北コーカサス(カフカス)

2017年12月14日 (木)

Debi Gogochurebi のチェチヌリ

今週の放送の補足としては、他にジョージアン・ヴォイスとギター伴奏の歌を予定しておりましたが、ジョージアン・ヴォイスは来週も宗教歌を取り上げていますので、来週に回しまして、ギター伴奏の方は金曜にアップします。今日はもう一回トリオ・マンディリ関連です。彼女らが何故チェチェンのマッカ・サガイーポヴァの曲を歌っているのか、どうも気になりますので、関連動画を見ていたらグルジア語で「シスターズゴゴッツ - チェチェン(დები გოგოჭურები - ჩეჩნური)」と題する別グループの演奏が見つかりました。アップは2013年8月ですから、トリオ・マンディリよりこちらの方が先なのではと思いました。マッカさんのPretty Boy(ロシア語でКрасивый парень、チェチェン語ではХаза к1ант)から始まって、トリオ・マンディリのチェチヌリ・ポップリと同じ曲をメドレーで歌っているようです。トリオ・マンディリの演奏は、このカバーでしょうか?パンドゥリ弾き語りに、ダラブッカ(ジャンベ?)をカフカス・ドラムのリズムで叩き、チョングリはベースを担当しているようです。ビデオ解説にはDebi Gogochurebi - Chechnuriとあります。デビ・ゴゴチュレビ(ゴゴチュレビ・シスターズの意味)がグループ名のようです。2本目もチェチェンの曲で、やはり確かマッカさんの歌です。

თათული მგელაძე - ჩეჩნური

თათული მგელაძე - ჩეჩნური

თათული მგელაძე - ჩეჩნური

こちらはおまけ。トリオ・マンディリの最初の大ブレーク曲、アパレカを男性がパンドゥリで弾き語り、横でタチア・ムゲラゼも歌っています。おそらくマンディリではまだブレークする前です。

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2017年12月13日 (水)

グルジアとチェチェンの歌姫

早速ちょっとトリオ・マンディリの話題に戻りますが、チェチヌリ・ポップリと言う曲で、チェチェン・ポップスのマッカ・サガイーポヴァの曲をやっていて云々と言っていましたので、別な映像と並べてみようかと思いました。リード・ヴォーカル(おそらく)のタチア・ムゲラゼがパンドゥリをストリートで弾き語っている演奏の冒頭にも、例のPretty Boy(ロシア語ではКрасивый парень)が出てきます。彼女のパンドゥリの腕前も、相当なものだと思います。マッカさんの曲が、またチェチェンの音楽がグルジアでどういう風に受け止められているのか(パンキシ渓谷のチェチェン難民経由なのか、とか)、またその逆で、グルジアの音楽はチェチェンでどういう位置にあるのか、とても気になるところです。2014年1月アップの動画ですから、まだトリオ・マンディリの大ブレーク前だと思います。しかし、こうして並べると、また実に、南北コーカサスの美人歌姫対決のようにも見えてきます(^-^)

თათული მგელაძე - ჩეჩნური

Makka Sagaipova - Krasiviy paren

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2017年11月 8日 (水)

