたいと思った2番のプレリュードを見たのも、実はヨーヨー・マの2004年のBSのチェロ・レッスン番組でした。80年代にロストロポーヴィチの2番と5番のLPで聞いて以来好きな曲でした。ローゼン師匠の発表会で弾いたこともありますし、ずっと暗譜はしていますが、短調の内省的な音楽なので、ほとんどの催しの場に合わないように思いまして、なかなか弾く機会はないままです。

<2-1 長谷川陽子 J.S.Bach - The Complete Cello Suites [Disc 2] No.2 i. Prelude 4分38秒>

それでは最後に、先ほど名前の出ましたロストロポーヴィチのスプラフォンからの全曲盤から、2番の組曲のメヌエットからジーグにかけてを聞きながら今回はお別れです。1955年プラハでのライブ録音です。2番は全曲好きなので、6曲全て練習しましたが、特にサラバンドとメヌエットはプレリュードに次いでよく弾きました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<11 Mstislav Rostropovich / Suite No. 2 For Solo Cello In D Minor, BWV 1008: V. Menuet I, II 2分32秒>
<12 Mstislav Rostropovich / Suite No. 2 For Solo Cello In D Minor, BWV 1008: VI. Gigue 2分18秒>

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2023年7月14日 (金)

メッツェナー氏のクラシック演奏 パッサカリアとイザイ

結局エドワード・メッツェナーさんのクレズマー・ヴァイオリンをフィーチャーした映像は見つけられず終いでした。何でクレズマーに目が向いたのかも謎のままです。クラシック演奏の方はかなりありますので、新倉瞳さんと夫婦でのヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアの一部と、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ1番を上げておきます。このヴァイオリンとチェロ版のパッサカリアは前々から憧れの曲で、両パート練習していますが、人生の残り時間で果たして弾けるかどうかと思っている難曲です。全曲は10分余りあったと思いますので是非見たいものですが、アップされないでしょうか。イザイの無伴奏1番は、ヨーゼフ・シゲティに献呈された独奏曲で、この曲を暗譜出来る人の頭の中はどうなってるのだろうかと思う程の難解な難曲です。3本目はハイベ・バラガンで検索すると上位に上がっている動画ですが、大体この位の1,2分の映像がほとんどです。気に入ったらライブに足を運んでね、と言うことだと思います。それと番組でかけた音源はファーストアルバムのDer Nayer MantlからはYouTubeは見当たらず、2,3枚目がほとんどのようです。
ハイベ・バラガンは、ギタリストがイディッシュ語歌唱をよく聞かせているので、メッツェナーさんと二人は容貌からもユダヤ系ではと思いましたが。メッツェナーさんはフランス系スイス人とのことです。フランスのBudaから「フランスのユダヤ音楽の遺産」シリーズが出ているように、フランスでは戦後もドイツ程ユダヤ人人口が激減してないので、もしやと思いますが。

Edouard Mätzener and Hitomi Niikura @Rimini Bar

Edouard Maetzener - Ysaye Sonata No 1

Cheibe Balagan @ Schlauer Bauer Openair

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2023年7月12日 (水)

ハイベ・バラガン&新倉瞳

ハイベ・バラガンは2017年に来日、ジャパンツアーしていたのですね。地方にいると東京のライブ情報に疎くなりますし、ユダヤ音楽から久しく離れてもいたので、動画を調べるまで全く知りませんでした。シカラムータのお二人とセッションしている映像もありました。最近は95年頃のクレズマーの聴衆とは、かなり入れ替わっているでしょうか。
幾つか見た限りでは、ヴァイオリニストのメッツェナーさんは、コルンゴルドの難解なヴァイオリン協奏曲を弾く程の腕前なのに、クレズマーのライブでは、ヴァイオリンはむしろリズムセクション的な方に回って、歌って踊っている方が多い様にも見えました。このはっちゃけ具合は、どういうことでしょうか(笑) 最近作の幾つかの曲では、旋律は奥さんの新倉瞳さんのチェロに譲ってる感もあります。公式サイトに上がっているユーモラスな動画には、腹を抱えて笑ってしまいました(笑)が、やっぱりヴァイオリンのソロも見てみたいものですので、また探してみます。ユーモラスな動画は、また後日。
一本目は、2018年に出たセカンドアルバムのSumer in Odesから、Mayn Seideです。新倉さんのチェロが朗々と聞かせる旋律は、どこかハンガリーの時に聞いた作者不詳のチャールダーシュに似ています。2本目は日本ツアーのまとめ映像で、ここで流れている曲もMayn Seideです。

"Mein Seide" (My Grandfather)

Cheibe Balagan Japan Tour

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2023年7月10日 (月)

新倉瞳さんとクレズマーバンドCheibe Balagan

ゼアミdeワールド367回目の放送、日曜夜10時にありました。12日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は新倉瞳さんがクレズマーに関わるようになったきっかけについてのお話が中心の一本のみにしておきます。番組でかけた音源とライブ映像は水曜以降に。AI翻訳でしょうか、先週に続き相変わらず字幕は誤字だらけです(笑)

