北コーカサス(カフカス)

2017年7月19日 (水)

Красивый пареньのバラライカ弾き語り

おそらくチェチェン・ポップスで最も有名な女性歌手であるマッカ・サガイーポヴァの代表曲の一つ、Красивый парень(Pretty Boy)は、2007年にも当ブログで上げているので10年以上前の曲だと思いますが、2本目のようにバラライカ弾き語りでレズギンカ風に演奏される程に親しまれているようです。とても興味深いサンプルとして見ました。Pretty Boyと言うのが単なる美しい少年なのか、女性から見てどういう異性なのかが気になりますが、歌詞内容の意味を知るにはチェチェン語を学ぶしかないのでしょう。ロシア語のКрасивый(クラスィーヴィー)の意味は、「美しい」(男性形)なので、prettyは少し違うようにも思います。紅顔の美少年のような意味合いでしょうか?

Макка Сагаипова Красивый парень

Кистинка (Чеченка) очень красиво поет..

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2017年7月17日 (月)

チェチェンとアディゲの音楽

ゼアミdeワールド66回目の放送、日曜夕方に終りました。19日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。アズナシはトピック盤の音源がyoutubeには見当たらず、アリオン盤は一部出ていますが、そちらとパーソネルが同じと思われるライブ映像を2本上げておきました。どちらも大変素晴らしいですが、若手中心に見えるトピック盤とは歌手が違うようです。(若手も素晴らしいのですが、謎です)

コーカサスの2回目です。今回も北コーカサス各地の音楽を聞いてみたいと思います。前回少し説明しましたが、北西コーカサス諸語をサーカシアまたはチェルケスあるいはアディゲ、チェチェンとイングーシはヴァイナフ、ダゲスタンはダゲスタン諸語と、大きく3つに分かれます。ヴァイナフとダゲスタンは、合わせて北東コーカサス諸語とも言われます。
北西コーカサスの総称に3つの名前があるのは、1500年ごろに成立し、コーカサス戦争や1864年のロシア・チェルケス戦争で滅んだ国、チェルケシアを英語でサーカシア、ロシア語でチェルケス、アディゲ語でアディゲと呼んだことに由来しています。冬期オリンピックが開かれたソチは、チェルケシアの首都でした。
ヴァイナフのグループに属するチェチェンの歌姫マッカ・サガイーポヴァの歌を前回一曲かけました。今回は英Topic Recordsの「反抗の歌:チェチェンと北コーカサス諸国の音楽」(英題はSONGS OF DEFIANCE: Music of Chechnya and the North Caucasus)を中心に聞いて行きたいと思います。

ツイッターなどで予告していましたので、仏Arionの録音でも知られるチェチェンの女性ヴォーカルグループのアズナシの英Topic Records盤の歌声から聞いてみたいと思います。「星は空から落ちてしまった」という曲には、「人生の短さを歌った哲学的な民謡」というコメントが付いていますが、そこにはチェチェンらしい諦念がうかがえて、この一枚を象徴するような悲しくも美しい一曲です。アズナシは、歌い手のカラーに合わせてでしょうか、ソロ歌手が民謡によって変わっていて、それがそれぞれの歌をより引き立てています。アズナシは、戦火の絶えない祖国を離れ、グルジアで活動しているようです。この曲もグルジアの首都トビリシでの2006年録音です。

<Aznach Ensemble / Stiglara 4分43秒>

次にこの盤の一曲目に戻りまして、Nokhtchiin Gimnという曲です。チェチェン語でチェチェンをノフチーと言いますので、訳せば「チェチェンの聖歌」となります。19世紀半ばのロシアとの闘いの中で生まれた歌です。同じくグルジアの首都トビリシでの2006年録音です。

<Aznach Ensemble / Nokhtchiin Gimn 3分12秒>
Ensemble Aznash (Duisi, Pankisi Valley, Georgia)

1分過ぎからNokhtchiin Gimnが出てきます。グルジアの合唱と共通する素晴らしさを一番実感できる歌唱と映像。

Aznash Ensemble


次もチェチェンの民謡で、男性歌手サハブ・メジドフのバラライカ弾き語りを2曲かけてみます。チェチェン特有の弦楽器パンダル(あるいはポンダル)の代わりに、よくバラライカも演奏されますが、おそらく同じ三絃で調弦が似ているのだろうと思います。同じコーカサス系であるグルジアの弦楽器パンドゥリやチョングリなどと共通する独特な奏法が、特に二曲目で聞けます。一曲目はダイモクという曲で、これは祖国の意味になりまして、望郷の思いを歌っています。二曲目は翻訳では「私は彼女を見つけられない、でも彼女を愛している」という内容で、中東の悲恋物語「ライラとマジュヌーン」を連想させる歌です。

