北コーカサス(カフカス)

2017年9月25日 (月)

Folk Melodies of Daghestan A面

ゼアミdeワールド75回目の放送、日曜夕方に終りました。27日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。メロディアの下記アナログ盤は確かCD化はされてないので、youtubeもなさそうです。とりあえず、クムイクと思われる人々のクムーズの演奏を確認できる動画を上げておきます。トルコ系のクムイク人が何故コーカサス系の曲を中心に弾いているのか、そこも今後の解明したいポイントになります。音楽はコーカサスそのものですが、揃って弾いている様は、イランのクルド人のタンブール合奏にそっくりに見えます。

今回からダゲスタンの音楽を聞いて行きたいと思います。ダゲスタンと言っても、どこにあるのか分からない方が多いかと思いますが、ロシア連邦に属する北コーカサス諸国の中では一番東のカスピ海側に位置し、90年代初頭のソ連崩壊後に独立したアゼルバイジャンの北側になります。北コーカサス諸国の中では「大国」と言っていい面積を持っています。ダゲスタンの名は、トルコ語で山を意味する"dag"(発音はダーとなりG音は入らない)にペルシア語の地名の接尾辞である"-stan"(スターン)が付いて「山が多い場所(あるいは国)」を意味します。
何回か前にも言いましたが、ダゲスタン国民を構成する主たる10の民族は、コーカサス諸語の民族であるアグール人、アヴァール人、ダルギン人、ラク人、レズギン人、ルトゥル人、タバサラン人、ツァフル人、そしてテュルク(トルコ)系民族はクムイク人とノガイ人になります。
この国の音源は古くはロシアのMelodyaのLP盤がありまして、CD時代になってオランダのPanから一枚出ておりました。欧米盤で出回っているのは、おそらく今でもこの位だと思います。今回はメロディアの貴重音源から、A面の20分余りの数曲をノンストップでかけてみたいと思います。後半のレズギンカのリズムに乗って段々早くなる演奏は特に素晴らしく、スリリングでもあります。ペルシア音楽の影響が強い南のアゼルバイジャンとは異なり、やはりグルジアやチェチェンなどの近隣のコーカサス系の音楽に近い系統になります。
収録曲は、順に古いクムイクの旋律2曲、ダルギンの旋律、クムイクの旋律、古いラクの旋律、チェチェンの旋律、カバルディニアン・レズギンカとなっておりまして、演奏はクムイクの弦楽器クムーズのアンサンブルにカフカス・ドラムが入る編成です。M.Ilyasov率いるグループの演奏です。

<Folk Melodies of Daghestan A面 20分45秒>
Агъач-къумуз


では最後にこのメロディア盤のB面を聞きながら今回はお別れです。B面には「山並みに沿って」という曲に始まり、古いアヴァールの旋律が4曲、「兵士の手紙」というタイトルのクムイクの歌、古いダルギンの旋律、レズギンの旋律、ラクの旋律と入っております。テュルク系民族クムイクの弦楽器クムーズは、いかにもキルギスタンのコムズなどに繋がる音色でしたが、B面は同じクムーズを使っていてもイラン北西部の音楽にかなり似通った感じから始まります。こちらのクムーズ演奏はRamazan Magomedovという人です。今回は時間までかけて、次回はその続きを聞いてから、PanのCDの方に移りたいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Folk Melodies of Daghestan B面 18分4秒 抜粋>

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2017年9月23日 (土)

Амина Ахмадоваの歌声

今日は土曜ですが、昨日アップできなかったので、上げておきます。最近の放送で最後の方にかけたAminat Akhmadova / Daimokuam Biezam (Love for the fatherland) の歌手について検索してみました。アミナ・アフマドヴァと、名前からTが抜けていますが、同じ人だと思います。これまた夥しい数の動画が上がっていました。英Topic Records盤の歌唱のように独唱の沁みる歌声ではなく、大人っぽくてレズギンカ風味を生かしたポップスが中心のようです。伝統衣装に身を包んだ美しいステージ姿はもちろん、アルトの気品のある歌声も美しいです。