ウビフの踊り

既に北コーカサスの音楽巡りは一通り終えてグルジアに入っている訳ですが、とても気になる映像を先日見つけておりました。ウビフ人と言えば、「アブハズ人、アディゲ人、チェルケス人、オセット人、ウビフ人などの北コーカサス諸民族には、ナルト叙事詩という古い語り物がありまして」云々と先日の放送で話し、ブログにも上げましたが、ウビフについては、確かに北西コーカサス語族(アブハズ・アディゲ諸語)の一つではあっても、「もとは黒海北部沿岸のソチの付近に住んでいたが、1875年ごろにトルコに移住し、1992年10月7日、ウビフ語の最後の話者であったテヴフィク・エセンチ(Tevfik Esenç)が死去し、ウビフ語は死滅した。」とウィキペディアにもあるように、死語になっている言葉。ですから、現代のウビフ舞踊などというのも見るのは難しいはずですが、ここで演じているのは、Malyenkii Djigit folk dansing ensembleというカバルダの舞踊団で(Zalukoquazheと言うのは地名?)、音楽はアディゲの舞踊団ナルメスが付けて、復活蘇演している映像のようです。ウビフ語については、クロード・レヴィ=ストロースの構造主義に大きな影響を与えたフランスの言語学者ジョルジュ・デュメジルがウビフ語の研究を行ったことで、一部では知られていると思います。世界でもっとも多くの子音を持つ言語であると考えられ、母音は2つしかないという、特異な言語とのこと。アディゲとカバルダの共同作業は、どこか中東的な装いに見えますが、やはりトルコ移住後の踊りを想定してのことでしょうか。

Ubyh dance - Убыхский танец.m2ts

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2017年11月 6日 (月)

アブハジアからグルジアへ

ゼアミdeワールド81回目の放送、日曜夕方に終りました。8日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。ビクター盤の映像はやはりありませんでした。

今回からグルジアの音楽巡りの予定ですが、前回メロディア盤ラストの11分を越える婚礼の歌が、冒頭の2分ほどしかかけられなかったので、まずこの曲を全曲かけてからにしたいと思います。アブハジアの男声合唱が出てきますので、後でかけるグルジアの男声合唱との比較にもなると思います。曲名はApsua charaです。そのものの動画はありませんでしたが、10年ほど前にアップした「山岳部のリズム」とロシア語で出ているカフカス太鼓四重奏など関連映像が色々ありました。おそらくApsuaと言うのが婚礼の意味ではと思います。

<Abkhazian Music - Abkhazian State Folk Song Ensemble / Apsua chara (Abkhazian Wedding Song 11分21秒>

Apsua a chara a koshara


APSUA AKUASHARA


グルジアの伝統音楽のCDですが、私が把握しているだけでも欧米盤中心に20枚余りはありますが、コーカサスや中央アジアの音楽はよく売れるもので、私の手元に現在残っているのは8点ほどです。その中からご紹介していきます。
グルジアの音楽では、何といっても男声合唱が有名で、その歴史は非常に古く、紀元前4世紀のギリシアの歴史家クセノフォンがグルジアの歌について、紀元前1世紀には地理学者のストラボンが、グルジアの合唱団は交互に歌うことを書き残しています。
また特筆すべきエピソードとして、ロシア20世紀の大作曲家ストラヴィンスキーは、ハッサンベグラという曲を聴いて「人類の作った最高の音楽」と称賛したそうです。深遠な美しさだけでなく、その中でヨーデルのような裏声パート「クリマンチュリ」の暴れ方が一種のバーバリズムを醸し出し、歌以外にも、喋り、叫びなどの発声も交えた複雑なリズムとハーモニーのポリフォニーになっていて、いかにも「春の祭典」などで知られるストラヴィンスキーの心を捉えそうに思います。
そのハッサンベグラという曲をまず聞いて頂きましょう。アメリカのTraditional Crossroadsから出ている「グルジア共和国での最初の録音 1902-1914 Drinking Horns & Gramophones」に収録されているSP音源で、20世紀初頭のソヴィエト以前の、まだ帝政ロシア時代のグルジア録音です。正にストラヴィンスキーが聞いた頃の録音でしょう。

<グルジア共和国での最初の録音 Drinking Horns & Gramophones~Khasanbegura 3分40秒>
The first recordings in the Georgian Republic Khasanbegura 1907


同じハッサンベグラを、ビクターJVCワールドサウンズシリーズの「サカルトベロ 奇蹟のポリフォニー」の新しい演奏でも聞いて頂きたいと思いましたが、この盤が行方不明で今回はかけられませんので、今回はその続編の「マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー」から数曲ご紹介します。サカルトベロとは、グルジア語での自称です。この盤について音楽之友社の「世界の民族音楽ディスク・ガイド」に書いた拙稿を読み上げてみます。

