北コーカサス(カフカス)

2008年2月18日 (月)

チェチェンの器楽

歌を見たついでに、今日はチェチェンの楽器編。11月にも少し取り上げましたが、その後素晴らしいビデオが見つかりましたので。

Chechen Music 6 Merz Ponder Saxab

前にアップした時はDechk Pondarとなっていましたが、ここではMerz Ponderとなっています。どう違うのかはよく分かりません。グルジアのパンドゥーリに音色、和声共にそっくりですが、おそらく奏法も似ているのでしょう。しかしこの人のテクニックは凄い! 特に右手の技には目を見張ります。バラライカで代用されることも多いのですが、この楽器の侘び寂びの音色は本当に素晴らしいです。冒頭のアップ・ストロークの右手の使い方からは、クルドのタンブールも思い出してしまいます。

Chechen Music 3 Ponder Umar Sagaipov

昨日アップしたマッカ・サガイーポヴァの父上、ウマル・サガイポフのアコーディオン演奏。チェチェンの国民的アコーディオン名人らしいです。沢山クリップがありますが、これが一番オーソドックスなレズギンカらしい演奏でした。

DAYMOHK ANSAMBLE (in Turkey)

「ダイモク(祖国)」という名の舞踊団の、イスタンブールでの映像。このチェチェン少年少女舞踊団「ダイモク」を撮ったドキュメンタリー映画「踊れ、グローズヌイ!」、日本各地で上映会が開かれていました。詳しくはこちらで。残念ながら終わってしまいましたが。子供たちの踊りっぷりも勿論素晴らしいですが、音の高さの違うカフカス・ドラムのリレーが凄まじいです。DAYMOHKですが、ダイモクかダイモフか、表記に迷う言葉です。

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2008年2月17日 (日)

チェチェンの女性歌手

今日は何人かチェチェンの女性ポップス歌手のクリップを見てみましょう。伝統色の濃淡は色々ですが、共通しているのは、レズギンカ型のリズムが頻繁に出てくるということ。現在のチェチェン・ポップスでも、かなりこのリズムが出てくるようです。4拍子に取れても、一拍が「タンタ、タタタ」の6つに細分化されて、さながらパルス・ビートのようです。これは慣れると病みつきになるかも。ゆったりした曲では、4拍子が「タンタ、タタタ、タンタ、タタタ」と8分の12のように聞こえるパターンが多いようです。

Noxchi eshar

ビデオのコメントには、この女性歌手はMalika Ucaevaとありましたが。チェチェンの演歌的な位置にいる歌手でしょうか。しかし少しロシア的にも感じる歌です。

Kavkaz (Кавказ) - Makka Sagaipova

ここ数年、全カフカスで大人気のマッカ・サガイーポヴァの「カフカス」。これはロシア語による歌唱。この曲もちょっと80年代の歌謡曲的にも聞こえますが、若手歌手の歌とは思えない哀愁味がたまりません。コブシも巧みで、日本でも(特にオヤジ世代に?w)絶対受けると思うのですが。(ブログに2回目の登場かもw)レズギンカのパルス・ビートが良いです。イスラムの聖地メッカをアラビア語では「マッカ」と言いますが、彼女の名前はそこから来ています。いやぁしかし、チェチェン美人ですね^^

Фатима Турпулханова Fatima Turpulhanova WebkavkazClub.net

ファティマ・トゥルプルハノヴァ、でしょうか。マッカさんよりは若手に見えます。歌唱力では大分落ちるなぁと思いますが、やはりもの凄い別嬪さんですね~^^ 何曲かありましたが、レズギンカ・ビートはこれだけでした。チェチェン語は子音が豊富で、喉の奥を使って出す音に特徴があります。

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2008年2月16日 (土)

チェチェンと北コーカサスの音源登場

今日もまず昨日の訂正から。
ユダヤ音楽の記事ですが、95年にMacで書いていた文章をペーストしたため、よく似た漢字に変換されている箇所が沢山見つかりました。よーく目を凝らさないと分からないものがほとんどで、後でびっくりしました。マックからウィンドウズに移すとよく起こるんですね。礼拝が札拝とか、ちょっと洒落にならないような誤変換もありました。お詫びして訂正いたします。昨夜遅くに訂正を入れてあります。(もうないとは思いますが・・)

さて、HPと重複しますが、今日はこのCDにスポットを当てます。

チェチェンと北コーカサス諸国の音楽
Defiancechechnya SONGS OF DEFIANCE: Music of Chechnya and the North Caucasus
Recordings and compilation by Michael Church