<Sahab Mezhidov / Daimohk 2分7秒>
<Sahab Mezhidov / Ya Yish Ekush Dagna Yaznarg 2分35秒>

再びアンサンブル・アズナシの歌で、チェチェン民謡のAs Khastamboと言う曲です。和訳するなら「私は運命に感謝する」となりまして、やはり諦念の滲む歌です。リード・ヴォーカルのタムタ・ハンゴシヴィリのハリのある歌声がとても素晴らしいと思います。この曲ではアコーディオンに代わってバラライカ伴奏になっています。

<Aznach Ensemble / As Khastambo 3分5秒>

チェチェンの歌が続きましたので、同じ盤からアディゲの曲も今回かけておきます。Timur Losanovの弾くコーカサス・アコーディオンで、「アディゲの踊り」という曲です。レズギンカ型の8分の6拍子が聞き取れます。こちらも現地ではなく2006年ロンドンでの録音です。

<Timur Losanov / Adighian Dance 2分2秒>
Концерт Тимура Лосана в Майкопе - 2 часть

なかなかCDのような伝統的なままのyoutubeは見当たらないので、とりあえずアディゲの首都マイコプでのティムール・ロサノフのコンサート映像Vol.2を貼っておきます。色々なアディゲの舞踊が出てきます。


前回もお知らせしましたが、ここで加藤吉樹さんのウード・ソロのライブ情報を入れたいと思います。
カフェ&ZeAmi実店舗のトーク・トークで初のライブを行うことになりました。チラシが出来ましたので、現在配布中です。
限定30席、PAなしで、アラブやトルコの代表的な弦楽器ウードの生音と妙技を聞けるまたとない機会です。
加藤さんは、2015年4月9日の浄土寺(ウード、ヴァイオリン、ダラブッカのトリオとベリーダンス)、同年10月11日のバリパサールでのウード・ソロに続いて3回目の今治でのライブになります。

加藤吉樹 ウード・ソロ

日時 2017年8月2日 水曜日  6時開場 7時開演

場所 トーク&トーク (カフェ&ZeAmi実店舗) 
   今治市北高下町2-1-7 (ハイツ近藤2の1階)
   駐車場5台のため、できるだけ徒歩でのご来場をお願いします。

チャージ 2000円 (1アイスコーヒー付き)

ご予約・ご連絡先 
VYG06251@nifty.ne.jp

以上ライブ情報でした。宜しければ是非お越し下さい。


では最後にチェチェンのラヴ・ソングBiezamuoを聞きながら今回はお別れです。録音当時20歳くらいと思われるタムタ・ハンゴシヴィリのハリと緊迫感のある歌声がとにかく素晴らしいです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Aznach Ensemble / Biezamuo 2分57秒>

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2017年7月14日 (金)

レズギンカ~アルメニアとダゲスタンの例

youtubeにはハチャトゥリアンの「ガイーヌ」だけでなく、レズギンカの現在形が沢山出ていますし、マッカ・サガイーポヴァのiTunesの最近作も大変に素晴らしかったので、どれにしようかと思いながら昨晩は早々寝落ち(^^;(笑) 8月26日の内子座(ダンスのチェロ伴奏)に向けての練習が始まったので、昨晩の初回を終えてくたびれ果てておりました。
今日はアルメニアの舞踊団がハチャトゥリアンのレズギンカをやっている映像と、ダゲスタンの首都マハチカラのレストランでのレズギンカの2本を上げておきます。コーカサスの最南部に位置するアルメニアでは、レズギンカはおそらく盛んではないはずですが、ハチャトゥリアンがグルジア出身とは言え、アルメニア系という事で、このような舞台もあるのでしょうか。カフカス・ドラムも入っていますが、グルジアや北コーカサスでの演奏ほどの躍動感と鋭さには欠けるように思います。ダゲスタンの方はASA Styleと称する団体?のyoutube映像が夥しい数で上がっていて、さすがレズギンカの本家本元の民族、レズギ人のいる本場ダゲスタンの、「レズギンカの今」の白熱が感じられます。

Aram Khachaturian - Lezginka [Armenian National Dance Ansamble]

ASA STYLE - Лезгинка в Махачкале ( свадьба 2016 )