1978年に結成された少年と若者達による合唱団。マルトゥベとはひな鳥の意味で、このサカルトベロの合唱シリーズ3枚は老若男女のグルジア合唱を網羅している。シリーズ1に収録の平均年齢75歳のグループと合唱のスタイルはほとんど同じである。この込み入ったポリフォニーを少年がやってしまうのだから凄い。特にドローンの深々とした音色がいい。この若年にしてこの表現、驚きである。自身著名な歌い手である指揮者エルコマイシビリの育て上げた、青年からボーイソプラノまでの広い音域を誇る合唱団で、首都トビリシのグループだからだろう、グルジア各地の民謡を歌っている。レパートリーは仕事歌、旅の歌、恋愛歌、戦争の歌など。

このように書きました。何度か言いましたが、この本は10年ほど前に今治中央図書館に寄贈してありますので、宜しければ是非ご覧下さい。音楽の棚に並んでいます。

この盤から、まず一曲「シャイレビ・カフリ」という曲をかけてみます。少年達がお互いをからかい合っている冗談歌ですが、グルジアらしいハーモニーが聞ける親しみやすい曲です。

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~シャイレビ・カフリ 2分30秒>

2曲目には、戦争で死んだ兵士についての歌「ワラド・アプハズリ」という曲が入っていて、グルジアの合唱の静謐で神秘的な一面が表れた印象的な曲です。

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~ワラド・アプハズリ 2分19秒>

次は17曲目に飛びまして、ツィンツハロという恋愛の歌です。泉のほとりで男が美女に出会い、彼女に求愛するが、かなわず失恋するという物語が歌われています。サカルトベロの代表的な名曲の一つです。

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~ツィンツハロ 3分41秒>

最初のアブハジアの盤の終曲が音飛びして最後までかからなかったので、時間が余ってしまいました。予定を変更してマルトゥベのラストを飾っているナドゥリという曲を聞きながら今回はお別れです。最後にふさわしい華やかな曲で、節の中で音を下げるような歌い方には度肝を抜かれました。これは驚愕の唱法だと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<マルトゥベ 奇蹟のポリフォニー~ナドゥリ 3分15秒 抜粋>

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2017年11月 2日 (木)

アブハズ語の正教聖歌 ナルト叙事詩人形劇

アブハズ語で行われる正教会の礼拝そのものの映像がありました。映像が非常に美しく、教会建築は長い伝統を感じさせます。聖歌はコーカサスのポリフォニーを想起させる部分も多いように思います。紛争について、アブハズはムスリムなのでグルジアと対立、という単純な話ではないようです。ナルト叙事詩も、ロシア語のНАРТСКИЙ ЭПОС(ナルトスキー・エポス)で検索すると色々と出てきます。英語字幕もついて、面白く見れます。(オブズバクやサマフアという人名はまだ見つかっておりませんが)

Beautiful Orthodox Hymn in Abkhaz Language | Cathedral of St Panteleimon in Abkhazia

НАРТСКИЙ ЭПОС. НАРТЫ КАДЧЫТАЕ. РСО-АЛАНИЯ.

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2017年11月 1日 (水)

アブハズの正教会音楽?