政情不安定なため、神秘のヴェールに包まれたかのような北コーカサス。ロシア連邦の最南部に位置し、黒海とカスピ海の間の険しいコーカサス山脈北麓に住むコーカサス民族の地は、やはり容易に辿り着けない土地なのでしょうか。この録音もかなり困難な状況の内になされたようです。去年の11月に、当ブログでyoutubeを入れながら北コーカサス特集をやりましたが、願いが通じたかのようにTopic Recordsからこの音源が登場しました。20世紀初頭のグラモフォン録音に続き、2枚目の快挙です。まだ未入荷ですが、非常に楽しみなCDです。
チェチェンはロシア語ではチェチニャ、チェチェン語ではノフチーと言います。曲名に出てくるNokhchoやNokhchiychyoは、ノフチーの変化形だと思います。タイトルは日本語に訳すと「挑戦の歌」か「反抗の歌」ということになりますが、確かにレズギンカ型(多くは8分の6拍子)の強靭なリズムには、ロシアなど外部の圧力に屈しない誇り高きコーカサス山岳民族の心意気が表れているようにも思います。北コーカサス最西部のアディゲなどでは、見る要素の強い芸能がほとんどですので、映像も見たくなりますが。雅びな伝統舞踊曲のKafaやCircassian Danceも、アディゲやその東のチェルケス辺りの舞踊曲。アディゲ、チェルケス、カバルディンのコーカサス系3民族をまとめてCircassian(サーカシアン)とも言います。チェチェンとイングーシは、北オセチアを挟んで東隣になります。
収録曲の多いアズナシ・アンサンブルは、仏Arionから単独盤が出ていた女性のみのチェチェン伝統音楽グループ。戦火の絶えない祖国を離れ、グルジアで活動しているようです。1曲目と20曲目は仏Arion盤にも入っていた曲。gimnは、Hymn(聖歌)のチェチェン語では。
カラチャイやバルカル、それからダゲスタンのノガイとクムィクなど、チュルク系民族の音源は今回ほとんど入っていません。(14曲目だけバルカルの曲かも)もしかしたらこれから別に出るのでしょうか。イラン系の北オセチアではそれ程でもありませんが、チュルク系とコーカサス系では、音楽も結構違ってきます。

イギリスのレーベルらしく、作曲家のギャヴィン・プライヤーズとマイケル・ナイマンが評を寄せています。

"Just when you think you have a grasp on indigenous European music, along comes something that blows away all your preconceptions. This music seems to come from some mysterious other place, with its rough-hewn energy and its passionate social engagement. Much of the material ? text as well as music ? is profoundly moving and very beautiful. Michael Church does us a great service by bringing it to our attention" Gavin Bryars

"Sounds that will enlighten even the most jaded ear" Michael Nyman

曲目
1.Aznach Ensemble / Nokhtchiin gimn
2.Cherim Nakhushev(Vo,Accordion) / Khatkhe Mahomet Guaz
3.Sahab Mezhidov(Vo,Balalaika) / Daimohk
4.Sahab Mezhidov / Ya yish ekush dagna yaznarg
5.Aznach Ensemble / As Khastambo
6.Timur Losanov(Accordion) / Adighian Dance
7.Zhoukhar Ensemble / Laalur,Laalur
8.Cherim Nakhushev / Kafa    
9.Batu Dzugaev People`s Choir / Gezdenti Efsimerte Zareg
10.Batu Dzugaev People`s Choir / Tsitsidon
11.Valid Dagaev(Vo,Balalaika) / Nokhcho vu so
12.Tamara Dadasheva(Vo) / Ma hiezha kant
13.Tamara Dadasheva(Vo) / Nokhchiychyo, so khan yoh yu
14.Shirvani Chalaev(Vo) / Barkhaldal Doldiban
15.Illi Male-Voice Ensemble / San Nana, san Nana
16.Lydia Bachaeva(Vo) / Djuldouz
17.Zuber Ivazov(Violin) / Kabardian Dance Tune
18.Adigh Ensemble / Kiaperish
19.Khazret Ramazanovich Chich(Violin) / Circassian Dance
20.Aznach Ensemble / Vai deli Allah vu
21.Aznach Ensemble / Biezamuo
22.Aznach Ensemble / Stiglara
23.Aznach Ensemble / Daimohk
24.Aminat Akhmadova(Vo) / Daimohkan Biezam

※ダイモク(Daimohk)は、前に何度か書きましたが「祖国」の意味

Uork Kafa - Уэркъ Къафэ (Орк Къашъо)

アディゲ・スタイルのカファのお薦めビデオ。11月に続いて再登場です。

Lezginka a la adyge-2 - Лезгинка по-адыгски-2

アディゲ・スタイルのレズギンカを、アディゲ舞踊団の団員が踊っています。私服なのでステップがよく分かります。

Noxchi Kino "Даймохк" (part 1)

チェチェン映画「ダイモク(祖国)」。伝統音楽がバックに流れる渋いけど素晴らしい映画です。全編見たいものです。ソ連時代の映画でしょうか。ナレーションはロシア語です。続きが再生後のリンクから見られますので、ご興味のある方はどうぞ。

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2007年12月 5日 (水)

レズギンカと剣の舞

これまで何度も登場したレズギンカですが、一番最初に引合いに出したハチャトゥリアンのバレエ「ガイーヌ」の映像がまだでした。結構良いのが見つかりましたので、今日はそれをアップしました。

Aram Khachaturyan's Gayane 1 of 4 - familiar tune

これがガイーヌの中のレズギンカです。2006年アルメニアの首都エレヴァンでの公演。手の構えとか動きとか、流石にコーカサス舞踊の本場だなぁと感心します。大昔に所属していた大学オケでこの曲をやりましたが、スネアドラムのY君がハッスルする姿がいまだに目に焼きついていますw 

 

Khachaturian - Sabre dance

同じガイーヌからお馴染みの「剣の舞」。小沢征爾指揮ベルリン・フィルの演奏。剣は英語ではサーベル(Saber)になりますが、フランス語の影響かSabre(サーブル)となっている方が多いようです。分かっていても、何となく洋風センベイを想像してしまいますw

Dance with daggers - Танец с кинжалами

こちらは先月の17日にアップしたアディゲの国立舞踊団ナルメスのソリストによる「短剣の踊り」。ロシア語でターニェツ・ス・キンジャラミ(短剣を持った踊り)となっています。類似の北コーカサス版「剣の舞」は、北オセチアの時にもアップしましたが、実は伝統舞踊としてコーカサス各地にあります。推測ですが、クルドに剣の舞が入ったのも(今も本当にあるのか不明ですが)、コーカサス諸族からの影響かも知れません。シリアやイラン、トルコのクルド族にも「剣の舞」があればクルド・ルーツかも知れませんが、コーカサスのクルドだけに特有だとすれば、コーカサス系からの影響なのでしょう。

