<Wanda Wilkomirska & Mihály Szűcs ~Duos For Two Violins Sz. 98 - Volume I: 5. Slovak Song I - 6. Hungarian Song I - 7. Rumanian Song - 8. Slovak Song II - 9. Play 4分42秒>
この盤には、93年に出たムジカーシュの「トランシルヴァニアの失われたユダヤ音楽」に入っていた曲が2曲ありますので、続けておかけします。4年後のリリースなので、かなり影響を受けているように思います。曲はハンガリーの時にムジカーシュで取り上げたアニ・マアミンと
Szól a kakas márですが、サトゥマールの音楽でメドレーになっている後者は長いので途中までにします。
<2 Ani Maamini / Wedding March from Transylvania 4分37秒>
ブレイヴ・オールド・ワールドの4枚目Bless the Fireでの中東音楽風でモーダルな(旋法音楽的な)ピアノ演奏は他の曲でも聞けました。中東のピアノと言えば直ちに思い出すはイランのモルタザー・マハジュビーですが、ペルシア音楽と言うよりは、アルジェリア辺りのアラブ・アンダルシア音楽系(モリス・エル・メディオニなど)に近く聞こえるので、おそらくセファルディ音楽経由でアラン・ベルンが取り入れたのではと推測します。マハジュビーのように、旋法ごとの微分音までは使っていません。
Bless the Fireを聞いて、それに次いで驚いたのが3曲目のMarmaroshでした。放送で言いましたが、タイトル通りムジカーシュの「トランシルヴァニアの失われたユダヤ音楽」=本題「マラマロシュ」(ルーマニア北部のマラムレシュのこと)を強く意識した演奏のように思います。ムジカーシュの盤での曲名はSzol a kakas marでした。ムジカーシュのこの盤が出たのが1993年、Bless the Fireは2003年で、ちょうど10年後です。ヴァイオリンはマイケル・アルパートだと思いますが、それまではほとんどがリズム・ヴァイオリン的な演奏だったので、これほど本格的な彼の独奏は余り聞き覚えがありませんでした。
この盤には歌詞のある曲以外の解説がありませんので詳細は不明ですが、ムジカーシュによって蘇ったトランシルヴァニアの往年のユダヤの秘曲から受けたインスピレーションを、マイケル・アルパートなりに10年間温めていたのではと思いました。と言うことで、ブレイヴ・オールド・ワールドのMarmaroshとムジカーシュ&マルタ・セバスチャンのSzol a kakas marを並べて上げておきます。
<3 Marmarosh 3分54秒>
Szól a kakas már - Muzsikás együttes, Sebestyén Márta
Kol Nidoreiの「ei」の部分がドイツ語の場合、通常「アイ」と発音するので、コル・ニドライと言う発音がよく知られていますが、ヘブライ語本来の発音はコール・ニドレイです。ユダヤ新年(ローシュ・ハシャナー)の贖罪日(ヨム・キプール)の初めに歌われる厳粛な祈祷歌で、ユダヤ旋律らしいエキゾチックな増二度音程が特徴的です。カディッシュ同様、通常はアラム語で唱えられます。コール・ニドレイとは「すべての誓い」のような意味です。
Bruch: Kol Nidrei ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Mischa Maisky ∙ Paavo Järvi
長く続いたハンガリー・シリーズも、ブログで取り上げるのは後2回になりました。年間放送回数が大体50回ちょっとですから、1年の8割ほどを費やしたことになります。来週はドハーニ街シナゴーグのユダヤ音源ですから、純ハンガリー音楽としては後2回です。いつも後ろ髪を引かれる思いで次に行きますが、ハンガリーは40回続いて自分としては、かなりやり切った感はあります。
Dudoltamも選曲に迷う程、良い曲揃いでした。Fújnak a fellegekを翻訳にかけると、「雲が吹いている」と出てきましたが、余りにも「飛べよ孔雀よ」に似ています。カロタセグの方も、放送ではフェイドアウトでしたので全曲入れておきます。ジャケットとは違う写真が出ています。
「飛べよ孔雀よ」は、ハンガリー西部バラトン湖の南に位置するショモジ県の民謡になるのではと思います。前にサローキ・アーギの歌唱でこの旋律が出てきた時も、曲名がショモジでした。このサローキ・アーギの音源では、曲名が同時に地方名でもあったので、おそらくそうだろうと思います。(以下放送原稿を再度)
もう一枚のDudoltamは、マルタ・セバスチャンとムジカーシュの1987年リリースのアルバムで、1993年に再発されています。彼女のCDの中でも特にシンプルで古典的な演奏が集まった一枚でした。この盤にも「飛べよ孔雀よ」の替え歌のような曲がありまして、その9曲目のFújnak a fellegek - Somogyと、度々これまでに出てきたカロタセグの曲を歌っている5曲目のHajnali nóta - Kalotaszegをおかけします。
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