ディ・ナイェ・カペリエのカルパチア風味
ゼアミdeワールド405回目の放送、日曜夜10時にありました。10日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はディ・ナイェ・カペリエ1枚目の3曲を上げてきます。久々にディ・ナイェ・カペリエを聞いて改めて思ったのは、ウクライナ西部~ハンガリー東部~トランシルヴァニア北部のカルパチア色が強いことでした。1枚目はムジカーシュの影響が特に強いようです。
東欧系ユダヤ音楽の43回目になります。今回はハンガリーのブダペストに拠点を置くディ・ナイェ・カペリエ(Di Naye Kapelye)の3枚を取り上げます。いずれも独Oriente Muzikから出ていました。ディ・ナイェ・カペリエと言うのは、イディッシュ語で「新しいバンド」の意味ですが、1993年に立ち上げられて以来、ハンガリーやルーマニアを中心に、モルダヴィア、ウクライナの土臭い感じを前面に出した「古い世界」の音楽がベースになっています。メンバーは
Bob Cohen (violin, mandolin, koboz, cümbüş, flutes, Carpathian drum, vocals)
Yankl Falk (clarinet, vocals)
Ferenc Pribojszki (cimbalom, Carpathian drum, flutes)
Antal Fekete (kontra)
Gyula Kozma (bass, koboz, violin)
の5人です。
1997年に出たファーストアルバムのDi Naye Kapelyeは、100年くらい前のクレズマーの古い録音で聞いたハシディック・ソングDem Rebns Tants(ラビの踊り)から始まります。その音源もいずれ取り上げます。
<1 Dem Rebns Tants 3分29秒>
この盤には、93年に出たムジカーシュの「トランシルヴァニアの失われたユダヤ音楽」に入っていた曲が2曲ありますので、続けておかけします。4年後のリリースなので、かなり影響を受けているように思います。曲はハンガリーの時にムジカーシュで取り上げたアニ・マアミンと
Szól a kakas márですが、サトゥマールの音楽でメドレーになっている後者は長いので途中までにします。
<2 Ani Maamini / Wedding March from Transylvania 4分37秒>
<10 Jewish Tunes from Szatmár 8分39秒 ~3分位>
2001年に出た2枚目のアルバムA Mazeldiker Yidでは、リズミカルなジプシーのケレマスキ・ジリのフィーリングも上手くチャールダーシュに織り込んでいるように思いますが、そのシャバトのチャールダーシュ、999/Yom Ha-Shabbesをまずおかけします。
<4 999/Yom Ha-Shabbes 3分33秒>
14、15曲目にはハシディック・ソングの無伴奏男性合唱の原曲と、その曲をテーマにしたハンガリー音楽の演奏が続けて入っています。17、18曲目にはボスニアの女性のニグン独唱と、そのテーマによる演奏もありますが、時間の都合で今回は前者の14、15曲目を続けておかけします。後者もゼアミブログでは触れてみたいと思います。
<14 Borey Olam (Vocal Version) 1分10秒>
<15 Borey Olam Be-Kinyan 2分31秒>
2008年にはサードアルバムのTraktoristが出ています。最後はブレイヴ・オールド・ワールドのファーストアルバムに入っていたチェルノブイリで締めていますが、私が特に注目したのは“7:40”と言う曲で、これは90年頃にQuintanaから出ていた「カルパチアの音楽」に入っていたユダヤ・メロディの曲でした。
<15 “7:40” 4分3秒>
では最後にBaj Van Medleyと言うカルパチアらしい低音打楽器が入る曲を聞きながら今回はお別れです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<5 Baj Van Medley 2分52秒>
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