ロシア

2023年7月19日 (水)

悲しき天使

「悲しき天使」ですが、私はメリー・ホプキンより前に、確か80年頃にシャンソン歌手ダニエル・ヴィダルのLPで聞きました。この曲だけでなく、ウクライナ絡みの詩も素晴らしい「天使のらくがき」とか、フランス・ギャルのヒット曲「恋のためいき(ポリシネル)」とか、オリジナルより良いのではと思う程、どれも非常に素晴らしかったです。その「悲しき天使」をクレズマーで聞くのは、ベツニ・ナンモ・クレズマーだけだったように思います。原曲のДорогой длинноюは、「ジプシー・ロマンス」についてのロシア語の本にも確か解説が載っていました。今回も2014年のライブ映像と、2本目は「ワルツ」全編です。非常に有名なイディッシュ・ソング、パピロシュン(煙草)から始まります。BNKの3枚ともに言えますが、クレズマーの重要曲は演奏時間が長いので、番組ではかけられず、今回は「悲しき天使」や「魔法使いサリー」などキャッチーな曲にしました。またオリジナルのデイヴ・タラスやナフテュール・ブランドヴァインなどの音源を取り上げる際にかけるかも知れません。(以下放送原稿を再度)

それでは最後に、「ワルツ」から「悲しき天使」を時間まで聞きながら今回はお別れです。「悲しき天使」は、イギリスのメリー・ホプキンが歌って60年代に大ヒットしましたが、原曲はクレズマーまたはジプシー音楽のスタイルで20世紀初頭に作られたロシア歌謡です。

<悲しき天使 8分23秒>
Betsuni Nanmo Klezmer "Those Were The Days" Vocal:Koichi Makigami & Tokyo Nammy ”悲しき天使”

Waltz (full album) - Betsuni Nanmo Klezmer & Kazutoki Umezu (1996)

| | コメント (0)

2022年10月26日 (水)

グラズノフとチャイコフスキーのチャールダーシュ

今日は前に予告していた330回目の放送でかけたグラズノフとチャイコフスキーのチャールダーシュの関連動画を入れておきたいと思います。番組とは違う音源ですが。4月のバレエの舞台は、優美かつエキゾチックで、とても惹きつけられました。チャイコの方は知っていましたが、ライモンダは初めて聞いたもので。明日はハンガリー東部のジプシーが歌い踊るチャールダーシュを見る予定ですが、グラズノフやチャイコフスキーが参考にしたブダペストなど都会のジプシー楽団のチャールダーシュとは全く違います。(以下放送原稿を再度)

今年の4月に知人が出るバレエ公演を松山に見に行きましたが、その際に同じくロシアのグラズノフのバレエ音楽「ライモンダ」でもハンガリー風な曲調が気になりまして、ストリーミングで見つけました。第3幕に出てくる「ハンガリーの踊り」をおかけします。
グランド・コーダもおかけしますが、この曲は聞き覚えがありますので、ジプシーの原曲があるように思います。

Raymonda - Grand Pas Classique Hongrois (Alexandrova, Skvortsov)

Marie-Agnès Gillot e José Martinez - Coda do Grand Pas Classique

ロシアの大作曲家チャイコフスキーもバレエ音楽「白鳥の湖」の第3幕第20曲で「ハンガリーの踊り(チャールダーシュ)」と言う曲を書いています。こちらを次におかけします。

Danse Hongroise "Czardas" - Swan Lake Act 3

| | コメント (0)

2022年3月31日 (木)

赤軍合唱団、バンドゥーラ弾き語り合唱、弦楽合奏のРеве та стогне Дніпр широкий

「ドニエプルは轟き呻く」は、ソ連時代に赤軍合唱団( l'armée Rouge)が「ウクライナの詩」と言う曲名で歌っていました。これは番組でかけたのと同じシャン・デュ・モンドの音源です。1960年のパリでのライヴ録音で、指揮はボリス・アレクサンドロフです。ソ連時代はグルジアのスリコ、アルメニアのつばめと同様に各国の名歌が歌われることがあったので、これはそのウクライナ版だと思います。ドラマティックな悲愴美溢れる歌唱です。

<4 Les choeurs de l'armée Rouge a Paris ~Poème à l'Ukraine 5分44秒>

この映像では、ウクライナのバンドゥーラ弾き語りの男性が合唱しています。大勢の場合、バンドゥーラの調律は合うのだろうかと思ったりもしますが、このように大人数のバンドゥーラ弾き語りと言うのも、ウクライナではよく見かけるスタイルです。