Амина Ахмадова

Amina Akhmadova - Nochij kant

Амина Ахмадова - Лайна

Чеченские Песни АМИНА АХМАДОВА Сольный концерт 2016

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2017年9月21日 (木)

タマラ・ダダシェヴァとマッカ・サガイーポヴァ

30年以上の長きに亘って愛されているというチェチェンの女性歌手タマラ・ダダシェヴァについてyoutube検索してみました。幾つか見た限りでは、最近のポップな曲の歌唱には余りぴんとくるものがありませんでしたが、1本目のレズギンカの歌唱についてはとても素晴らしく、耳をそばだてて聞きました。2本目はマッカさんとのデュエットで、チェチェンの新旧歌姫の夢の共演のようなステージではと思います。曲はマッカさんの最近のDLアルバムに入っていた曲です。3本目はおそらくマッカさんと前後の世代の若手女性歌手4人が集まっての歌唱で、チェチェン美人が揃った舞台は圧巻ですが、やっぱりこの中でマッカさんの図抜けた歌唱が際立ちます。多くの人がлучше всехとコメントしていますが、全く同感で、やはりひときわ華がある立ち姿と歌唱です。タマラ・ダダシェヴァとマッカ・サガイーポヴァ、二人に共通するのは一種エンジェル・ヴォイス的な声質と言えるでしょうか、新旧の歌姫の声を聴いて思いました。他の歌手なら釣り合わなくなるでしょうし、全くСупер дуэт(スーパー・デュエット)のタイトル通りです。

Тамара Дадашева- Dato wu hoo

Супер дуэт 2015! Тамара Дадашева и Макка Сагаипова ЧIегIардиг 2015

Ася Абубакарова, Макка Сагаипова, Зара Таймысханова, Элина Муртазова Маьрша ва хьо

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2017年9月18日 (月)

「チェチェンと北コーカサスの音楽」の最後に

ゼアミdeワールド74回目の放送、日曜夕方に終りました。20日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。
17日18時は台風18号で大変な時で、台風情報がラヂバリでも頻繁に流れていましたが、奇跡的に?30分間は出なかったです。かのこさん、ナナさん、台風情報の放送では、大変大変お疲れ様でした。

今回はとことん英Topic Recordsの「チェチェンと北コーカサスの音楽」からご紹介したいと思います。まずは、チェチェンの歌姫マッカ・サガイーポヴァの父で著名なアコーディオン奏者のウマル・サガイーポフの伴奏で、女性歌手タマラ・ダダシェヴァが歌う一曲です。タマラ・ダダシェヴァは多くのチェチェン人がスターリンによって強制移住させられた中央アジアのキルギスタン生まれで、30年以上に亘ってチェチェンで最も愛された歌手とのことです。原題のノフチチヨー・ソ・カン・ヨー・ユとは、「チェチニャよ、私はあなたの娘」という内容の望郷の歌です。

<Tamara Dadasheva / Nokhchiychiyo, so khan yoh yu 1分58秒>
Nokhchiychyo, So Khan Yo Yu


中央アジアへの強制移住は実質は「追放」で、これからかけます男声合唱の歌は、多数の死者を出した中央アジアでの過酷な生活の中で生き抜いた母親たちに捧げる曲です。大量追放の恐ろしさや窮状の中で子供を育てた母親を称える熱い調べは、伝統的な三声の男声合唱のスタイルになっております。この曲もトピック盤に入っていて、2002年のまだまだ戦火の最中の首都グロズヌイで自主製作されています。タイトルのSan Nana, san Nanaとは、「母へ」という意味になります。

