コーカサス (カフカス)

2017年11月24日 (金)

ムティエビのザリとアリロ

例のヴェルゴのソイナリのCD解説に、MtiebiとはMorning Starの意味とありました。地方名や固有名詞ではなく、「明けの明星」のようなニュアンスで付けられたグループ名と考えれば良いでしょうか。解説には「若い12人の男性メンバー」と書いてありますが、リリースから24年も経ちますから、もう結構いい歳なのではと思います。昨日の2本はそのメンバー達の現在の姿でしょうか?
オールド・ムティエビのリンクに、これまで取り上げました「葬礼の歌ザリ」と、「クリスマスの歌アリロ」がありましたので、今日はこの2本を上げておきます。
ザリの方は舞台仕立てになっていて、前半のお供えと思われる供物や、女性たちの悲しみは葬儀らしさを演出しています。そのバックで歌われる「葬式の嘆き歌」ザリの、淡々としながらも肺腑をえぐるようなポリフォニーの素晴らしさ。後半ではバグパイプと太鼓伴奏の踊りも出てきて、これが葬式だろうかと思うほど賑やかになりますが、日本でも終わった後は似たような感じになることもあるように思います(笑)
アリロの方は、クリスマス時期の村々を、歌い手達がアリロを歌いながら練り歩く様子がよく分かります。

Mtiebi - Zari

Mtiebi-alilo (kolaji)

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2017年11月23日 (木)

Mtiebiの歌声

1970年前後にサンダーバードの間で流れた明治屋のCMですが、確か緯度の割りに黒海の恵みを受けて湿潤温暖な気候と、ヨーグルトの摂取が長寿の秘訣と出てきたように、うっすらですが、記憶しています。母が息子に対して、「それはね」と言って地球儀をくるくる回してグルジアを指し、そこでモノクロのモンタージュが放映されました。そこに男声合唱が出てきたようにも思いますが、何しろ8歳頃の記憶ですから、あやふやです(笑) 悠久の時を感じさせる男声合唱は、代々小さい頃からしこまれるようですが、こんな歌を歌うコミュニティが存在することも長寿の秘訣の一つなのでしょう。
昨日の収録の際にかけたWergo盤「Soinari / Folk Music from Georgia Today」収録のムティエビ・アンサンブルらしき映像が幾つかありましたので、上げておきます。ムティエビと言うのは地方名でしょうか? 若手?とオールド世代?の映像がありました。スタジオでの歌唱、大変に素晴らしいです。タイトルはグルジア語で読めませんが、アップしているのがMtiebi Ethnomusc Theatreということで、おそらくそうだろうと思いました。
3本目は、先日見つけられなかったザリではないかと思いますが、まだオコラ盤と聞き比べは出来てないので、違うかも知れませんが、スヴァネチの男声合唱ですので上げておきます。

მთიები - სტუმრად დღის შოუში

old Mtiebi _ Agideli.mov

Makaluri zari

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2017年11月20日 (月)

Georgie - Chants de travail / Chants religieux

ゼアミdeワールド83回目の放送、日曜夕方に終りました。22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今回は50年前の録音の古い廃盤音源で、動画はやはり皆無でしたから、同じ曲あるいは同じ地方の演奏者でアップしておきました。(オロヴェラとアリロは先日取り上げましたので省略しました)

グルジア音楽の3回目です。今回はリリースが1989年と言うフランスOcoraの古い盤で「グルジアの仕事歌と宗教歌」と、ドイツWergoの「ソイナリ~グルジアの今日の民族音楽」からご紹介したいと思います。ヴェルゴの方は辛うじて現役盤かと思いますが、オコラの方は既に廃盤の音源で、こちらは録音が1967年頃ですから、グルジア各地のより古い伝承が聞けるように思います。(Chants de travailの部分は、「労働歌」という訳もたまに見かけましたが、当時グルジアが属していたソ連の場合、全く違った意味合いになりますので、「仕事の歌」としております)
まずは、オコラの「グルジアの仕事歌と宗教歌」から、前回農作業の際の仕事歌としてカヘチアの男声合唱版でかけたオロヴェラという曲をかけてみます。こちらは同じくカヘチアの女性の独唱で、録音は1967年です。深い瞑想的な哀歌の類という点では共通していますが、男声ポリフォニーとはかなり異なる旋律です。日本の民謡にも元歌というのが残っている場合があって、一般によく知られたメロディとかなり違っていたりもしますが、それと同じようなパターンなのかも知れません。