Лезгинка в Махачкале(マハチカラのレズギンカ)

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2017年7月12日 (水)

チェチェン・ポップスの歌姫マッカ・サガイーポヴァ

65回目の放送で一曲かけたチェチェンの歌姫マッカ・サガイーポヴァの「カフカス」以外の代表曲には、ダイモク(祖国)やКрасивый парень (Krasiviy paren=pretty boy)辺りが入ると思います。特にダイモクでは、8分の6拍子のレズギンカのリズムがはっきり出ていて、その浮き立つリズムが素晴らしいです。彼女の旋回も入りますが、こういう所にチェチェンの舞踊団Lovzarのメンバーでもある彼女らしい一面を覗かせています。Vecherinkaにはカフカス・ドラム(ドール)が入ってレズギンカのリズムが強力に出ています。
今日の収録では、英Topic Recordsの「反抗の歌:チェチェンと北コーカサス諸国の音楽」(英題はSONGS OF DEFIANCE: Music of Chechnya and the North Caucasus)から、他の歌手のダイモクを一曲かけました。来週また別の歌手のダイモクという曲をかける予定です。タイトルは同じですが、3曲とも全て別な曲のようです。
余談ですが、10年前にZeAmiブログを立ち上げたのも、南北コーカサスやヴォルガ中流域の音楽状況等の調査が最初の大きな動機でした。ハザール帝国の版図と重なる云々についても、何度か当ブログで探ってみたように思います。

Makka Sagaipova - Daimohk (Homeland)

Makka Sagaipova - Krasiviy paren

Makka Sagaipova - Vecherinka

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2017年7月10日 (月)

コーカサスの音楽 まずはハチャトゥリアンから

ゼアミdeワールド65回目の放送、日曜夕方に終りました。12日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。

今回から旧ソ連各地の音楽巡りに戻りたいと思います。ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、バルト三国と来て、次は黒海とカスピ海の間に位置するコーカサスです。コーカサスと言うと、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンをすぐに思い浮かべる人が多いと思いますが、まず最初にこれから回るのは、ロシア連邦側の北コーカサスです。コーカサスはロシア語ではカフカスと言いますが、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンの3か国は、ザカフカスとも呼ばれます。これはロシア語では「ザ」は英語の定冠詞「ザ」ではなくて、「向こう側」の意味なので、ロシアから見てカフカス山脈の向こう側(南側)の意味になります。
北コーカサスの中では、ソ連崩壊後に戦火の続いたチェチェンが一番有名だろうと思いますが、どうしても政情不安定な場所のイメージが強いと思います。チェチェンは民族の系統で見ると、印欧語とは異なるコーカサス諸語の民族の一つですが、他にもトルコ系の民族や、古代のスキタイとも繋がるような印欧語系のイラン系民族が入り混じって住んでいる所です。
政情不安故に録音はかなり少ないですが、ソ連崩壊前のメロディア盤の録音を初めとして、亡命先のグルジアなどでの録音もいくつかありますので、順にご紹介したいと思います。まずは、グルジア出身のアルメニア人作曲家として有名なハチャトゥリアンの、あまりに有名な「剣の舞」からかけてみたいと思います。躍動感溢れるハチャトゥリアンの自作自演です。

<ハチャトゥリアン/剣の舞 2分23秒>
Sabre Dance - Aram Khachaturian


次にコーカサス一帯に見られる剣を持った踊りのyoutube音源をかけてみます。CDでは見当たりませんが、現地のyoutube映像には沢山あります。おそらくこういうタイプの舞踊を見て、ハチャトゥリアンは「剣の舞」を書いたのだろうと思われます。クルド人が剣を持って戦いの踊りを踊るイメージで書かれたそうですが、音楽的にはグルジアなどの伝統舞曲レズギンカのカラーが強いように思います。これからかけますのは、チェチェンの山岳部の剣を持った踊りです。タイトルにはТанец с кинжаламиとありまして、キンジャラミと言うのはダガー(短剣)を指すのに対して、「剣の舞」の原題のТанец с саблямиのサブリャミというのは、サーベルを指します。

<ЧЕЧЕНСКИЙ ТАНЕЦ С КИНЖАЛАМИ ГОРЦЫ  3分41秒>


もう一本「古いレズギンカの短剣を持った踊り」と題する古い映像がありましたので、こちらもかけてみましょう。лезгинский(レズギンスキー)とは、ダゲスタン共和国南部やアゼルバイジャン北部に居住するレズギ人の方を指すかも知れません。レズギンカの名前のルーツとも言われている民族です。とにかく音楽がとても素晴らしいです。