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2007年12月 3日 (月)

バラライカによるレズギンカ等

昨日のコーカサス音楽の弦楽器編に追加で二本。
ロシアのバラライカと北コーカサス(チェチェンだけかも)の弦楽器Dechk pondarの演奏。素朴ながら華やかな音色のバラライカと、少し渋いけれども、まろやかな音色のDechk pondar。両方チェチェンの若者の演奏のようです。

Dechk pondar + Balalajka

デチク・ポンダルと呼ぶのでしょうか、チェチェンのトラッド・グループの演奏で目にした楽器です。これが昨日名前が不明と書いた胴の細長い弦楽器です。この男性もチェチェン人のようですね。仏ArionのEnsemble Aznachもそうでしたが、チェチェンではバラライカをよく持ち代えで使うようです。

Dechk Pondar In Chardaq

チェチェンのデチク・ポンダルとカフカス・ドラムのデュオ。今年の夏の映像のようです。奏法が分かって興味深いクリップ。カフカス・ドラムは、北コーカサスではドールというのかジャンベクというのか結局不明のままでした。

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2007年12月 2日 (日)

コーカサスの弦楽器、打楽器

今日はコーカサスの弦楽器、打楽器編。レズギンカなどのコーカサスのリズム面を担当する重要な楽器です。予習になりますが、グルジアの映像を交えて見て行きましょう。

Pankisuri

これはグルジアの弦楽器ソロ。パンドゥーリが有名ですが、少し違う名前のようです。北コーカサスでもこれと似た音色のもっと胴が細長い弦楽器が使われます。結局楽器名は分からずですがw  メロディライン、リズムもコーカサス系同士でそっくりです。

Lezginka / Lekuri (Лезгинка)

オランダ在住(サーカシアン移民では?)のコーカサス音楽の愛好家の演奏。ギターによるレズギンカ。

Adige Nise

アディゲかカバルダの古い貴重映像。グルジア風の男声合唱のバックには、チェロのように構える擦弦楽器が見られます。これは現代では余り使われないのでは。

sukashvili-lekuri

踊りも跳躍が多く見ごたえがありますが、打楽器群が強力で低音豊か。これもグルジア側の映像のようです。

Kavkaz - Dhol Virtuoso's

これもおそらくグルジア。ドールの四重奏。盛り上げ方、曲芸的な所作がいかにもカフカス。太鼓ごとのピッチの違いを上手く生かしているようです。

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2007年12月 1日 (土)

北コーカサスのアコーディオン

北コーカサス・シリーズも国別には一応見終わりましたので、締めとして楽器別に少し見てみようと思います。今日はメロディの中核を担当するアコーディオン。
アコーディオン、とは言わず、ガルモンとかプシャーシェと呼ばれているようです。コーカサス音楽特有の音の重ね方やコード進行、哀愁味のある古風なメロディ・ライン、3連譜の多い躍動するリズム等、とても魅力的だと思いますが、いかがでしょうか。

adige psase

アディゲのプシャーシェ独奏。両手ともボタンのアコーディオン。左の扇子の束のような音具は、テンポ・キープでよく使われているようです。踊りは17日の記事をご覧下さい。

abida 'omar circassian accordionist

女性アコーディオニスト、アビダ・オマルさんは、ヨルダン在住のサーカシアン(アディゲ、チェルケス、カバルダのいずれか)移民。彼らは19世紀のロシア南下の際に、命からがら北コーカサス各地から逃げた人たちの末裔が多いようです。ディアスポラ・サーカシアンの哀しみが聞こえてくるような演奏です。以下youtubeの解説文:abida 'omar the best circassian accordionist from jordan playing one of her compositions. may allah have mercy on her soul. (thanks to apesh ahmed)

Nalmes Kafe

サーカシアン(特にアディゲ)のアコーディオン曲を披露するこの女性のビデオ・クリップは沢山ありますが、その中からナルメスのカフェ(カーファのことでは?)。17日にアップしたアディゲ国立ナルメス民族舞踊団のカーファの伴奏音楽です。
ナルメスのオフィシャル・サイト  http://www.nalmes.ru/eng/index.php

islamey

もう一曲、イスラメイ。これも17か18日にアップした中に舞踊があったと思います。

CeCeN by KuPSeJ

チェチェンの若者の合奏。戦火の中でもこうやって弾き継がれて来たのでしょう。ポップスの中にもレズギンカのリズムが躍動しているのを聞くと、ある種羨望のようなものを感じます。日本の場合は邦楽的な要素はどんどんなくなってきていると思いますので。

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2007年11月30日 (金)

ダゲスタンのチュルク系

昨日に続いてダゲスタンですが、今日はチュルク系の2民族を中心に。
チュルク系は主にクムクとノガイの2グループですが、彼らがコーカサス系よりカスピ海寄りにいるのは、古来東西交易を担ってきた存在だからでしょう。ロシア語に取って代わられるまでは、クムク語やアラビア語が商業言語として機能していたようです。首都のマハチカラもクムク人の多いカスピ海沿岸にあります。