<IIli Male-Voice Ensemble / San Nana, san Nana 4分53秒>

次はサーカシアの西から2番目の国のカラチャイ・チェルケスから、トルコ系のカラチャイの女性独唱です。作曲者自身でもあるリディア・バチャエヴァによるコミカルなラヴ・ソングとのことです。トルコ系的な部分は余り感じられませんが、カラチャイの音源というのはyoutubeはいくらかあっても、CDでは私はこちらしか知りません。ですので貴重な音源ということにはなろうかと思います。

<Lydia Bachaeva / Djuldouz 2分52秒>

次も独唱ですが、次回に予定しているダゲスタンの民謡が一曲だけトピック盤に入っておりますので、その曲をかけてみます。こちらも男性歌手による独唱で、この一種演劇的な歌唱は、ダゲスタン民謡としては異色な曲のようにも思います。

<Shirvani Chalaev / Barkhaldal Doldiban 2分38秒>

この盤にはカバルダの弦楽器の曲も一曲入っておりますので、序にかけておきます。ギリシアのリラにも似た細長い擦弦楽器shichepshinと笛のデュオで、Kurashaというカバルド民謡に基づいているそうです。言うまでもなく、カバルド或いはカバルダは、アディゲのエスニック・サブ・グループです。

<Zuber Ivazov etc. / Kabardian Dance Tune 3分12秒>
Zuber Ivazov - Kabardian dance tune


では最後にトピック盤の最後を飾っている女性独唱を聞きながら今回はお別れです。1986年生まれで録音当時二十歳とは思えない若い女性歌手によって歌われるこの歌も、切ない望郷の絶唱として聞ける一曲です。彼女はダイモク・アンサンブルのソロ歌手なので、この切実さも納得です。
1分程の短い曲ですので、時間が余りましたらその後には、まだかけてなかったアンサンブル・アズナシのダイモクで締めたいと思います。チェチェン語のダイモクとは「祖国」の意味で、同じタイトルの歌をこれまで何人かの歌手でかけましたが、遂に真打登場と言った所です。次回は本格的にダゲスタンに向かいます。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Aminat Akhmadova / Daimokuam Biezam (Love for the fatherland)  1分21秒>
Love for the Fatherland


<Aznach Ensemble / Daimohk 2分46秒>

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2017年9月15日 (金)

北オセチアの器楽アンサンブル

北オセチアの伝統音楽も、探してみるとかなりありました。舞踊も非常に美しいのですが、器楽で幾つか見た中で、このNational Ensemble of Ossetia State Universityのシリーズがカメラは遠いのですが、目に留まりました。カフカス・ドラム2つ、アコーディオン2つ、短冊形打楽器(名前は失念)で、リズムパターンと旋律のリレーの仕方、たまに太鼓を置いて踊りだしたり、色々な点で面白く見れました。旋律はアディゲのものに似た曲調もあったり、それらをどうメドレーにしているのか、即興性は?、などなど興味深いものがあります。そんなことを思っていたら、4本目の解説にPieces from Ossetia, Chechenia, Avar and Kabardiaとありました。似ているのではなく、そのものをやっているのでしょうか。

Caucasian folk music 1

Caucasian folk music 2

Caucasian folk music 3

Caucasian folk music 4

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2017年9月14日 (木)

北オセチアとアラニア

北オセチアと聞いて日本で一般に知られていることと言うと、2004年のベスランでの凄惨な事件や、大相撲の露鵬、白露山が一時期活躍したことくらいかも知れません。忘れてならないのは、ロシアの有名な指揮者ヴァレリー・ゲルギエフもオセット人です。北コーカサスの音源も、昔はダゲスタン(ロシアのMelodyaとオランダのPan)しか見当たらなかったもので、1909年のグラモフォン録音がCD 化されるまで、オセチア関係も皆無だったと思います。
この地域で唯一のイラン系民族で、余りに有名な古代イラン系遊牧騎馬民族スキタイの末裔説は否定されたようですが、イランとそっくりな名のイラン系アラン人の末裔と言うのはかなり確かなようです。北オセチアは国名に「アラニヤ(Алания)」という語を付しています。カフカス北部の風光明媚で、歴史的遺産を数多く残す国であることが、今日の動画から分かります。放送でかけたような男声合唱がバックに流れています。言葉は周囲の非印欧系のコーカサス諸語と違って、印欧語の一つオセット語ですが、音楽面ではコーカサスの音楽そのものです。