<Старинный лезгинский танец с кинжалами 2分15秒>


次に同じバレエ音楽ガイーヌ(あるいはガヤネー)の中で、「剣の舞」に次いで有名なレズギンカをかけてみましょう。やはり躍動感の漲るレズギンカは場所によってイスラメイとも呼ばれていて、非常に速い8分の6拍子が特徴的です。4拍子のように聞こえても、よく聞くと一拍が「タンタ、タタタ」と6ビートになっています。偶然ですが、非常に速い8分の6拍子という点では、前々回にご紹介しました南イタリアのタランテラと共通しています。これからかけます音源は、やはりハチャトゥリアンの自作自演で、普通のオーケストラではスネアドラムで代用するところを、本場の民族打楽器カフカス・ドラムが華々しく使われていて、その音色が特筆すべき素晴らしさです。

<ハチャトゥリアン/レズギンカ 2分31秒>
Aram Khachaturian - Lezginka from Gayane


レズギンカの躍動感溢れるリズムは現代のポップスにも脈々と生き続けていて、そのサンプルとしてチェチェン・ポップスの歌姫マッカ・サガイーポヴァのカフカスという曲をかけてみましょう。チェチェン美人のマッカ・サガイーポヴァのCD入手は困難ですが、youtubeは色々ありますので、またZeAmiブログの方で上げたいと思います。この曲は旋律も日本人の心にストレートに訴えかける憂い節になっていて、それがレズギンカの躍動感の中で歌われて、何とも言えない魅力を醸し出しています。

<Makka Sagaipova / Kavkaz 3分47秒>
Makka Sagaipova - Ревнивый Кавказ


北コーカサスですが、ロシア連邦に属する幾つかの共和国がありまして、東から順に言いますと、ダゲスタン、チェチェン、イングーシ、北オセチア、カバルダ・バルカル、カラチャイ・チェルケス、アディゲとなっていて、この中でアディゲ、チェルケス、カバルダの3つの北西コーカサス語族を総称してサーカシアと呼んだり、個別の国名と同じで紛らわしいですが、チェルケスまたはアディゲと呼ばれる場合もあります。オセチアだけがイラン系で、コーカサス系と抱き合わせで国を成しているバルカルとカラチャイはトルコ系民族ですが、ダゲスタンの中にもコーカサス系に混じってトルコ系少数民族が沢山住んでいます。コーカサス系民族には、ザカフカスのグルジアやアブハジアも入ります。このように民族のモザイクと言うのがぴったりな地域です。


前回もお知らせしましたが、ここでライブ情報を入れたいと思います。
カフェ&ZeAmi実店舗のトーク・トークで初のライブを行うことになりました。チラシが出来ましたので、現在配布中です。
限定30席、PAなしで、アラブやトルコの代表的な弦楽器ウードの生音と妙技を聞けるまたとない機会です。
加藤さんは、2015年4月9日の浄土寺(ウード、ヴァイオリン、ダラブッカのトリオとベリーダンス)、同年10月11日のバリパサールでのウード・ソロに続いて3回目の今治でのライブになります。

加藤吉樹 ウード・ソロ

日時 2017年8月2日 水曜日  6時開場 7時開演

場所 トーク&トーク (カフェ&ZeAmi実店舗)
     今治市北高下町2-1-7 (ハイツ近藤2の1階)
   駐車場5台のため、できるだけ徒歩でのご来場をお願いします。

チャージ 2000円 (1アイスコーヒー付き)

ご予約・ご連絡先
  VYG06251@nifty.ne.jp

以上ライブ情報でした。宜しければ是非お越し下さい。


では最後にハチャトゥリアンの仮面舞踏会のワルツを聞きながら今回はお別れです。フィギュア・スケートの浅田真央選手が演目で使ってから一般に有名になりました。こちらもハチャトゥリアンの自作自演です。因みに冬期オリンピックが開かれたソチは、かつてチェルケス人の首都でした。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ハチャトゥリアン/仮面舞踏会 ~ワルツ 4分3秒>
Khachaturian - Masquerade Suite - Waltz

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2016年11月11日 (金)