2600回の記事数になりました。今日は夕方の81回目の収録の前にブログを書いております。80回目の放送で「アブハジアにはイスラム教徒が16%いて」云々と言いましたが、アブハズ人が全てムスリムというはっきりした言い方は避けました。いくつか前に参照した本などでは、アブハズ人はムスリムなので、キリスト教徒のグルジア人と対立した云々の分かり易い説明が多かったように思いますが、新しい情報が盛り込まれることの多い某サイトでは、あいまいな説明に留めていました。今日のyoutubeを見ると、アブハズ人にも正教徒がいないと辻褄が合わなくなりますが、どちらが正しいのでしょうか? アブハジアにはロシア人とアルメニア人もいるようですが、この映像では、はっきりAbkhazian Orthodox Musicと書かれています。あるいは、アブハジアのロシア人かアルメニア人の正教会の映像でしょうか? (昨晩は収録準備をしていて、うっかりゼアミHPを霜月に変え忘れました。夜に変えます。)

Abkhazian Orthodox Music

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2017年10月30日 (月)

アブハジアの伝統音楽

ゼアミdeワールド80回目の放送、日曜夕方に終りました。1日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。

今回はグルジアの北西部の黒海沿岸に位置するアブハジアと、見つかればチェチェンの兄弟民族イングーシの音源も考えておりましたが、イングーシの方が見つからず、あっても古い録音が1,2曲だけですので、アブハジアの音源をご紹介します。
アブハジアは、コーカサス山脈の南に位置しますが、アブハズ語は言語的にはグルジアよりも、山脈の北側のアディゲ、チェルケス、カバルドなど北西コーカサス諸族に近く、アルメニアと並んで世界最古のキリスト教国として知られるグルジアの中では、イスラム教徒も割と多く、16パーセントほどいるようです。ソ連崩壊後のアブハジア紛争の後も、国際的にはジョージア(或いはグルジア)の一部とされますが、実質的には独立状態にある国です。余談ですが「ジョージア」という現在の正式な呼び名については、昔から「グルジア」と言い慣らして来た者にとっては、アメリカの州の名前か、缶コーヒーのようで非常に違和感がありますので(笑)、今後もグルジアで通します(笑)
これまでにチェチェンやサーカシアの音源をご紹介してきましたロシアのレーベルMelodiyaのAnthology of folk musicのシリーズには、旧ソ連各国のソ連時代の貴重音源が網羅されていまして、アブハジアだけで1枚当てられています。今回はその盤を取り上げます。国内仕様盤では副題が「黒海の真珠」となっております。黒海に面した温暖な気候により、ロシア帝国・ソビエト連邦時代には「黒海の真珠」と称され、リゾート地としても栄えた地方で、アブハズ人、アルメニア人、ロシア人などにより構成されています。伝統音楽には、コーカサスらしい幽玄な美しさのポリフォニーを聞かせる男声合唱と、伴奏にはアコーディオンや数種類の笛や太鼓が用いられます。この盤の録音は1970年-1987年のようです。

まずは一曲、冒頭のアフィルティン・アンサンブルの男声合唱による民族舞踊曲をどうぞ。やはりグルジアの男声合唱にそっくりですが、違いがどこかにあるはず。それを見つけるのも一興でしょう。

<Abkhazian Music - Ensemble Song and Dance Afyrtyn / Auraash`a 2分6秒>

次も同じアフィルティン・アンサンブルの男声合唱による婚礼の歌唱です。花嫁が初めて花婿の家を訪れた場面で歌われるようですが、こんな壮麗な歌を歌われたらどんな気分でしょうか。

<Abkhazian Music - Ensemble Song and Dance Afyrtyn / Radeda 2分52秒>
Didgori Choir•Radeda•(Abkhazia region)


次は7曲目で、やはり同じ男声合唱によるオブズバクについての歌とあります。この盤は解説が簡略なため詳細が不明ですが、アブハズ人、アディゲ人、チェルケス人、オセット人、ウビフ人などの北コーカサス諸民族には、ナルト叙事詩という古い語り物がありまして、ギリシア神話やイギリスの『アーサー王伝説』との関連も議論されてきましたが、オブズバクと言うのはその登場人物の一人かも知れないと思いましたが、どうでしょうか。常々気になっていますが、日本のアニメのナルトとも関係があったりするのでしょうか?
アーサー王の話は、イギリスとコーカサスでは場所が飛び過ぎの気もしますが、この伝説が形成された時代に北フランスに移住した、オセット人の祖先にあたるアラン人が伝えたという説があるようです。