クレズマー音楽について話したり弾いたり歌ったり【Vlog #7 about Klezmer】

東欧系ユダヤ音楽の7回目になります。この後は、イディッシュの音源もまだまだありますし、その後は更に沢山出ているクレズマーを聞いていく予定ですが、その前にまず最近気になった音源を取り上げます。
クラシックの女性チェリストの名手として大活躍中の新倉瞳さんの演奏は、BSプレミアムのクラシック倶楽部やテレビ朝日系列の「題名のない音楽会」で見かけることも多いのですが、その中でクレズマーや東欧系ユダヤの音楽を取り上げられていて、それをたまたま「題名のない音楽会」で見かけてびっくりしました。クラシックのチェリストがクレズマーを演奏するとは、と言う新鮮な驚きがありました。クラシックにもエルネスト・ブロッホの作品のように、ユダヤ音楽そのもののような楽曲もありますが、そのままクレズマーを演奏しているというのは、多分初めて目にするように思います。
プロフィールを見てみると、スイス人ヴァイオリニストの旦那さんEdouard Mätzener氏が2014年に結成したクレズマーバンドCheibe Balagan (ハイベ・バラガン)のメンバーとしてもスイスで活動しているようで、二重に驚きました。年齢のことを言うのも何ですが、新倉さんが今年38歳、旦那さんは年下で34歳のようなので、その位の若い世代の方々は、70、80年代のクレズマー・リヴァイヴァルはもちろん、90年代の日本でもかなり盛り上がったクレズマー・ブームも、リアルタイムでは知らないのではと思いますから、何でクレズマーに目が向いたのかが、気になるところです。イディッシュ語の歌唱もあるので、もしかしたらメンバーの誰かがユダヤ系なのではとも思いました。
日本ではひと段落した感のあるクレズマーですが、ヨーロッパではもっとラディカルに潜行するように広まっていたのかも知れません。新倉さんと同じくEdouard Mätzener(エドワード・メッツェナー)さんも、数々の受賞歴と活動歴を持つプロのクラシック・ヴァイオリニストでありながら、20代前半でクレズマーのグループを作ったという人です。ヴァイオリンの場合は、イツァーク・パールマンのIn the Fiddler`s Houseがあるじゃないかと言う意見もあると思いますが、あの2枚はアメリカのクレズマー・バンドとのセッションで、独自のグループのメンバーと言う訳ではありませんでした。パールマンはユダヤ人ですから、イディッシュ語で歌まで歌うハイベ・バラガンの誰かもそのルーツを持つのかもと思った次第です。しかもよく知られたイディッシュ・ソングではなく、オリジナルと思われる曲にイディッシュ語の歌詞が付いているのが、更に驚きを新たにするポイントです。
Cheibe Balaganはチューリッヒ出身の若者たちにより結成されたクレズマーバンドで、ファーストアルバムDer Nayer Mantlは2016年にCDが出ていたようですが、今は入手困難になっているようです。この盤を含め3枚をストリーミングで確認しましたので、今回はその中から抜粋します。編成はヴァイオリン、チェロ、クラリネット、アコーディオン、ギター、ドラム、コントラバスと歌です。

まずファーストアルバムのDer Nayer MantlからKostakovsky's Freylakh、Bay Mir Bistu Sheyn、Sherele、Korobeinikiの4曲を続けます。アルバム冒頭のKostakovsky's Freylakhの後のBay Mir Bistu Sheyn(「素敵なあなた」)は、イディッシュ・ソングで最も有名な曲の一つで、ドナ・ドナと同じくショロム・セクンダの作曲です。Shereleは必ずしもこのタイトルではなかったと思いますが、クレズマーの定番曲の一つです。最後のコロベイニキは、ロシア民謡の「行商人」の旋律で、ロシア語タイトルがコロベイニキでした。アラカン世代の方には「魔法使いサリー」の学芸会シーンに使われていて、お馴染みのメロディだと思います。

<Kostakovsky's Freylakh 1分48秒>
<Bay Mir Bistu Sheyn 3分1秒>
<Sherele 2分26秒>
<Korobeiniki 2分33秒>

おそらく2018年に出たセカンドアルバムのSumer in Odesからは、Mayn Seideと言う曲を選びました。前奏後奏で新倉さんのチェロが朗々と聞かせます。

<Mayn Seide 3分4秒>

2022年のDuschin Duschin Bum Bum Bumからは、Galop、Violinen、Kapelushの3曲を選びました。やはりファーストアルバムの時よりも新倉さんのチェロが絡む部分が増えて、低音で奏される哀愁の旋律に耳が惹き付けられます。これらの曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Galop 4分42秒>
<Violinen 4分1秒>
<Kapelush 4分39秒>

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