"Реве та стогне Дніпр широкий" - Національна капела бандуристів України (2017)

このロシアのクズネツクと思しき弦楽合奏団の映像は、戦争後の3/21にアップされています。В поддержку простого украинского народа!(一般のウクライナ人を支援するために)のコメントがありました。戦争の悲しみと平和への思いをこの曲に託したい気持ちは、一般のロシア人も同じなのでしょう。楽譜が手に入れば、私らも弾いてみたいものです。

Реве та стогне Дніпр широкий - Ревёт и стонет Днепр широкий

| | コメント (0)

2021年2月19日 (金)

コロブチカとマイム・マイム

ブルガリア特集中ですので、トロパンカを入れるべきですが、やっぱりコロブチカは最強。懐かし過ぎて涙が出ます(笑) 放送でかけたのと同じで、「魔法使いサリー」に使われた音源で間違いないでしょう。録音は1962年のようで、時期的にも一致します。日本のフォークダンス版トロパンカは見当たらないので、イスラエルのフォークダンス、マイム・マイムを代わりに上げておきます。最強の2曲です。トロパンカは、また来週。(以下放送原稿を再度)

この盤からもう一曲、ロシア民謡になりますが、コロブチカもおかけしておきます。原曲は19世紀の詩人ネクラーソフの長編詩に旋律が付けられ民謡化した「行商人」(コロベイニキ)です。1960年代末頃のアニメーション「魔法使いサリー」の学芸会のフォークダンスのシーンでかかっていたのは、この演奏ではないかと常々思っておりました。個人的に、古き良き昭和40年代を思い出す演奏です。

 
「コロブチカ」 フォークダンス 1962

「マイム・マイム」 フォークダンス 1960

| | コメント (0)

2017年5月 2日 (火)

ロシアのヴェスニアンカ?

放送でかけたような女性の地声合唱の民謡原曲を探していたら、ロシア側の合唱のようですが、веснянка(ヴェスニアンカ)の表記が確かにあります。ロシア語で「春」はヴェスナーですから、ヴェスニアンカというウクライナ語も容易に意味が類推できるのですが、ロシアでも春の歌(民謡)のことを、こう呼ぶのでしょうか? 2本目にはрусская народная песня(ルースカヤ・ナロードナヤ・ペスニャ=ロシアの民謡)と、はっきり出ています。2本目は間違いなくロシアの歌だと思います。放送で少しかけたBoheme Musicの音源に似た、非常に素晴らしい歌唱です。マイクなしで鮮烈な歌声を響かせ、こういう風に指揮のように振りが入るのかとか、衣装や歌っている時の凛とした表情などを確認できて、非常に嬉しい映像資料です。しばし、聞き惚れました。

Летела Стрела ☀ Вся Надєжда / весенняя закличка, календарная обрядовая песня веснянка

Черный ворон воду пил ☀ Вся Надєжда / обрядовая свадебная хороводная русская народная песня

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月 5日 (水)

ナターシャ・グジーのドゥムキー

今日のゼアミdeワールド52回目の収録では、ウクライナのドゥムキーを取り上げました。ウクライナ民謡だけでなく、ドヴォルザークのドゥムキーも併せてかけました。ドゥーマ、ドゥムカ、ドゥムキーと並べてみて、ロシア語でドゥーマチという動詞は「思う」の意味であることを思い出しました。同じスラヴ系ですから、かなり語彙は似ています。「ドゥムキーの名称はウクライナの民謡、またはチェコ語の回想または瞑想を意味する言葉に由来するという説がある」と検索でも出てきましたので、おそらく元には「物思いに耽る」ような意味合いもあるのではと思いましたが、どうでしょうか。月曜にアップしたナターシャ・グジーのバンドゥーラ弾き語りのウクライナ民謡「バンドゥーラを手にすれば」などは、典型的なドゥムカと言えるのでしょう。彼女が宮崎アニメの主題歌を歌うのも、国を越えてドゥムキーと共通する「思い」が投影してのことだろうと思います。カザルスが編曲してからチェロの名曲として有名なカタロニア民謡「鳥の歌」も彼女の十八番ですが、これもドゥムキー的解釈と取れるでしょう。

ナターシャ・グジー ウクライナの歌姫 .wmv

The Song of Birds by Nataliya Gudziy / 鳥の歌 ・ ナターシャ・グジー

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月 3日 (月)