Kumuk Dansı www.uyanturk.org

クムク、クミク、クムイク、クムィクと、日本語表記はばらばら。チュルク系ですが、このビデオで見る限りは、メロディや踊りはかなりコーカサス的に感じられます。

Nogay Turkleri ногай татар Тюрк NOGAY TATAR TURK KIRIM

ノガイ人やクリミア・タタール人の集ったコンサートでしょうか。この辺りは日本人やモンゴル人と見間違えるような人が結構います。ノガイはダゲスタンの北東部からチェチェン北部にかけて住むキプチャク系のチュルク系民族。コーカサス的なクムクとは大分違う感じの音楽が多いようです。

Magomed-Tamir Sindikov  about Rasul Gamzatov- great avar writer-poet

こちらはコーカサス系のアヴァール関係の貴重なビデオ。アヴァール人の民族詩人(Avar Folk Bard)ラスル・ガムザトフ(1923-2003)が書いた有名な「鶴」のアヴァール語による歌唱。この詩はロシア語に翻訳されてから作曲され、「ロシア民謡」として日本でもよく知られている曲です。

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2007年11月29日 (木)

北コーカサス7 ダゲスタン

北コーカサスの音楽と舞踊を巡ってきましたが、ようやく最後の国にたどり着きました。
今日は、カスピ海側のダゲスタン。コーカサス系とチュルク系の諸族がモザイク状に住んでいる所です。これだけ詰まって色々な民族がいる国は、世界でも珍しいと思います。
516pxcaucasusethnic_ensvgダゲスタンとは、トルコ語で「山の国」という意味で、地図の通りどちらかと言えば、山側にコーカサス系、カスピ海に近い方にチュルク系がいるようです。(地図はウィキペディアより転載)
今日はまずコーカサス系諸族の踊りを中心に5本。
チェチェンに比べれば平和な国のようですから、ビデオも沢山見つかります。

MARINA MUSTAFAEVA-MOJ IZBRANIJ ( DAGESTAN )

ダルギン族のポップス系になるのでしょうか、女性歌手マリナ・ムスタファエヴァのビデオ・クリップ。レズギン族がレズギンカの名前の由来だという説がありますが、ダルギンでもこのリズムが多いのでしょうか。

Lezginka Dagestan (Gorskiy Jenskiy Tanec)

こちらはオーソドックスなダルギンのレズギンカ。北コーカサスもダゲスタンまで来ると、衣装とか楽器の音色などに中央アジア風味が増すように思いますが、いかがでしょうか。

Фаризат Зейналова

レズギン族の女性歌手ファリザト・ゼイナロヴァの歌唱。ハチャトゥリアンのレズギンカでは、スネアドラム奏者を悩ませる(ハッスルもさせるw)あの猛スピードの3連譜を、いとも簡単に叩いていますw  身体に染み付いたリズムなのでしょうね。

"Vatan" Dagestan

コーカサス系では一番人口も多そうなアヴァール人の男性の踊り。チェルケスの踊りなどにかなり似ていると思います。5~9世紀に中央アジアから東欧にかけて活躍したチュルク系遊牧騎馬民族のアヴァール人とは、綴りは同じ(Avar)ですが、全く別の民族。中世のアヴァール人はスラヴ民族に同化したようです。

Progressive lezginka

この女性が何人か等、詳細は不明ですが、ポップスと上手い具合にブレンドするリズムですね。レズギンカは。

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2007年11月28日 (水)

今日もチェチェン

3日目です。何かチェチェンにギアが入った感じがしていますw 
今日はチェチェンの熱いスピリチュアル・ナンバーを揃えてみました。
明日はダゲスタンに進む予定です。

Grozny

女性歌手Solja G1ala(ソルジャ・ガラ? 多分そんな発音だと思いますが)の歌う「グローズヌィ」。チェチェンの首都グローズヌィの惨状を訴える愛国的な歌のように聞こえますが、どうなのでしょうか。これはイスラム的な節も感じられる哀切な絶唱です。 何故かたまに回線が悪くなるようで、再生が途中で止まることがあります。

Moulid (Мавлид)

一昨日もアップしましたが、チェチェンのポップス歌手、マッカ・サガイーポヴァの歌うマウリドと言う曲です。ふぁどさんのブログで紹介されていました。預言者ムハンマドの誕生を歌った曲のようで、若手らしからぬ、とても熱いスピリットを感じます。

Chechen Dance By Jaffar ismail
another TV show for chechen dancing in jordan. BY ATV New Jordanian channel
チェチェンからの移民は中東諸国中心にかなりいるようですが、こちらはヨルダンに移住したチェチェン人グループの映像のようです。レズギンカのリズムはどこに行っても忘れないのですね。

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2007年11月27日 (火)

チェチェン・クズ

昨日に続いてチェチェン関係です。タイトルはオスマン・トルコ末期の偉大な音楽家、タンブーリ・ジェミル・ベイの書いた曲「チェチェン・クズ」。正確にはチェチェン・キュズュになると思いますが。意味は「チェチェンの娘」。可憐な小品ですが、ヴァイタリティ溢れるコーカサスの人々を連想させます。小耳に挟んだ話で真偽の程は?ですが、オスマン朝のハーレムにはコーカサス出身の女性が多かったとか。確かに容姿端麗なとびきりの美人が多いように思います。
チェチェン・クズのモデルは、もっと若い少女だろうと思いますが、タンブーリ・ジェミルはどんなイメージでこの曲を書いたのでしょうか。オスマン・トルコの古典楽曲の中では、とても親しみやすい曲で、日本のウード奏者の常味さんもよく演奏されていて、生で聞いたことがあります。