ヨルダンのサーカシア

北コーカサスのサーカシア辺りの音楽を見ていくところから、2007年にZeAmiブログを始めましたので、懐かしいような感じも覚えます。ヨルダンのサーカシアについても、これで何度目かになりますが、youtubeも増えているようです。ヨルダンでの踊りの映像はなかなかないのでサーカシアのものを4本目に入れました。冬期五輪の開かれたソチでの、アディゲの舞踊団ナルメスの映像です。アコーディオンではヨルダンのサーカシアの女流名人アビダ・オマルの映像がありますので、2,3回目になると思いますが、上げておきます。3本目にはカフカス・ドラムあるいはドラムセットとのデュオを。同じリズムをドラムで叩くとは、なかなか興味深い映像です。

Abida Omar -the Queen of Circassian Music

abida 'omar circassian accordionist

Эльбрусоид- Вечер выпускников 15-06-2008 (Попурри)

В Сочи дал концерт ансамбль "Нальмэс"

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2016年11月 7日 (月)

パレスティナのサーブリーン ヨルダンのチェルケス

ゼアミdeワールド31回目の放送、日曜夕方に終りました。9日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。

近東の音楽をレバノン、シリアと回って、次はパレスティナとヨルダンです。近東というのは、中近東の中でヨーロッパに近い地域を指し、トルコやレバノン、シリア辺りが入ると思います。ヨルダンはアラブ遊牧民ベドウィンの録音がフランスのIneditからありましたが、現物がないので、北コーカサス系移民の音楽を終わりの方でご紹介します。

まず、パレスティナですが、最初にご紹介したいのがサーブリーンというグループで、彼らの1992年の「パレスティナ・インティファーダ世代の音と映像」での来日公演が鮮烈な印象を残しました。私はライブには行けなくて非常に残念な思いをしたのですが、その頃リリースされたファースト・アルバムの「預言者の死」には非常に強い感銘を受けました。インティファーダ(イスラエルに対する民衆蜂起)世代の、父祖の土地への熱い思いが、アラビック・ブルースと形容された歌から痛いほどに伝わってきます。そのアルバムから「故郷を愛する歌」をどうぞ。

<サーブリーン / 預言者の死 ~「故郷を愛する歌」>
Sabreen - A Patriotic Song


2002年に出た音楽之友社「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いたサードアルバム「何処へ」の拙稿レビューを読み上げてみます。何度も言っておりますが、この本は今治市立図書館に寄贈してありますので、是非ご覧下さい。

何より女性歌手カミリア・ジュブラーンのマウワル的とも言えそうなコブシ豊かな歌声とアラビア語の響きが素晴らしく美しい。「アラビック・ブルース」とも形容される独自のスタイルを深化させたパレスティナ人グループの3作目。ウードやカーヌーン、ヴァイオリンといったアラブ古典でお馴染みの楽器に、コントラバスやチェロ等が入る編成で、歌手ジュブラーンのカーヌーンとブズクの演奏まで聞けるのが嬉しい。そして、ポップで洗練された装いの中に、アラブの詩と歌の伝統が脈々と生き続けていることに驚かされる。92年の「パレスティナ・インティファーダ世代の音と映像」での鮮烈な来日公演から早10年、本作が録音されたのは2000年9月で、あの大事件のちょうど一年前である。古典音楽色、アラブ歌謡色は最も強い新作。(1stと2ndアルバムは現在入手不可)

1stと2ndアルバムは現在入手不可と書きましたが、今ではApple Musicで全て聞くことが出来ます。次にこのサード・アルバムの「何処へ」(Ala Fein)からIn the Silence of the NightとKohlを2曲続けてどうぞ。

<Sabreen / Ala Fein ~In the Silence of the Night, Kohl>
Sabreen - Kohl


ヴォーカルの女性歌手カミリア・ジュブランは、歌だけでなくウード演奏も素晴らしく、ソロ名義でもMakanなど3作品ほどリリースしています。それらもかけられればと思いますが、現物が完売して手元になく、データのみになっていますので、解説は参照できていませんが、マカンからYadayとRafifという2曲をどうぞ。

<カミリア・ジュブラン/Makan ~Yaday, Rafif>
كاميليا جبران في سكوت الليل


Kamilya Jubran .... Lafz


パレスティナには、他にもウード・トリオのル・トリオ・ジュブランや、パレスティナ人とユダヤ人の混成グループ、ブスタン・アブラハムとジルヤブ・トリオ、ウードとヴァイオリンの名手シモン・シェヘーンなどがいますが、ブスタン・アブラハムはやはり大分前に完売して現物が無い状態で、シモン・シャヘーンについてはエジプトやオスマン・トルコの古典的な音楽をよく取り上げているので、また後日ご紹介できると思います。トリオ・ジュブランについては、また機会があればにしたいと思います。苗字は同じですが、カミリア・ジュブラーンとは直接には関係ないようです。

