Kol Nidoreiの「ei」の部分がドイツ語の場合、通常「アイ」と発音するので、コル・ニドライと言う発音がよく知られていますが、ヘブライ語本来の発音はコール・ニドレイです。ユダヤ新年(ローシュ・ハシャナー)の贖罪日(ヨム・キプール)の初めに歌われる厳粛な祈祷歌で、ユダヤ旋律らしいエキゾチックな増二度音程が特徴的です。カディッシュ同様、通常はアラム語で唱えられます。コール・ニドレイとは「すべての誓い」のような意味です。
Bruch: Kol Nidrei ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Mischa Maisky ∙ Paavo Järvi
長く続いたハンガリー・シリーズも、ブログで取り上げるのは後2回になりました。年間放送回数が大体50回ちょっとですから、1年の8割ほどを費やしたことになります。来週はドハーニ街シナゴーグのユダヤ音源ですから、純ハンガリー音楽としては後2回です。いつも後ろ髪を引かれる思いで次に行きますが、ハンガリーは40回続いて自分としては、かなりやり切った感はあります。
Dudoltamも選曲に迷う程、良い曲揃いでした。Fújnak a fellegekを翻訳にかけると、「雲が吹いている」と出てきましたが、余りにも「飛べよ孔雀よ」に似ています。カロタセグの方も、放送ではフェイドアウトでしたので全曲入れておきます。ジャケットとは違う写真が出ています。
「飛べよ孔雀よ」は、ハンガリー西部バラトン湖の南に位置するショモジ県の民謡になるのではと思います。前にサローキ・アーギの歌唱でこの旋律が出てきた時も、曲名がショモジでした。このサローキ・アーギの音源では、曲名が同時に地方名でもあったので、おそらくそうだろうと思います。(以下放送原稿を再度)
もう一枚のDudoltamは、マルタ・セバスチャンとムジカーシュの1987年リリースのアルバムで、1993年に再発されています。彼女のCDの中でも特にシンプルで古典的な演奏が集まった一枚でした。この盤にも「飛べよ孔雀よ」の替え歌のような曲がありまして、その9曲目のFújnak a fellegek - Somogyと、度々これまでに出てきたカロタセグの曲を歌っている5曲目のHajnali nóta - Kalotaszegをおかけします。
ハンガリー音楽の39回目になります。次回で遂に40回になりますので、いよいよハンガリーの音楽も40回目のドハーニ街シナゴーグで最後にしたいと思います。ハンガリートラッドも、まだまだと言いますか、ダンスハウス後にはそれこそ星の数ほどグループが出来ていますが、きりがないのでマルタ・セバスチャンとムジカーシュの音源を持ってラストにしたいと思います。今回は80年代のワールドミュージック・ブームの少し後の91年に出たプリズナー・ソング(Muzsikás: Nem arról hajnallik, amerről hajnallott...)と、それより前の87年に出たDudoltamを中心におかけします。
プリズナー・ソングが出た前年の1990年前後だったと思いますが、確か渋谷のクラブクアトロで来日公演がありまして、聞きに行って来ました。ムジカーシュの活動開始はダンスハウス運動直後の1973年ですので、既に20年近いキャリアがあったと思いますが、西側で手に入るCDは、当時はプリズナー・ソングと、そのすぐ後で同じハンニバルから出たBlues for Transylvaniaだけだったように記憶しています。ベースギターやブズーキが入った若干ポップなアレンジも一部に施されていますが、聞き覚えのある民謡断片が随所に確認できます。初来日公演では生演奏ですので、アレンジの入ってない、生のままのトラッド音楽が展開されていたように思います。少し上体を前に乗り出し気味でヴァイオリンを弾くミハーイ・シポシュが、往年の俳優の大泉滉に似て見えて仕方なかったのも、よく覚えています(笑)
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