DÜNYA RENKLERİ KOROSU&MUSİC FOR THE PEOPLE Sentez Müzik

ヴァイオリン、チェロ、カーヌーン、ダラブッカ、キーボードによるチェチェン・クズ。どれもトルコでも使いますが、西洋音楽との折衷的なスタイルの演奏。

Murat Salim Tokaç

弦楽器サズを中心にしたチェチェン・クズ。ネイ、カーヌーンのようなオスマン古典楽器に混じって、トルコの民謡や吟遊詩人の弦楽器サズが参加しているのがユニーク。

çeçen kızın feryadı

チェチェンの少女の叫び。孤児になってしまったのでしょうか。これは哀れで見てられません。何とかならないものでしょうか。

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2007年11月26日 (月)

北コーカサス6 チェチェン

北コーカサス・シリーズ、遂にチェチェンの回になりました。他国の人が北コーカサスという時、真っ先に思い浮かべる国でしょう。チェチェン人は、イングーシと同じコーカサス諸語の中のナフ諸語(もしくはヴァイナフ)に入るチェチェン語を話す民族で、イングーシと並んで彼らの先祖は7世紀頃には既にこの地に住んでいた記録があるそうです。18世紀に全シベリアを併合したロシアは南下を開始し、ウラジカフカスを拠点にチェチェンとイングーシに進出。19世紀に起こった大カフカス戦争では、激しくロシアに抵抗したそうです。勇敢な山岳民のイメージはその頃形成されたのでしょうか。ロシア語で「恐ろしい」を意味するチェチェンの首都グローズヌィの名が、手強さを象徴しているように思えます。ソ連崩壊後「パンドラの箱」が開いてしまったのはこの地でも同じで、その後のロシア連邦からの泥沼の独立闘争は周知の通りです。今では過激な独立派は少数の模様、いつかこの国にも平和が訪れることを切に願いたいです。

悲劇的なイメージが付きまとうチェチェンですが、レズギンカなどの伝統舞踊をはじめ、大衆の音楽は逞しく生き続けていました。欧米の音源では仏ArionのEnsemble Aznach(グルジアに亡命し活動している女性のみの伝統音楽グループ)位しかないと思いますが、youtubeには伝統音楽や舞踊だけでなく、ポップスも出てきています。悲劇の歴史を反映してか、短調の旋律が多く、激しいカフカスのリズムで歌われる時、その輝きを増すように思います。
      

      
チェチェンの音楽 アンサンブル・アズナシ (Arion)

Lovzar

チェチェンの民族舞踊団Lovzar(ロヴザル)のステージ。ふぁどさんのブログで紹介されていたチェチェンの女性歌手マッカ・サガイポヴァが踊りを習っていたというグループで、まだメンバーだそうです。冒頭はイスラームのズィクルでしょうか。

Makka Sagaipova  Xaza k'ant

そのマッカ・サガイポヴァ最初の大ヒット曲。いやこれは!凄いチェチェン美人ですね。途中レズギンカの舞が出てきますが、その優美さに見とれてしまいます。

CHECHEN SONG - DAYMOHK NANA (inTurkey 1992)

チェチェンの民族アンサンブルの92年トルコでのライヴ。Garmon(アコーディオン系)がSULEIMAN TOKKAEV、Dechk Pondar(太鼓か弦楽器か不明)がBILO HADJ DIDIGOV他。DAYMOHKは祖国の意味。男たちの熱い歌声も良いものです。

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2007年11月25日 (日)

北コーカサス5 イングーシ

さて今日はチェチェン・イングーシと併称されることの多いイングーシ。
チェチェンと同じコーカサス諸語の中のナフ諸語に入るイングーシ語を話す民族で、国土は細長くイングーシ人も15万人ほどしかいないようです。(アディゲでもアディゲ人は10万人程度でロシア人の方が多い)ナフ諸語は、北コーカサス北西部のCircasian(サーカシアンと読むのでしょうか)、ダゲスタン諸語と並ぶグループの一つ。グルジア語とアブハズ語(グルジア北西部のアブハジアの言葉)はどれにも入らないようです。(地図は17日の記事を参照下さい)

北コーカサスは欧米盤で手に入る音源はほとんどない所ですが、チェチェンを含めyoutubeはかなり出てきます。これまで見てきた通り伝統舞踊が多いですが、DVDでリリースされて世界的に出回るほど動くジャンルではないと思いますので、youtubeの存在は本当に有難いと思います。遠く離れた日本などでは、youtubeがなければ見ることは叶わなかったでしょうね。(それを外国人が見てあーだこーだ言っているのも少ないかも知れませんw)

Ingush Dance

イングーシの伝統舞踊。男性のマントから足が見えない所など、チェチェンにもそっくりの舞踊がありました。

Ingush Group LOAM - BEAZAM

カフカスやアイルランド?などの民族楽器を含むフォーク・グループ。その中にもカフカス・リズムがはっきり聞き取れます。イングーシ語とチェチェン語の両方で歌っているようです。

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2007年11月24日 (土)