<2 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Orovela 2分50秒>

裏声パート、クリマンチュリが自由奔放に出てくるハッサンベグラは、前々回に100年前の録音でかけまして、ゼアミブログの方ではルスタヴィ合唱団などの動画を上げて、かなり人気があったようです。このオコラ盤のラスト26曲目に入っているDedoplis Maqrouliと言う曲も、同じタイプの華やかな曲ですので、そちらをかけてみます。クリマンチュリの本場、黒海に面するグルジア南西部グリア地方の婚礼の聖歌の一種で、旧約聖書の詩篇(44編10節?)の「女王は素晴らしい金を纏っている」という詩句に基づいています。クリマンチュリの自由闊達な歌唱入りで詩篇を表現するとは、驚きです。

<26 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Dedoplis Maqrouli 2分7秒>

前回カヘチアの男声合唱でかけましたアリロというグルジア正教のクリスマスの歌も、カヘチア他、違う地方の歌が3曲オコラ盤には入っておりますので、続けてかけます。アリロとは、ラテン語ならアレルヤに当るようです。やはりいずれも1967年録音です。クリスマス・イヴに村の家々を行列して訪問する際に歌われ、この歌の響きの中で人々は心安らかにクリスマスを迎える、という歌です。

<18 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Alilo of Letjkhoumi Male Polyphonic Chorus 2分47秒>
<19 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Alilo of Mingelie. Vocal Quartet 1分18秒>
<20 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Alilo of Kakhetie.Male Polyphonic Chorus 2分9秒>

クリスマスの歌が出たところで、鐘の音も入っておりますので、併せてかけてみます。タイトルはGoudani Sanctuary Bellとなっております。

<22 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Goudani Sanctuary Bell 35秒>

グリア地方のイースター(復活祭)の合唱と、旧約聖書のイザヤ書に基づいていると思しき曲もありましたので、続けてかけてみます。やはりグリアでは最もグルジアらしいイメージの歌声が聞けるように思います。

<15 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Forthy Resurrection 1分2秒>
<17 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Isaiah`s Joy 1分26秒>

4世紀のキリスト教導入以前からのグルジア最古の歌とされる太陽賛歌リーレは、前回イネディの「スヴァネチのポリフォニー」の録音をかけましたが、オコラ盤にもスヴァネチの録音で入っておりますので、かけてみましょう。オコラとイネディでは、同じスヴァネチでも30年ほど録音時期が違うと思います。

<10 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Lile-Hymn of the Sun or Supreme Divinity 2分23秒>
Lile


同じスヴァネチの歌で、ザリ(鐘)という葬式の嘆き歌がありまして、その録音が太陽賛歌リーレに続いて入っておりますので、そちらをかけます。その音楽的起源は有史以前に溯るとも言われています。

<12 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Zari - Lamentation of Balskvemo 3分29秒>
Polyphonies vocales de Svanétie (Géorgie)

ザリは入ってないようですが、貴重なスヴァネチの男声合唱の生映像で、後半弦楽器が入る部分は、12日の放送でかけた宗教歌Lazhgvazhです。

オコラ盤「グルジアの仕事歌と宗教歌」のみで今回は終りましたが、このように古い伝承歌の宝庫のような一枚で、廃盤になっているのが惜しまれます。ムスリムが多く、現在はグルジア内の自治共和国になっている南西部のアジャリアの仕事歌ナドゥリの音源は、この盤の中では比較的長尺で入っておりまして、段々エキサイトして速くなるところなどは、スーフィーの宗教歌ジクルに似た感じにも聞こえます。クリマンチュリと思われる高音パートが派手に出てきます。時間までその一曲Kali Viqav Aznaouri(私は乙女だった)を聴きながら、今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<7 Georgie - Chants de travail / Chants religieux    Kali Viqav Aznaouri (I was a damsel) 6分12秒 抜粋>

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2017年11月17日 (金)