North Alania(Ossetia)

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2017年9月11日 (月)

チェルケス、カバルド、北オセチアの音楽

ゼアミdeワールド73回目の放送、日曜夕方に終りました。13日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。動画はyoutubeにあった音源のみです。北オセチアの曲は全く見当たりませんが、またよく調べてみます。

今回は7月の放送内容に戻りまして、マレム・ゴクハン・シェンの「チェルケスの旋律」や、メロディア盤の「サーカシアの伝統音楽アンソロジー」、英Topic Recordsの「チェチェンと北コーカサスの音楽」から、これまでかけてなかった音源をご紹介したいと思います。

トルコのチェルケス移民の音楽を洗練されたアレンジで演奏したマレム・ゴクハン・シェンの2014年リリースの2枚目には素晴らしい曲が多く、7月30日の放送でYinerikuey Kafeという曲をかけましたが、まずその音源を再度かけてから、後で露Melodiya盤を比較でかけてみたいと思います。

<Marem Gokhan Sen / Cerkes Ezgileri 2 Yinerikuey Kafe 6分5秒>
Marem Gökhan Şen - Yinerıkuey Kafe


同じ曲がメロディア盤の「サーカシアの伝統音楽アンソロジー」にも入っていますので、そのИнарыкъуей Къафэ (Инарокоевское Кафа)を比較でかけてみたいと思います。この録音は、まだソ連時代の1976年で、マレム・ゴクハン・シェンの演奏とは録音時期もあるのでしょうが、スタイルの違いが感じられて興味深いです。アディゲの音楽に特徴的な短冊風打楽器の五月雨のようなリズムは、昔の録音では控えめのようです。

<Инарыкъуей Къафэ (Инарокоевское Кафа) 3分16秒>

マレム・ゴクハン・シェンの「チェルケスの旋律」の2枚目ではチェロやヴァイオリンを効果的に使っていまして、私がチェロとヴァイオリンを弾くものでどうしても耳が引き寄せられますので(笑)、一曲かけてみましょう。Uzunyayla Kafekherという曲で、チェロの低音が目立っています。

<Marem Gokhan Sen / Cerkes Ezgileri 2 Uzunyayla Kafekher 4分15秒>
Marem Gökhan Şen - Uzunyayla Kafekher


次にサーカシア(北西コーカサス)の一番東に位置するカバルダ・バルカルの内の、カバルダの伝統的な歌です。カバルダの歌も放送では初です。主唱者を伴奏するアコーディオン奏者がドローンで低く歌っていて、こういうコーカサスのポリフォニーのタイプを前にZeAmiブログでyoutubeで見ましたが、西のアディゲやチェルケス、東のチェチェンやイングーシの歌と、一味違う静かで幽玄な趣きがあります。

<Cherim Nakhushev / Khatkhe Mohomet Guaz 5分49秒>
Cherim Nakhushev - Khatkhe Mahomet Guaz


次はサーカシアとイングーシの間に位置する、コーカサスで唯一のイラン系民族の国、北オセチアの男声合唱です。古代のスキタイの末裔説もあったりしたイラン系民族ですが、音楽はコーカサスそのもので、西隣のカバルダよりも厚い男声合唱を聞かせます。親ロシア寄りで北コーカサスの中では比較的政情が安定しているからでしょうか、この英Topic Records盤の中で数少ない本国での録音です。宗教も北コーカサスのサーカシアとチェチェン、イングーシ、ダゲスタンではイスラム教徒がほとんどですが、北オセチアでは正教徒が多く、コーカサスでキリスト教徒が多いのは他には南コーカサスのグルジア、アルメニアになります。歌われている曲は、第二次大戦でナチスに対して勇敢に戦った英雄を回想する内容のようです。