北コーカサス4 北オセチア

今日はイラン系の北オセチア。カバルディン・バルカルとイングーシの間の国です。
何でこの場所にイラン系民族が、と思いますが、オセチア人(オセット人とも)はコーカサスの北方にいた古代のイラン系遊牧騎馬民族サルマタイの流れを汲むアラン人の末裔と言われています。その名にちなんで、オセチアはアラニアという雅称で呼ばれることもあるようです。ペルシア帝国の最大版図の時の末裔かと思いましたが、もっとずっと古いイラン系民族の子孫でした。
紀元前4,5世紀頃から、現在のウクライナ南部から中央アジアにかけてイラン系遊牧民がいました。黒海北岸にいたのが有名なスキタイ(紀元前8~3世紀頃)、その東にサルマタイ、そのまた東の中央アジアにサカ族と、イラン系民族が並んでいた訳ですね。
それより前の紀元前11世紀頃に、インド・イラン系民族(いわゆるアーリア人)が、彼らの故地である中央アジアからそれぞれ南へ移動し、イラン人の祖先はコーカサスを通ってイラン高原に入ったと言われていますから、オセチアはその集団とは別に黒海、カスピ海北岸の辺りに長く留まっていたイラン系民族の一派の末裔と言うことになります。

大相撲の露鵬と白露山兄弟、若ノ鵬が北オセチアの首都ウラジカフカス(ロシア語で「カフカスの征服」の意)出身なのは有名だと思います。この国はイスラムだけでなくロシア正教の住民がかなりいるそうですが、彼らは(お尻を出して)相撲を取っているくらいですから、イスラムではなくクリスチャンの方なのでしょうね。3人ともロシア人ではなく、オセチア人のようです。

北オセチアの舞踊は、所作といい衣装といい音楽といい、北コーカサス的なものですが、歌声と顔立ちを見ると、あーやっぱりイラン系なのかなぁと思います。
コーカサス系のイングーシとは犬猿の仲らしく、国境問題を巡るソ連崩壊後の紛争は凄惨を極めたようです。どちらかといえば親ロシアの立場に立つ国なので、チェチェン紛争におけるロシア軍の拠点にもなっているようです。04年のチェチェン独立派によるベスランの小学校占拠事件の悲劇は、記憶に新しい出来事です。

North Ossetian State Academic dance ensemble ALAN

北オセチア民族舞踊団アランの公演。盾を持って剣を交わす踊りは、もしかしたら古代のアラニアをイメージしたものかも。

Ossetian dance with knifes

北コーカサス一帯に見られる男性の「短剣の踊り」のオセチア版。レズギンカのような求愛型舞踊と共に代表的な戦闘舞踊の典型。

Ossetian Folk Song

Alla Khadikovaという女性歌手中心に舞踊も交えたステージ。オセチアの歌が聞ける嬉しいクリップ。

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2007年11月23日 (金)

北コーカサス3 バルカル

今日はカバルディン・バルカルのバルカル、チュルク系の方です。
東隣は北オセチア、イングーシ、チェチェンと連なっていますので、政情は不安定なようで、民族紛争の現地録画なども見られるところでもあります。骨肉の争いに終わりは訪れるのでしょうか。
この辺りのチュルク系民族の場合、コーカサス系民族と共通した舞踊、チュルク的な民謡や語り物、グルジア的な合唱、と系統の異なると思われるいくつかの伝統音楽が共存しているのが興味深い点です。
リンクに、中東、ロシア、中央アジアからコーカサスまでのポップスに造詣が深いふぁどさんのブログを追加しました。ふぁどさんにはいつもお世話になっています。
「/mz」 http://fikrimce.sharqi.net/mz/

Balkarya Dev.Halk.D.T.


バルカルのコーカサス的な舞踊。アコーディオンばかり映っていますが。

Otarlanı Umar - Domalay

こちらはバルカルではなく、カラチャイかも知れませんが、グルジアのポリフォニーに似た合唱を聞かせます。チュルク系民族にもコーカサス風の合唱があることが分かります。

Балкария 12.05.07

レズギンカなどのコーカサス音楽のリズムを担当するナガラ?(ここでは違う名称かも)の合奏。バルカルの楽士の今年の映像のようです。結構派手なパフォーマンスが入ります。

Kanamat

アコーディオンとナガラの演奏。ナガラの叩き方がよく分かります。こちらと下の女性歌手はバルカルではなく、カラチャイかも知れません。

Meni Kuvançım

昔の女性歌手メニ・クヴァンチュムの映像。リズムはコーカサスですが、歌声にはすごくチュルク(トルコ)的な味わいが出ています。

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2007年11月22日 (木)

北コーカサス3 カバルディン

北コーカサス特集、3つ目の国はカバルディン・バルカル。
カバルディンがコーカサス系、バルカルがチュルク系です。Kabardin, Kabardino, Kabardey, Kabardaといくつか綴りがあるようですが、もしかしたら非常に複雑と言われるコーカサス諸語の格変化でしょうか。
不思議なのは、ダゲスタンではチュルク系がカスピ海沿い、コーカサス系が山の方中心に住んでいるのに対し、カフカス北西部のCircasianの場合は、コーカサス系が低地、チュルク系が高地にいるようです。何ででしょうか?w  ロシアを悩ませた勇敢で誇り高きコーカサスの民は、山岳民族のイメージが強いのですが。もっともコーカサスは5000m級の山が連なる所、Circasianが住む辺りでも富士山くらいの山はいくらでもあるようですが。  何度も書きましたが、地図は17日の記事に載っております。
バラキレフの「イスラメイ」の原曲らしきクリップは見つからず。残念! 見つかったらまたアップします。

KAFA kabardian dance (feat. Madina Shomakhova)

アディゲの時にUork Kafaという舞踊のビデオをアップしましたが、こちらは同じ系列になるのでしょう、Kafaのカバルディン版。こちらはゆったりとして長閑。レズギンカ型のリズム系が目立ちます。やはり男性はつま先立っていますw  長過ぎる袖は馬に乗る時に寒いからではないかという説があるようです。