Hamlet Gonashvili

この風格のある歌声は只事ではないなと先日から気になっているハムレット・ゴナシヴィリ(Hamlet Gonashvili)という往年の名歌手について少し調べてみました。1928年生まれで1985年没、グルジア東部のカヘチア地方などの最も優れた歌い手と賞賛されながら、リンゴの木から落下する事故が原因で、まだ50代の若さで亡くなったそうです。グルジアの作曲家ギヤ・カンチェリ(Giya Kancheli)の第3交響曲は、彼の歌声からインスピレーションを受けて作曲され、初録音のソリストとして登場しています。しばしば "the voice of Georgia"と称され、ルスタヴィ・アンサンブルとの共演もあったようです。5日の放送でマルトゥベの合唱をかけた際に出てきましたサカルトベロの代表的な名曲の一つ「ツィンツハロ」でも名唱を残しています。泉のほとりで男が美女に出会い、彼女に求愛するが、かなわず失恋するという物語ですが、彼が歌うと何と神秘的に奥深く聞こえることでしょうか。一本目は彼のドキュメンタリー。こういう貴重な現地映像を見られるのがyoutubeの醍醐味の一つです。

Hamlet Gonashvili the best georgian folk singer

Hamlet Gonashvili Cincyaro

Ensemble Rustavi - Odoia by Hamlet Gonashvili

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2017年11月16日 (木)

クリスマスの歌 アリロとアレルヤ

昨日の収録では、オコラの「グルジアの仕事歌と宗教歌」から、グルジアのクリスマスの歌、アリロも3曲かけました。この盤の解説で、アリロはラテン語のアレルヤ(またはハレルヤ)と同じ意味であることを確認できました。アレルヤの元は?と言えば、ヘブライ語のハレルー(賛美せよ)+ヤー(神を、ヤハヴェの略)から来ています。末尾のヤーが取れて、H抜きのALLと言う3語根は元のヘブライ語のままで、ハレルー(Alelu)もアリロ(Alilo)も母音が変わっただけで子音は同じですから、同じ語源と分かります。この曲は、調べれば調べる程、オロヴェラなどと並んでグルジアの伝統歌に多く、色々な盤のアリロを聞き比べると面白いだろうと思います。

クリスマスも後1か月余りになりましたので、今日はいくつかのアリロを上げておきます。グルジアの伝統的な歌唱は3,4本目、1,2本目は西洋的な歌唱になっています。元はグルジア正教の歌でしょうが、現在はこういうタイプの方が増えているのかも知れません。5本目は宴席でのフォーク化したアリロ、これも凄いです。この歌唱を聞くと、ますますクロアチアのクラパ歌謡に似て聞こえます。グルジア語は文字化けするので出来るだけ避けましたが、一本目はグルジア語だけの表記でした。

ოცდახუთსა დეკემბერსა ( ალილო )

Alilo

Alilo-Georgia

月曜に上げましたが、アリロらしい若手の熱唱だと思いますので、もう一度。

rachuli alilo

alilo

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2017年11月13日 (月)

グルジアの東部と北西部の歌

ゼアミdeワールド82回目の放送、日曜夕方に終りました。15日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。ビクター盤の映像はやはりありませんでした。代わりにオマー・シャリフに似た男らしい容貌の名歌手ハムレット・ゴナシヴィリ(Hamlet Gonashvili)の名唱を交えて上げておきます。素晴らしい節回しに耳が釘付けです。

先日5日はラヂオバリバリ15周年の交流会がハーバリーでありまして、各パーソナリティが色々な出し物をされましたが、私もバッハの無伴奏チェロ組曲から、お祝いの席に相応しい晴れやかな3曲を弾かせて頂きました。曲は組曲1番のサラバンドとプレリュード、3番のサラバンドの3曲でしたが、3曲目の解説で、ど忘れしていたローゼン師匠の名文句を思い出しましたので、今回まず初めにここで言っておきたいと思います。後半の辺りで、先生が弾きながら遠い目で一言つぶやいたのは、Old day was gone.と言う文句でしたが、それがいつまでも忘れられない名文句として記憶に残っています。最初聞き間違えてAll day was gone.と覚えてしまっていまして(笑)、卑近な譬えですが、まるでヤマトの沖田艦長が帰還直前に久々に地球を見届けてから亡くなる時のような、走馬燈を見るようなイメージなのかと早合点しました。過ぎ去った昔を回想しているところまでは一致していて、確かにそんなイメージのある曲調なので、それを噛みしめながら弾くようにしています。サラバンドは静かな曲調ながら一曲に起承転結が感じられ、単独で弾かれることも比較的多いように思いますが、この3番のサラバンドを弾く際の一般的な心掛けとして、You must be actor.という師匠のコメントも印象に残っています。