<Abkhazian Music - Ensemble Song and Dance Afyrtyn / Ozbak iashva ( Song about Obzbak) 1st version 2分10秒>
Ozbak - Abkhazian folk song - Abkhazian Ensemble


続く8曲目も同じ男声合唱ですが、太鼓(おそらくナガラ)と手拍子で賑やかに伴奏しています。このサマフアというのもナルト叙事詩かもと見ましたが、どうでしょうか。また調べてみてブログで報告したいと思います。今回はかけませんが、16曲めにはグループ名がNartaaという、いかにもナルト叙事詩を思わせる団体がありました。

<Abkhazian Music - Ensemble Song and Dance Afyrtyn / Samakh`khuaa iashva ( Song about Samakhua) 1st version 1分9秒>

9曲目は、先ほどのSong about Obzbakの2nd versionとありまして、歌っているフェルズバ・ファミリーは、女性と子供と思われます。男声以外でも同様のコーカサス特有のすばらしいポリフォニーを聞かせます。

<Abkhazian Music - Ferzba Family / Ozbak iashva (Song about Obzbak) 2nd version 1分37秒>

10曲目には羊飼いの歌となっていますが、笛の独奏で、ここで吹かれている牧笛Acharpyn pipeは、声との二重音声になっていて、同様の笛は、東欧各地やコーカサスの北のバシコルトスタンなど方々で見られます。

<Abkhazian Music - E.Bagatelia / Auasarkhviga (Shepherd`s Song) 1分15秒>

11曲目は女性のアンサンブル、グンダの演奏で、グルジアの大人気女性トリオTrio Mandiliを思わせるようなチャーミングなコーラスを聞かせます。

<Abkhazian Music - Girls` Ensemble Gunda / Azamat 1分55秒>
Abkhaz Folk Song "AZAMAT" (Азамат)


少し飛んで15曲目には「ヒブラについてのユーモラスな韻」と題が付いていまして、コーカサスらしい男声合唱と西洋の古楽が融合したようなユニークな音楽になっています。ラストの11分を越える婚礼の歌と並んでこの盤の白眉だと思います。

<Abkhazian Music - Folk VIA Ertsakhu / Alaf iashva Khibla (Humorous Rhymes about Khibla 3分5秒>

では最後に、そのラストの11分を越える婚礼の歌を時間までかけて今回はお別れです。男声合唱や独唱、器楽も多彩で、盛り沢山なステージが髣髴とされる曲です。次回からグルジアの色々な音楽を聞いて行く予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Abkhazian Music - Abkhazian State Folk Song Ensemble / Apsua chara (Abkhazian Wedding Song 11分21秒 抜粋>
Abkhazian Wedding Song

同じ曲ではないようですが、こんなノリがあります。自然に湧いて出るような男声合唱。素晴らしいです。Apsua charaは放送で2分弱しかかけられなかったので、次回全曲かけます。

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2017年10月27日 (金)

北コーカサスの合唱とナルト

ダゲスタンのラクやその他の民族でもう少し、と思いながら、なかなかピントが絞れず、睡魔や用事に追われ通しでした(-_-;)(笑) 色々見ている内に、チェチェンと北オセチアになりますが、チェチェンが古い女声合唱、オセチアは次回の放送内容とも重なる北コーカサスの民族叙事詩ナルトを思わせるタイトルの、やはりコーカサスの合唱です。チェチェン語の喉の奥から出す音の響きとポリフォニーの美しさに魅了され、オセチアの方は奥深い合唱の背景に、ナルト叙事詩が垣間見えてくる映像です。こういう素晴らしい歌唱を聞くと、他のコーカサスのポリフォニーも、テキストから聞き直す必要性を感じます。

NUR-ZHOVKHAR • the ancient Chechen folklore

Narti bægæni (Narts beer) Ossetian folk song of "Nart Saga"