ウクライナの伝統音楽

ゼアミdeワールド51回目の放送、日曜夕方に終りました。5日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今日はウクライナの合唱曲「ドニエプルは轟き悲しむ」と、ナターシャ・グジーの「バンドゥーラをてにすれば」を目立たせたいので、この2本だけにしました。

今回からこの番組も2年目に入りました。本年度もどうぞ宜しくお願いします。
寒い間は寒い国の音楽と言うことでロシアの音楽を色々廻ってきました。大分暖かくなって来ましたが、まだまだ旧ソ連圏の音楽巡りは続けようと思います。ロシア、ウクライナ、ベラルーシの東スラヴ系の後は中央アジアやコーカサスの方に向かう予定です。ロシアの音楽も、先週のウラル・アルタイ関係もまだまだ音源は膨大にありますが、とりあえず今回はウクライナに廻ってみようかと思います。ロシアと同じ東スラヴ系で、やはり合唱の素晴らしさが目立ちます。ロシア音楽と少し違う独特な叙情性があって、それが聞きものです。吟遊詩人が弾き語る小型ハープのような弦楽器バンドゥーラや、スラブ人の伝統のバラッド形式の民族歌謡ドゥーマ、あるいはドヴォルザークの作品にもなっているドゥムキーでも有名です。
まずは、フランスのPLAYA SOUNDから出ていた名盤「ウクライナの声」というアルバムから3曲続けてかけたいと思います。ブルガリアン・ヴォイスとも少し似た女声合唱中心の一曲目に始まり、さかまくドニエプル川を描いた最後の曲は、とりわけ感動的な一曲です。タイトルがフランス語訳のみですので、曲名詳細は3曲目しか分りません。

<Ukrainian Voices~ 3分9秒、4分3秒、4分15秒>
Mighty Dnieper roars and bellows - English /Ukrainian/中文 subtitles

別団体だと思いますが、同じ曲がありました。

同じドニエプルの曲を、往年の赤軍合唱団も歌っていますので、次にかけてみます。ここでは「ウクライナの詩」と言うフランス語訳になっていました。こちらもドラマティックな悲愴美溢れる歌唱です。

<赤軍合唱団 / ライヴ・イン・パリ1960 ~ウクライナの詩 5分41秒>

次に日本でもお馴染みのウクライナ生まれの女性歌手・バンドゥーラ奏者、ナターシャ・グジーの歌唱で、有名なウクライナ民謡「バンドゥーラを手にすれば」です。哀愁を帯びたバンドゥーラの響きと、美しい歌声に魅了される一曲です。

<ナターシャ・グジー / セルツェ ~バンドゥーラを手にすれば>
バンドゥーラを手にすれば ナターシャ・グジー


ウクライナは広大なので、地方によって音楽もかなり違いますが、ハンガリーやルーマニアに近い西ウクライナの音楽は、これらの国の伝統音楽にかなり似通っています。フランスのQuintanaから出ていた「カルパチアの伝統音楽」から、結婚式のチャールダッシュのヴァイオリン演奏をどうぞ。演奏者と曲目共にハンガリー語ですが、西ウクライナのブコヴィナ地方での録音のようです。

<カルパチア山脈の伝統音楽 ~En kismadar letemre, Lakodalmi csardasok 1分13秒、4分24秒>

同じく西ウクライナのブコヴィナの音楽ですが、打弦楽器のツィンバロム伴奏で、女性歌手オクサーナ・サヴチュクが歌っている「You are a Green Land, Bukovina」は、タイトル通りブコヴィナ民謡のようです。音階などが東欧系ユダヤのクレズマーにかなり似てきます。この曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Oksana Savchuk and Ivan Kavatsyuk / Pysanka ~You are a Green Land, Bukovina 4分4秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月30日 (木)

Марийские песни(マリの歌)

今日の一本には、1時間を越える映像に、民族衣装の映像とマリ(チェレミス)の民謡や大衆音楽が次々出てきます。音階的に、いかに東洋的か、ちょっと聞けばすぐに分かると思います。しかしバルトークの頃の推測とは異なり、言語的には西シベリアのハンティ・マンシ(それぞれオスチャーク語とボグル語)の方がハンガリーに近いとされていて、マリはモルドヴィン(モルダヴィアやモルドヴァと似ていますが別民族)などと並んでフィンランドのフィン人のルーツ民族の一つと言って良いようです。

Mari songs #2 - Марийские песни - Марий муро (in Mari language)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月29日 (水)