さてグルジアに戻ります。前回からユネスコの世界無形遺産にも指定されているグルジアの多声合唱を聞いておりますが、ビクターJVCワールドサウンズシリーズの「サカルトベロ 奇蹟のポリフォニー」はやはり見つからないので、今回はこのシリーズ第3集の「カヘチア 奇蹟のポリフォニー」と、フランスのレーベルIneditの「スヴァネチのポリフォニー」を比較しながら聞いて行きたいと思います。グルジアの合唱はロシア正教聖歌の元になったとも言われ、グルジアは日本の5分の1ほどの面積にも関わらず国の東と西でかなり印象が違っています。
「カヘチア 奇蹟のポリフォニー」は、シリーズ3枚の中では最も美しく滑らかで輝かしい大人の男声合唱を聞ける盤ではないかと思います。カヘチアと言うのはグルジア東部の地方の名前で、この辺りは海に面してないけど、クロアチアのアドリア海沿岸部ダルマチア地方の男声合唱クラパ歌謡にも通じるような、ヒロイックかつダンディで幾分地中海的な感じもある歌を聞けるように思います。

まずは一曲目のディアンベゴという曲です。ティナという美しい娘を持つディアンベゴという男性を称える歌とのことで、持続低音のドローンをバックに朗々と響き渡る独唱が非常に美しいです。カヘチア王国の首都であったテラビにある5つの合唱団の中で最も高い評価を受けていたツィナンダリ合唱団の1989年の録音です。

<カヘチア 奇蹟のポリフォニー~ディアンベゴ 4分>

2曲目のアリロという曲はグルジア正教の祈りの歌で、クリスマス・イヴに村の家々を行列して訪問する際に歌われます。この歌の響きの中で人々は心安らかにクリスマスを迎える、という歌です。

<カヘチア 奇蹟のポリフォニー~アリロ 3分27秒>
Alilo-Georgia


Alilo-Georgian Folk


次は4曲目に飛んで、オロヴェラという曲ですが、前回のマルトゥベでも聞けたような深遠な静謐さを湛えた曲です。豪快なポリフォニーだけでなく、こういう静かで深い表現も聞きものです。独唱とドローン共に、きわめて柔らかく静かに歌われる一種の哀歌ですが、農作業の時に歌う歌のようで、畑を耕しながら自分の悩みや苦しみを土や牛や鋤(すき)に歌いかける内容とのことです。

<カヘチア 奇蹟のポリフォニー~オロヴェラ 4分54秒>
Georgian Folk Song Orovela by Hamlet Gonashvili

Hamlet Gonashvili他の生演奏

Hamlet Gonashvili - Orovela

Hamlet Gonashviliのスタジオ録音

次にフランスIneditの「スヴァネチのポリフォニー」を比較でかけてみます。スヴァネチまたはスワネティは、グルジア北西部に位置し、険しい自然環境のため、独自の言語と文化を継承して来ている地方です。滑らかな東部のカヘチアの歌に比べて、不協和音を多用した曲が多く聞けます。歌っているのはリホ・アンサンブルというグループです。

4世紀のキリスト教導入以前からのグルジア最古の歌とされる2曲目の太陽賛歌リーレと、いかにもグルジアらしい旋律の3曲目の宗教歌Lazhgvazhと続けてかけます。3曲目では擦弦楽器チュニリと素朴な竪琴チャンギの伴奏が入ります。

<Georgia - Vocal Polyphonies from Svaneti / Lile 2分45秒>
<Georgia - Vocal Polyphonies from Svaneti / Lazhgvazh 3分40秒>
4000 year old svaneti song


グルジアと言えば、長寿の国として知られていて、1970年前後に放映された人形劇サンダーバードの、確か明治屋のCMで、乳製品を沢山摂る長寿国としてグルジアのモンタージュが出てきたのを覚えています。長寿の秘訣は美味しい料理とヨーグルト、世界最高とも言われるグルジア・ワイン、そして合唱とも言われます。カヘチアの合唱に戻って、宴会の席で長寿の老人を讃える歌、ベリ・カツィを聞きながら今回はお別れです。次回にするかどうかまだ未定ですが、大人気の女性トリオTrio Mandiliも取り上げたいと思っております。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<カヘチア 奇蹟のポリフォニー~ベリ・カツィ 3分38秒>
Hamlet Gonashvili - Berikaci Var