Kabardinka Academic Dance Ensemble - K'afa

こちらはカバルディンのカーファの群舞。

Kabardinka Tleperife

レズギンカでもカーファでもないカバルデイの別な舞踊曲のようです。

Yıwan Vladimir / Wored

カバルデイの吟遊詩人?ユワン・ウラディーミル。ロシアのバラライカとグルジアのパンドゥーリの合いの子のような弦楽器(楽器名不明)を弾き語ります。これは珍しいクリップ。終始レズギンカ~イスラメイ型のリズム。

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2007年11月21日 (水)

イスラメイ

今日はコーカサスの舞踊としては、レズギンカと並んで有名なイスラメイ。
と言っても、実はこの2つは同じ踊りを指しているようで、レズギンカは地方によって、ズィルガ、マッガロン、イスラメイ、シャーミレイなどいろいろな名で呼ばれているそうです。

イスラメイと言えば、クラシック音楽ではピアノの難曲中の難曲として有名な曲でもあります。ロシア五人組みの一人、バラキレフが書いた曲ですが、いかにもレズギンカを思い出させる3連譜の連続に始まります。因みにフランス近代の作曲家モーリス・ラヴェルのピアノ曲「夜のガスパール」の終曲「スカルボ」は、イスラメイを超える難曲を目指して書かれたそうです。

Wikipediaにバラキレフのイスラメイについて、以下の説明がありましたので、ご参考までに転載しておきます。カバルディノ(カバルダ)・バルカルは、明日予定しています。

近年の音楽楽研究によって、バラキレフが本作(イスラメイ)に残した旋律が、今なお旧ソ連の民謡に健在であることが明らかとなった。
たとえば第1主題は、カバルディノ・バルカル自治共和国の「レズギンカ」の一種である。ただし、バラキレフの作品とは拍子が食い違っている。
第2主題は、バラキレフが受けた説明のように、起源はタタール人の恋歌であった。

Islamey by Islamey

イスラメイという名のヴォーカル・アンサンブルのようですが、民族舞踊団も抱えているということでしょうか。素晴らしく美しいステージ。

islamey

オーソドックスなイスラメイの舞。いかにも北カフカス的な美男・美女のペア。アディゲかチェルケス辺りのダンサーでは?

Berezovsky plays Islamey  From a 2005 recital in Mexico City

バラキレフのイスラメイを、名手ベレゾフスキーが熱演。軽々弾いてしまっているようですw

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2007年11月20日 (火)

北コーカサス2 カラチャイ

今日はカラチャイ・チェルケス共和国のカラチャイ。
チェルケスがコーカサス系なのに対し、カラチャイはチュルク(トルコ)系。東隣のバルカルも同じチュルク系で、言葉はかなり近いようです。吟遊詩人らしき人のビデオも見つかりました。結構シンガーソングライターは多い様子。語り物を愛好するトルコ系民族らしい特徴と言えそうです。民族楽器の奏法を模したギターのかき鳴らしがユニーク。

北コーカサスの詳細な地図は17日の記事に載ってますので参照してください。

karacay dan görüntüle

カラチャイ・ポップス?に乗せて巡るカラチャイの旅。カフカス山脈北麓の素晴らしい景色に感動。

Algish

カラチャイの吟遊詩人か? ギターのかき鳴らし方が、もろコーカサス。グルジアのパンドゥーリの奏法にも似ているのでしょう。

Nart ciri. Otarlani Omar www.camagat.com

グルジアのような男声合唱も見られるようです。主唱者の節はグルジアと大分異なります。グルジアのはもっと古めかしい感じがあります。

Tauruh

カラチャイのアニメ

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2007年11月19日 (月)

北コーカサス2 チェルケス

今日はアディゲの東隣(ロシアのクラスノダル州を挿んでですが)のカラチャイ・チェルケスのチェルケス。
チェルケスはコーカサス諸語なのに対し、カラチャイはチュルク(トルコ)系。東隣のカバルダ・バルカルもコーカサスとチュルクの民族が一つの国に並んで住んでいます。どうしてそれぞれの語族でまとまらず、こういう風になっているのか不思議です。
チェルケスはアディゲ、カバルダと一緒にCircasian(サーカシアンと読むのでしょうか、邦訳されていない気がします)というコーカサス諸語のグループに入り、言葉はチェルケス語またはアディゲ語と総称されるようです。グルジアからの分離独立を主張し続けている北西部のアブハジアとは、グルジアよりも言語・伝統的に近いそうです。
踊りを見る限り、アディゲよりチュルクやタタールの影響が感じられるような気がします。ここならイスラームと言われても、イメージ的にぴったり来る様な気もしますね。
カルパックの一種になるのか、チェルケスのダンサーは白髪の鬘?を被っています。これを見るとトルクメンを思い出しますが、もしかしたらカスピ海を渡って伝来したのかも知れません。つま先たちはバレエの盛んなロシアから入ったのか、逆にコーカサスがルーツなのか、これも謎w  男性の踊りですが、妙に中性的な感じがします。レズギンカ型の速い8分の6拍子が目立ちます。

しかし、コーカサス(特に北)は驚きの連続です。
北コーカサスの詳細な地図は土曜の記事に載ってますので参照してください。

Mountaineers dance

Shible Wuppertal Wuic
http://www.youtube.com/watch?v=p6V5-ywKxWU
アディゲ(またはチェルケス)の亡命グループか? ピナ・バウシュで有名なヴッパタールでの舞台のようです。残念ながら埋め込み禁止。