<Batu Dzugaev People`s Choir / Gezdenti Efsilerte Zareg 3分47秒>

では最後に同じ北オセチアの男声合唱と女性歌手スヴェトラーナ・チェルズィエヴァで、ツィツィドンという絵のように美しい川の風景を讃える曲を聞きながら今回はお別れです。次回は同じく英Topic Records盤から、サーカシアのトルコ系カラチャイの歌と、ウマル・サガイポフ伴奏タマラ・ダダシェヴァのチェチェンの歌などを聞いてから、ダゲスタンの方に移る予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Batu Dzugaev People`s Choir / Tsitsidon 3分25秒>

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2017年9月 8日 (金)

ダゲスタンのレズギ人

一足急いでダゲスタンの動画ですが、これがまた夥しい数あります。とても一本ずつ全ては見られませんが、目に留まったレズギ人の映像です。Докузпаринском районе(ドクズパリンスキー地方)と言うのは、ダゲスタンのレズギ人の居住地区と思われますが、そこでのЛезгинский Концерт(レズギのコンサート)の模様です。けたたましいダブルリード管楽器の音が特徴的です。そこにカフカス・ドラムとガルモン(アコーディオン)が入ると現地の人々は自然に身体が動き出すようです。レズギンカの故郷を訪ねる映像として見れると思います。17分辺りから音楽と舞踊が出てきます。

Лезгинский Концерт в Докузпаринском районе

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2017年9月 4日 (月)

ダゲスタンとチェチェンの歌姫

ゼアミdeワールド72回目の放送、3日夜に終りました。6日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。

今回は前に予告しておりました通り、チェチェン・ポップスの歌姫マッカ・サガイーポヴァの2回目になりますが、その前にダゲスタンの歌姫マリナ・ムスタファエヴァをかけて、聞き比べてみたいと思います。どちらも10年前にゼアミブログで取り上げ、その前に音源を手に入れていた歌手です。他にも歌手は多いのだろうと思いますが、手元にあるのがこの二人の音源で、実際現地では一番知られている歌手のようです。
全般に言える特徴としては、レズギンカ風の歌以外では勿論ですが、レズギンカを聞いてもマリナ・ムスタファエヴァの音楽は、ウズベキスタンなどの中央アジアのポップスに近い印象を覚えるという点です。カスピ海に最も近いという地理的条件からそうなるのでしょうか。トルコ系民族も他の北コーカサス各地に比べると多い国です。チェチェンやアディゲでは、北コーカサスとしか言いようのない音楽になっていて、中央アジアを意識することはほとんどないように思います。ダゲスタンはレズギンカのルーツの地でもあるので、このコーカサス的な8分の6拍子の舞曲の本家本元でもあるのが、面白いところです。
もう少し北西コーカサスとチェチェンやオセチアについて聞いた後でダゲスタンに回る予定ですが、まずポップスで特徴を少し把握しておこうと思いまして、今回の聞き比べにしてみました。
まずはマリナ・ムスタファエヴァの歌を何曲かかけてみたいと思います。レズギンカのリズムのはっきり出てくるсоздан для меня(私のために作られた)という曲からどうぞ。

<Marina Mustafaeva / создан для меня 5分28秒>
Марина Мустафаева - Люби меня

同じ曲が今のところ見当たらないので、他の一曲を取りあえず上げておきます。曲名のЛюби меня(リュビー・ミニャー)とは英訳するならLove Meになります。コメント?にдаргинская даргинскиеと見えますので、もしかしたら彼女はテュルク系ではなくてコーカサス系のダルギン人かも。でもこの人はやはりどこかアジア的な顔立ちです。