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2017年10月23日 (月)

アヴァールとラクの歌

ゼアミdeワールド79回目の放送、日曜夕方に終りました。25日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。蘭Panの音源はyoutubeに上がっていたようですが、ブロックされて見れなくなっておりましたので、1曲目のアイラザットを再度アップしておきます。

Ay Lazzat


今回もオランダPanのCD「Songs and Melodies from Dagestan」からご紹介します。この盤の後半の、コーカサス系のアヴァールとラクの歌が中心です。
まずコーカソイドについて、前回少し説明が足りず、コーカサス的=西洋的のような誤解を招く間違いもありましたので、補足しておきます。コーカソイドとは一般に白人を指す用語で、コーカサスに由来しておりまして、主要な居住地はヨーロッパ、西アジア(中近東)、北アフリカ、西北インドです。
以下ウィキペディアから少し引用しておきます。「人類学が成立したヨーロッパはキリスト教圏であり、ユダヤ・キリスト教に由来する価値観が重んじられていた。ヨーロッパのキリスト教徒にとって、『創世記』のノアの方舟でアララト山にたどり着いたノアの息子たちは現在の人類の始祖であった。人類学の父とされるドイツのブルーメンバッハをはじめとするヨーロッパ人学者たちは、アララト山のあるコーカサスに関心を抱いていた。~ コーカソイドとはヨーロッパ人がキリスト教的価値観に基づいて自己を定義するために創出された概念である。」以上のようにありました。
何度か言いましたが、コーカサス諸語はヨーロッパの主要言語が属するインド・ヨーロッパ語族とは全く別系統ですが、人種的には同じコーカソイドというくくりになるようです。チェチェンとイングーシが属するコーカサス諸語の中のヴァイナフ語派の「ナフ」というのが創世記のノアに由来しているらしく、チェチェンの自称ノフチーは「ノアの子孫」を意味する点などは、ヨーロッパ側からの視点ではなくても聖書に由来している興味深い事例として上げられると思います。
さてオランダPanのCD「Songs and Melodies from Dagestan」から聞いていきましょう。

11曲目 Hiramunikha(Lovely Girl)
コーカサス系のラク語の歌で、この言葉の歌は男性歌手のアリ・オマル・アリエフが担当しています。ヒラムニハと言うのは、愛しい少女と訳せるようですが、内容は「君は立ち去り、私に残されたのは月の無い夜と、からっぽの家だけ」という、何とも切ない愛の歌です。

<Songs and Melodies from Dagestan - Hiramunikha(Lovely Girl) 2分37秒>

12曲目 Heychali(Talisman)
この「お守り」と言う曲もアリ・オマル・アリエフのアコーディオン弾き語りによるラク語の歌で、戦争で夫を失った女性の悲しい歌です。他の曲ではパンドゥールとクムーズを弾いていたムタイ・ハッドゥラーエフがここでは擦弦のチャガナを弾いています。「私がこんなに不幸な訳を教えて。誰が悪いの? 私?それともお守り?」というこれまた切ない歌です。

<Songs and Melodies from Dagestan - Heychali(Talisman) 2分25秒>

14曲目 Kh'uwativ sh'ai qu'at'azav (Where are you?)
非常に読みづらい長いタイトルに見えますが、訳すと「あなたはどこにいるの?」と至ってシンプルです。サニジャト・スタノヴァによるアヴァール語の歌で、ダゲスタンの古典的な詩人の「コハブロソのマフムード」による詩です。「愛する人との逢瀬を辛抱強く待っている女の子の愛の歌で、彼女の心は切れた糸から外れたビーズのように粉砕されている」という切ない女心を歌ったラブソングです。