マリ(旧称チェレミス)の民謡

マリと言うと、どうしてもアフリカのマリを思い浮かべる人が多いかと思います。そのため、マリ・エルと正式名称で呼んだ方が間違いないでしょう。99年にロシア語教室に通っていた頃に、ロシアのマリ語の専門の人が知人にいるという同級生がいらっしゃいました。その方の研究がその後どうなったのか、気になるところです。
ハンガリー音楽のルーツを辿ると、まずエキゾチックなジプシー音楽は外れて、東洋的な5音音階の目立つマジャール音楽に行き着きますが、そのまたルーツがチェレミス辺りにあるらしいと中学時代に谷本一之さんのFM放送で聞いたものですから、今でもチェレミスと聞くと、ウラル系民族の中でも特に関心を強く持ってしまいます。バルトークやコダーイが関わっていた訳ですから、世界の民族音楽研究はこの辺りに始まったと言っても過言ではないのでは。
ロシアの映像には、今日のyoutubeのような珍しい動画が目白押しです。音階も人々の風貌も、西洋か東洋か分からないところが、やはり面白さの中心のように思います。

Марийская песня проводов в армию "Пасунажат кодеш" в исполнении ансамбля "Радуница"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月28日 (火)

ヴォルガ中流域のウラル・アルタイ系少数民族

ゼアミdeワールド50回目の放送、日曜夕方に終りました。3月29日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。youtubeには、まず同じ音源はないと思いますので、近いものをまず一本アップしておきます。そもそも、2007年に当ブログを始めたのも、ヴォルガ中流域から北コーカサスにかけての調査が最初のきっかけでしたから、「ウラル・アルタイ」のキーワードでは大分前に色々書いております。先週後半以降、またもやトラブルでほとんどまともにPCを使えない状況でしたが、諸悪の根源のマ◎フィーを遂に卒業し、PC動作は劇的に軽くなりました。
 
今回はロシアの少数民族の音楽を少し聞いてみたいと思います。モスクワから東に1000キロ程行った辺りのヴォルガ河中流域は、ウラル・アルタイ系民族の自治共和国が幾つかありまして、インド・ヨーロッパ語族に属するスラヴ系のロシア人とは全く異なる少数民族が多く住んでいるのは余り知られていないことだと思います。ウラル山脈から東側のシベリアなら容易にイメージ出来ると思いますが、西側のヨーロッパ・ロシア内にもこれらのアジア系などの民族が沢山います。古代の民族大移動やモンゴル帝国の征服の痕跡が今も生々しく残っています。アルタイ系のタタールなどでは、5音音階の東洋的な旋律も多く、中国かモンゴルの音楽と聞き間違えるほどです。ウラル系では、日本の民謡にそっくりな歌もあります。

最初にかけますハンガリーのHungarotonから出ていた「ヴォルガ-カマ地域のフィン・ウゴルとトルコ系諸族の伝統歌」について、何度かこれまでにも出てきました音楽之友社の「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いた拙稿を読み上げてみます。

ヴォルガ中流域やウラルはもはやヨーロッパではなくアジアである。アルタイ語族のトルコ系や、ウラル語族のフィン・ウゴル系の言葉を話す少数民族が沢山いる地域だが、これは1958~79年にコダーイの弟子であるLaszlo VikarとGabor Bereczkiの2人のハンガリー人研究者によってタタールやマリ、チュヴァシ、ウドムルトの各自治共和国で収集された録音集。
Votyak,Cheremis,Chuvash,Tatarの諸族の民謡や踊りの曲等。さすがマジャール民謡のルーツをこの地に探ったバルトークの頃からの伝統で、録音も良いのでこの地域に興味を持つ人には貴重な資料になるだろう。住民の服装はロシア風ながら、節はマジャールに近い。日本人からも遠くない印象を受ける東洋風な歌も多い。

非常に興味深いエリアですが、音楽的にはかなり地味でもありますので、この放送ではごくごくかいつまんで取り上げることにします。まずは、ハンガリーやフィンランド、エストニアなどのルーツに当るウラル系民族のエリアから始めます。
ハンガリーの民族的ルーツを辿るとヴォルガ中流域のチェレミス(現在はマリ共和国)や西シベリアのハンティ・マンシに当るとされますが、チェレミスの民謡で結婚式の歌を2曲続けてどうぞ。