Mezagho chesh - Sokur Olga
http://www.youtube.com/watch?v=OL2-Myy40HI
チェルケス(またはアディゲ)の女性ポップシンガー、ソクル・オルガ。レズギンカ型の速い8分の6拍子が目立ちます。残念ながら埋め込み禁止。

Talk in the village (Adyghe spectacle)
http://www.youtube.com/watch?v=zrs1k29ZxCg
アディゲの女漫才?w

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2007年11月18日 (日)

アディゲのレズギンカ

昨日に続いてアディゲの国立民族舞踊団ナルメスの舞台より、今日は世界的にもポピュラーなレズギンカ。北コーカサス各国にありますが、まずアディゲから。
その前に、まず昨日の記事で二つ訂正です。男性陣が着ていたのは「チェルケスカ」と呼ばれるコーカサスの一種のウワッパリだそうです。
またUork Kafaのリズムですが、カフカス民族舞踊の教本(ロシア語からトルコ語に翻訳されたもの)に載っている楽譜では、2/4拍子で表記されているそうです。それで、1拍が3連譜になっているとのことでした。ではペルシアの舞曲に多い、3拍子とも2拍子とも取れるヘミオラ型のハチロク(6/8拍子)かというと、そうではなく、飽くまで2拍子を強調するようです。
以上をご指摘頂いたふぁどさんはモスクワ在住で、色々貴重なコメントを頂いているのですが、最近の日本のブログサービスは海外のIPからのコメントとかトラックバックを一括スパムとしてはじいてしまう傾向が強いそうで、ブログにコメント出来ないらしいので、ここで私が代弁いたしましたw  イランからは大丈夫なのに、ロシアだと何でダメなのでしょうか。謎です。しかし、イランでは逆にyoutubeは見れないようです。

Special Lezginka - Лезгинку танцуют отдыхающие

ハチャトゥリアンがガイーヌで一躍有名にしたレズギンカ(勿論一番有名なのは「剣の舞」ですが)。グルジアから北コーカサス一帯に見られる踊りですが、こちらはアディゲの民族舞踊団ナルメスのソリストによるもの。薪能のような舞台が雰囲気あります。引っ張り出されて踊る観客を見ると季節は夏のようですが、ダンサーたちはコーカサスの正装で身を固めていて、そこがまた素敵です。

Adyge folk music - Попурри адыгской фольклорной музыки

アディゲ国立民族舞踊団ナルメスの伴奏楽隊。ハチャトゥリアンのレズギンカではスネアドラムで代用している太鼓ナガラ?(確か)の独奏も聴けます。樽型の両面太鼓のようですが、よく見えないのが残念。

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2007年11月17日 (土)

北コーカサス1  アディゲ

今日からしばらく北コーカサスの音楽と舞踊を巡ります。南コーカサス(グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン)は、またたっぷりかける(かかる)予定です。
Kavkaz 北コーカサスは、独立闘争と戦火の収まらないチェチェンを含むロシア連邦内の小共和国がひしめく所。語族で言えば、コーカサス諸語とチュルク系、イラン系がほとんどです。西からアディゲ、カラチャイ・チェルケス、カバルダ・バルカル、北オセチア、イングーシ、チェチェン、ダゲスタンの順で、イラン系は北オセチア(露鵬&白露山兄弟の故郷ウラジカフカスが首都)のみ、チュルク系はダゲスタンのカスピ海側、カラチャイとバルカル、他は大部分コーカサス系の人々のようです。グルジアもコーカサス系ですが、独立闘争の激しい北西部のアブハジアは、グルジアよりもアディゲやチェルケスとの繋がり(言語、伝統等)が深い所のようです。カラチャイ・チェルケスとカバルダ・バルカルでは、チュルク系とコーカサス系がそれぞれで半々に住んでいる点が興味深い点です。

516pxcaucasusethnic_ensvg北コーカサスは、 チェチェンと北オセチア以外、ほとんど情報の入ってこない地域ですが、舞踊は割と広く知られていて、中でもハチャトゥリアンがバレエ音楽「ガイーヌ」の中に取り入れたレズギンカは有名です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスが近作で取り上げていました。レズギンカはダゲスタン生まれ説が強いですが諸説あります。コーカサス諸語は、インド・ヨーロッパ語族など周辺のいずれのグループにも入らない、独立した語族で、遠く離れたバスク語(スペイン・フランス国境)との共通性が指摘されたりしたこともありました。両者共に、印欧系が東からやってくる前からいる、欧州の原住民なのかも知れません。(詳細は地図をご覧下さい  2枚ともウィキペディアからのものです)

今日はまず一番西のアディゲの伝統舞踊から。イスラームの国らしいのですが、そんな感じが余りしない、古風で優雅な踊りです。youtubeビデオの多さに驚きましたし、その美しさには、しばし我を忘れてしまいましたw

Nalmes is dancing - Танцует Нальмэс (Налмэс Къашъо)

古いアディゲの踊りZafakに基づく振り付けの作品。ナルメスというアディゲの国立舞踊団の2005年黒海東岸のソチでの公演から。男性のカルパックと言われる帽子と、フェルトのマントは、いかにもコーカサスらしい出立ち。それにカイザー髭でしょうか、カッコイイです。

Uork Kafa - Уорк Къафа (Орк Къашъо)

ナルメスのソリストが演じる、古式ゆかしいアディゲの舞踊ウォルク・カファ。さみだれの様な早い8分の12拍子が特徴的。かき鳴らされる弦楽器は、グルジアのパンドゥーリに似た音色。動きがユニークでアルカイックな感じすらしますが、古風でとても美しいステージです。

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