では、最後にヨルダンの北コーカサス系移民の音楽に移ります。フランスのAd Vitam Recordsから「チェルケスの音楽 サーカシア」と題して出ている盤には、ハチャトゥリアンの「剣の舞」で有名なバレエ音楽「ガイーヌ」のコーカサス系舞曲レズギンカでお馴染みの、急速な8分の6拍子のリズムが登場しますが、youtubeなどでも確認して、寒い北コーカサスの音楽がヨルダンで聞こえるという不思議さを強く感じました。

ロシア連邦南西部の北カフカス西部に位置するコーカサス諸語に属するチェルケス、カバルダ、アディゲの3民族は、サーカシアとも総称されますが、彼らの一部は中東のヨルダンに移民していて、このアルバムはそのヨルダンでのサーカシアの人々の伝統音楽が録音されています。移住の頃のロシアは帝政の時代、トルコはオスマン朝の時代で、当時のヨルダンはオスマン領でしたから、ロシアの圧政を逃れ同じムスリムの国へは移住しやすかったのかも知れません。
レズギンカの別称のイスラメイやカーファなどの伝統的な舞曲のリズムがアコーディオンやカフカス地方の打楽器などによって演奏されています。北コーカサスの音楽は、また後日チェチェンなども含め取り上げる予定です。では、この盤からEslameh, Kabarley Eslameh, Qafaを時間までどうぞ。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Circassia - Musique Tcherkesse ~Eslameh, Kabarley Eslameh, Qafa>
Ensemble Circassien de Jordanie - Eslameh

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2014年2月19日 (水)

ウォルク・カッファ

ウォルク・カッファというアディゲの舞踊も、6年前にブログで取り上げましたが、今日の映像はその後アップされていたもの。タイトルに「ノーブル」とありますが、まさに北コーカサス民族の誇りを音に表した様な、非常に印象的で美しい曲と舞踊です。カフカスのレズギンカやイスラメイから、イランのレングにかけて、この辺りには8分の6拍子が目立ちますが、カッファもやはり同じ拍子。ローマ字表記はwork' k'afaとなっていますが、決してワーク・カファとは読まないで下さい(笑) Kabardinka ensembletとなっていますので、アディゲではなくカバルダのグループかも知れません。

Circassian Noble dancing (Adyghe work' k'afa) -'Kabardinka' ensemble

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2014年2月18日 (火)

ソチ五輪でのナルメスのサーカシアン・ダンス

昨日の映像はアディゲの舞踊団がゲストではなく、五輪関係者(あるいは来場者)をゲストに演じられたステージでした。サーカシアン・ハウスという施設がソチ五輪パークにオリンピック期間中は常設されていて、そこでのナルトというアンサンブルのステージでした。ナルトはアディゲ国立大学の民族舞踊アンサンブルでしたが、今日のナルメスはプロの団体。当ブログで07年暮れ辺りに北カフカス特集した時にも何度も取り上げたグループです。
一本目がソチ五輪でのナルメスのステージ。2,3本目は07年後に追加されていたステージの映像。日本で喩えるなら、北海道で催しがある際にアイヌの民族文化を紹介するのに似ているでしょうか。多分こんな催しが企画されるのではと、想像していましたが、やはりその通りでした。

Circassian Folk Ensemble "Nalmes" dazzles Sochi Winter Olympics Crowds

Nalmes tlapachase - 720 p.mp4

NALMES ZEFAUK.mp4

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2014年2月17日 (月)

ソチ・オリンピック・ゲストのアディゲ舞踊

ソチ・オリンピックが盛り上がっていますので、少し東南アジア・シリーズをお休みして、そちらに行ってみます。そもそも当ブログは、ソチから近い北コーカサス辺りから始めましたので、ルーツの地でもあります。コーカサス系の中のサーカシアに入るアディゲは、ソチのあるロシア連邦のクラスノダール地方に囲まれた、コーカサス系の飛び地。サーカシアとは、西からアディゲ、チェルケス、カバルダと連なる北西コーカサス諸族の総称です。カフカス系の舞踊の中でも、特に古風で優雅な美しさを見せるアディゲの舞踊が招待されてのステージのようです。

"Nart" Circassian Dance Ensemble of Adigea hypnotizes a packed house of Sochi Olympics guests

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