<チェレミスの結婚式の歌 2分27秒、34秒>
Ансамбль народной песни «Эренер» отметил 20-летний юбилей - Вести Марий Эл

同じ曲ではありませんが、マリ・エル(チェレミス)の民謡の現在を垣間見れる一本。

次に現在はウドムルトと呼ばれているヴォチャークの民謡ですが、イースターの歌をどうぞ。

<ヴォチャークのイースターの歌 1分3秒>

同じ盤から、アルタイ系になりますが、チュヴァシのパンケーキ・デイの歌をどうぞ。パンケーキ・デイとは、四旬節の初日である灰の水曜日の前日の火曜だそうです。

<チュヴァシのパンケーキ・デイの歌 1分9秒>

同じ盤から、やはりアルタイ系ですが、タタールのティン・ホイッスルと、クライと呼ばれる倍音豊かな縦笛の吹奏を2曲続けてかけてみます。東洋的な旋律で、民謡の尺八に似て聞こえます。

<タタールのティン・ホイッスルとクライ 1分43秒、2分1秒>

続いて、オランダのレーベルPanから出ていたMother Volgaにもヴォルガ・フィン語派の音源がありますので、その中から再度チェレミス(マリ)の民謡でAn old slow songと言う女性の重唱をどうぞ。アコーディオンと打楽器の伴奏で歌われています。この辺の人々の風貌共々、やはり東洋か西洋か、判別の難しい音楽です。

<Mother Volga - Music of the Volga Ugrians ~An old slow song 3分37秒>

同じMother Volgaにはアルタイ系のチュヴァシの音源も入っておりまして、その中からグースリ独奏で「古いマーチ」と言う曲をどうぞ。グースリは一般にはロシアの伝統楽器として知られるツィター系弦楽器です。この曲はアルタイ~トルコ的な感じは全くしない曲です。

<Mother Volga - Music of the Volga Ugrians ~An old march 2分50秒>

同じくチュヴァシのグースリ演奏ですが、次の結婚式の曲では対照的にアルタイ~トルコ的な感じが強く感じられます。この旋律はどこかで聞いたことがありますが、思い出せません。何か懐かしい感じのメロディです。歌入りヴァージョンと続けてどうぞ。

<Mother Volga - Music of the Volga Ugrians ~Lyrical Wedding Melody, Lyrical Wedding Song 2分5秒、1分32秒>

では、最後にアルタイ系のタタールスタンの女性歌手F.スレイマノヴァの独唱を聞きながら今回はお別れです。露Melodiyaから最近出たヴォルガ・タタールの民謡2枚組の冒頭を飾る東洋的な美しい旋律です。タイトルのSahralardaは、英訳ではIn the fieldsとありました。スレイマノヴァの名前の通りでタタールではイスラム教徒が多く、一方それ以外のアルタイ系とウラル系ではキリスト教徒が多いようです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Folk Songs of Volga Tatars ~F.Suleymanova / Sahralarda(In the fields) >

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

J.S.バッハ New Wave-Indies アイヌ アメリカ アラブ アラブ・マグレブ アルゼンチン イギリス イスラエル イスラム教 イタリア イディッシュ イラン地方音楽 インディアン、インディオ インド インドネシア インド音楽 ウイグル ウラル・アルタイ エジプト エチオピア オペラ オーストラリア オーストリア キリスト教 ギリシア クルド クレズマー ケルト コンサート情報 コーカサス (カフカス) サハラ シベリア シャンソン ジャズ スイス スペイン スポーツ スーダン セファルディー ゼアミdeワールド チェロ チベット トルコ音楽 ドイツ ナイル・サハラ ナツメロ ニュース ハシディック ハンガリー バルカン バルト語派 バロック パキスタン ビザンツ音楽 フランス フランス近代 ブラジル ペルシア音楽 ペルシア音楽 トンバク ユダヤ ユダヤ音楽 ライブ情報 ルーマニア レビュー ロシア ロシア・マイナー ロマン派 ヴァイオリン 中南米 中国 中央アジア 仏教 仏教音楽 北アジア 北コーカサス(カフカス) 北欧 南アジア 南インド古典音楽 古楽 地中海 室内楽 弦楽合奏 弦楽四重奏 後期ロマン派 文化・芸術 新ウィーン楽派 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 東アフリカ 東南アジア 東方教会 東欧 歌謡曲・演歌 民謡 沖縄 独墺 猫・犬 現代音楽 童謡、わらべうた 筝曲 純邦楽 西アフリカ 西スラヴ 韓国