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2017年11月10日 (金)

アンサンブル・バシアニのハッサンベグラ他

今日のアンサンブル・バシアニは、オコラから数年前にDVDサイズのCD(以下参照)が出ていたグループだと思います。ハッサンベグラだけでなく、この曲のラストに弦楽器(おそらく4弦のチョングリ)が出てきていまして、その音を聞きたくて関連映像を辿ると、静かなタイプの曲を聞くことが出来ました。2曲目からは高音パートのクリマンチュリの暴れは影を潜め、全く対照的なチョングリ伴奏のしっとり静謐な音楽が現れますが、これはグルジア正教の歌ではないかと思います。更には3曲目のような絶美の音楽の生映像が見つかり、嬉しい限りです。ハッサンベグラに関しては、グリア地方の歴史的なバラードらしいと分かりました。黒海沿岸のアジャリア自治共和国の北側です。バラードと言っても一般的に使われているイメージではなく、叙事詩とか物語詩という本来の意味合いです。詩内容も気になるところです。

http://zeami.world.coocan.jp/m-tua_k-kavkaz.html#Anchor816362

Khasanbegura - Historical balad from Guria region

Basiani - Chela

Vagiorko Ma

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2017年11月 9日 (木)

ハッサンベグラ (ルスタヴィ)

ストラヴィンスキーが「人類の作った最高の音楽」と絶賛したというハッサンベグラ。Khasanbeguraでyoutube検索すると1780件もあって、びっくりしました。グルジア男声合唱の最高峰と言われたルスタヴィ合唱団の映像をいくつか見てみました。一部裏声で歌われるクリマンチュリも色々パターンがあることが分かりました。即興の部分もあるのでしょうか? いずれにしても生映像を見るのは初めてのような気がします。

Ensemble Rustavi - KHASANBEGURA

Ensemble Rustavi - KHASANBEGURA

Khasanbegura - Ensemble Rustavi

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2017年11月 6日 (月)

アブハジアからグルジアへ

ゼアミdeワールド81回目の放送、日曜夕方に終りました。8日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。ビクター盤の映像はやはりありませんでした。

今回からグルジアの音楽巡りの予定ですが、前回メロディア盤ラストの11分を越える婚礼の歌が、冒頭の2分ほどしかかけられなかったので、まずこの曲を全曲かけてからにしたいと思います。アブハジアの男声合唱が出てきますので、後でかけるグルジアの男声合唱との比較にもなると思います。曲名はApsua charaです。そのものの動画はありませんでしたが、10年ほど前にアップした「山岳部のリズム」とロシア語で出ているカフカス太鼓四重奏など関連映像が色々ありました。おそらくApsuaと言うのが婚礼の意味ではと思います。

<Abkhazian Music - Abkhazian State Folk Song Ensemble / Apsua chara (Abkhazian Wedding Song 11分21秒>

Apsua a chara a koshara


APSUA AKUASHARA


グルジアの伝統音楽のCDですが、私が把握しているだけでも欧米盤中心に20枚余りはありますが、コーカサスや中央アジアの音楽はよく売れるもので、私の手元に現在残っているのは8点ほどです。その中からご紹介していきます。
グルジアの音楽では、何といっても男声合唱が有名で、その歴史は非常に古く、紀元前4世紀のギリシアの歴史家クセノフォンがグルジアの歌について、紀元前1世紀には地理学者のストラボンが、グルジアの合唱団は交互に歌うことを書き残しています。
また特筆すべきエピソードとして、ロシア20世紀の大作曲家ストラヴィンスキーは、ハッサンベグラという曲を聴いて「人類の作った最高の音楽」と称賛したそうです。深遠な美しさだけでなく、その中でヨーデルのような裏声パート「クリマンチュリ」の暴れ方が一種のバーバリズムを醸し出し、歌以外にも、喋り、叫びなどの発声も交えた複雑なリズムとハーモニーのポリフォニーになっていて、いかにも「春の祭典」などで知られるストラヴィンスキーの心を捉えそうに思います。
そのハッサンベグラという曲をまず聞いて頂きましょう。アメリカのTraditional Crossroadsから出ている「グルジア共和国での最初の録音 1902-1914 Drinking Horns & Gramophones」に収録されているSP音源で、20世紀初頭のソヴィエト以前の、まだ帝政ロシア時代のグルジア録音です。正にストラヴィンスキーが聞いた頃の録音でしょう。