曲名はロシア語ですが、歌詞は全く聞き取れないのでダゲスタンの言葉だと思います。ダゲスタンは言語の森のような国で、夥しい数のコーカサス系とトルコ系の民族がモザイクのように入り混じって住んでいる国です。残念ながら、彼女がダゲスタンの何人か不明ですが、音楽が中央アジアやトルコのポップスに似た感じと言う事は、トルコ系なのかも知れません。
ダゲスタン国民を構成する主たる民族とされる10の民族は、コーカサス諸語の民族であるアグール人、アヴァール人、ダルギン人、ラク人、レズギン人、ルトゥル人、タバサラン人、ツァフル人、そしてテュルク(トルコ)系民族にはクムイク人とノガイ人がいます。
もう一曲мое родное село(私の母国の村)という曲をどうぞ。歌詞に出てくるマハチカラというのは、ダゲスタンの首都の名前です。この曲も遅めのレズギンカ・リズムです。

<Marina Mustafaeva / мое родное село 4分11秒>
Марина Мустафаева - Мое родное село


では、チェチェンのマッカ・サガイーポヴァの歌に移ります。溌剌としたレズギンカ・リズムに乗せて、いかにもチェチェン的な哀愁のメロディが歌われる曲ですが、曲名のノフチー・キオナフの、ノフチーはチェチェンの自称ですが、キオナフの意味が不明です。

<Нохчи къонах 3分38秒>
  Макка Сагаипова Нохчий Къонах


次はチェチェンカ・ヤーという曲で、訳すなら「私はチェチェンの女性」となりまして、大部分はロシア語の歌詞のようです。これもマッカさんらしい一曲です。

<Чеченка я 3分53秒>
Песня Макки Сагаиповой )))) Чеченка я!


次もアップテンポのレズギンカで、やはりメロディが素晴らしい一曲です。タイトルはチェチェン語のため、発音がよく分かりません。

<Ас хьуна делла дог 4分7秒>
Макка Сагаипова - Ас суна делла дог от Тамилы С


では最後にマッカ・サガイーポヴァのロヴザルという曲を聞きながら今回はお別れです。ロヴザルとは、マッカさんが所属しているチェチェン舞踊団の名前ですが、テイク違いにはКак умеет жить Чечня(どうすればチェチェンが生きれるか?)という意味深なタイトルが付いていました。
マリナ・ムスタファエヴァの歌と聞き比べて、いかがでしたでしょうか? それぞれ、ダゲスタンらしさ、チェチェンらしさの片鱗を感じ取って頂けたら幸いです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Ловзар 3分44秒>
Макка Сагаипова - Ловзар.

おそらく未婚の頃のヒジャブを被ってないマッカさんです。

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2017年9月 1日 (金)

サガイーポヴァとサガイーポフの父娘デュエット、ロヴザル

8月後半の一連の催しは無事終了しまして、昨日はその疲れが出たのか早々寝落ち(-_-;) 今日もマッカさん関係ですが、彼女の父ウマル・サガーポフのアコーディオン伴奏だけで歌っている贅沢な映像がありました。これはファンにとって、とても嬉しい一本です。甘美さと哀愁の入り混じった美しい歌声が最高です。もう一本は彼女が参加しているチェチェン民族舞踊団のロヴザルの舞台映像で、マッカ・サガイーポヴァの名が見えるので、どこかに出てくるのではと思いますが、30分ほどありますので、まだ全部は確認できておりません。同じコーカサス系のアディゲやグルジアの舞踊と見比べるとまた面白いと思います。蛇足とは思いますが、ロシア語圏で苗字の最後がアの開いた音で終わるのは女性形で、男性の場合はフと子音で終わります。ですので、父娘でもサガイーポフとサガイーポヴァと音が変わります。

makka sagaipova 34

Макка Сагаипова Ансамбль Ловзар/Makka Sagaipova lovzar

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