<Songs and Melodies from Dagestan - Kh`uwativ sh`ai qu`at`azav 2分45秒>

15曲目 Kiv vughiv mun kiv vughiv (Where are you, Hero of my Dreams?)
綴りはかなり違いますが、この曲も「あなたはどこにいるの?」と訳せるようです。後半には「私の夢の英雄よ」と付いています。やはり愛する人を辛抱強く待っている若い女性の愛の歌です。サニジャト・スタノヴァによるアヴァール語の歌で、若い女性歌手が歌うのが常のようです。

<Songs and Melodies from Dagestan - Kiv vughiv mun, kiv vughiv 2分56秒>

16曲目 K`aydar
再びアリ・オマル・アリエフのアコーディオン弾き語りによるラク語の歌で、グカルの要塞の防衛のリーダーだった17世紀ラクの英雄カイダールについて歌われています。「もしそれが山々と谷を襲ったら、祖国のためにカイダールが正に鷲のように立ち上がるだろう」こんな内容の歌です。

<Songs and Melodies from Dagestan - K`aydar 3分>

18曲目 Ak'lu tle ebel (Ask your Mother for Advice)
サニジャト・スタノヴァによるアヴァール語の歌で、母に捧げられた古いアヴァールの歌です。「あなたの母に尋ねて、アドバイスをもらって」というような内容のようです。この後3曲はライブ音源のようです。

<Songs and Melodies from Dagestan - Ak`lu tle ebel 4分9秒>

19曲目 Chiyak rod'kli kogegi (Hopeless Love)
英訳に「希望のない愛」とあるアヴァールの愛の歌で、結婚した男性に決して愛を打ち明けられない若い女性の苦しい胸の内を歌っているようです。解説には以上のようにありましたが、18曲目と同じ旋律に聞こえます。

<Songs and Melodies from Dagestan - Chiyak Rod`kli Kogegi 4分6秒>

20曲目 Farewell Song
ラストの曲のタイトルは「お別れの歌」とありまして、タイトル曲のアイラザットと同じく、アヴァール人女性歌手サニジット・スルタノヴァと、ノガイ人女性歌手ズーラ・シャンディエヴァが最後に一緒に出てきて軽快に歌っています。 この曲を聞きながら今回はお別れです。ダゲスタンにはアヴァール、ラク、クムイク、ノガイ以外にも主要民族だけで6つはいますが、伝統音楽のyoutube映像は見つかっても、CD音源は見当たらないので、ダゲスタンは今回で最後にしまして、次回はグルジアの北西部に位置するアブハジアと、見つかればチェチェンと北オセチアの間のイングーシの音源も聞いて行く予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Songs and Melodies from Dagestan - Farewell Song 2分20秒>

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2017年10月20日 (金)

タバサランのレズギンカ и ガムザトフのドキュメンタリー

アヴァールより人口の少ないダゲスタンのコーカサス系民族の中で、ダルギンについては最初にマリナ・ムスタファエヴァをご紹介しました。もう一つ名を上げていたタバサランで探すと、ポップス系かレズギンカですが、いくつかありました。コーカサス諸語民族の居住場所で見ると、レズギンカの故郷レズギンとダルギンの間に住んでいるタバサラン。レズギンカも本家本元に近いノリがあるのでしょうか。タバサラン人の有名人に、女子棒高跳びの選手エレナ・イシンバエヴァがいます。父がタバサラン人、母はロシア人で、コーカサスから結構離れたヴォルゴグラード生まれです。(と言ってもヴォルガ下流に近く、モンゴル系のカルムイクとアストラハンに接している州ですが)
2本目は、先日アップしました「鶴」の詩を書いたアヴァールの詩人ラスール・ガムザトフのドキュメンタリー「私の道(マヤ・ダローガ)、ラスール・ガムザトフ」です。この人の関連映像は結構あります。土日にじっくり見られてみてはいかがでしょうか。私も関連映像もちゃんと見てみて、「鶴」関連の映像があったりしたら、またアップします。

tabasaran lezginka

Моя дорога. Расул Гамзатов

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