<グルジア共和国での最初の録音 Drinking Horns & Gramophones~Khasanbegura 3分40秒>
The first recordings in the Georgian Republic Khasanbegura 1907


同じハッサンベグラを、ビクターJVCワールドサウンズシリーズの「サカルトベロ 奇蹟のポリフォニー」の新しい演奏でも聞いて頂きたいと思いましたが、この盤が行方不明で今回はかけられませんので、今回はその続編の「マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー」から数曲ご紹介します。サカルトベロとは、グルジア語での自称です。この盤について音楽之友社の「世界の民族音楽ディスク・ガイド」に書いた拙稿を読み上げてみます。

1978年に結成された少年と若者達による合唱団。マルトゥベとはひな鳥の意味で、このサカルトベロの合唱シリーズ3枚は老若男女のグルジア合唱を網羅している。シリーズ1に収録の平均年齢75歳のグループと合唱のスタイルはほとんど同じである。この込み入ったポリフォニーを少年がやってしまうのだから凄い。特にドローンの深々とした音色がいい。この若年にしてこの表現、驚きである。自身著名な歌い手である指揮者エルコマイシビリの育て上げた、青年からボーイソプラノまでの広い音域を誇る合唱団で、首都トビリシのグループだからだろう、グルジア各地の民謡を歌っている。レパートリーは仕事歌、旅の歌、恋愛歌、戦争の歌など。

このように書きました。何度か言いましたが、この本は10年ほど前に今治中央図書館に寄贈してありますので、宜しければ是非ご覧下さい。音楽の棚に並んでいます。

この盤から、まず一曲「シャイレビ・カフリ」という曲をかけてみます。少年達がお互いをからかい合っている冗談歌ですが、グルジアらしいハーモニーが聞ける親しみやすい曲です。

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~シャイレビ・カフリ 2分30秒>

2曲目には、戦争で死んだ兵士についての歌「ワラド・アプハズリ」という曲が入っていて、グルジアの合唱の静謐で神秘的な一面が表れた印象的な曲です。

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~ワラド・アプハズリ 2分19秒>

次は17曲目に飛びまして、ツィンツハロという恋愛の歌です。泉のほとりで男が美女に出会い、彼女に求愛するが、かなわず失恋するという物語が歌われています。サカルトベロの代表的な名曲の一つです。

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~ツィンツハロ 3分41秒>

最初のアブハジアの盤の終曲が音飛びして最後までかからなかったので、時間が余ってしまいました。予定を変更してマルトゥベのラストを飾っているナドゥリという曲を聞きながら今回はお別れです。最後にふさわしい華やかな曲で、節の中で音を下げるような歌い方には度肝を抜かれました。これは驚愕の唱法だと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~ナドゥリ 3分15秒 抜粋>

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2017年7月28日 (金)

パンキシ(グルジア)のチェチェン人音楽家

また後日と予告しておりました、番組でかけたTimur LosanovとCherim Nakhushevについては、歌謡化したような映像がほとんどで、どうも今ひとつなので、チェチェンのレズギンカの打楽器編も考えておりました。しかし、その前に非常に魅力的な歌声とバラライカなどの演奏がありましたので、そちらを上げておきます。グルジアのパンキシ( панкиси)での演奏のようです。チェチェンの美少女歌手の歌声が素晴らしく、喉から搾り出すようなチェチェン語の独特な音も確認できます。さびでダイモク(フ)の語が出てくるので、望郷の歌の一種でしょう。おそらく先日マッカ・サガイーポヴァの代表曲をバラライカで弾き語っていた人と思われる女性のバラライカ伴奏です。更にはもっと鮮明なアンサンブル映像までありました。グルジアのTV放送のようです。こちらのタイトルはグルジア語のため、残念ながら詳細不明です。アズナシを思い出させる女性アンサンブルです。

панкиси - нохчийн илли

ძლიერი ქალები პანკისიდან | ქალთა გუნდი ,,აზნაში"

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